オトニッチ

ニッチな音楽情報と捻くれて共感されない音楽コラムと音楽エッセイ

コラム・エッセイ

アーティストや音楽に関連する偏った思想のコラムです。

酸欠少女さユりに自分はなぜ惹かれたのか

自分は『ミカヅキ』という曲がきっかけでさユりの存在を知った。リリース当初にラジオでよく流れていたのだ。それを聴いて「どうも耳からはなれないな」という感覚になって、活動を追うようになった。 メディアでの紹介方法も独特だったから、印象に残った部…

呪術廻戦がフジファブリック『CHRONICLE』をオマージュしたことについて想ったこと

※『呪術廻戦』のネタバレがあります。『呪術廻戦』がフジファブリックのオマージュしたことを好意的に受け取っている人を、不快にさせる可能性がある文章です。お気をつけください。 『ぼっち・ざ・ろっく!』の扉絵で『若者のすべて』のMVのワンシーンがオ…

フジファブリックの活動休止について想うこと

2022年2月10日に行われたフジファブリックのライブで、山内総一郎はアンコールで涙を流していた。当時ソロ名義で出す予定となっていた『白』という曲を歌った時だ。 歌う前に「大切な友人であり、バンドメンバーであり、僕らを導いてくれた人について歌った…

ライブのセットリストやMCを記憶する方法について

ライブを不正に録音しているのではと疑われた。 「MCまでも詳細にライブレポを書けるのは録音しているとしか思えない」といった趣旨のメールが、ブログの問い合わせフォームを経由して送られて来たのだ。 自分は趣味で参加した音楽ライブのレポートを日記感…

赤い公園『Canvas』を卒業する若者に聴いて欲しい理由

津野米咲は美しい人だ。 美しさには様々な種類があるし、様々な美しさを同時に持っている人もいる。津野も様々な美しさを持っているが、自分はその中でも彼女は特に“ソングライターとしての美しさ”が際立っている思う。 彼女の綴る歌詞は、表現が小粋なのだ…

チバユウスケが死んだ

チバユウスケが死んだ。 仕事の昼休憩、SNSを開いたらオリコンニュースの「チバユウスケさん死去」という文字が目に飛び込んできた。リンクに飛んで内容を読んだが、状況をすぐに理解はできなかった。 ステージではとんでもない迫力の声で歌っていたし、癌が太…

ジャニー喜多川の性加害問題とそれを取り巻く事務所の対応や世間の反応に嫌悪感を覚えることについて

※この記事は2023年9月11日に書いたもので、当時の情報を元に、当時感じたことを書いています。 ジャニーズ事務所所属タレントが企業CMに使われなくなることは、当然のことだとは思う。 「タレントに罪は無い」ことは間違いないが、タレント自身と企業とで取…

ELLEGARDENを特別扱いすることを止めたい

2018年2月24日。新木場スタジオコーストでYOSHI ROCK FESTIVALというライブイベントが開催された。 そのイベントに細美武士がソロ名義の弾き語りで出演していた。TOSHI-LOWも出演していたので当然ながら一緒にステージに立ち、ずっとイチャついていたことを…

MONGOL800『himeyuri ~ひめゆりの詩~』のような戦争を知らない世代が反戦歌を歌う意味はあるのか?

小学生の頃に「戦争の体験を身近なお年寄りに聞いてレポートを書こう」という宿題があった。令和の今では有り得ない宿題かもしれないが、アラサーの自分の世代は、親戚に第二次世界大戦の体験者が何人かいることが普通だった。 自分の祖父母は第二次世界大戦…

若いバンドをディスる老害オッサンが多い

最初に説明しておきたいことがある。「若いバンドをディスる老害オッサンが多い」という、この記事のタイトルについてだ。 これは自分の言葉ではない。職場の同僚が話していた言葉である。 その同僚は現在40代半ば。20代の頃は音楽活動をしていた元バンドマ…

別のバンドのTシャツを着てライブへ行くことはダメなのか? 別の音楽フェスのTシャツを着てフェスへ参加してはダメなのか?

2011年のROCK IN JAPAN FESTIVAで、自分の前に立っていた男性がRISING SUN ROCK FESTIVAL 2010のTシャツを着ていた。あれはGRASS STAGEでASIAN KUNG-FU GENERATIONの出番を待っていた時だ。 Tシャツの背中にフェスの全出演者が書かれていて、それをライブが…

連番相手が決まっていないのにチケットを2枚取ることは絶対に止めるべき

「連番相手が決まっていないのにチケットを2枚取ってもいいのか?」ということへの賛否について、時折Twitterで話題になる。どうやら一緒に行く相手がいないのに複数枚チケットを取って、チケット当選後にSNSを使って連番相手を探す人がいるようなのだ。 と…

子どもをライブや音楽フェスへ連れて行くことについて想うこと

お父さんやお母さんに連れてこられたチビッ子は、ライブを観ても何がなんだかわからないかもしれない。 でも、大人になった時、子どもの頃[Alexandros]のライブを観たことを自慢に思える日が来るよ。そして君のお父さんやお母さんが[Alexandros]を見せてくれ…

「モッシュ・ダイブ禁止」のルールは守るべきなのか?

約15年ほど前。自分は初めて銀杏BOYZをライブハウスで観た。凄まじいライブだった。バンドの演奏やパフォーマンスも衝撃的だったのだが、それと同じぐらいフロアの雰囲気にも驚いた。 バンドが登場し、爆音で音を鳴らした瞬間、それまで大人しかった観客の目…

藤原基央のために裏拍の手拍子を練習をしよう

日本のライブにおける観客の手拍子は、表拍で叩かれることが多い。 演歌や民謡や童謡など日本の文化が色濃く出た音楽は、表拍でリズムを取った方が自然である。そんな文化やしきたりが日本人には染み付いているのかもしれない。それは悪いことでもないし日本…

マリウス葉のSexyZone卒業について想うこと

ここ数年のSexyZoneは、ハイクオリティな楽曲が増えている。それがSexyZoneやジャニーズに詳しくない音楽ファンにも広がり、気づけば音楽評論家や音楽ライターにも注目されるようになった。 キャリアを重ねメンバーのスキルが上がったことで、難しい楽曲や表…

ナンバーガールの解散を自分は求めていた

俺が昔、CIBICCOさんだった頃、ナンバーガールは水色だった。テレビと小学校の授業で扱われる音楽が全てと思っていた自分は、現役バリバリのバリヤバなナンバーガールに出会うことができなかった。 俺が昔、水色だった頃、ナンバーガールは透明だった。なぜ…

歌わないし踊らないしライブに出ないアイドルがいても良いはず

日向坂46の影山優佳が心配である。今月行われるライブに欠席することが、彼女のブログで発表されたからだ。 小さい頃から耳の感覚が鋭く、大きい音に苦手意識があったのですが、1年ほど前からライブで苦しさを感じることやその程度が大きくなっていました。…

関ジャニ∞『18祭』を観て感じたモヤモヤについて

7月。自分はSexy Zoneのライブを観た。ものすごく良いライブだった。 これまでも過去に2回、セクゾのライブは観ていたが、観る都度にパフォーマンスも演出も進化している。日本屈指のエンターテインメントのステージだとも思う。 それはSexy Zoneに限らない…

赤ちゃんはエルレ、バンプ、アジカンを聴くと泣き止む

新生児の我が子が泣き止まない。ひたすらに泣き続ける。 反町隆史『POISON~言いたいことも言えないこんな世の中は~』を聴かせると泣き止むと言われているが、我が子には効き目がなかった。反町隆史と反りが合わないようだ。 しかしそんな我が子が泣き止む…

ロックバンドはアイドルに勝てない?

ロックの世界でずっと生きてきたバンドマンが、アイドルへ敗北宣言をしたことに驚いた。 THE COLLECTORSの加藤ひさしと古市コータローのインタビューでのことだ。加藤は乃木坂46『君の名は希望』について、このように語っていた。 君の名は希望乃木坂46J-Pop…

スピッツの歌詞には作り手の人間性が滲み出ている

草野マサムネは、時折、ふわふわした歌詞を書く。綴る言葉も表現方法も、ふわふわしていて掴みどころがない。どっちつかずな内容もある。 例えば『チェリー』の〈ズルしても真面目にも生きていける気がしたよ〉というフレーズ。ここに辿り着くまでの歌詞の文…

日向坂46とココイチのキャンペーンで車輪が軋むように泣いたファンがいる

急にココイチ食べたくなったんだ。美味くて辛い名古屋生まれ。タワレコみたいな黄色い模様の飲食店。 それはナゼーかと言うと、日向坂46がコラボレーションをしたからだ。特定のメニューを注文すると、メンバーの写真とサインが印刷されたコースターがもらえ…

サンプリングを止めたCreepy Nutsと、サンプリングを大胆に取り入れた米津玄師について

2020年。Creepy Nutsは『かつて天才だった俺たちへ』というEPをリリースした。この作品以降、彼らの創る音楽が、少し変わったように思う。 おそらく楽曲の制作方法を変えたからだろう。このEP以降、彼らは「サンプリング」をほとんど行わずに楽曲を制作して…

小沢健二『天使たちのシーン』にモヤモヤしていた理由について

好きな歌なのに「聴いていてモヤモヤするなあ」と思うことが、時折ある。それは歌詞の内容が自分にしっくりこない時だ。 例えば小沢健二『天使たちのシーン』が、それに当てはまる。 もちろん名曲だとは思う。13分30秒もある聴きごたえのある楽曲で、聴く都度…

Sexy Zone菊池風磨を「全裸ドッキリ」に仕掛けることは間違っている

先日放送された『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』で、菊池風磨がドッキリを仕掛けられていた。P&Gの洗濯洗剤「ボールド」のテレビCMとのコラボするという、豪華なドッキリ企画だ。 内容はCM撮影をしていると思い込んでいる菊池に水に濡れると溶ける素材…

関ジャニ∞『18祭』日産スタジアム公演の感想を今更になって書く理由

関ジャニ∞のライブを、7月に初めて観た。 7万人以上集客できる日産スタジアムで行われた公演で、彼らにとって過去最大規模のワンマンだったらしい。会場の大きさに負けないファンの熱量と、それに応える関ジャニ∞のスター性ある立ち振る舞いに痺れた。たった…

フジファブリック『茜色の夕日』は「夏の終わりの名曲」なのに超絶過小評価されている

「フジファブリック」という言葉を、夏の季語にしたい。 そう思うほどに、8月の後半あたりから様々な場所で『若者のすべて』を耳にすることが多い。もしかしたらここ数年の中では、夏の終わりにラジオで最も流された楽曲かもしれない。それぐらい耳にする機…

ELLEGARDENのチケット代の安さを批判する理由がわからない

ELLEGARDENが16年振りの新曲をリリースし、ワンマンツアーの開催を発表した。 活動再開から4年経ったものの、活動ペースは遅くバンドの稼働率は低かった。それがようやくここから本格始動する予感がする。ひっそりとユニバーサルミュージックが関わるように…

日向坂46の宮田愛萌の卒業について想うこと

メディアでは宮田愛萌を「ぶりっ子キャラ」と評することが多いが、自分はそれに疑問を抱く時がある。 実際にテレビのバラエティではあざとい表情や動きでアピールしたり、音楽番組やライブでもカメラに抜かれれば確実にあざとい表情で釣ってくる。だから「ぶり…