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【ライブレポ・セットリスト】私立恵比寿中学 FC会員限定イベント『エビ中会員限定ファン感謝デー2021』第一部@パシフィコ横浜 国立大ホール 2021.2.21

エビ中会員限定ファン感謝デー2021

 

私立恵比寿中学にとって2021年最初のライブは、ファンクラブ会員限定のライブだった。

 

去年は生バンドを従えたライブを6本行っていたエビ中。凄腕のバンドを従えても負けない歌唱力とパフォーマンスで、さらにグループとしてのレベルが1段階上がったように思う。

 

そんなエビ中が2021年最初のライブで、どのようなパフォーマンスをするのだろうか。期待が高まる。

 

ライブのタイトルは『エビ中会員限定ファン感謝デー2021』。

 

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どのような形で感謝を表現してくれるのだろうか。ファンに人気の曲を集めたセットリストだろうか。期待が高まる。

 

しかし、予想していた内容とは、違った。思っていた感謝の形とは、少しだけ違った。

 

「ファンクラブに入るほどのコアなファンならば、いつも以上にやりたい放題やっても許してくれるし楽しんでくれるはず!そんな心の広いファンの気持ちに感謝です!」という意味での感謝だった。

 

カオスでシュールで、これぞ「キングオブ学芸会」といったライブ。もしもエビ中のライブを初めて観る人がいたとしたら、驚いて苦笑いするかもしれない内容。

 

しかしコアなファンにとっては最高と思えるようなヤバいライブだった。

 

前半

 

そもそも開演した瞬間から、いつもと雰囲気は違った。普段は行わない真山りかのナレーションが始まったのだ。

 

「レディースエンドジェントルマン!今日は特別な時間をみんなと過ごせることを楽しみにしているよ。え?今日はいつもと違う雰囲気だって?その理由もすぐにわかるさ」

 

嫌な予感がした。それと同時に少しだけワクワクした。中学生みたいな悪ふざけを、久々にやってくれるのではと思い震えた。

 

すぐにライブ開始時の定番SEである『ebiture』 が流れる。しかしこちらもいつもと違って変だ。いつもなら甲高い声の可愛らしい歌声が流れるはずなのに、低い声でクールに歌われている。

 

客席全体が動揺していた。感染症対策で声を出せないことも相待ってシュールな空気になる。

 

登場したメンバーの衣装やヘアメイクもいつもと違う。タキシードでキリッとしたヘアメイク。男装をしているのだ。スカートが多くキュートな髪型やメイクが多い、普段音エビ中の姿とは違う。

 

さらに驚き動揺する客席。しかしメンバーの登場には喜び興奮している。様々な感情がごちゃ混ぜになった雰囲気。しかしそんな空気感など気にしていないようだ。何事もないようにライブが始まる。

 

1曲目は小林歌穂のセリフから始まる『大漁恵比寿節』。

 

大漁恵比寿節

大漁恵比寿節

  • 私立恵比寿中学
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

タキシード姿でしなやかに踊りながら〈ヤーレンソーラン〉〈エンヤコーラ!〉〈あーどっこい!〉〈そいや!そーれそーれ!〉と歌うメンバー。ダンスも歌声も素晴らしいのにシュール。

 

そして『イート・ザ・大目玉』『春休みモラトリアム中学生』とロックナンバーを続ける。

 

イート・ザ・大目玉

イート・ザ・大目玉

  • 私立恵比寿中学
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

少しずつシュールがクールに変化していくステージ。パフォーマンスに関しては隙がないので、ファンも最初のシュールさなど忘れて盛り上がる。

 

ファンクラブ限定ライブということで、意外な選曲や滅多にライブでやらない曲も披露された。

 

前半で特に驚いたのはSMAP『SHAKE!』のカバーだ。この曲はメンバーの男装姿とも相性が良い。

 

ただカラオケをするように歌うわけではなく、見事に自分たちのものとして歌いこなし、華麗なダンスで魅せる。この曲を披露するための衣装だと思ってしまうほどだ。

 

そして2年以上ライブで披露されていなかった『いつかのメイドインジャピャ〜ン』をパフォーマンス。衣装の影響もあってかシャウトする柏木ひなたや中山莉子の歌声が、いつにも増してカッコよく聴こえる。

 

いつかのメイドインジャピャ〜ン/くっつきブンブン

いつかのメイドインジャピャ〜ン/くっつきブンブン

  • 私立恵比寿中学
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

シュールな雰囲気は吹き飛び、いつもとは違う魅力を感じる新鮮なライブになっていたが、パフォーマンス以外の場面では再びシュールな雰囲気に戻ってしまう。

 

MCでは「以前から男装をやりたいと思っていた」と語り、メンバーが各々のカッコイイと思うポーズ(少しダサかった)をやって、会場がざわつき不思議な空気になった。

 

そして「カッコ良すぎてスベらなかった話」というシュールなテーマでトークするコーナーが始まったのだ。

 

メンバーの名前が書かれた大きなサイコロを振って、名前が出たメンバーがテーマに沿ったトークをするという内容。

 

サイコロで名前が出た星名美怜は「表参道駅で階段を登るのが大変そうな子連れのお母さんの荷物を持ってあげたら、たべっ子どうぶつを貰って嬉しかった」という話をした。

 

中山莉子はバトントワリング教室に行っていた時の話をしている。「先生にわからないことがあれば聞けといわれてのに、風邪を引いて休んだことがあってわからなくなった部分があったので、それを先生に聞いたら怒られた」という内容だ。

 

どこがカッコよすぎたのか、自分にはよくわからなかった。

 

ライブパフォーマンスはクールなのに、トークはシュール。それもエビ中の魅力ではあるが、再び不思議な空気で会場が満たされる。

 

しかし彼女たちはトークによって雰囲気を一瞬で変えてしまうように、パフォーマンスでも一瞬で空気を変えてしまう。一瞬で音楽によってファンを魅了してしまう。

 

R&Bナンバーの『I'll be here』と繊細な音色と編曲が印象的な『トレンディガール』をクールに歌い踊る。落ち着いていて魅せる楽曲だと、スーツの男装姿が映える。いつもとは違うカッコよさと色気がある。

 

I’ll be here (Prod. iri)

I’ll be here (Prod. iri)

  • 私立恵比寿中学
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

エビ中の凄いところは衣装によっても楽曲の雰囲気が変わることと、衣装によってメンバーの表情や声色にも変化があることだ。タキシード姿のメンバーはクールな表情でキメながらしなやかに踊り歌っていた。

 

特にこの2曲はこの衣装だからこその新しい魅力が引き出されていた。

 

そして「今のエビ中のテーマソングで1番の勝負曲」と言っても過言ではない『ジャンプ』をパフォーマンス。

 

ジャンプ (Prod. 石崎ひゅーい)

ジャンプ (Prod. 石崎ひゅーい)

  • 私立恵比寿中学
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

エモーショナルなパフォーマンスに圧倒される客席。彼女たちの心臓のドラマを感じて震えた。

 

そして、『ジャンプ』を披露してすぐにまたシュールな雰囲気になってしまったので、そのカオスさに、違う意味で震えた。

 

 

後半

 

メンバーがステージ袖に去っていき、転換VTRが始まった。

 

それと同時に少しだけワクワクした。中学生みたいな悪ふざけをやってくれるのではと思い震えた。

 

『夜の口パクヒット中学校』というタイトルのVTR。メンバーが著名歌手のコスプレとモノマネをして、口パクで歌ったフリをするという内容だ。

 

星名美怜→森高千里『17歳』
真山りか→MISIA『Everything』
柏木ひなた→美川憲一『さそり座の女』
中山莉子→吉幾三『俺ら東京さ行くだ』
小林歌穂→松平健『マツケンサンバⅡ』

 

シュールな口パク歌唱を終えるとメンバーが一言だけコメントをし、司会者(マネージャー)も一言感想を述べることの繰り返し。

 

シュールなユーモアがクセになる映像だが、感染症対策を徹底しているので客席からは声を出せない。そのため笑い声も小さい。その空気感がシュール。

 

星名はMCで「あの映像は自信作」と言っていたが、それを聞いた客席はざわついていた。

 

シュールな空気で包まれた会場に衣装チェンジしたメンバーが再登場し後半がスタート。今度はウィッグをつけてロリータメイクをして、ロリータ服を着た可愛らしい姿。

 

前半とは真逆の方向性だ。メンバーによると「前半は男祭りで後半は女祭り」らしい。ロリータ姿はかわいさが爆発して破壊力が凄い。破壊力が凄い。

 

ロリータファッションでの1曲目は『大好きだよ』。可愛らしくて甘々な編曲と歌詞が印象的な楽曲。ロリータファッションと相性バツグンで破壊力が凄い。破壊力が凄い。

 

大好きだよ

大好きだよ

  • 私立恵比寿中学
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

メンバーも少しだけ声色を可愛らしくブリブリな感じで歌う。破壊力が凄い。特に小林歌穂のブリブリが凄くて破壊力が凄い。

 

ここでのブリブリはうんこのことではない。浜町を過ぎた先にあるのもうんこではない。

 

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そして『誘惑したいや』と可愛らしい歌詞の曲を続ける。ロリータなエビ中に誘惑される客席。破壊力が凄い。

 

『ちがうの』『スウィーテスト・多忙』とミドルテンポの曲を、いつもよりも甘々な歌唱で届ける。やはりロリータファッションは破壊力が凄い。

 

ちがうの (Prod. ビッケブランカ)

ちがうの (Prod. ビッケブランカ)

  • 私立恵比寿中学
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

MCもファッションに合わせてぶりっ子キャラで声を高くして喋るメンバー。「1度は着てみたかった」と喜んでいたので、メンバーの希望もあってのロリータファッションなのかもしれない。ありがとう。良いロリータです。

 

ロリータに合わせてぶりっ子なMCをしようと努めていたが、ぶりっ子なワードは「キュンです」と「ぴえん🥺」しか思い浮かばないらしい。無駄にこの2ワードを繰り返すメンバー。それがシュールでキュート。破壊力が凄くてぴえん。

 

そして再びシュールな空気になる。「可愛すぎてスベらなかった話」のコーナーが始まったのだ。前半と同様にサイコロで名前が出たメンバーが、今度は自身のかわいすぎるエピソードトークをするという。

 

中山は「腹筋ローラーができなくて倒れた」といえ話をして、真山が「可愛らしいファッションに憧れて着ていたけど似合わないと思い止めた。でも当時履いていた可愛い靴はタンスを開けたら見える場所にしまっている」という話をしていた。

 

トークの内容が可愛らしいかは疑問だが、ロリータファッションは破壊力が凄い。

 

「可愛いエビ中を観てwwwイヒヒwwwドキドキキュンキュンしてwwwブハwwwくださいwww」

 

ぶりっ子になりきれずに笑ってしまった真山の言葉からライブが再開。ロリータの破壊力に、メンバー自らもやられてしまうのだろう。

 

次の曲はNiziU『Make You Happy』のカバー。これも破壊力が凄かった。ファッション以外にも破壊力が凄い部分があるライブなのだ。

 

エビ中にはないタイプの楽曲だが、歌もラップもダンスも自分たちのモノにしてしまっている。その意外なベストマッチは破壊力が凄かった。

 

しかもロリータファッションでそれを披露するのだ。破壊力が凄い。

 

間髪入れずに続いた『PANDORA』も破壊力がバツグンだ。

 

PANDORA (Prod. PABLO)

PANDORA (Prod. PABLO)

  • 私立恵比寿中学
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  • ¥255
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甘々なロリータ姿のメンバーが攻撃的なラウドロックを歌う。そのギャップとパフォーマンスの凄さに痺れてしまう。破壊力が凄い。

 

最後の曲は『23回目のサマーナイト』。現在のエビ中にとっての最新曲。大人っぽい内容と少女っぽい可愛らしい歌詞が組み合わさった楽曲。

 

23回目のサマーナイト

23回目のサマーナイト

  • 私立恵比寿中学
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

大人になったエビ中だからこそ歌える曲でもあり、アイドルであるエビ中だから歌える曲でもある。そしてキャリアを重ねてハイレベルなパフォーマンスができるようになったエビ中だから歌いこなせる曲でもある。

 

しかもロリータファッションでそれを披露するのだ。破壊力が凄い。

 

 おふざけが多い「キングオブ学芸会」ではあるが、しっかりと今のエビ中の魅力を伝えてくれるライブだった。『ファン感謝デー』というタイトルのライブではあるが、むしろこちらから「楽しませてくれてありがとう」と感謝したくなるライブだ。

 

 

しかしエビ中はファンに感謝をどうしても伝えたいのだろう。ライブ後には「粗末な写真」をお土産にプレゼントするという。

 

彼女たちも運営も謙虚だから、卑下して「粗末」なんて言葉をつけているのだと思う。エビ中の写真に粗末なものなどない。

 

そう思いながら「粗末な写真」を受け取り、袋から取り出した。 

 

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 粗末だった。

 

これはこれで味わい深い良い写真ではある。しかしロリータなエビ中の写真が欲しかった。ロリータ姿は破壊力が凄かった。本当に破壊力が凄かった。凄かった。

 

この写真も別の意味で、破壊力は凄いけれども。

 

私立恵比寿中学 FC会員限定イベント『エビ中会員限定ファン感謝デー2021』@パシフィコ横浜 国立大ホール
■セットリスト

1.大漁恵比寿節
2.イート・ザ・大目玉
3.春休みモラトリアム中学生
4.SHAKE! ※SMAPのカバー
5.いつかのメイドインジャピャ〜ン
6.靴紐とファンファーレ(第一部) / 日進月歩(第二部)
7.I'll be here
8.トレンディガール
9.ジャンプ
10.大好きだよ
11.誘惑したいや
12.ちがうの(第一部) / 明日もきっと70点(第二部)
13.スウィーテスト・多忙(第一部) / フレフレサイリウム(第二部)
14.Make You Happy ※NiziUのカバー
15.PANDORA
16.オメカシ・フィーバー
17.23回目のサマーナイト

 

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