オトニッチ

ニッチな音楽情報と捻くれて共感されない音楽コラムと音楽エッセイ

【ライブレポ・セットリスト】私立恵比寿中学 2MAN LIVE『放課後ロッケンロール -HYPER-』VS 礼賛 at Zepp Haneda 2023年9月5日(火)

f:id:houroukamome121:20230910054111j:image

 

私立恵比寿中学は2022年に、デビュー10周年を記念して『放課後ロッケンロール』という2マンライブツアーを行った。

 

同業のアイドルだけでなく、バンドやシンガーなどジャンルレスで「エビ中と相性が良さそうアーティスト」を揃えた対バンツアーだったと思う。

 

それが好評だったのか、2023年も引き続き開催された。今回はZepp Hanedaでの2デイズ。対バン相手は初日が梅田サイファーで、2日目が礼賛。まさかの両日ヒップホップだ。

 

悪そうな奴とだいたい友達になれない人見知りな私立中学生アイドルが選ぶ対バン相手としては、意外で変わった組み合わせに思うかもしれない。

 

だが箱を開けてみれば、意外なほどに相性の良い最高の対バンだった。

 

礼賛

 

前説で出てきた星名美怜と小久保柚乃の「前回の対バンツアーはゴールデンボンバーとやった時が印象的で、ダルビッシュさんのお尻が綺麗だった」というトークの後に呼び込まれた礼賛。観客の頭の中に綺麗なお尻の映像が浮かび上がる中で呼び込まれたのだから、少々ステージにでにくかったかもしれない。

 

だがそんな心配は無用のようだ。エビ中のサインが書かれたうちわを持ってドラムのGOTOが登場すると、テクニカルな演奏でドラムソロを打ち鳴らす。会場のほとんどはエビ中ファミリーだったし、礼賛を初めて観る人ばかりだったと思う。それでも一瞬で観客を沸かせ、歓声を巻き起こしている。

 

休日課長も登場し「エビ中!」と叫びスラップ奏法を披露し観客を沸かせ、そこから順番に他のメンバーも登場し音を重ねることで、ハイレベルなジャムセッションが繰り広げられていく。曲が演奏する前から観客の心をグッと掴んでしまった。

 

サーヤも登場し「エビ中の前に仕上がって起きましょう!」という煽りから『NO SWEAT』からライブがスタート。

 

演奏はやはりハイレベル。それでいてサーヤのボーカルも良い。音源以上に声に存在感があるし歌も上手い。このバンドはお笑い芸人が企画でやっているわけでもなく、他にメインの活動があるバンドマンが遊びでやっているわけでもなく、本気でやっているバンドなのだと実感し痺れる。

 

「私はエビ中の箱推しです!」と言うサーヤ。エビ中ファミリーの好感度を上げてからの『愚弄』では、観客が腕を上げて踊っていたりと盛り上がりも加速していく。川谷のギターリフから始まりサーヤのキレッキレなラップが炸裂した『橋は焼かれた』も、めちゃくちゃカッコいい。

 

観客「サーヤ!」

サーヤ「はい。なんでしょう?」

観客「ありがとーーーー!」

サーヤ「はい。どういたしまして」

 

あまりの名演に感謝を伝える観客。サーヤは軽く受け流す。

 

「次の曲は撮影してくれたら嬉しいです。ピンクのペンライトを持っていたら光らせてください。ピンクが似合うスケベな曲なので」と伝えるサーヤ。間接的に星名美怜をスケベと言ってはいないかと心配になる。

 

演奏されたのは『スケベなだけで金がない』。スケベな観客が多いのだろう。、礼賛のステージではこの楽曲が最も盛り上がっていた。「スケベなだけで金がない」「お金はあるのにスケベができない」というコールアンドレスポンスも完璧だ。エビ中ファミリーがスケベの集まりであることがバレてしまった。

 

そんな盛り上がりの後に『Parasite』でクールな一面をみせるのも良い。先ほどまでのスケベな空気はガラッと変わった。

 

「エビ中のファンは声量が違う。素晴らしいですね」とスケベなエビ中ファミリーを絶賛するサーヤ。予想以上の盛り上がりに喜んでいるようだ。

 

サーヤ「ここに川谷絵音がいますよ!」

川谷絵音「え......。なんですか......?」

サーヤ「喋ることはないんですか!?」

川谷絵音「エビ中には楽曲提供させてもらったり交流があって、課長はエビ中のドラマにも出ていました」

休日課長「エビ中大好き!!!」

サーヤ「犯罪の臭いがしますね」

休日課長「純粋な想いの大好きですよ♡」

サーヤ「純粋な愛なんですね。ならいいでしょう」

 

エビ中との交流を語る川谷絵音と休日課長だったが、サーヤに課長がディスられていた。

 

サーヤ「エビ中にサイン入りのうちわをもらいました欲しい人はいますか!!!」

エビ中ファミリー「はーーーい!!!」

サーヤ「あっげっまっしぇーーん!!!」

エビ中ファミリー「えええ!」「よこせ!」「ふざけんな!」

サーヤ「はい。ブーイングを浴びたのでマイナスからのスタートです。バンドのみなさん、取り返してください」

 

せっかくエビ中ファミリーの心を掴むライブをやっていたのに、ブーイングを浴びてしまう礼賛。自身の責任なのにバンドに責任をなすりつけるサーヤ。

 

だが疾走感ある演奏の新曲『むち』で再び盛り上げ、ジャムセッションから流れるように始まった『TRUMAN』で再び観客の心をつかむ。観客はエビ中のサイン入りうちわを貰えずとも、良い音楽があれば喜ぶのだ。

 

妖艶な雰囲気漂う『Mine』で観客を酔わせ、えつこの美しいピアノの旋律から始まる『バイバイ』で心地よい余韻を残す。大団円な空気感だったのでこれでライブ終了かと思いきや、まだ演奏曲が残っているようだ。

 

サーヤ「最後の曲になりました」

観客「えええええええ!!!」

サーヤ「嘘つけ!本当はエビ中を観たいんだろ??」

観客「wwwwww」

 

図星を突かれて笑うしかないエビ中ファミリー。

 

最後に演奏されたのは『熱帯夜』。RIP SLYMEの名曲のカバーだ。エビ中を早く観たい気持ちをわすれて、まさかのカバーに喜び騒ぐエビ中ファミリー。途中で川谷もハンドマイクになり煽りながら歌ったりと、客席も熱帯夜かと思うほどに熱く盛り上がっている。

 

スケベなエビ中ファミリーのボルテージを一気に最高潮にし、礼賛はエビ中にバトンを渡した。

 

■セットリスト

1.NO SWEAT
2.愚弄
3.橋は焼かれた
4.スケベなだけで金がない
5.Parasite
6.むち
7.TRUMAN
8.Mine
9.バイバイ
10.熱帯夜  ※RIP SLYME のカバー

 

私立恵比寿中学

 

SEの『ebiture』が流れるとメンバーがまだステージに登場していないのに、観客の大歓声やコールが鳴り響く。

 

そういえばコロナ禍になってから声出しが許可されたエビ中のライブを、自分は初めて観る。懐かしさと新鮮さを感じつつ、自然とテンションが上がっていった。

 

1曲目は『トレンディガール』。ミドルテンポの落ち着いた楽曲だ。真山りかの喉は本調子ではなさそうだったが、それでも9人の魅せるパフォーマンスしっかりと観客を魅了し、じっくりと会場の空気を作っていく。

 

この楽曲は川谷絵音の提供曲だから選曲されたのだろう。今回のライブは俺の中山莉子がコロナ感染で休んでいるが、それでも9名のパフォーマンスは迫力がある。現体制のエビ中を自分は初めて観たが、メンバーが増えたことで迫力が増したことはと感じた。これは新メンバー加入によって進化した部分だろう。

 

『ハイタテキ』では明るくも熱いパフォーマンスを繰り広げ、観客のボルテージは一気に最高潮に。俺の中山莉子が休んでいたので「惚れた!」という台詞パートは風見和香が代わりに言っていたが、こられもなかなかに良くて惚れた。

 

安本彩花「今日は最近やらなかった曲を中心に...」

観客「おおおおおおおー!!!」

星名美怜「やるかもしれないし、やらないかもしれない」

観客「www」

 

観客の心を音楽で掴み、MCでは観客の心を手のひらの上で転がすエビ中。

 

桜木心菜「この中でスケベな人!!!」

観客全員「はあーーーーーい!!!」

 

礼賛の『スケベなだけで金がない』が胸に刺さってしまったのだろうか。桜木はアイドルらしからぬ質問を観客にしていた。スケベなだけの観客は全力で返事をしていた。

 

元気はあるけどスケベができない観客は、続く『シンガロン・シンガソン』で一緒に振りコピしながら盛り上がる。その勢いのまま川谷絵音が楽曲提供した『あなたのダンスで騒がしい』で、会場の熱気をさらに上げていく。人数が増えた分だけ音源よりも迫力が増したパフォーマンスになっていた。

 

そして星名の「もっともっと自由に騒げ!!」という煽りから『自由へ道連れ』が続き、観客のボルテージは一気に最高潮に。かつては柏木ひなたが担当していた「道連れしちゃうぞ♡」という台詞は、桜木心菜が言っていた。この台詞はひなたでなければと思っていた自分だが、見事に桜木に道連れされてしまった。それほどに良かった。

 

MCは「礼賛のメンバーにあだ名をつけよう」というテーマでMCが繰り広げられた。

 

その中で特にシュールなあだ名は、サーヤに名付けられたクラッティだ。名付け親の小久保柚乃曰く、あだ名の由来は「アリエッティが頭に浮かんだから」。本人以外は理解不能の理由である。

 

近年稀に見るグダグダなMCによって、シュールな雰囲気になった会場。そんな空気を断ち切るかのように小林歌穂が「バッドエンドしてるから次の曲でハッピーエンドにしましょう!」という無理矢理な言葉でトークを終わらせ、次の曲へと続いた。

 

披露されたのは『ハッピーエンドとそれから』。力技ではあるが小林は、MCから曲へと綺麗に繋げようとしたのだろう。

 

MCはゆるくてもパフォーマンスはキレッキレである。歌も良いしダンスも良い。そこから続く『Summer Glitter』は歌もダンスも難しい楽曲だとは思うが、見事に表現して観客を魅了していた。

 

安本の優しい歌声から始まった『さよなら秘密基地』は、メンバーの歌唱力の高さが特に際立っている。それでいて明るくて多幸感に満ちた空気を作るパフォーマンスだ。これはアイドルのライブでなければ生まれない空気感かつ、エビ中だからこほ作り出せる空気だとも思う。

 

MCではひたすらに礼賛メンバーのあだ名を考えるトークを続けるので、エビ中ファミリーは「今日のMCはやべえぞ......」と冷や汗をかきながら静かに見守っていた。しかし礼賛のファンは、そんなMCも楽しんではいるようだ。

 

安本「礼賛さんに良いあだ名はないですか?礼賛のファンのみなさん、候補はありますか?」

礼賛ファン「…...」

真山「アイドル文化って怖いよね......。急に話しかけられて......」

エビ中ファミリー「かわいそう......」

風見「前にいるエビ中ファミリーがかわいそうって小声で言ってた!」

安本「礼賛ズのみなさん、ごめんね......」

星名「ダサいファンネームを勝手に付けないであげて!」

 

グダグダでシュールなトークではあるが、礼賛ズの皆さんは笑ってくれていた。

 

「エビ中は人見知りだけど、挨拶はきちんとしましょうね。みなさんも挨拶をしながら楽しみましょう」という強引な曲振りから始まったのは『ヘロー』。やはり曲が始まるとMCのゆるさが信じられないほどに、キレのあるパフォーマンスになる。

 

特にこの楽曲は新メンバー2人の歌唱が素晴らしかった。加入して1年も経っていないとは思えないほどに、堂々とした佇まいで力強く歌っている。それでいてまだ伸び代を感じる歌声だった。桜井えまと仲村悠菜の2人は、数年後に物凄い化け方をする予感がする。

 

それは『まっすぐ』の歌唱でも感じた。先輩メンバーの歌唱は当然ながら圧倒的で凄まじいのだが、それに負けないようにと歌う妹メンバーの歌唱はエモーショナルで胸に突き刺さる。

 

ここで礼賛のサーヤが呼びこまれた。最後の曲はコラボレーションするらしい。

 

サーヤ「なんで私のあだ名はクラッティーなの?」

小久保「頭の中にアリエッティが浮かんだので...」

サーヤ「アリエッティに似てる部分あった?小さかったかな?借り暮らししてそうだった?」

真山「借り暮らしは相方さんの方ですよね」

サーヤ「そうそうニシダは借り暮らし」

観客「wwwww」

 

ラランドのファン以外はわからないネタではあるが、ニシダがとばっちりを受けたおかげでこの日のエビ中のMCで1番の爆笑が巻き起こった。

 

サーヤ「エビ中のトークはずっと聞いていたいね。今日も前説で終わって良いと思うぐらい聞いていたかったもん」

星名「前説ではお尻の話しかしてないけども...」

真山「みなさん、手でお尻の形を作ってください。それを上下反対にしてください。はい!ハートの形になりますね!」

 

またもや強引な力技で曲振りをするエビ中。しかしやはりパフォーマンスが始まると心を掴まれる。

 

披露されたのは『愛のレンタル』。妹メンバー達がダンスに徹し、先輩メンバーとサーヤがマイクスタンドを使い歌に徹するパフォーマンスだ。サーヤの歌声は礼賛の時と同様に存在感がある。それでいてエビ中の歌声とも相性が良い。イメージとマッチした選曲で最高だ。

 

最高の余韻が残る中、礼賛のメンバー全員をステージに呼び込むエビ中。メンバーも今回の対バンが最高だったと実感しているようだ。エビ中と礼賛も余韻を楽しみながら、ゆるゆるとトークをしている。

 

真山「サーヤさん!絵音さん!エビ中に曲を書いてください!」

サーヤ「スケベだけど金があるって曲を書きます。そういう曲しか書けません!」

真山「私立中学だから金があるってことですか?」

サーヤ「私立は金持ちが行くところだからね」

観客「wwwwww.」

 

真山の直談判は成功した。早くエビ中が歌うスケベな曲を聴きたい。

 

セットリスト

1.トレンディガール

2.ハイタテキ

3.シンガロン・シンガソン

4.あなたのダンスで騒がしい

5.自由へ道連れ

6.ハッピーエンドとそれから

7.Summer Glitter

8.さよなら秘密基地

9.ヘロー

10.まっすぐ

11.愛のレンタル