2020-07-05 【ライブレポ】あいみょん無観客ライブ『弾き語りTOUR 2020 “風とリボン” 』 ライブのレポート あいみょん あいみょんの無観客ライブ 弾き語りTOUR 2020 “風とリボン” supported by 淡麗グリーンラベルまもなくです。16:00〜 無料 生配信。宜しくお願いします。愛のあるスタッフさん達も準備ばっちしです。まっています( ◠‿◠ )https://t.co/bLqKR7VnED pic.twitter.com/V19io7ysn2 — あいみょん (@aimyonGtter) 2020年7月5日 あいみょんがYouTubeで初めての無観客ライブを行った。 元々は5月から6月にかけて弾き語りでの全国ツアーを行う予定だった。それが新型コロナウイする感染拡大の影響で全公演が見送りになってしまい、それの穴埋めとしての意味も含まれた無観客での配信ライブである。 予定していたツアーと同じようにアコースティックギターの弾き語りでライブが行われた。 「こんにちはあいみょんです。これから初めての無観客ライブです。終わったらグリーンラベルで乾杯しましょう」 開演時間になり、事前に収録していたであろうあいみょんのコメントが流れる。生のライブで例えると開演前の場内アナウンスにあたるものだろう。ライブへの期待を煽る。 コメント映像が終わるとすぐにカメラが切り替わる。あいみょんの顔のアップが映る。そして歌い始める。ライブが始まった。 そして驚く。ちょっとしたサプライズからライブが始まったからだ。 新曲から始まるライブ アップで映るあいみょんが歌い始める。聴き慣れないメロディと歌詞。これは新曲だ。新曲からライブが始まったのだ。 ミドルテンポで優しい楽曲。あいみょん節ともいえる個性がつまったメロディ。 これから待っている傷と悪魔と 一緒に恋ができたら リボンで結んで可愛くできるのにな ライブタイトルにも使われている「リボン」という言葉が使われた歌詞。おそらくツアーのために作った新曲で、ツアーが見送りになってしまったので日の目を見る機会がなくなってしまっていたのかもしれない。 新曲披露のサプライズに驚く。そして喜ぶ。チャット欄でもサプライズに喜ぶファンのコメントがいくつも書き込まれる。 もう一つ驚いたことがある。 顔をアップで写していたカメラが、全身を写すように少しづつ後ろに引いていく。背景を見るとどうやらスタジオではなさそうだ。 あいみょんの後ろ姿が映る。そして広い客席が映る。ここは日比谷野外音楽堂だとわかる。ツアーの東京公演でステージに立つ予定だった場所だ。 元々ライブを行う予定った会場での配信だったのだ。無観客ながらもまるでツアーを擬似体験したような気持ちになる。それが嬉しかった。これはちょっとしたサプライズだ。 あー!間違えた! 新曲を歌い終えるとすぐに次の曲のイントロを弾く。2曲目は『ハルノヒ』。現在『淡麗グリーンラベル』のCMでも使われている楽曲だ。 ハルノヒ あいみょん J-Pop ¥255 provided courtesy of iTunes あいみょんの澄んだ歌声と軽やかなギターが空に響いていることが、画面からも伝わってくる。実際に野音で淡麗グリーンラベルを飲みながら聴いている気分になる。気持ち良い歌と演奏だ。個人的にはプレミアムモルツを飲みたい 心地よく優しい歌声だったが、突然あいみょんが叫ぶ。 「あー!間違えちゃった!」 歌詞を間違えたのだ。それもライブのスポンサーである淡麗グリーンラベルのCM楽曲の歌詞を。 あいみょんは重要なライブで歌詞を間違えることが多い。 初の武道館公演でも歌詞を飛ばしていたし、去年のツアー初日でも同じく『ハルノヒ』で歌詞を飛ばしていた。横浜アリーナで行われたツアー千秋楽でも飛ばしている。ROCK IN JAPAN FESTIVALのメインステージに初めて立った時も歌詞を飛ばしている。 ミスではあるが生であることが伝わるトラブルだ。コメント欄にも「ドンマイw」「生ライブって感じで最高!」などファンのコメントが連なる。ミスがあったから本当のライブのように距離感が近づき、結果的に実際のライブと同じようにアーティストとファンのコミュニケーションが生まれた。 「よろしくお願いします!間違えちゃった・・・・・・。歌っている最中に心臓が早くなっちゃって。初めての無観客ライブで緊張していました」 歌い終わってから行われた挨拶と最初のMC。いつもと違う環境で本調子ではないのだろうか。しかしこれでリラックスできたのか、続く曲ではさらに素晴らしい演奏を聴かせてくれた。 ライブだからこそのアレンジ 新曲『ユラユラ』を弾き語りで初披露した。 ユラユラ あいみょん J-Pop ¥255 provided courtesy of iTunes リラックスした演奏と明るいギターのコード。そしてキャッチーなメロディが心地よい。後半ではアルペジオを交えた演奏で歌を引き立てる。 真夏の夜の匂いがする あいみょん J-Pop ¥255 provided courtesy of iTunes 次は『真夏の夜の匂いがする』。 この曲ではリズムを刻むようにギターを弾く。CDでは艶のある怪しげなシンセサイザーの音が印象的だが、ギター1本で見事に艶を表現し色気のある曲として届けている。 演奏を終えて「ありがとう」と一言つぶやく。少しの間があく。息を吸う音が聴こえる。そして歌い出す。 『風のささやき』だ。 風のささやき あいみょん J-Pop ¥255 provided courtesy of iTunes ミドルテンポでゆったりとした演奏。〈ティファニーブルーの空の下〉という歌詞のフレーズがあるこの曲は、実際に野音の晴れた空の下で聴いたら、より感動するのではと思う。 最後のサビでギターの演奏を一旦止める。アカペラで歌い出した。 これもライブだからこそのアレンジだ。アカペラになったことで歌声が生々しく聴こえる。それに胸を打たれる。 最初で最後の無観客ライブ 「今日はリハーサルの時も土砂降りの雨が降っていたんですけど、本番の20分前になったら止みました。鳥も鳴いています。良かったです」 無観客なのだから雨でも晴れでも視聴者には関係ない。しかし観客が目の前にいる時と同じようなMCをしていた。それに対してファンも「晴れ女!」などとコメントを残す。 無観客配信でも「ライブ」として音楽を届けようとしていて、MCではファンとコミュニケーションを取ろうとしている。だから生ライブと同じように胸に響く配信ライブになっているのだ。 「家にずっといる中でも新しい曲をリリースできたりと、本当にありがたいなと思っています。次はその新曲をやりたいと思います」 そう言ってゆっくりとアルペジオで丁寧にギターを爪弾き始める。ささやくように優しい歌声で歌う。新曲『裸の心』。スローテンポの演奏でじわじわと楽曲の世界に引き込む。 裸の心 あいみょん J-Pop ¥255 provided courtesy of iTunes 約5分の楽曲だが最後までアルペジオで演奏した。地味で単調な演奏かもしれないが、ギターのテクニックと歌声の凄さで最後まで引き付けて離さない。ライブのハイライトともいえる演奏で、あいみょんの凄みを感じる演奏でもあった。 マリーゴールド あいみょん J-Pop ¥255 provided courtesy of iTunes そして代表曲『マリーゴールド』へと続く。サビから歌い始めるアレンジはCDとは違う始まり方だ。そのままテンポを上げてシンプルなストロークで歌う。『裸の心』とは違い力強いギターと歌声。シンプルな弾き方だからメロディや歌詞の魅力が引き立つ。名曲はシンプルだとしても魅力が伝わるのだ。 歌い終わるとニヤリとあいみょんが笑った。目の前に客がいなくても、良い反応を貰っている手応えを感じているかのような笑顔だ。 「なんやったっけ?あってるかな?あー!わかりました!すみません!」 曲順を忘れたのか焦るあいみょん。歌詞を間違えることは過去もあったが、焦っている姿を見せることは珍しい。しかし歌い始めたら焦りも緊張も感じさせない。 君がいない夜を越えられやしない あいみょん J-Pop ¥255 provided courtesy of iTunes 『君がいない夜をこえられやしない』はメジャーデビューシングル『生きていたんだよな』のカップリング。最近はライブでやることが少ないレア曲。 途中で演奏を止めて空を眺める。もしかしたら歌詞かコードを忘れたのかもしれない。感極まったのかもしれない。 しかしそれすらも演出かのように、ライブアレンジかのように感じさせる。ライブだから聴くことができる生々しい演奏に惹きつけられる。 「次が最後の曲です。これが最初で最後の無観客ライブにしたい。心からそう思います。やっぱり客席にはみんながいてくれた方がいいなと思いました。喋っても何も返事がないから(笑)。でもみんな今日を楽しみに待っていてくれたみたいだから嬉しかったです。次は必ずみんなと会場で会いたいです」 君はロックを聴かない あいみょん J-Pop ¥255 provided courtesy of iTunes 最後の曲は彼女の人気と知名度を一気に押し上げた『君はロックを聴かない』。 この曲はライブではサビで合唱を煽ることが多い。その合唱によって楽曲の魅力が深まっている。元々求心力のある名曲ではあるが、ライブでさらに進化してきた楽曲だ。 君はロックなんか聴かないこと知ってるけど 恋人のように寄り添ってほしくて ロックなんか聴かないと思うけれども 僕はこんな歌であんな歌で まだ胸が痛いんだ 後半のサビであいみょんがマイクから離れて歌う。いつものライブなら観客が一緒に歌う部分だ。まるで画面の向こうの視聴者に「歌ってくれ」と言っているかのよう。 あいみょんの歌声が遠くなる。誰もいない客席を眺めながら、ステージを動き回りながら、マイクのない場所で歌っている。 会場にはファンの歌声は響かない。でもこの瞬間、画面の向こうで歌っている人や、心の中で歌っている人もいたはずだ。あいみょんも頭の中では満員の客席で歌うファンの歌声が響いていたのかもしれない。 約45分のライブはあっという間だった。 客席には誰もいなかったし、ファンは全員PCやスマホの画面で観ていた。それでも実際に野音に行って客席でライブを観ているような感覚になる瞬間もあった。アーティストとファンの間で音楽によってコミュニケーションが成立し、しっかりとライブが成立していた。 それでも次は会場でライブを観たい。あいみょんが言っていたように、最初で最後の無観客ライブであって欲しい。やはり配信は生のライブの代わりになるわけではないのだ。 ライブを生で観れる日がいつになるのかわからない。開催できても今まで通りの方法でやれるかもわからない。でも時間はかかってもいつかライブが観れる日がやってくるはずだ。 次にあいみょんのライブを観るときは、満員の客席で、ロックを聴くことが好きな人たちと一緒に『君はロックを聴かない』を歌いたい。 あいみょん弾き語りTOUR 2020 “風とリボン” supported by 淡麗グリーンラベル@日比谷公園野外大音楽堂 2020.7/5 ▪️セットリスト 1.新曲 2.ハルノヒ 3.ユラユラ 4.真夏の夜の匂いがする 5.風のささやき 6.裸の心 7.マリーゴールド 8.君がいない夜を越えられやしない 9.君はロックを聴かない ↓他のあいみょんの記事はこちら↓