オトニッチ

ニッチな音楽情報と捻くれて共感されない音楽コラムと音楽エッセイ

自分が忘れることができないラジオ番組の話

何気ない出来事が妙に印象的で、なぜか忘れられないことが、たまにある。

 

2020年12月31日にTokyoFMで放送された『山崎怜奈の誰かに話したかったこと。』のオープニングも、そんな「忘れられないこと」の1つだ。時折思い出してしまうほどに、脳裏に焼き付いている。

 

毎週月曜から木曜の14時から2時間放送されていて、生活に寄り添うような何気ない内容を毎日放送している番組だ。この日も良い意味で何気ない内容の放送をしていた。たしかお雑煮の話しをしていた気がする。

 

自分は車を運転しながら何気なく聴いていた。特別な内容はなかった。

 

しいて普段と違うことをあげるとすれば、大晦日の放送だったことと、それに合わせた楽曲がオープニングに流れたことぐらいだ。

 

オープニングで流れたのは、GRAPEVINEの『公園まで』と[Alexandros]の『12/26以降の年末ソング』。この2曲が続けてオンエアされた。

 

12/26以降の年末ソング

12/26以降の年末ソング

  • [Alexandros]
  • ロック
  • ¥204
  • provided courtesy of iTunes

 

それが妙に印象に残っている。曲と山崎怜奈の声を聴いて、なんとも言えない温かな気持ちになった。

 

〈「今年もあと少しだよ」と他になんか言いたかったが〉という歌詞から始まる『公園まで』。〈あと少しで今年も終わるけど 何か忘れてないか〉というサビの『12/26以降の年末ソング』。どちらも年末が舞台の歌だ。

 

そんな2曲がラジオから流れ、街に溶けていく感じがして、心地よかった。

 

曲を流した後に山崎怜奈が楽曲の感想を話していた。一言だけの何気ない感想ではあったが、何気ない感想だからこそ、リスナーと寄り添っているように思えて沁みた。

 

どちらの曲も自分のiPhoneから、好きな時に流すことが出来る。しかしラジオで好きな曲や名曲が流れた時は、少しだけ違う気持ちで音楽と向き合う自分がいる。

 

電波を通じて同じ曲を同じ時間に、日本中の多くの人と共有している。パーソナリティがコメントをすることで、感想や感動も電波を通じて共有できる。

 

何気ない放送だったけれも、そんな何気ない日常が重なって気持ちを共有できたから、忘れられないのだ。

 

自分が好きな曲を丁寧に紹介しラジオ流してくれるだけで、その番組のパーソナリティを好きになってしまう。音楽は人と人を繋いでくれるし、心を近づけてくれる。山崎怜奈と心が近づいた気がする。

 

だから自分は山崎怜奈を乃木坂46のメンバーとしてだけでなく、ラジオパーソナリティとしても推したいと思った。

 

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ちなみに山崎怜奈はカワイイし声も良い。それも推せるポイントである/////

 

 

 

杉咲花もラジオの選曲をきっかけに好きになった役者の1人だ。彼女は『杉咲花のFlower TOKYO』というラジオ番組をやっていた。そこで毎週数曲本人が選曲して流していた。

 

残念ながら番組は去年最終回を迎えてしまった。

 

「年々、お芝居を通してなにかを伝えるということに、より一層集中していきたい気持ちが強くなっていました」という理由で近い時期にInstagramを閉鎖したので、ラジオの終了も同じ理由なのだろう。

 

杉咲花は日本のロックが好きらしい。毎週本人が番組で流す曲を選んでいたが、いつもロックバンドの曲がオンエアされていた。

 

以前「東京」をテーマに選曲した放送では、この3曲を選んでいた。

 

・東京タワー / フラワーカンパニーズ
・茜色の夕日 / フジファブリック
・東京 / くるり

お花ちゃんの「東京」選曲。 - On Air Report - 杉咲花のFlower TOKYO

 

最高の選曲である。

 

自分と音楽の趣味が、完全に合致している。素晴らしい役者だとは常々思っていたが、音楽の趣味も素晴らしい。

 

1番好きなバンドはandymoriだと語っていた。初回から最終回までの間に、最も多くの曲を流したアーティストがandymoriだったらしい。

 

最終回でもやはりandymoriを選曲していた。選曲されたのは〈いつかその時が来たら この歌を思いだしてくれ〉という歌詞が印象的な『サンシャイン』。

 

サンシャイン

サンシャイン

  • andymori
  • ロック
  • ¥204
  • provided courtesy of iTunes

 

音楽を通じてメッセージを伝えようとしているのだと思った。好きな音楽を共有することで、リスナーと心を近づけようとしていると思った。

 

ロックが好きな杉咲花は、彼女自身も粋でロックだ。そうでなければこのような選曲はしない。最近は『サンシャイン』を聴くと、杉咲花のことが頭に少しだけ思い浮かぶようになってしまった。

 

ラジオを聴かなければ杉咲花がロックが好きなことも、andymoriのファンということも、きっと自分は知ることがなかった。

 

ラジオで彼女の人柄や好きな音楽を知り、まるで友達になったかのように心が近づいた気がする。

 

だから自分は杉咲花を役者としてだけでなく、ラジオパーソナリティとして推したいと思った。

 

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ちなみに杉咲花はカワイイし声も良い。それも推せるポイントである/////

 

 

 

アーティスト自身が影響を受けた楽曲や、好きな音楽を流すラジオも楽しい。ルーツや隠れた一面を知ると好感度が上がってしまう。

 

草野マサムネも、ラジオをきっかけに好感度がさらに上がったミュージシャンだ。

 

彼は『ロック大陸漫遊記』というラジオ番組を、TokyoFMで毎週日曜の21時から放送している。毎週テーマを決めて、そのテーマに沿った楽曲を紹介する番組だ。

 

その番組で音楽について楽しそうに語る草野マサムネの声を聞いて、さらに好感度と親近感が上昇した。

 

「BUMP OF CHICKEN特集」など後輩バンドの曲もリスペクトを持って紹介し評論家したり、「Deerhoof特集」など埋もれているバンドを紹介する特集もしている。

 

話し方や内容からは、紹介する音楽への愛が伝わってくる。音楽についてめちゃくちゃ楽しそうに語るからだ。心の底から音楽が好きなのだろう。

 

音楽にあまり興味がない人も楽しませようとしているようで、「水戸黄門リズム」「お馬さんリズム」「コンコンコン」などと、カオスながらも興味を引く特集もしていた。なんなんだ。コンコンコンって。

 

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しかしカオスで興味を引くテーマながらも、必ず名曲を紹介し解説してくれる。リスナーも話を聞いているうちに様々な音楽へ興味が湧き、音楽をより深く聴けるようになる。

 

番組内の雑談も面白い。「おもちゃ売り場で駄々をこねて泣いてる子どもを見て、思わずもらい泣きした」という話を以前していた。

 

もらい泣きしたことへの共感は全然できないが、おもちゃ売り場で泣いている草野マサムネを想像すると萌える。おもちゃを買ってあげたくなる。そもそもマサムネは何故におもちゃ売り場に居たのだろうか。

 

人柄や音楽への愛を改めて実感し、スピッツや草野マサムネのことをさらに好きになった。ラジオによって親近感を持てて、心が近づいた気がする。

 

だから自分は草野マサムネをバンドマンとしてだけでなく、ラジオパーソナリティとしても推したいと思った。

 

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ちなみに草野マサムネはカワイイし声も良い。それも推せるポイントである/////