2020-04-30 【文字起こし】松隈ケンタはAKBもハロプロも好きだし評価している コラム・エッセイ 松隈ケンタ 松隈ケンタが一部のアイドルファンから叩かれていた。『関ジャム』に出演した際の発言で「アイドルをバカにしている」「AKBやハロプロを全否定している」と勘違いされてしまったようだ。 しかし彼の音楽に対する考えや作曲に対する姿勢を知れば、松隈ケンタがアイドルをバカにしているわけではないとわかる。むしろリスペクトしているとすら思える。おそらく編集によって意図が伝わらない状態になってしまったのだと思う。 YouTubeで配信された松隈ケンタの配信動画内では自身の音楽に対する考えや作曲に対するこだわりを語っていた。動画を観てもらいたいのだが、動画を観る時間がない人や観れる環境ではない人に向けて、音楽観や関ジャムの出演について語っている動画後半部分を文字起こししてみた。 話し言葉で文章にしたら不自然になる部分は修正して文字起こししたが、意図や意味が変わらないようにしてある。 アンチがトラウマになる松隈ケンタ AKB48やハロプロについて語る松隈ケンタ コメントに応えて好きな音楽について語る松隈ケンタ 松隈ケンタが嫌いな音楽について アンチがトラウマになる松隈ケンタ (コメント)アンチがトラウマになっている? なるよトラウマに!辛いじゃん。アンチが生まれることは全然嫌じゃない。そんなのありがたいじゃん。ただ捻じ曲がって伝わっているのが嫌ってだけ。言っていないことを言ったって言わないでほしい。 関ジャムでAKBのことを松隈ケンタがバカにしたみたいなことを書いているまとめサイトを見て凄い傷ついて。俺、秋元さんのことめちゃくちゃリスペクトしてるし、つんくさんのこともめちゃくちゃリスペクトしてるのに。「AKBを全否定。ファンから総スカン」て書いてあって。 ファンから総スカンは仕方がない。それは(番組の発言で)傷つけてしまったなと反省したんだけど。秋元さんはすごく尊敬しているのに、それを「嫌いだ」と言ったみたいになったら・・・・・・。秋元さんほどの人はそんなこと信じないとは思うけど。でもね、いつかAKBの曲作りたいのにって思っていたのに、絶たれてしまって。人の人生を捻じ曲げちゃうんだなって。そういう(雑なまとめサイトを作る)ことをする奴はクソだなと思いましたね。人のことを悪者にしつつ自分が酷いことをやってるのにね。 (コメント)中川翔子さんや柴咲コウさんに楽曲提供をされて、ライブで他の作家さんの曲を聴くとご自身の担当された曲と比べてしまうことはありますか? そりゃあ人間だからありますよ。でも俺の曲が一番最高にかっこいいと思いますよ。それぐらいの気持ちでやらないとこの業界は生きていけないよ。いちいち「俺負けた」て思ってられない。ぶちのめすつもりでやってますから。ただその後に新曲が出た時「俺のよりも良い曲作ってこられた」と思うことはあると思う。それよりも前の曲の中では、僕が関わる以上常に一番新しい曲が最高にしたい。BiSHでもそう。過去の自分の曲よりも良い曲を作ろうと思ってやってるから。常に最新曲が一番自信作。 (コメント)作曲でこの人には敵わないって人はいますか? いっぱいいますよ。まず作曲家として一番尊敬しているのは織田哲郎さん。俺の中では神。織田哲郎さんっていうのは知らない人が多いと思いますけど、全盛期のビーイングの曲を9割型作っていた人です。WANDS、ZARD、相川七瀬、DEEN、T-BOLAN。全部織田哲郎さん。それからちびまる子ちゃんの音楽も。『走れ正直者』とかね。すごい人なの。織田哲郎は神。ぶっちぎり。そうだ。『おどるポンポコリン』もだ。子供っぽい音楽からヘビーな音楽から全部作れる。 おどるポンポコリン B.B.クィーンズ J-Pop ¥255 provided courtesy of iTunes (コメント)細美武士さんはアルバムの中に一番いい曲が決められないってとこまで突き詰めるそうです 俺も一緒ですね。アルバムというか全部の曲が良いよねって言われたい。だから捨て曲とかない。あんまり考えない。どうしても施策上『遂に死』みたいなね、ああいう曲も作るけど、全ての方向で良い曲をいつまでも変わらない、歌いたくなってきた。 遂に死 BiSH ロック ¥255 provided courtesy of iTunes (織田哲郎『いつまでも変わらぬ愛を』を歌い出す松隈ケンタ) いつまでも変わらぬ愛を 織田哲郎 J-Pop ¥255 provided courtesy of iTunes めっちゃかっこええ!めちゃいいよね!ポカリ!ポカリ!織田哲郎いいねえ。 織田哲郎さんが凄い部分は自分が作曲家でめちゃくちゃ曲提供して一千万枚ぐらい一年間で売っていること。100万枚売れたCDの数を連発したのは小室さんなんだけど、年間で1000万枚の売上を連発しているのは織田哲郎さんらしいよね。めちゃくちゃ売れるもんだから、織田さんの歌でソロデビューしましょうよって言われたけど、絶対に嫌だって言ったらしい。でも周りからやれって言うから仕方がなく1曲だけ歌おうかってなって、それがポカリスエットの宣伝に決まって、それが100万枚売れてるんだ。もう神。織田哲郎さんは全曲いい。俺はこういう「全曲良い」っていうものに憧れる。 エルレガーデンの細美さんも全曲いいよね。それって一発屋の真逆なの。良い曲を技術として作ってる。小室さんとかKing Gunとかは時代に合わせる能力が半端なくて、時代を読む力がすごく強い。だから渡辺淳之介(WACKの社長)のセンスに近い。ようするに時代にあった音を完璧に作れる人。それが俺にはないから、俺は今の時代とか周りの流れに飲まれないようにしたいタイプだから。アイドルが流行ってるからアイドルぽい曲を作るっていうのが俺は一番嫌だから。自分が良いと思うものを作りたい。 細美さんがすごいのは、地元に俺がいた時に対バンしたことがあるんだけど、その頃は今の音楽性と全然違って、もっと洋楽ロックみたいな感じで、メロコアっぽくなかった。だけど『ジターバグ』が入っていたアルバムでブレイクした。あの辺から方向転換して。だからなんでもできるんだよねあの方は。インタビューか何かで言っているのを聞いたんだけど、細美さんはMr.Bigが好きだって。すごいなって思った。やっぱり俺もMr.Big大好きなんだけど。やっぱりエルレガーデンはポップスなんだよね。俺もJ-POPを作っているつもりだから。すごい。 ジターバグ ELLEGARDEN ロック ¥204 provided courtesy of iTunes (コメント)アゲハスプリングスの玉井健二さんはどうですか? アゲハスプリングス玉井さんは一緒にプールイで仕事してもらったことがあって、その時に玉井さんにプロデュースを受けたことがある。でも玉井さんは作曲家ではないから。どっちかというと淳之介の世界観の人。どちらかというと古き良きを大事にする人で、玉井さんの本も読んだんだけど、最先端を取り入れるというよりは、ブルージーな感じというかね。渋めな感じのサウンドを作る。昔からずっとあるような。Superflyみたいな王道ロックのね。俺のやっている王道ロックとは違う渋めな感じのやつ。あの辺りの匂いを大事にしているとおっしゃっていたね。 (コメント)売れるアイドルを作る気はある? それしかない。アイドルというか売れる曲を作る気しかない。売れる曲を作りたい。J-POPを作りたい。誰もが聴いて「良い」と言う曲を作りたい。 (コメント)桑田佳祐さんはどうですかについて 最高。メロディメーカーとしても歌詞としても。桑田さんとかミスチル桜井さんに関しては歌い回しを参考にしている。歌のエディットとか歌のディレクションとか。歌詞をメロディに当てるっていうのは桑田さんと桜井さんは抜群に凄いから。そこをものすごく研究して自分もやっている。 (コメント)布袋寅泰さんは? 布袋さんは神。 AKB48やハロプロについて語る松隈ケンタ (コメント)ポストロックとか好きですか? 僕はポストロックとかグランジとかは作れない。ようするに王道に対するカウンターカルチャーの凄いカウンターは作れるわけ。メタルとかハードロックとか。マキシマムザホルモンさんとかそういうことやっている。ポップを残したまま真逆を混ぜているからかっこいい。俺たちもそう言う感覚。アイドルに真逆を混ぜて調和させているから。そのメインとカウンターの中間ぐらいがグランジとかオルタナとか。マイケルジャクソンがいるからニルバーナが活きるみたいな。そういうものはブームがあってこそのカウンター。King Gnuもそんな感じがする。カウンター的な部分を考えるのは作曲家の感覚というよりは、淳之介とか秋元さんとか、それこそ「アイドルとはなんだ?」と言っている人たちの感覚で、作曲家の仕事じゃないと思っている。作曲家っていうのは求められているサウンドを徹底的に出すものだから。 歌が下手だけどそれでごまかそうとしたり、顔が可愛ければいいと思う人がいるとしたら、それは俺は大嫌いですって言っているだけ。アイドルの中でもAKBさんというのはそれとは真逆。むしろかつてアイドルはみんなからマニアックだなとか僻まれていた。後ろめたさがアイドルにあるわけ。そういうアイドルをトップに持ってきたわけ。AKBが。 AKBだって最初の頃は売れなかったんだから。良い曲あるのになあと思っていたら、バーと売れた。ヒャダインさんはでんぱ組が秋葉原からポンと行った唯一のパイオニアだって(関ジャムで)言っていたけど、俺はそこだけはAKBがすでにそれだったのではと思っている。秋葉原という世界をメジャーに押し上げたから。そのためにどうしたかっていうと、アイドルソングをポップスにしたわけよ。例えば『フライングゲット』てサザンなの。あれを桑田さんが歌ったらサザンオールスターズの歌になるわけ。 フライングゲット AKB48 J-Pop ¥255 provided courtesy of iTunes 想像してみて。あれはサザンオールスターズ。『ヘビーローテーション』は何かと言うと甲本ヒロト。あれはブルーハーツなわけ。歌詞もよく読んで。歌詞とサウンドをよく聞いて。アイドルの曲じゃなくてブルーハーツだから。 ヘビーローテーション AKB48 J-Pop ¥255 provided courtesy of iTunes あれねブルーハーツの歌。甲本ヒロトなの。全然秋葉原じゃないのよ。みんなが求めているアイドルソングではない。これはそういうことなのよ。秋元さんがやっていることって。みんなが求めているアイドルじゃなくて、ちゃんと音楽を分析して、秋元さんが作っているわけではないけど、秋元さんが選んでいるプロの作曲家が秋元さんのイメージで作って仕上げているわけ。 もう一個だけ。「なぜユニゾンするのか」。これはアイドルファンに言いたいんだけど、そんなことも知らないわけ?秋元さんは最初から言っているから。クラスにいそうな子を48人集めて1クラスの女の子たちがいるようなアイドルを作りたいって言っているわけ。だから合唱コンクールなんだよ。クラスでみんなで歌っている。みんなで歌って楽しいに決まってるじゃん。そういうコンセプトだからユニゾンする必要があった。ユニゾンする必要性があるし、あれはそういうドラマなの。だから俺はユニゾンが嫌いとは言っていない。AKBはユニゾンであってほしい。そういうコンセプトで作っているから、素晴らしい作品なの。 俺が嫌いって言っているのは、AKBが成功したことで「アイドルってああいうもんでしょ?」みたいな感じでAKBの表面上の部分だけ真似して「アイドルってユニゾンで歌うでしょ?」「アイドルって可愛けりゃいいんでしょ?」みたいな意見が嫌だって言っているわけ。 アイドルでも真剣に音楽を作ってあげようよ。せっかく歌の練習しているわけだし。一人ずつストーリーがあるから俺は一人ずつのストーリーを見せてあげたい。アイドルになりたくてみんなきてるわけじゃん。だからBiSHがユニゾンで歌って終わりっていうのは意味ないよってことをいいたかったわけ。つんくさんの音楽を聞いてディレクションって大事だなって思ったから。つんくさんのオケを聞いて衝撃を受けた。モー娘。の『真夏の光線』って知ってる?あれのエンディングのベースラインを聞いて、むちゃくちゃかっこいいと当時思ったわけ。 真夏の光線 モーニング娘。 J-Pop ¥255 provided courtesy of iTunes バンドマンだったからアイドルって舐めてたけど、バンドマンでもむちゃくちゃかっこいいと思える音楽だなって当時思った。ここまでこだわってるんだって。それを『ASAYAN』というテレビのバラエティ番組でやってるのをみて感動した。モー娘。はバンドマンでもはまれるアイドルじゃんって。つんくさんはかっこいいなって。『真夏の光線』だけでなく、他の曲もかっこよかったし。トラックにむちゃくちゃこだわっていた。これに衝撃を受けたから豆柴の大群もバラエティだけど引き受けた。クロちゃんが作った曲でも、編曲でプロも唸るような、バンドマンも唸るような、圧倒的な編曲をしてやろうと思ったわけ。 りスタート 豆柴の大群 J-Pop ¥204 provided courtesy of iTunes だから『大丈夫サンライズ』とかクロちゃんの『ろけっとすたーと』とか『りスタート』とかどっちがメロディ作ったとか、はっきり言って見かけ上のことだから、そんなこと俺もクロちゃんもスタッフも誰も気にしていないわけ。クロちゃんが作ったら面白いじゃん。企画だから。 普通は「テレビの企画だから適当でいいじゃん」ってなってしまうわけでしょ。「かわいけりゃいいじゃん」とか言っちゃってさ。だからクロちゃんができない部分、その部分を圧倒的に俺は作ろうと思って。クロちゃんがどうのこうのも面白いからいいとは思う。でもトラックとか、レコーディングとか、本人たちの歌とか、それを作品として聴いていただきたいわけですよ。それができない人も多いから。「みんなで歌わせちゃえ」って終わっている人が多い。そういうユニゾンは嫌い。 豆柴だってユニゾンすればレコーディングもすぐ終わるじゃん。でもそういうのが大嫌いだから、一人ずつ歌わせたい。でも(AKBのように)意味があってユニゾンしているなら凄くかっこいい。だから俺は大事な曲ではユニゾンさせることもある。例えばBiSHの『リズム』。エンディングで最後のサビで全員歌うんですけど、みんなMV観てますか?音を聴いて全員で歌っているから映像で全員出てくるじゃん。全部そうなってるの。俺はストーリーとして一人ずつ歌っていて、最後のサビだけ全員歌うって曲を作ったわけ。 GANG PARADEの『GANG2』もそうだよ。最後はみんな歌うんだけど、どんどん入れ替わりで同じ時期に入ってきた二人が入ってくるように音を配置してるの。みんなで歌うにしろ配置まで考えてるわけ。そういう風に音楽を作っているから俺たちの音楽とかWACKの作る作品ってかっこよくない? ライブもMVも。 そこが俺たちの売りですよってことで。それを「ユニゾンで歌わないんですか?」「可愛く歌わないんですか?」と言われたら、それは僕は嫌だって言ったわけです。だから好きなアイドルを見ればいいと思う。コールが好きならコールを積極的に取り入れているアイドルを観に行けばいいわけで。うちはコールが売りではないから。コールを否定しているわけではなくて。みんながコールをやってくれるのは楽しみ方としてはOK。でも俺はコールしたくてライブに来ている人だけじゃないと思うから。 「好きだから好きだと言おう♪」て曲あるじゃん。『会いたかった』だ。これは忌野清志郎さんが歌ったら死ぬほどかっこいいと思う。 会いたかった AKB48 J-Pop ¥255 provided courtesy of iTunes 清志郎さんがあの歌詞を語って「愛し合ってるかーい!」て言ったらむちゃくちゃかっこいいと思う。AKBがかっこ悪いって言っているわけではなくて、忌野清志郎の歌だと思うんだよね。多分。それぐらい秋元さんは考えてるってこと。「愛し合ってるかーいベイベー」て言っていたらかっこいいでしょ。すごく良い歌詞じゃない「好きならば好きだと言おう」。天才だと思う。秋元さんって。 そういうイメージで作っているのを俺はかっこいいと思ったから、俺はエアロスミスの新曲だと思って作るし、俺はそれを洋楽をイメージすることにしたわけ。洋楽だったり、刺々しいロック。ミッシェルガンエレファントの新曲だと思ってBiSを作っているし、リンキンパークの新曲、マリリンマンソンの新曲だと思って曲を作っている。アイドルが嫌いだからやらないのではなくて、そもそも求めている方法が違うから。 ヒャダインさんは逆で、アイドルフェスに出るようなアイドルを楽しんでいる方に向けた曲を作っている。その道のプロだからすごいと思っている。ヒャダインさんはそこをめちゃくちゃ研究している。だからヒャダインさんは凄いのよ。 ヴィジュアル系の世界にはヴィジュアル系の音楽が好きな人がいっぱいいるから、V系バンドマンはそういう人が喜ぶ曲を作っているわけ。アイドルとヴィジュアル系は似ていると俺は思っている。ファンによる共通のしきたりがあるじゃん。だからコアなファンが「自分がこの曲を知っている」という気持ちを持ちたいわけ。振り付けとかコールとか。 ひとまとめにすると怒られるかもしれないけど、俺のイメージではV系はシンコペーション(拍節の強拍と弱拍のパターンを変えて独特の効果をもたらすこと)が多いの。あとマニアックなコードを使ったりとか。ファンはCDいっぱい聴いてきてるから、複雑な展開でも知っているから楽しめる。ももクロとかもそうじゃん。ヒャダインさんの作る曲もそうだし、V系の人もそう。ようするに、初めてきた人は入ってこれなくていいのよ。初めての人は曲がどういう展開するのかわからないから。でも知っている人は踊りとかするじゃん。踊りやコールを考えるのが楽しいの。だからそういう曲を作っているわけ。 俺は真逆なの。J-POPを作りたい。AKBよりの発想で初めての人が入りやすい曲を作りたい。だから俺の曲なんてずっと腕を上げていれば乗れるわけ。だからみんな乗りやすい。俺のアレンジのポイントは複雑なように見えて、ずっと同じノリで一番後ろで初めて聴いた人も乗れるように作っていること。だから最前列のファンに向けて作っていない。初めてみた人がファンになってくれるような、すぐに乗りやすくて、後ろから前に走って行きやすい、そんな曲を作っている。 俺はめんたいロックが好き。エイトビートでシンプルなやつ。やっぱり乗りやすいから。パンクもそうじゃん。シンプル。俺はそういうテーマでやっているから、根本的に違うのよ。 俺はファンのために作るっていうのが嫌い。言い方は悪いかもしれないけれど、俺はライブで一番後ろにいる人に向けて作っている。一番前の人は勝手に楽しんでくれるからいいじゃん。WACKのコアなファンの人たちも勝手にコールを入れるべきじゃない場所にもコール入れて楽しいじゃん。それはそれで俺も後ろから観ていて楽しいよ。でも後ろの人も楽しめる曲だから。だけどやっぱりそこには全然違いがある。 俺の音楽はAKB寄りの音楽と思ってるんだけどね。ハロプロよりなのにってね。なのに「AKBとハロプロのファンをコケにして総スカン」と書かれたから辛い。そんなこと思ってないんだよ。ちゃんと研究しているわけ。俺だけじゃなくてヒャダインさんもピエールさんも玉井さんもつんくさんも秋元さんも。もうちょっとこう、音楽をそこまで聞けるようになってくれると、みんな楽しいのになって思います。 だからみんな無意のうちに俺の音楽やWACKの音って乗りやすいね、楽しいねって思ってくれるわけじゃん。かっこいいねって。そこに秘密があるわけ。あとボーカルは小さくしてある。曲も短めにしている。ギターソロが少ないのも理由があります。これも全部わざと。ここから先はオンラインサロン(月額1,000年〜)で。 (コメント)サイレントマジョリティ好き サイレントマジョリティはねえ、俺からするとね、かっこいいとは思うんだけど、ピエール中野くんも(関ジャムで)言ってたけど、欅坂はカウンターカルチャーとして出てきたから。俺たちからするとBiSHの『遂に死』や『SHARR』なのよ。たまにメインの反対側をぶつけるじゃん。ポップじゃない奴。相手がいて成り立っているから。そういう作戦だから。 俺は『サイレントマジョリティは単体でかっこいいと言われているわけではないと思っている。あの曲自体をBiSHがポンと出してもそれほど評価されないと思う。 サイレントマジョリティー 欅坂46 J-Pop ¥255 provided courtesy of iTunes 『ヘビーローテーション』があった人たちの中で急にクールなことをやったからかっこよかったわけで。そこが評価されたと思う。だから曲がものすごく良いかというと、AKB、乃木坂、欅坂の他の曲の方が作家的な視点では良い曲が多いと思う。ただ『サイレントマジョリティ』というタイトルや歌詞はいい。特に秋元さんの描いた歌詞はすごくいい。 俺がAKBで好きなのは『大声ダイヤモンド』めちゃ神。あんな歌作りたい。すげえかっこいい。あと『言い訳maybe』も好き。すげえ良い。あと『ヘビーローテーション』がめちゃかっこいい。AKBはすごいかっこいい。 大声ダイヤモンド AKB48 J-Pop ¥255 provided courtesy of iTunes ハロプロはモー娘。の初期の世代だからタンポポの大ファンだからね。でも高橋愛ちゃんとか道重さんとか入ってきたあたりからはちょっと流れが閉鎖的になった気がしていて。俺の苦手な「アイドルカルチャー向け」というか。それまでは大衆に向いていた気がするんだけど、戦略が変わって行った気がする。アイドル好きの人は道重さんが入った世代の曲の方が好きなんだよ。たぶん。俺はそこがわからないから。オルタナティブな存在にモー娘。はなっていった感じがする。太陽とシスコムーンとかめちゃくちゃかっこよくて好きだった。だからそれ以降のハロプロさんはあまりよくわかっていない。 たんぽぽ(Single Version) タンポポ J-Pop ¥204 provided courtesy of iTunes Juice=Juiceの宮本佳林ちゃんに曲は作ったことがある。SCRAMBLES (松隈ケンタが代表の音楽クリエイター集団)は一部、二部、三部、と三部構成で曲を作っていて、一部がBiSHとかBiSとか僕の案件。二部がT.S.Iていうメンバーがプロデュースするところで、CARRY LOOSEとか作っている。 にんげん CARRY LOOSE J-Pop ¥255 provided courtesy of iTunes 三部には田仲圭太っていう部長がいるんだけど、彼が宮本佳林ちゃんとかときめき宣伝部の『SWEET SWEET DAYS』とかやっている。あと椎名ぴかりんとか。宮本佳林ちゃんは三部で引き受けていて、俺の曲のストックをプレゼンしたらこれが良いといってくださった。 SWEET SWEET DAYS ときめき♡宣伝部 J-Pop ¥255 provided courtesy of iTunes ただ三部が進行しているから曲を提供しただけで、それ以外は何も関わっていない。しかもハロプロの某アイドルという情報だけで、それ以上は俺たちにも知らされてなかった。だからレコーディングも参加してない。ぶっちゃけるとニュースになった時に「宮本佳林さんの曲だったんだな」と俺たちも知った。そんなレベル。曲提供ってそんなレベルなんだよ。サウンドプロデュースを頼まれると真逆。全然違うのよ。 どうして僕らにはやる気がないのか 宮本佳林(Juice=Juice) J-Pop ¥255 provided courtesy of iTunes コメントに応えて好きな音楽について語る松隈ケンタ (コメント)ちなみになんですが、 しゃ!!は!!ぬあ!!あぁ。死!!いてぇ。 はどういう感じで作ったんですか?ZAZENみたいでかっこいいと思ったのですが。 これはZAZEN BOYSをイメージしたからZAZENみたいでかっこいいと思います しゃ!!は!!ぬあ!!あぁ。死!!いてぇ。 BiSH ロック ¥255 provided courtesy of iTunes (コメント)君の知らない物語どうですか? 君の知らない物語いいよね。かっこいい。 君の知らない物語 supercell ポップ ¥255 provided courtesy of iTunes (コメント)筒美京平は世代じゃないですか? 筒美京平さんは世代じゃないけどレジェンドですよね。 (コメント)不協和音もサイレントマジョリティーと同じ感じですか? 不協和音もサイレントマジョリティと一緒。タイトルからしてそうじゃない。 (コメント)ジャニーズとか聞きますか? ジャニーズはめちゃくちゃ聞きますよ。ジャニーズの音楽性はめちゃくちゃレベルが高い。関ジャニ∞なら『ズッコケ男道』とかめちゃくちゃ好きだし。ジャニーズの音楽性なんてすごくレベルが高いから。神。俺はCHOKKAKUの弟子だからジャニーズの音楽を作っている人をそばで見ていた。そんなレベルが高い作り方、プロの作り方を参考にしているわけ。 (コメント)PassCodeの話を聞きたいです PassCodeさんは名前は聞くよね。ロックアイドルなんでしょ?よく比べられるというか。曲は聴いたことがないので。 Ray PassCode ロック ¥255 provided courtesy of iTunes (コメント)関ジャムで紹介されてたsora tob sakasa 聞き始めました sora tob sakasaさんもね、凄いんだよね。紹介されてたよね。みんな良いって言ってる。俺は正直、関ジャムで後半地蔵になってたけど、嫌いじゃなくて、ピンときてなかったんだよね。曲が。トラックはかっこいいと思うけど、俺は売れそうな曲が好きだから。AKBとか。自分の作る方向と違うのかな。全部がBiSHの『遂に師』みたいな。やっぱりグループを紹介するとなったら1番の曲を紹介していると思う、その1番の曲だと思ったら『ヘビーローテーション』みたいな曲が来るとと思ったらマニアックだったから、こういうのが流行っているんだなあと。嫌いではなくてピンときていない。本当にかっこいいとは思っているけど、これが売れそうということが不思議ではあった。Disではなく感想。 広告の街 sora tob sakana J-Pop ¥255 provided courtesy of iTunes でもそれは番組内で言ったら失礼だから。みなさん表現として考えてやられているし。俺は(関ジャムの)打ち合わせで言ったのよ。他のアイドルさんのことは言えないからって。後半は参加できませんよって。軽々しく他のアイドルのことを言えないから。台本にも書いてなかったから、最初から地蔵になっちゃった。そう考えると聴く側の意識が変わってきているのかもしれないね。アイドルってひとくくりにすることがすでに変なんじゃないって気がしている。 (コメント)サカナクション好きですか? サカナクション好き。めっちゃかっこいい。俺、半年前に知ったんですよ。やばいでしょ?もちろんバンドの名前は知っていたけど。下北沢のなんばん亭ていう好きなお店があるんだけど、そこにスタッフを連れて行った時に店内で『新宝島』が流れてきて「なにこの曲めちゃくちゃ凄いし新しいじゃん。こんな曲作れよお前たち。すぐ何て曲が調べろ」て言ったら、スタッフが全員「これサカナクションですよ。5年も前の曲ですよ」って言われて。俺びっくりして。こんなにサカナクションかっこいいのって思って。衝撃でしたね。びっくりした。あの歌すげえ。今まで知らなくって申し訳ない。 新宝島 サカナクション ロック ¥255 provided courtesy of iTunes (コメント)ヤバT聴かなそう これ真逆なんですよ。俺めちゃくちゃ前から興味を持っている。ヴィレヴァン行くの好きだから。ヴィレヴァン歩いてると「かっこいいな」と耳が引っ張られる時にヤバT知った。ヤバTと岡崎体育さんはブレイク前からチェックしてた。俺の基準は大衆として捉えた場合に耳が引っ張られるかどうかだから。だからそこに引っかかってなかったらスルーしているってだけ。 あつまれ!パーティーピーポー ヤバイTシャツ屋さん ロック ¥255 provided courtesy of iTunes だからあいみょんも大好き『ハルノヒ』すごく良い。歌詞もいいし。でも『君はロックは聴かない』はそんなにかな。おしゃれだからみんな聴いてるのかなって思う。オシャレ系がよくわからない。俺はダサい人だから。 ハルノヒ あいみょん J-Pop ¥255 provided courtesy of iTunes (コメント)川谷絵音について 絵音さんはかっこいいけどカウンター的なサウンドだから。玄人むけかなと思っている。もっとポップスの曲も聴いてみたいなって。セカオワがいてその反対側にゲス極がいるのかなって勝手に思っていたけどね。セカオワはポップじゃん。 私以外私じゃないの ゲスの極み乙女。 J-Pop ¥255 provided courtesy of iTunes (コメント)ニガミ17才はどうですか? ニガミ17才は変態すぎて大好き。 ただし、BGM ニガミ17才 J-Pop ¥255 provided courtesy of iTunes (コメント)甲本ヒロトさんは好きですか? 甲本ヒロトさんが好きですかって聴く必要がないですよね。俺の革ジャンからベレー帽まで甲本ヒロトさんの影響ですからね。甲本さんが清志郎さんのお葬式でTHE WHOのTシャツを着て行ったんですよ。それに革ジャンで。それを見て俺は渡辺淳之介が死んだら俺も革ジャンで行こうと決めていた。ルイスレザーの甲本ヒロトと同じ格好で。そうしたらMVの企画書が上がってきて。渡辺淳之介の葬式ですってきて「なに?」て思って。すぐに甲本ヒロトにならないとと思ってルイスレザーを買いに行った。だから革ジャンを着てるわけ。あれは甲本ヒロトさんのオマージュ。リスペクト。だから俺もTHE WHOのTシャツを着ているわけ。全部意味があるんですよ。だから衣装は自前。 (コメント)玉置浩二さんについて 玉置浩二さんすごいいい。ボーカリストとしても天才だし。でも俺は作曲家として天才だと思っているけどね。『田園』とかすごいかっこいいし。『ワインレッドの心』もかっこいい。 (コメント)MOROHAについて MOROHAはすごいかっこいいと思うけど。詩がすごいよね。ギターもすごくうまいよね。 (コメント)ネクライトーキーについて ネクライトーキーさんは聴いたことある。かっこよかったイメージがある。 (コメント)セカオワは好きですか? セカオワ大好き「スターライトパレード」とか感動的。あんな曲作れたら天才。ボーカルもギターも天才。すげえ。 スターライトパレード SEKAI NO OWARI J-Pop ¥255 provided courtesy of iTunes (コメント) メタルは聴きますか? メタル聴くよ。ハロウィンとか好きだし。ジャーマンメタルだな。メタリカとかメガデスとか。パンテラも好き。 (コメント)RADWIMPSについて RADWIMPSはあまり聴かない。BUMPの方が好きかな。草野マサムネさんは大好き。ローリー寺西も大好き。神聖かまってちゃんはあまり聴いたことがないかな。ワンオクロックは大好き。かっこいい。中田ヤスタカさんは神。喋ったこともあったこともないけど。中田さんはすごい。リスペクト。久石譲さんもリスペクト。俺が何を好きか聞いておもしろいか? 松隈ケンタが嫌いな音楽について 売れてる人とか考えてやっている人には嫌いとかない。嫌いなのは料理で例えるとタピオカとパクチーが嫌い。語弊があるけど俺はパクチーが流行る前から大好きなんだよ。タイ料理屋で大盛りで頼むし。でも世の中が流行ったけど、普通の人が美味いと思う食べ物ではないじゃん。タピオカもそうだけど。 それなのにファッションやブームとかなんとなくでなんも考えずに食べている人がいる。本当に好きで食ってるならいいんだけど、流行りに乗るみたいな人たちが嫌い。売る人も買う人も。音楽もそう。あるじゃん音楽も。みんなが良いと言ってるから聴く人たち。俺は本当に良いものを作りたいから。だからアイドルも可愛いから売れるっていうのは嫌いだし、イケメンだから売れるってのも嫌い。 X JAPANって見た目もかっこいいしポップスとしても最高じゃん。LUNA SEAやGLAYも。ラルクもシャムシェイドもみんなポップだったじゃん。それが次第に「化粧してればかっこいい」「それがヴィジュアル系の世界だ」ってなってきて、俺はそれは嫌いなのよ。マリリンマンソンの影響を受け出したような見た目になっていって。マリリンマンソンもポップじゃん。見た目が激しいだけで。なんかこう、そういうのは嫌なんだよね。聴いてる人もやってる人も勘違いしちゃって。本当に音楽が良いのかわからずに聴かれている感じ。そこは嫌いかな。韓国ブームとか、韓国のサウンドとか実際にかっこいいじゃん。だから俺はそれは全然嫌いじゃない。 パンクをBiSHは売りにしているし、淳之介はピストルズのマネージャーのマルコム・マクラーレンが好きだからBiSHにはピストルズ臭があるけど、俺はSEX PISTOLSは苦手。曲が良いと思わないというか。オシャレじゃん。ピストルズ。ファッションとして。ニルバーナもそれに近いと思っていて。一番売れた曲は好きだけど。ファッションも込みでかっこいいバンドだから。タピオカに近いのかなと思っちゃう。 クラッシュとかオフスプリングとかはメロディとか曲がかっこいいじゃん。でも俺の一番好きなTHE WHOもファッションでバーンと行っている。THE WHOはポップでないとは思う。真似している若いロックバンドのファッショナブルなものになっているというか。例えば映画『さらば青春の光』に出てくるような、WHOとかローリングストーンズとか。かっこいいじゃん。カルチャー的に。若い人たちがファッションの部分だけ影響受けていると、作曲家としては音で評価されてないじゃんと思ってしまう。存在が嫌いなわけではなくて。音がスルーされている。 音としてはビートルズとかU2とかが評価されているじゃん。そうするとピストルズは下手だし、曲が良いかというと作曲家の視点としては別にって感じちゃってる。だから淳之介はファッションの部分がすごく敏感でピストルズも評価しているから、俺とコンビとしていいんだろうね。逆に音がいいのに評価されないことがあるんだよ。それが俺とか淳之介が悔しかったわけ。売り方って大事だから。同じ音でも。でも売り方は淳之介が考えてくれるから。