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2020年11月のリリース作品で特に好きな音楽アルバム 10選

2020年11月にリリースされた音楽アルバム(一部10月後半もある)で、自分が特に好きな作品10枚をまとめてみた。

 

基本的に鬼POP劇キャッチーなわかりやすい音楽が好きだ。もし鬼POP劇キャッチーな音楽が好きな人は、趣味が合うと思うので参考にしてもらえたらと思う。

 

紹介する順番はランキングではなくアーティスト名の五十音順です。

 

 

eill『LOVE/LIKE/HATE』

LOVE/ LIKE / HATE

LOVE/ LIKE / HATE

  • アーティスト:eill
  • 発売日: 2020/11/04
  • メディア: CD
 

 

eillが「ブレイク前夜」であることを確信してしまうような名盤。

 

前作はソウルミュージックの影響が強い作品だったが、今作はバラエティ豊か。R&Bを軸にしつつもポップで明るい曲や、アコースティックの落ち着いた楽曲にも挑戦している。

 

世界的なブームである80年代リバイバルの雰囲気も取り入れつつ、様々なジャンルを組み合わせてJPOPとして成立する作品を作った感じだ。

 

そしてeillの歌唱力の高さと、メロディメイカーとしてのバツグンのセンスの感じる。絶対に今のうちから注目しておくべきアーティストだ。

 

片っぽ

片っぽ

  • eill
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

Kylie Minogue『DISCO』

ディスコ

ディスコ

 

 

世界中で流行っている80年代リバイバルの音楽は、この作品が完成形として終止符を打っても良いのではないだろうか。

 

そう思うほどに2020年代に80年代をリバイバルとしての究極形に感じる。リバイバルとしてはこれ以上の作品はきっと出てこないだろう。

 

他アーティストの80年代リバイバル作品は、80年代の要素を取り入れつつも今だからこその音を作ろうとしていた。カイリー・ミノーグ『DISCO』はそれとは少し違う。

 

80年代の音を忠実に再現しつつ、80年代ダンスミュージックの現代に通用する要素を抽出しているように感じる。新しい音を作ろうとしているというよりも、今も通用する80年代の音を鳴らしているような感じ。

 

でも古さはなぜか感じない。その絶妙で不思議なバランス感覚が最高。

 

Magic

Magic

  • カイリー・ミノーグ
  • ポップ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

THE COLLECTORS『別世界旅行〜A Trip in Any Other World〜』

別世界旅行~A Trip in Any Other World~(CD+DVD)

別世界旅行~A Trip in Any Other World~(CD+DVD)

  • アーティスト:THE COLLECTORS
  • 発売日: 2020/11/18
  • メディア: CD
 

 

ベテランバンドの貫禄もありつつ、今でも新鮮でカッコイイ曲を作っていると実感。

 

『お願いマーシー』ではザ・クロマニヨンズのギタリスト真島昌利をフィーチャーしていてリスペクトを感じる歌詞なのに、演奏の要はシンセサイザーの音というのも面白くて良い。

 

ロックを軸にした音楽でありつつもバンド外の音も取り入れ、音楽性の幅広さも感じることができる作品ということも特徴だ。

 

お願いマーシー

お願いマーシー

  • ザ・コレクターズ
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

ばってん少女隊『ふぁん』

ふぁん

ふぁん

 

 

ばってん少女隊はコアな音楽ファンにこそ響く、完成度の高い音楽をやろうとしていたアイドルグループに思う。しかしそれが音楽ファンに伝わっていたかというと、それほど伝わっていなかった。

 

これまでの楽曲ではスカパンクに挑戦したりと攻めた音楽性だった。しかしそれがメンバーの持つアイドル性と上手くハマっていたかというと、個人的には良いんだけど惜しいなと思うことも多かった。だからアイドルの音楽もしっかり評価される今のご時世でも、音楽ファンにはあまり注目されなかったのかもしれない。

 

それが最新作『ふぁん』ではアイドル性と音楽性の高さが良い感じにハマった気がする。アイドルとしての魅力はしっかりと感じるのに、楽曲は作り込まれているうえに攻めた音楽性でて面白い。それでいて今までの活動があったからこそたどり着いたと思えるような空気感もある。

 

個人的にはばってん少女隊の過去最高傑作。アイドルに興味がない人にこそ聴いてほしい。

 

OTOMEdeshite

OTOMEdeshite

  • ばってん少女隊
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

BTS『BE』

 

「こんな音を使って、こんな編曲をするのか!」と驚いてしまうような刺激的な作品。1つひとつの音の全てが刺激的。

 

まさに世界最先端で世界トップクラスのクリエイターが集まって作られた音楽なのだと実感する。

 

それでいて日本人にも馴染みやすい音楽に感じる。メロディからはJPOP的なキャッチーさを感じるからだろうか。特に世界的大ヒット曲になっている『Dynamite』はJPOP的な要素もある名曲に感じる。

 

Dynamite

Dynamite

  • BTS
  • K-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

Bring Me the Horizon『POST HUMAN: SURVIVAL HORROR』

Post Human: Survival Horror

Post Human: Survival Horror

  • 発売日: 2021/01/22
  • メディア: CD
 

 

CDリリースは2021年1月ではあるが、配信では10月末に先行リリースされていたBMTHの新作。

 

9曲とボリュームは控えめではあるが、バラエティ豊かで良い意味で統一感がなく方向性が全曲バラバラ。

 

1曲目の『Dear Diary,』でメタルコアをやったと思いきや、2曲目『Parasite Eve』は民族音楽ん影響を感じる楽曲という振り幅の大きさ。

 

他にもYUNGBLUDやBABYMETAL、Nova Twinsとのコラボレーションもあったりと情報量が多い。しかもその全てがめちゃくちゃカッコいいから最高。

 

特にBABYMETALをとフィーチャリングした『Kingslayer』は二組の相性が意外にもバツグンで驚いた。

 

Kingslayer (feat. BABYMETAL)

Kingslayer (feat. BABYMETAL)

  • Bring Me The Horizon
  • ハードロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

宮本浩次『ROMANCE』

ROMANCE(初回限定盤)(2CD)(特典なし)

ROMANCE(初回限定盤)(2CD)(特典なし)

  • アーティスト:宮本浩次
  • 発売日: 2020/11/18
  • メディア: CD
 

 

 こんなのカバーアルバムじゃないと思った。個性が強すぎてオリジナルアルバムじゃないかと思った。

 

それぐらいに宮本浩次の初のカバーアルバムは個性が強い。クセが強い。彼の歌声や歌唱方法は、何を歌っても「宮本浩次の音楽」にしてしまうような凄さがある。

 

宮本浩次の歌の才能が、カバーアルバムを出すことでわかりやすく顕著にリスナーに伝わっている。

 

特に宇多田ヒカル『First Love』のカバーは圧巻だ。

 

ロックバラードにアレンジし男性ボーカルで力強くも切なく歌うことで、楽曲の新しい魅力が引き出されている。20年以上前の誰もが知る超絶大ヒット曲の新たな魅力を引き出す人がいるとは、まさか思わなかった。流石。

 

あと松任谷由美『恋人がサンタクロース』を歌うミヤジが可愛い......。

 

恋人がサンタクロース

恋人がサンタクロース

  • 宮本浩次
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

yonawo『明日は当然来ないでしょ』

 

 タイトルからして優勝。こんな良いタイトルをつけておいて、中身が悪いはずがない。タイトルが魅力的すぎて楽曲のハードルを上げてしまったとすら思う。

 

そんな自ら高くしたハードルを余裕で超えちゃうような楽曲を集めた名盤をyonawoは作ったような感じ。

 

全体的にメロウな曲が多くて自然と身体を揺らしたくなるような心地よさ。リバーブのかかったギターの音が特に心地よい。

 

そして言葉の使い方も上手いと思う。詩的な表現でありつつも耳に心地よい発音の言葉が並ぶ歌詞。それが楽曲の心地よさをより引き立てている。

 

good job

good job

  • yonawo
  • オルタナティブ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

LUCKY TAPES『Blend』

Blend(初回限定盤)

Blend(初回限定盤)

  • アーティスト:LUCKY TAPES
  • 発売日: 2020/11/25
  • メディア: CD
 

 

優しい音色なのに重低音が響いているので力強くも感じる。そんな不思議なバランスだけど心地よく聴ける。

 

kojikojiやハルとのフィーチャリング曲もあったりとバラエティに飛んだ作品ではあるが、全体的に統一感もあってまとまっている。楽曲の流れをよく考えられていることと、曲の方向性はバラバラでも音色の作り方は近いからかもしれない。

 

BGMにしても心地よいし、じっくり聴くと完成度の高さに唸ってしまうような作品。

 

Happiness feat. ハル

Happiness feat. ハル

  • LUCKY TAPES
  • R&B/ソウル
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

Leah Dou『GSG MIXTAPE』 

GSG MIXTAPE

GSG MIXTAPE

  • 発売日: 2020/11/27
  • メディア: MP3 ダウンロード
 

 

これは凄い。

 

何がすごいかというと、流れてくる全ての音色が心地よすぎること。心地よすぎて気づいたら最初から最後までアルバムを通して聴き終わっているような感じ。そして心地よすぎるから再び聴きたくなるような感じ。

 

音が心地よいだけでなく歌声も心地よいし、メロディも聴いていて落ち着く。

 

このアルバム、まったく隙がない。音楽としても素晴らしいけれども、音としても素晴らしい。これは年間ベスト1候補。

 

GSG

GSG

  • リア・ドウ
  • オルタナティブ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

まとめ

 

・eill『LOVE/LIKE/HATE』
・Kylie Minogue『DISCO』
・THE COLLECTORS『別世界旅行〜A Trip in Any Other World〜』
・ばってん少女隊『ふぁん』
・BTS『BE』
・Bring Me the Horizon『POST HUMAN: SURVIVAL HORROR』
・宮本浩次『ROMANCE』
・yonawo『明日は当然来ないでしょ』
・LUCKY TAPES『Blend』
・Leah Dou『GSG MIXTAPE』

 

↓先月の良かったアルバム一覧はこちら↓