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でんぱ組.inc 幕張ジャンボリーコンサートで諭吉佳作/menとの『形而上学的、魔法』のコラボ に衝撃を受けた〜 ライブレポート・感想・セットリスト 〜

始まった瞬間に空気が変わった

 

静岡県在住16歳女性、諭吉佳作/men。わたしは小学生の頃からでんぱ組.incのファンでした

 

AMラジオのようなざらついた音声が幕張メッセに響く。おそらく諭吉佳作/menが自分で話した内容を録音しサンプリングした音声だと思う。曲が始まる前の導入としてのアレンジ。他の曲とは違う不思議な始まり方に引き込まれる。

 

間髪入れずに曲が始まる。でんぱ組と諭吉佳作/menの共演。曲は『形而上学的、魔法』。

 

ここまでのライブの雰囲気は楽しさしかない明るい雰囲気。テンションの上がるアップテンポの曲やかわいらしいアイドルソングが中心。

 

それが一瞬で変わった。

 

でんぱ組のパフォーマンスはここまでと全く違うものになっていた。盛り上げる歌ではなく聴かせる歌。客を沸かせるダンスではなく魅せるダンス。

 

12月8日幕張メッセで行われたでんぱ組,incのライブ。『でんぱ組.inc 幕張ジャンボリーコンサート』。2日間行われたライブの2日目の出来事。この日はゲストとして諭吉佳作/menが招かれコラボレーションという形で共演した。

 

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3時間近く行われたライブは素晴らしかった。今年のでんぱ組の集大成とも言えるセットリストとパフォーマンス。それでいて未来も感じる新しい挑戦もしていた。「ライブのどの部分が良かったか」と聴かれれば人それぞれ違う部分を答えるであろう密度の濃い内容。

 

でんぱ組だけで行ったパフォーマンスも最高だった。ライブの良さで成り上がっていったアイドル。大きな会場で行なったライブを何度も成功させているアイドル。この日も圧倒的なパフォーマンスで期待を超える凄みを感じた。

 

清竜人がゲストでピアノを伴奏しでんぱ組が歌った新曲『私のことを愛してくれた沢山の人達へ』も素晴らしかった。清竜人の弾くピアノに合わせて感情的に歌う古川未鈴は途中感極まってい涙を流していた。

 

素晴らしいパフォーマンスや場面がたくさんあった。それでも自分はこの日のハイライトはでんぱ組.incと諭吉佳作/menのコラボレーションだと思った。

 

それはでんぱ組も諭吉佳作/menも今まで見せることのなかった姿を観せていたように感じたからだ。それが新鮮で刺激的で衝撃を受けたからだ。

 

諭吉佳作/menは何者なのか

 

2組がコラボレーションした楽曲は諭吉佳作/menが作詞作曲を行いでんぱ組に提供した作品。

 

 

この曲がリリースされた時も驚いた。でんぱ組としては意外性がある曲だったからだ。

 

今までのでんぱ組にはないタイプの楽曲。明るさや楽しさよりもかっこよさ。ジャジーなバックトラックの音とメロディが新鮮。ボーカルにオートチューンがかけられている曲も初めてだと思う。それよって歌声に今までとは違う魅力も感じた。

 

でんぱ組にとって新しい挑戦とも言える曲。それでもでんぱ組の個性もきちんと溶け込んでいる曲。グループの新しい魅力が引き出されている。

 

おそらくでんぱ組のファンは「作詞作曲の諭吉佳作/menって誰?」と思っていた人がほとんどだったと思う。彼女の曲も存在も知らない人が多かったと思う。

 

諭吉佳作/menは静岡県浜松市在住の16歳の女子高生。未確認フェスティバル2018で審査員特別賞を受賞したりと2018年には一部の音楽ファンから注目はされていた。

 

しかしまだCDをリリースしていない。SoundCloudやEggsでは配信されているがiTunesやSpotify等のストリーミングでは配信されていない。(崎山蒼志とのコラボ曲と未確認フェスのコンピの曲のみ配信)表立った音楽活動を初めてから1年弱しか経っていない。

 

アリーナ規模でライブを行うでんぱ組と比べると知名度はまだまだ。彼女の今のポジションで考えると人気アイドルに楽曲提供をしたことも幕張メッセで共演したことも大抜擢。 

 

 でんぱ組のファンだけでなくアイドルファンや音楽ファンでも「でんぱ組の新曲がすごい」と話題にしている人も少なくなかった。『形而上学的、魔法』に魅力を感じた人は諭吉佳作/men本人が歌っている姿を観て欲しい。彼女の曲を聴いて欲しい。でんぱ組への提供曲にも通づる唯一無二の個性や魅力を感じるはずだ。

 

 

ステージでの立ち振る舞いも佇まいもでんぱ組とは系統が違う。歌の発声方法も動きも。激しく歌い踊るでんぱ組に対して諭吉佳作/menはゆったりと動き歌う。

 

楽曲提供者としての諭吉佳作/menとアイドルとして歌うでんぱ組の相性は良かった。しかしステージで共演するとなると、どのようなものになるのか想像がつかなかった。成功するか失敗するかも想像がつかない。

 

しかし、結果が予想できないコラボレーションだからこそ刺激的でインパクトがあった。

 

動のでんぱ組.incと静の諭吉佳作/men

 

ライブの話に戻そう。

 

ここまでの曲は明るい照明が多かった。しかしこの曲では薄暗い照明に照らされながら歌い踊っていたでんぱ組.inc。その姿は『形而上学的、魔法』のMVを生で観ているようで見惚れてしまう。それに対してコーラスで楽曲を支える諭吉佳作/men。

 

コーラスは音源にはない。共演するにあたって加えられたものだと思う。美しいコーラスによって楽曲のアンニュイな雰囲気が引き立つ。この曲が音源以上に魅力的な伝わり方がする空間に変化している。

 

さっきまでコールをしたりペンライトを振っていたファンも、曲に吸い込まれるようにステージに集中している。

 

でんぱ組が「動」ならば諭吉佳作/menは「静」だと思った。

 

激しく歌い踊ることで楽曲の世界観を表現しているでんぱ組。それに対して諭吉佳作/menは微動だにしない。微動だにしないが彼女の持つ雰囲気や佇まい、そして歌声で楽曲の世界観を表現している。

 

表現方法が全く違う。今まさに共演しているはずなのに、両者とも互いの表現方法に合わせようとはしない。それなのに両者のパフォーマンスどちらにも同じように鳥肌が立つ。そして「動」と「静」が組み合わさり一つになる不思議な光景に惹かれる。鳥肌が立つ。

 

 このような対比をでんぱ組のライブで感じることはなかった。しかしでんぱ組のパフォーマンスとしてきちんと成立している。

 

共演することででんぱ組は新しい表現方法を手に入れたように思った。特に楽曲が2番に入ってからそれを強く感じた。両者共に新しい魅力をステージで出しているように感じた。

 

幕張メッセに響く諭吉佳作/menの歌声

 

2番のAメロとサビをでんぱ組は歌わなかった。ダンスで表現をすることに徹していた。

 

代わりに諭吉佳作/menが歌った。

 

幕張メッセには1万人近くの来場者がいたと思う。彼女がこの規模で歌うことは今までなかった。それでも堂々と歌っていた。肝が据わっていると思った。いつもと変わらない歌唱力の高さと繊細な表現。その歌声は伸びやかで幕張メッセに響き渡る。

 

でんぱ組が歌っている時は諭吉佳作/menがコーラスをすることでサポートしていた。それをお返しするかのように、でんぱ組は踊ることで彼女の歌を支えているように見えた。

 

美しい歌声を引き立てるような美しいダンス。 全く違う表現でも不思議とそれが支え合っているように見えた。2組で楽曲の魅力を引き立て最高のステージを作り上げている。

 

諭吉佳作/menは天才だと思う。でんぱ組は最高のアイドルだと思う。どちらもステージに立てばライブの主役として目立ち輝く存在。しかし2組とも主役として輝くだけでなく共演相手を引き立てる力も持っているようだ。

 

それは今まで自分が気づくことがなかった両者の魅力だ。それを知れたことが新しい発見でもあり衝撃でもあった。その姿に感動した。その余韻がライブから1日経っても残っている。

 

だから自分にとってライブのハイライトになった曲は『形而上学的、魔法』なのだ。

 

アイドルがアーティストをフックアップしている

 

でんぱ組.incに楽曲提供したことをきったけで諭吉佳作/menを知った人も多いと思う。楽曲提供者に対して意識をしていないでんぱ組のファンは幕張メッセでのライブで存在を知ったかもしれない。

 

そして諭吉佳作/menの凄さや魅力はでんぱ組のファンにしっかり伝わったように思う。

 

アイドルは音楽ファンから過小評価されることも多い。音楽を真剣にやっていないという偏見を未だに持っている人もいる。

 

しかしアイドルも音楽を真剣にやっている。メンバーはもちろん関わっているスタッフも含めて。

 

アイドルソングを作る作家は新進気鋭のアーティストや才能があるものの売れるきっかけをなかなか掴めていないアーティストも多い。ホールやアリーナでライブを行うアイドルの裏方にそういったアーティストが関わっていることも少なくないし、楽曲を提供することで注目されたり評価されることも多い。

 

でんぱ組は以前からそのような一面はあった。WINNERSの玉屋2060%は『でんでんぱっしょん』や『でんぱれーどJAPAN』を提供したことでバンドの知名度も上がったように感じる。

  

でんぱ組だけでなく他のアイドルだって同様だ。私立恵比寿中学はCDをリリース前の魔法少女になり隊や、EPを1枚出しただけで知名度も低い頃のMega Shinnosukeに楽曲提供を依頼した。新しい学校のリーダーズは『君はロックを聴かない』をリリースする前のあいみょんから楽曲提供を受けている。

 

今は人気アイドルが若い才能あるアーティストをフックアップして世間に広めている一面があるのかもしれない。諭吉佳作/menはでんぱ組に楽曲提供以降、注目度も知名度も上がってきているように思う。

 

 アイドルソングを舐めてはいけない。アイドルソングを聴くことで新しい才能に出会えるかもしれない。次の音楽シーンを担う才能を見つけることができるかもしれない。

 

そしてアイドルにとってもアーティストにとっても相乗効果で新しい魅力が生まれるかもしれない。

 

実際にでんぱ組と諭吉佳作/menの共演は相乗効果で両者に新しい魅力が生まれていた。素晴らしい楽曲を生み出し、ステージで最高のパフォーマンスをしていた。

 

この共演を1回で終わらすのはもったいない。また2組の共演を見たい。チケット代が高くても構わない。1万円を超えたとしても自分は出す。

 

もしも1万円で共演を再び観れるのならば即支払う。諭吉佳作/menに諭吉渡す/menになりたい。それぐらいの強い気持ち、強い愛を自分は持っている。

 

セットリスト

1.でんぱりーナイト

2.DearStageへようこそ

3.破!to the Future

4.Future Diver

5.ギラメタスでんぱスターズ

6.バリ3共和国

7.ボン・デ・フェスタ

8.かぼちゃタンデム

9.しゅきしゅきしゅきぴ♡がとまらないねっ...!(根本凪&鹿目凛ユニット曲)

10.ペイルライダー(LAVILITH※相沢梨紗&桜野羽咲のユニット)

11.スバラシキセカイ(LAVILITH)

12.形而上学的、魔法(諭吉佳作/menコラボ)

13.キラリ☆彡スター☆トゥインクルプリキュア(プリキュアコラボ)

14.ペピプ☆ロマンチック(プリキュアコラボ)

15.ファンラブメドレー(エバーグリーン→STAR☆ットしちゃうぜ春だしね→ノットボッチ...夏→永久ゾンビーナ→冬へと走り出すお!→くちづけキボンヌ→ブランニューワールド→IDOL→ダンス・ダンス・ダンス→きっと、きっとね。→エバーグリーン)

16.おやすみポラリスさよならパラレルワールド

17.でんでんぱっしょん

18.強い気持ち、強い愛

19.キラキラチューン

20.プレシャスサマー

EN1.私のことを愛してくれた沢山の人達へ

EN2.愛が地球を救うんさ!だってでんぱ組.incはファミリーでしょ!(新曲)

EN3.愛が地球を救うんさ!だってでんぱ組.incはファミリーでしょ!(2回目)

EN3.いのちのよろこび

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