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【レビュー】マカロニえんぴつ『青春と一瞬』をはっとりがソニーと無関係なのにTHE FIRST TAKEで歌った理由(歌詞・感想)

THE FIRST TAKEに出演したことが意外だった

 

『THE FIRST TAKE』にマカロニえんぴつのはっとりが参加したことには驚いた。参加することがありえなアーティストだと思っていたからだ。

 

 

『THE FIRST TAKE』はアーティストの歌を一発撮りする動画を配信しているYouTubeチャンネルだ。これまでも多くのシンガーが参加し、一発撮りだからこその緊張感と生々しさを感じる歌声をきかせてくれた。

 

このYouTubeチャンネルはソニーミュージックが運営している。そのためソニー関連のレーベルや事務所に所属しているアーティストが出演し続けている。所属アーティストの宣伝をすることを目的としているのだ。

 

しかしマカロニえんぴつはソニーとは無関係だ。muffin diskという渋谷eggmanというライブハウスが運営している事務所とインディーズレーベルに所属している。

 

つまりソニーにとってはっとりを出演させることにメリットはない。今後マカロニえんぴつがソニーからメジャーデビューする可能性もあるが、現時点では他の所属アーティストに歌わせた方がメリットはある。広告収入があるとしても微々たるものだろう。

 

利益よりも気持ちを優先してソニーは出演オファーをしたのだと思う。はっとりはその気持ちに応えるために承諾したのではと思う。

 

こんなときだからこそ、音楽の力を信じたのではないだろうか。だからこそ『青春と一瞬』を選んだのではないだろうか。

 

若者に向けた歌

 

 

『THE FIRST TAKE』に動画が投稿される前に、はっとりはTwitterに投稿していた。

 

このツイートを見て思い出した。そういえば4月だと。新しい生活を始めた人も多い季節だ。3月で今までの生活を終えた人もたくさんいる季節だ。今までにはなかったような非常事態で、すっかり感覚が薄れていた。

 

つまらない、くだらない退屈だけを愛し抜け
手放すなよ若者、我が物顔で
いつでも僕らに時間が少し足りないのは
青春と一瞬がセットだから

(マカロニえんぴつ / 青春と一瞬)

 

サビの歌詞が胸に響く。

 

そういえば卒業式が中止になった学校が多いとニュースで知った。休校になってそのまま学校を卒業してしまい、強制終了のように学校生活を終えてしまった学生もいるのだろう。

 

書いて 消して 悩んで出した定理は
居眠りの午後三時半に見失った
全部ぜんぶ 学んでド忘れしたい
無限の宇宙を自転車で駆け抜ける

 

語り合ったりたまに泣いたりできるくらいの
すばらしい日々をくれ

 

つまらない、くだらない退屈だけを愛し抜け
手放すなよ若者、我が物顔で
いつでも僕らに時間が少し足りないのは
青春と一瞬がセットだから

 

覚えておいて、未来は転がるもの
この場所にずっと前からあるもの
全部ぜんぶ 眩しいね
友よ 声よ 昨日よ 僕自身よ

 

つまらない、埋まらない退屈だけを愛し抜け
夢が増えればハラが減る、若者であれ
いつでも僕らに時間は少し足りないのだ
青春と一瞬はセットなんだぜ

 

染まりたいね
使い切っていたい 黄金の色に咲く春
よだれまみれ 出来心の恋も剥き出しで

 

誰にも僕らのすばらしい日々は奪えない

 

つまらない、くだらない退屈だけを愛し抜け
手放すなよ若者、我が者顔で
ずっと埋まらないくらいでいい
時間は少し足りないのがいい

 

青春と一瞬はセットなんだぜ
間違いだらけの正義なんだぜ
風と友に贈る歌だぜ

 

 

歌詞を全て読んでみる。

 

これは若者へのエールに思えた。こんなときだからこそ『青春と一瞬』を歌ったのだと思った。社会が混乱している中で生活が変わってしまった若者や、卒業式に行くことができなかった若者に向けてのメッセージに思えた。

 

歌が希望をくれる

 

〈つまらない、くだらない退屈だけを愛し抜け〉という歌詞が、これほど響く世の中になるとは思わなかった。1月の初めには想像もできなかった。〈語り合ったり、たまに泣いたりできるぐらいの〉時間も持てなくなってしまった。

 

今までとは『青春と一瞬』の聴こえ方が変わった人もいるかもしれない。曲を聴いて「時間は一瞬だから大切にしないと」と思っていたことを、思うだけではなく実感することになってしまった。

 

自粛により友人と遊びにも行けなくなったかもしれない。ライブは中止だらけだしライブハウスはワイドショーやSNS叩かれまくっている。マカロニえんぴつのライブもしばらく実施されない。

 

誰にも僕らのすばらしい日々は奪えない

 

大切な日々が奪われていると感じるような毎日が続いている。

 

やりたいこともできないし、会いたい人にも気軽に会えないような日々が続いている。ウイルスによって〈僕らのすばらしい日々〉が奪われているような気持ちになることもある。

 

でも、やはり、誰にも奪えないとも思う。

 

例えば卒業式が中止になって悔しいと思った卒業生や、先輩をしっかり見送りたかった在校生がたくさんいると思う。しかし彼らのすばらしい日々が奪われたわけではない。それまで過ごした日々や思い出は誰にも奪えない。それは新型コロナにも奪えない。

 

数年後に同窓会をやれば昨日のことのように青春時代の話をできると思う。友人と会えば学生時代に戻ったように、語り合ったりたまに泣いたりできるはずだ。10年後には「俺たちは卒業式ができなかったよな」と語り合って笑いあえるかもしれない。今の辛い状況も捉え方によっては、誰にも奪えないすばらしい日々になるかもしれない。

 

世の中が非常事態で混乱しているタイミングで『青春と一瞬』をスタジオライブで届けてくれたことには意味がある。多くの人に希望と元気を与えてくれたと思う。特に若者は聴いて救われる人がたくさんいると思う。

 

この歌を届ける意味があるからソニーも所属アーティストではないマカロニえんぴつのはっとりにオファーをしたのだと思う。音楽に関わる企業として、利益の確保よりも大切なものを届けるために。

 

思い出は忘れることはない。青春を過ごした仲間との絆もなくなるわけではない。青春と一瞬はセットだけれど、青春と一生もセットなんだぜ。

 

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