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【ライブレポ・セットリスト】櫻坂46『7th Single BACKS LIVE!!』at Zepp Divercity Tokyo 2024年1月22日(月)

”ライブハウス特有の熱気”というものがある。オールスタンディングで密集していることや、ステージとの距離感が近いことによる高揚感からくるものだ。座席がある会場と比べると落ち着いて観ることが難しいが、それによって生まれる感動や興奮もある。

 

櫻坂46のライブも例外ではないようで、Zepp Divercity Tokyoで行われた櫻坂46『7th Single BACKS LIVE!!』でもライブハウスだからこその熱気で包まれていた。

 

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石森璃花と村山美羽の注意事項を告げる開演前のアナウンスの時点で、観客の熱気が凄い。その空気感はまるでロックバンドのライブが始まる前のような雰囲気だ。

 

そこから『Overture』が始まり、観客はグループ名をひたすらに叫び開演を待つ。その観客の声もライブハウスの規模だからか、普段よりも大きく感じる。今回は7th SingleのBACKSメンバーによるライブ。フルメンバーでのライブではないもののこの熱気ということは、普段以上にコアなファンが集まっているのだろうか。

 

BACKSだからといっても選抜落ちした2軍というわけでも落ちこぼれというわけでもない。彼女たちのパフォーマンスは選抜メンバーに負けないほどに求心力がある。1曲目に『Dead end』を披露した時点で、それを実感した。観客はパフォーマンスの凄さに興奮して叫んだり腕を上げたりペンライトを掲げたりと、物凄い熱気を生み出していたからだ。

 

この曲で今回センターを務めたのは村山美羽。まだキャリアが浅い三期生ではあるものの、鬼気迫る表情で立派にセンターを務めている。自分は3ヶ月前に三期生ライブ『新参者』を観ているが、村山を含む三期生の堂々としたパフォーマンスは3ヶ月前と比べても見違えるほどに進化していると感じた。

 

 

メンバー紹介を兼ねた全員のソロダンスが行われたことは、普段よりも少人数のライブだからこそのよさだろう。メンバーそれぞれが自身の個性を魅せるように踊る姿にグッとくる。BACKS LIVEは曲ごとにセンターが入れ替わり出演メンバー全員がセンターを務める。メンバー全員にスポットライトが当たるライブなのだ。

 

『半信半疑』ではセンターのポジションがぽっかりと空いていて、大沼晶保と幸阪茉里乃がWセンターになる形でパフォーマンスされた。どうやら本来はこの日体調不良で休んだ的野美青がセンターを務める予定だったようだ。急な体調不良だったこともあるのだろうが、そこを代わりの誰かで埋めるのではなくあえて空けてパフォーマンスすることに、的野の居場所を守りつつもライブを成立させるという石を感じる。

 

「BACKS LIVE!盛り上がっていくぞ!」と今回の座長を務める井上梨名の煽りから始まった『条件反射で泣けてくる』も圧巻のパフォーマンスだ。振り付けやフォーメーションが独特な楽曲だが、センターの井上の豊かな表現で引っ張るように魅せるパフォーマンスをしていた。

 

ここから会場はさらに熱気を帯びていく。「まだまだ愛が足りないな!もっとわたしたちへ愛を叫べ!」と小島凪紗が声がかすれるほどに叫んでから小島がセンターを務める『それが愛なのね』が続いたからだ。メンバーが前方に出てきて、上手や下手にも移動して客席を煽りながら歌い踊る。ステージに設置されたミラーボールに光が当たり会場を美しい光で包み込む演出も最高だ。

 

向井純葉がかわいらしく「盛り上がっていくぞ!」と叫び、彼女がセンターを務める『ドローン旋回中』へとなだれ込むと、観客のボルテージは一気に最高潮に。メンバーも観客もタオルを回して盛り上がっている。この曲ではコールを叫ぶ観客もいたりと、ライブ序盤のハイライトと言える盛り上がりだ。間奏で「もっともっとみんなの声が聞きたいな♡今日がみんなにとって最高の思い出になりますように!」と話す方はかわいかった。かわいかった。かわいかった。

 

MCでは「熱気がすごいですね!メンバーもバディーズのみんなの熱気に負けないように頑張るぞ!」と話す座長の井上。体調不良で休演した的野美青や、それでも的野のタオルをかかげるファンに向けての言及もしていた。

 

幸阪茉里乃と小田倉麗奈と遠藤理子と石森璃花の四人だけが残ると、四人それぞれの「この日の意気込みについて」話が展開された。

 

幸阪はBACKS LIVEが3日目であることに触れ「さらにパワーアップした姿を見せる」と話す。石森も「今日休んでいる美青ちゃんの分まで、サビいしけれど頑張る」と意気込んでいた。小田倉も「明日みんなが学校や職場で声が出なくと困っちゃうぐらいに盛り上げたい」とユーモアを交えて語り、遠藤も「このライブのためにめちゃくちゃ頑張ったから、みなさんに成長を見てもらいたい」力強く話していた。

 

パフォーマンスは『ブルームーンキス』から再開。ここからは魅せる演出も増えていく。中央のスクリーンに大きな青い月が映され、その前にセンターを務める石森が立つ。それが本当に月明かりに照らされて逆光になっていうような姿に見えて引き込まれてしまう。〈キスしちゃった〉〈こんなに好き〉という台詞部分では、観客から悲鳴に近い歓声が湧き上がっていた。それほどにかわいかった。かわいかった。かわいかった。

 

キュートな振り付けが印象的な『最終の地下鉄に乗って』では小田倉がセンターに立ち、スマホなどの小道具を使う寸劇チックな振り付けが印象的な『君と僕の洗濯物』では遠藤理子がセンターを務めた。どちらも2人の印象にマッチした選曲で、とてもかわいかった。かわいかった。かわいかった。

 

『Microscope』は幸阪がセンターに立ち、大沼と遠藤と向井と小島と上村と小田倉によるユニット曲として披露された。ハートが散らばった顕微鏡の中をイメージした映像が流れる中、キュートにパフォーマンスする7人。世間的には欅坂46時代からクールなイメージが強いグループではあるが、今はキュートな楽曲もしっかり似合うグループになったと実感する。

 

だがクールなパフォーマンスでもしっかり魅せてもくれる。石森と斎藤と村山の三人で披露された『制服の人魚』ではクールなダンスと歌で魅せていた。活動も3年を超えて様々なタイプの曲が揃ってきたからこそできるセットリストである。

 

井上のギター弾き語りが聴けるのもBACKSLIVEという全員にスポットライトがあたるライブだからだろう。アコースティックギターを片手に「緊張するなあ......。リハでは緊張しないのにみんなの前に立つと指が震えちゃう。ちょっと練習していい?」と強張った表情をする井上。

 

音を確かめるようにストロークして、深呼吸してから『On my way』を弾き語りで歌い始めた。ギターの演奏は拙いものの、一生懸命演奏している姿にグッとくる、会場の温かな雰囲気も良い。

 

大沼と齋藤冬優花と上村莉菜と小島凪紗の四人によるMCでは、それぞれの今年の抱負が発表された。

 

大沼は「ツッコミをやりまくる」ことが抱負だという。本人がボケキャラということを自覚しているようで『サクラミーツ』などの番組でボケるだけでなくツッコミができるようになった方が番組が良くなるという想いがあるようだ。

 

齋藤は「やったことがないダンスへの挑戦」だと語る。公式YouTubeチャンネルで阿波踊りに挑戦したことをきっかけに、様々なジャンルのダンスに興味を持ったようだ。

 

上村の抱負は「適度に遊ぶ」というシュールなものだった。その理由は2023年に全然遊べなかったからという。そのためミーグリでファンに「休みの日は何をしてるの?」と聞かれても「赤ちゃんの動画を見てる」としか答えられなかったらしい。今年上村のミーグリに参加する人は、彼女が赤ちゃん動画視聴以外に何をしたのか確認してみて欲しい。

 

さらにシュールな抱負を掲げたのは小島だ。彼女の抱負は「続こんなぎ」である。抱負を聞いたどけでは意味不明だ。どうやら「こんなぎ」と最近は自身であまり言ってないので、今年は積極的に言っていきたいらしい。

 

MCの緩い空気感はパフォーマンスが始まれば再び熱気で満ちていく。上村がセンターを務めた『無言の宇宙』では壮大なパフォーマンスで魅せた。そこから上村が齋藤とバトンタッチするように手を触れて、齋藤がセンターを務める『僕のジレンマ』へと続く流れも良い。

 

グループにとって特に重要な楽曲『Buddies』でも魂のこもったパフォーマンスで届けられた。センターの大沼を中心に、他のメンバーもできる限り観客の近くに行き、上手や下手を移動しながら感謝を伝えるように笑顔で歌い踊っている。

 

まだまだ報われないとしても、頑張り続けななければいけません。

 

だって応援してくれる皆さんがこんなにいるから!みなさんを喜ばせるように諦めないぞ!

 

最後のサビ前に大沼が笑顔で話した言葉が印象的だった。昨日8枚目シングルの選抜メンバーが発表されたばかり。この日のライブも選抜に選ばれた者も、また選ばれなかった者も、両方いる。

 

大沼は8枚目シングルでも選抜には選ばれなかった。だがこの言葉を力強く笑顔で話す彼女の姿は輝いていて、いつか報われる日が来るのではとしんじてしまうほどに魅力に溢れていた。

 

MCでは井上と向井純葉と村山美羽の3人が「今年達成する公約」を書道で書いて、それぞれ発表した。

 

井上は“明日ウインク”。ウインクが苦手だが翌日のライブでウインクをするのだと話していた。今年の公約というよりも明日の公約だ。

 

人の目を見ることが苦手な村山は“人の目を見る”を公約した。人見知りなので特にファンの目を見ることが苦手だという。今年はミーグリでファンの目を見て話したいそうだ。

 

3人の公約発表が終わりメンバー全員がステージに再登場し、ここから後半戦。

 

井上の「可愛い曲やるぞ!Buddies、かわいくなれるか!?メンバー、Buddiesに負けずにかわいくやれるか!?」という独特な煽りからかっ『確信的クロワッサン』が披露された。井上の言葉通りにアイドルらしいキュートなパフォーマンスで魅了するメンバー。かわいい。かわいい。かわいい。

 

続く『ソニア』では壮大なパフォーマンスで魅せる。2曲続けて座長である井上がセンターを務めた。全く違うタイプの楽曲を続けたものの、どちらも中心になって他のメンバーを引っ張っている。

 

BACKSLIVEに初めて参加したメンバーもいれば、これまでの全ての回に参加したメンバーもいます。

 

それぞれ思うことは違うかもしれないけれど、BACKSLIVEに熱い思いを持っていることは同じです。次の曲はそんな思いを最大限に伝えられる曲だと思います。

 

言葉を選びながら、想いがこもった言葉を話すをする井上。そして最後に『BAN』がパフォーマンスされた。

 

イントロが鳴った時の歓声も凄かったが、それ以上にメンバーのパフォーマンスの熱量が圧倒的だ。それによって観客はこの日1番の盛り上がりになっていたと感じる。特に井上の鬼気迫る表情が凄まじい。振り付けやフォーメーションは今回のために新しく作り直されたバージョンだ。その意外性と新鮮さもファンを興奮させた要素のひとつだ。

 

様々な方向性で楽しませる最高のエンタメショーだったBACKS LIVE。それはアンコールでも変わらない。むしろアンコールはエンタメ性がさらに高い内容だったかもしれない。

 

アンコールでさアーティスト写真にも使われているBACKSの衣装に着替えたメンバーが再登場すると、井上センターで『なぜ恋をして来なかったんだろう』が披露された。この日はBACKS LIVE3日目でこれまでの公演のセットリストは同じだったが、この楽曲は3日目で初めて披露された楽曲だ。

 

サプライズ的なセットリスト変更に湧き上がる観客。MVや藤吉夏鈴センターの時と同じように、紐を使ったパフォーマンスで魅了し盛り上げる。

 

パフォーマンスを終え、井上が「みなさんをもっと楽しませたいと思ってサプライズでセットリストに追加しました」と話すと、大歓声が響く会場。その歓声が最高のパフォーマンスだったことの証拠だ。

 

大沼「他の仕事もあって忙しかったからからレッスンに集中しきれなくて、実はきちんとパフォーマンスできるか不安でした。でも冬優花さんに八割ぐらいの頑張りでやれば良いって言われて、苦しい時も支えてもらった」

井上「その言い方は勘違いされるから!」

齋藤「それは1,000%で頑張っちゃう子だから、少し肩の力を抜いてもいいんだよって意味で言ったんだよ(笑)」

 

涙ながらに今回のライブへの想いを語った大沼だが、発言にツッコミどころがあったためかんきゃくの笑いを誘ってしまった。

 

「しんみりしちゃったけど、泣いてる暇はないぞ!もっと盛り上がるぞ!」と井上が叫んで最後の楽曲へ。

 

披露されたのは『I'm in』。夢を掴むために挑戦する想いを歌ったような楽曲だ。メンバーが前方に出てきて、ステージ全体を見渡しながら歌い踊っている。明るい未来への希望をパフォーマンスで表現しているかのようだ。

 

そういえば井上は「BACKS LIVEってなんなんだよと思う時もあった」とMCで話していた。たしかに言葉だけだと選抜落ちした二軍扱いに思うかもしれない。

 

だが彼女達のパフォーマンスは素晴らしかったし、決して二軍だとは思えなかった。櫻坂46を支える縁下の力持ちがBACKSと思うほどだ。

 

選抜になることが目標のメンバーも多いだろう。自身が報われていないと思うメンバーもいるかもしれない。

 

だがこの日はBACKS LIVEに出演するメンバーが1番好きというファンもいただろうし、素晴らしいライブをやってのけたのだから、それを誇りに思って欲しい。

 

櫻坂46『7th Single BACKS LIVE!!』at Zepp Divercity Tokyo 2024年1月22日(月) セットリスト

1.Dead end
2.半信半疑
3.条件反射で泣けてくる
4.それが愛なのね
5.ドローン旋回中
6.ブルームーンキス
7.最終の地下鉄に乗って
8.君と僕の洗濯物
9.Microscope
10.制服の人魚
11.On my way
12.無言の宇宙
13.僕のジレンマ
14.Buddies
15.確信的クロワッサン
16.ソニア
17.BAN

 

アンコール

18.なぜ恋をして来なかったんだろう
19.I'm in