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【ライブレポ・セットリスト】欅坂46『THE LAST LIVE」2日目 @国立代々木競技場第一体育館 2020.10.13

欅坂46によるアイドルとしてのライブ

 

2日間行われた欅坂46『THE LAST LIVE』。

 

ライブは大きな扉の前にいるメンバーの映像から始まった。門が開き、その先にはライブを行うステージがある。

 

メンバーがゆっくりと歩いていき、ステージにたどりつくと『overture』が流れ、メンバーの写真と名前がビジョンに映る。

 

その始まり方は初日と同じだった。

 

しかしセットリストも演出も内容も、全てが1日目と2日目で違う。陰と陽でグループの二面性を伝えるようなコンセプトだった。

 

1日はグループや楽曲の世界観に引き込まれるような、魅せるライブ。ただただ圧倒させられて感動するようなライブ。

 

アイドルと言うよりも表現者としてのパフォーマンスに感じた。

 

 

2日目は明るく多幸感に溢れていた。

 

「笑わないアイドル」「大人や社会への反抗」などと世間やメディアに表されることが多いグループだったが、そんな固定概念やイメージを打ち壊すようなパフォーマンス。

 

最後だからと悲壮感などない。最後だからこそ、ファンにひたすら元気を与えるような、アイドルとして一流のライブをやってのけた。

 

前半

 

欅坂46はメジャーアイドルシーンで新しい定義を作って、大きな爪痕を残したと思う。彼女たちの音楽やパフォーマンスに、何度も衝撃と刺激を受けた。

 

しかし普通のアイドルと同じように、メンバーが笑顔で楽しんでいる姿こそ、最も魅力的な姿かもしれない。

 

1曲目の『危なっかしい計画』のパフォーマンスを見て、そんなことを思った。

 

ずっと笑顔でパフォーマンスする世界線の欅坂46も、最高のアイドルだったのかもしれない。

 

危なっかしい計画

危なっかしい計画

  • 欅坂46
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

小林由依が「ラスト!ぶち上がれ!」と声を裏返しながら叫び、それを合図に曲がライブは始まった。

 

メンバー全員が「オイ!オイ!」と声を合わせて叫ぶ。メンバー全員が弾けるような笑顔で飛び跳ねながらパフォーマンスする。

 

荒々しいパフォーマンスかもしれないが、全員が心の底から楽しんでいるように見える。こちらも笑顔になって元気になるような、アイドルとして最高のパフォーマンスだ。

 

サビでは菅井友香が「いくぞ!」「タオル回せ!」と煽り、アウトロでは松田里奈が「欅坂46が大好き!」と笑顔で叫ぶ。

 

MCも煽りも挨拶もなくクールな表情で全員がパフォーマンスしていた初日。2日目はそれとは真逆のパフォーマンスだ。

 

2曲目もポップで明るい曲調の『手を繋いで帰ろうか』。こちらも笑顔で楽しそうにパフォーマンスしている。

 

手を繋いで帰ろうか

手を繋いで帰ろうか

  • 欅坂46
  • J-Pop
  • ¥255
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中盤から菅井友香と守屋茜がステージを飛び出し、テーブルに座ってカフェラテを飲んだりゴーカートに乗ったり手を繋いだり抱きついたりと、かわいらしい寸劇で明るい雰囲気を作り出した。

 

『二人セゾン』では、大きな欅の木がプロジェクションマッピングで映し出され、それを背負うように全員が笑顔で歌い踊る。

 

センターを務めたのは小池美波。

 

彼女はドキュメンタリー映画『僕たちの嘘と真実』で「平手の二人セゾンが秋冬で切なさを表現するならば、自分は春夏の明るいイメージの二人セゾンにしたい」と語っていた。

 

後半には小池のソロダンスパートがあるが、自信に満ちた表情で、キラキラした目で華やかに楽曲を表現していた。

 

まさに「春夏」の明るい『二人セゾン』。小池美波がセンターだからこそ表現できたパフォーマンスだ。

 

二人セゾン

二人セゾン

  • 欅坂46
  • J-Pop
  • ¥255
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「いつも見守ってくださりありがとうございます。この曲はひらがなけやきと一緒に歌い始めた曲です。二期生と新二期生も加えて、みんなで届けたいと思います」

 

菅井が話してから始まったのは『太陽は見上げる人は選ばない』。

 

東京ドーム公演の本編ラストに選ばれたり、欅坂46としての最後のテレビ出演で最後にパフォーマンスした曲。グループにとって特に大切な楽曲の一つだ。

 

太陽は見上げる人を選ばない

太陽は見上げる人を選ばない

  • 欅坂46
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  • ¥255
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ミラーボールが包み太陽をイメージするような光で、メンバーを包むように会場全体を照らす。メンバーが太陽の中心であることをイメージしているように見えた。

 

まるで彼女たちが太陽としてファンを照らし、元気を与える象徴であるとことを伝えているようだ。

 

曲の最後のコーラスを「みなさんも一緒にうたってください」と菅井友香が画面の向こうに向けて声をかける。

 

「笑わないアイドル」と表されることが多いグループだったが、それは間違っている。

 

ラストライブの欅坂46は笑顔でパフォーマンスして、無観客でもファンとの繋がりを大切にして笑顔にしようとしていた。

 

『制服と太陽』ではデビュー当初から現在までを辿るように、過去の写真が後方のビジョンに映る。

 

制服と太陽

制服と太陽

  • 欅坂46
  • J-Pop
  • ¥255
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これから先の夢は いつの日にかわかってくる
生き方なんて誰にも指導されなくたって
運命が選び始める

 

歌詞とライブ演出が紆余曲折あったグループの歴史と重なる。この曲がラストライブで披露されたことへの必然性を感じる。

 

雲が流れる青空の映像をバックに『世界には愛しかない』を披露。明るくて爽やかで引き込まれる。

 

彼女たちはアイドルとして新しい価値観を作ったかもしれないが、王道のアイドルとしても魅力的であると改めて感じるパフォーマンスだった。

 

 

後半

 

『コンセントレーション』は、ダンスの実力が高いメンバー(尾関梨香、小池美波、齋藤冬優花、松平璃子、山﨑天)が中心となったユニット曲だ。

 

壁や天井に近未来的な映像が映る小さな部屋の中で、五人がキレッキレのダンスをパフォーマンスし魅了する。

 

菅井友香、守屋茜、渡邉理佐、田村保乃、松田里奈の5人によるユニット曲『Deadline』も披露した。

 

巨大なビジョンの前に並んで踊る5人。壮大なサウンドを彩るように映像も比例して迫力が増していく。

 

全く違うタイプのユニット曲を続けたことで、メンバーよ個性や層の厚みを感じる。

 

『10月のプールに飛び込んだ』では、あまりの迫力に圧倒させられた。

 

10月のプールに飛び込んだ

10月のプールに飛び込んだ

  • 欅坂46
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校舎やプールをイメージした映像をバックに激しく踊るメンバー。特にセンターの森田ひかるの小さな体を大きく動かすダンスは凄みを感じる。

 

パフォーマンスを盛り立てるように水が噴水のように飛び出る。それが画面からも伝わるほどに迫力があった。

 

良いライブができるかどうかはメンバーのパフォーマンスだけでなく、スタッフや演出のサポートによっても決まる。それを改めて実感した。

 

楽曲の世界観を丁寧に表現するだけでなく、意外性のある組み合わせで刺激を与えることも意識している演出もあった。

 

『砂塵』は跳ねるようなリズムとキャッチーなメロディが印象的な楽曲。

 

砂塵

砂塵

  • 欅坂46
  • J-Pop
  • ¥255
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しかし演出はフロアで踊るメンバーをスモークが埋め尽くす。それによって幻想的な雰囲気を作り出す。

 

楽曲のイメージとは方向性が違う演出だが、その意外な組み合わせによって刺激を与え、より魅力的なライブになっていた。

 

ライブもクライマックスに入った。欅坂46の終わりがだんだんと近づいてくる。

 

小林由依が枯れ葉を息を吹いて飛ばし笑顔を見せる演出から始まった『風に吹かれても』。

 

風に吹かれても

風に吹かれても

  • 欅坂46
  • J-Pop
  • ¥255
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全員が楽しそうに笑顔でパフォーマンスする。小林が曲の後半で、ワイヤーで吊るされ、風に吹かれるように宙を舞う。その姿も笑顔で楽しそう。

 

ふとメンバーが笑顔でパフォーマンスできる曲がもっとシングルでリリースされていたとしたら、 違う未来があったのかもしれないと思ってしまった。

 

『アンビバレント』ではプロジェクションマッピングで床に映像が映し出され、大量のレーザーに照らす中でパフォーマンスした。

 

アンビバレント

アンビバレント

  • 欅坂46
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  • ¥255
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センターの小池美波が群を抜いた表現力でメンバーを引っ張る。それに鼓舞さらたかのように菅井友香が「ラスト行くぞ!」かすれた声で叫ぶ。

 

『ガラスを割れ!』ではメンバーと同じ人数のダンサーが出てきて、欅坂46vsダンサーのダンスバトルが勃発。レーザーが飛び交い炎の特攻が飛び出る中でパフォーマンス。

 

ガラスを割れ!

ガラスを割れ!

  • 欅坂46
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  • ¥255
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人数が多いこともあり、映像でも迫力が伝わってくる。

 

ラストライブにおける盛り上がりのハイライトであり、グループの5年間の歴史においてもハイライトと言えるような盛り上がりだ。

 

『誰がその鐘を鳴らすのか?』はラストシングルであり、メンバー全員が参加しているのにセンターが存在しない楽曲。

 

披露する直前、メンバー全員が横一列に並んで手を繋いでいた。それは優劣なく全員が平等に欅坂46のメンバーであることを、改めて表現していたのかもしれない。

 

改めて欅坂46でよかったなと思っています。この5年間でいつの間にか当たり前の存在になって、人生の一部になった欅坂46と本当についにお別れすることになるんだなと思っています。永遠ってないのかなと改めて思って、だからこそ、欅坂46がいかにかけがえのない存在だったのか、このチームの皆さん、応援して下さる皆さん、そしてメンバーのみんながどれだけ大切だったのかなと感じています。

 

本当にここまで活動できたのは、どんな時も味方でいてくださって応援してくださるみなさんがいたからだと思っています。感謝の気持ちでいっぱいです。思い返すと、それぞれみんな人生を変えたいと思ってオーディションを受けた子が多かったと思います。先輩や様々な方々のおかげで応援してくださる方も増えてきて、その都度まだまだ頑張らないといけないと思ったり、普通のグループではないと思い、悩んだり苦しく思うこともありました。でも支えてくださるみなさんやメンバーがいたから乗り越えられたのだと思います。

 

なにより素敵な楽曲や歌詞に色々なことを教えてもらったと思います。私たちだからこそできる世界観があるのかなと思い、欅坂46のことを誇りに思うようになりました。どんなに醜くても、苦しくても、自分たちらしくいて良いんだと教えてくれたのも欅坂46でした。

 

みなさんとの思い出を決して忘れません。みなさんの心の中でわたしたちが創った沢山の作品が生き続けてくれたら嬉しいです。どんな時もキラキラの緑のペンライトで道を作ってくださりありがとうございました。

 

そして欅坂に出会ってくださって、応援してくださって、本当にありがとうございました。

(引用:欅坂46、無観客アリーナ空間を最大限に利用したラストライブで櫻坂46へと転生音楽ナタリー)

 

再びメンバー全員が横一列に並び、キャプテンの菅井友香が代表してグループへの想いを語った。

 

何度もファンへの感謝を伝えていた。

 

無観客のライブでも画面の向こうのファンを煽ったり、言葉を投げかけていた。その時、メンバー全員が笑顔だった。

 

次の曲で本当にラストの曲になります。5年間援してくださった全ての方々に、精一杯の気持ちを込めて届けたいと思います。欅坂46はこの曲で幕を閉じます。2016年4月6日。わたしたちはこの曲で坂を登り始めました。

 

欅坂46の幕を閉じる曲は『サイレントマジョリティー』。

 

サイレントマジョリティー

サイレントマジョリティー

  • 欅坂46
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デビュー曲であり音楽シーンに大きな爪痕を残した楽曲。グループの方向性を、良くも悪くも決定した楽曲。

 

デビュー当時のMVと同じ衣装で、今のメンバーがデビュー当時と同じようにパフォーマンスをする。

 

デビュー時とは比べものにならないほど、一期生の表現力は全員凄みを増している。2期生と新2期生が加わることで、より迫力があり圧倒的なパフォーマンスになった。

 

最後の『サイレントマジョリティー』は、特に5年間の進化と歴史とを感じるパフォーマンスだった。

 

欅坂46の始まりとして相応しい楽曲であったとともに、幕を閉じるための楽曲としても相応しかった。

 

欅坂46が大好きです。みなさんとのこの5年間は宝物です。以上、欅坂46でした!ありがとうございました!

 

全ての楽曲を披露し終え、代表して菅井が最後の挨拶を行う。

 

「ありがとうございました!」と全員が声を揃えて頭を下げる。

 

オーケストラアレンジされたインストの『サイレントマジョリティー』が流れ、エンドロールが流れた。

 

メンバーの名前や関わったスタッフの名前だけではなく、けやき坂46のメンバーや卒業・脱退したメンバーの名前も流れる。

 

様々な事情や問題によって、触れないことが暗黙の了解になっている卒業メンバーもいたが、この日だけはエンドロールで名前を流すことで触れていた。去っていった彼女たちも欅坂46において、大切な存在なのだ。

 

そして最後に「And You!!」の文字が流れた。これはファンに向けたメッセージだろう。

 

欅坂46は現メンバーだけの力で作られたものでもない。関係者のオトナによって作られたというのも違う。グループを離れたメンバーや関係者、ファンも含めて作られたグループだ。

 

良くも悪くも紆余曲折あったグループだが、それも関わった全員による功績であり、責任かもしれない。

 

それを最後のパフォーマンスとエンドロールによって、伝えるかのようだった。

 

こうして欅坂46は活動に終止符を打った。

 

 

櫻坂46の始まり

 

ラストライブの余韻に浸る暇などなかった。浸らせるつもりななかったのかもしれない。

 

すぐに櫻坂46の初披露が行われたのだ。

 

真っ白な衣装を身に纏って、櫻坂46としてステージに戻ってきたメンバー。しかしステージに現れたのは14人だけだ。「選抜制」を導入したということだろう。

 

そして聴いたことがない曲のイントロが流れる。

 

櫻坂46の1stシングルになる楽曲『Nobody's fault』だ。

 

グループ名を変えて方向性を一新させるかと思いきや、欅坂46の方向性からの繋がりを感じる楽曲だった。

 

このタイミングでお披露目になることについてや選抜制で参加できないメンバーがいることに、ファンの間で賛否は分かれたかもしれない。自分もモヤモヤしてしまう部分はあった。

 

しかし歩みを止めずに前進していくためにも、早急に櫻坂46を始動させ、危なっかしい計画だとしても、新しい挑戦をする必要があったのかもしれない。

 

ここからのリスタートになるので、相当な茨の道が待っていると思います。でもまだ色のない真っ白なグループを皆さんと一緒に染めていけたらいいなと思っています。

 

欅坂46で培った経験がきっと私たちを鍛えてくれています。ですのでこの経験を信じて、また新たに強く、強いグループになることを約束いたします。ですので、これからも私たちに期待していてください。

 

これからも私たちの応援どうぞよろしくお願いいたします。

(引用:【ライブレポ・セットリスト】欅坂46 無観客生配信ライブ『KEYAKIZAKA46 Live Online,but with YOU!』)

 

欅坂46が終わることを発表した配信ライブでの、菅井友香の言葉を思い出した。

 

櫻坂46はお披露目からいきなり賛否分かれる状態になり、すでに相当な茨の道が始まっている。

 

それでも自分は「強いグループになることを約束いたします」という言葉を信じようと思う。これから最高のグループになることを期待したいと思う。

 

今度は真っ白なものを汚されるのではなく、真っ白なものをさらに美しい色に染めて欲しい。

 

2020.10.13 欅坂46『THE LAST LIVE』@国立代々木競技場第一体育館

■セットリスト

SE:OVERTURE
  1. 危なっかしい計画 ※センター菅井友香
  2. 手を繋いで帰ろうか
  3. 二人セゾン ※センター小池美波
  4. 太陽は見上げる人を選ばない ※センター菅井友香
  5. 制服と太陽 ※センター森田ひかる
  6. 世界には愛しかない ※センター守屋茜
  7. コンセントレーション
  8. Deadline
  9. 10月のプールに飛び込んだ ※センター森田ひかる
10. 砂塵 ※センター菅井友香
11. 風に吹かれても ※センター小林由依
12. アンビバレント ※センター小池美波
13. ガラスを割れ! ※センター小林由依
14. 誰がその鐘を鳴らすのか?
15. サイレントマジョリティー ※センター小林由依


櫻坂46

 1.Nobody's fault

 

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