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【ライブレポ・セットリスト】乃木坂46 白石麻衣卒業ライブ NOGIZAKA46 Mai Shiraishi Graduation Concert ~Always beside you~ 2020.10.28

白石麻衣卒業ライブ NOGIZAKA46 Mai Shiraishi Graduation Concert ~Always beside you~

 

「白石さんの背中は、私たちが好きになった乃木坂46、そのものでした」

 

『逃げ水』の間奏で、梅澤美波が白石への想いを語っていたときの言葉。

 

アイドルとしての白石麻衣の魅力や偉大さ、影響力の強さを一言で見事に表現している。これはすぐそばで観ていたメンバーだけでなく、ファンも同じように感じていたことだ。

 

配信で行われた乃木坂46の白石麻衣の卒業ライブ「NOGIZAKA46 Mai Shiraishi Graduation Concert ~Always beside you~」。このライブは約68万人が視聴したらしい。それぐらいに多く人に彼女の卒業は注目され、見送りたいと思われていることを示している。

 

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推しメンかどうかは関係なくファンにとっても大きな存在で、全ての乃木坂ファンに愛されて尊敬される存在だった。それはファンにとっても、白石麻衣が「好きなった乃木坂46、そのもの」といえる存在だったからだ。

 

それを改めて感じるようなライブだった。乃木坂46を結成時から引っ張ってきた1人であるメンバーとして有終の美を飾るような素晴らしいライブだった。

 

前半

 

1曲目からして「アイドルとはこういうもの」ということを見せつけるような演出だった。

 

小学生低学年ほどの女の子が白石麻衣に憧れ、ファンレターを出すドラマ映像からライブは始まった。

 

ファンレターの返事として、女の子の自宅に「乃木坂46」と送り先名が書かれた荷物が届く。中には白石麻衣をモデルにしたドールが入っていた。

 

画面が切り替わるとドールと同じ衣装の白石麻衣が映る。人形のように綺麗で可愛らしい姿。ドールに命が吹き込まれて動き出したような感覚。そんな演出から『オフショアガール』のパフォーマンスが始まった。

 

オフショアガール

オフショアガール

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元々は白石のソロ曲だったが、今回は他のメンバーも一緒に歌って踊る。

 

生田絵梨花と松村沙友理はタオルを持って踊り、中盤から他のメンバーも参加してパフォーマンスは続く。序盤にもかかわらず銀テープが飛び出したりと、クライマックスのような盛り上がりだ。

 

アイドルという存在はドールと似ているのかもしれない。

 

人間味もあって親近感がわくけれども、美しくて可愛らしくて、憧れの対象になるもの。 それは共通していることかもしれない。

 

乃木坂46の白石麻衣は、特にそのようなアイドルだった。男女ともにファンが多く、たくさんの人に愛されている。それを表現するためにドールを出す演出にしたのかもしれない。

 

曲の最後にはメンバーがみんなで「白石麻衣」と書かれたタオルを拡げ、改めてライブの始まりを伝える。生田絵梨花はタオルを広げるのに手こずって、結局失敗して広げられなかった。

 

「みなさん楽しんでいますか?今日は幸せな時間にしましょうね!」

 

白石が笑顔で画面の向こうに語りかけてから『おいでシャンプー』へ。

 

おいでシャンプー

おいでシャンプー

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後方のビジョンにポップで可愛らしい映像が流れる中、全員が笑顔でパフォーマンス。泣かせようとするのではなく、アイドル活動の集大成としてファンを笑顔にさせるライブにしようとしている。

 

センターに立つのは白石麻衣。その両隣には3期生の大薗桃子と4期生の遠藤さくらが並ぶ。

 

「乃木坂の絶対的エース」と呼ばれた白石が、これから乃木坂を引っ張っていく後輩にバトンを繋げようとしていると思える並びだ。

 

そしてリリース当時、グループにとって新しい一面を出したことで話題になった『制服のマネキン』をクールにパフォーマンス。

 

パフォーマンスを終えると白いチェックのワンピースを脱ぎ、赤いドレスへ衣装チェンジ。薄暗い照明で紙吹雪が舞う中で『世界で一番 孤独なLover』もクールに歌い踊る。

 

「曲がかかるとこれで最後だと思って寂しくなるけど、1曲1曲を噛み締めながら大切にパフォーマンスできたらと思います」

 

今日の意気込みを語る白石麻衣と、それに対して「最後まで笑顔で見送りたい」と話す秋元真夏。それでも話していて序盤なのに泣き出す星野みなみ。白石との思い出を語る後輩たち。メンバーから彼女が愛されていることが伝わってくる。

 

そして白石麻衣をセンターにして1期生と共に『ぐるぐるカーテン』を披露。後方のビジョンには初期のライブ映像が流れ、白石麻衣の活動の軌跡と乃木坂46の歴史を伝える。間奏で星野みなみの尻を白石麻衣が叩いていたことも重要なチェックポイントだ。

 

ぐるぐるカーテン

ぐるぐるカーテン

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そのまま1期生と『失いたくないから』をしっとりと歌う。パフォーマンス中に涙を流すメンバー。「やっぱり1期生でやると、ダメだね」と涙を流しながら笑いあっていた。

 

2期生とは堀未央奈とのダブルセンターで『バレッタ』を、3期生とは大園桃子と与田祐希とのトリプルセンターで『逃げ水』を披露。4期生と新4期生とは遠藤さくらとのダブルセンターで『夜明けまで強がらなくてもいい』を一緒にパフォーマンスした。

 

逃げ水

逃げ水

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披露されたのは各期を代表する楽曲。それを先輩の白石が最後に一緒にパフォーマンスしたことは、彼女達にとって大きな力を与えてくれることだと思う。

 

グループの中で「大人メンバー」と呼ばれる人たちとはずっと変わらない気持ちで接している。最初から、そしてこれからも大切な人たち

 

転換中に流れた映像での白石のナレーション。映像が終わり次にパフォーマンスされたのは『立ち直り中』。秋元真夏、高山一実、松村沙友理と「大人メンバー」と呼ばれるグループでも年長組の四人でしっとりと歌う。

 

立ち直り中

立ち直り中

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楽曲の後半では4人の9年間の思い出を振り返るような写真がビジョンに映る。そのまま4人で『偶然を言い訳にして』へと続ける。曲の後半で白石と松村が、お互いの腰に手を回して歌う様子が印象的だった。

 

「配信ライブだからこそできる演出」を最も感じたのは『でこぴん』だ。

 

先程の4人に新内眞衣を加えた5人のユニット曲。ポップなCG映像とパフォーマンスが生で重なり合う演出。まるで5人がアニメの世界に飛び込んだようである。これは生のライブで体験できない、配信だからこそできる映像だ。

 

卒業ライブという特別な意味とは関係ない部分でも、配信ライブとして最高のものを創り上げようとしている。 

 

 

 後半

 

ここからもユニット曲は続く。

 

『まあいいか?』は秋元真夏と2人で歌った。秋元が白石の元カレと浮気しているという設定の小芝居のようなパフォーマンスで盛り上げる。2人のLINEのやりとりがビジョンに映されたりとほっこりする演出だ。

 

ミドルテンポのダンスナンバー『流星ディスコティック』は松村と2人でしなやかなダンスで表現し歌い、『せっかちなかたつむり』は一期生の松村、高山、星野、樋口日奈、齋藤飛鳥、和田まあやと共にマイクスタンドを使ってポップにパフォーマンス。

 

せっかちなかたつむり

せっかちなかたつむり

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ここまでのユニット曲は「乃木坂46や白石麻衣のアイドルとしての魅力」が伝わるような可愛らしさや美しさを感じる曲が続いた。しかし次に披露された『きっかけ』は少しだけ違う。

 

ミスチル桜井などもカバーした名曲。この曲は生田のピアノの伴奏とコーラスをバックに、白石が1人で歌唱した。

 

きっかけ

きっかけ

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白石麻衣は一流のアイドルだと思う。しかしボーカリストとしてめちゃくちゃ上手いかというと、そういうわけではない。

 

それでもこの日の『きっかけ』は技術を超えた想いが込められていて、聴くものの心を歌で震わせるような歌唱だった。胸に響いた。感動した。

 

決心のきっかけは理屈ではなくて
いつだってこの胸の衝動から始まる
流されてしまうこと抵抗しながら
生きるとは選択肢 たった一つを選ぶこと

決心は自分から
思ったそのまま 生きよう

(乃木坂46 / きっかけ)

 

CDではユニットを組んだことはなかった白石と生田。しかし仲も良く強い信頼関係で結ばれていた2人。そんな2人がお互いの想いを乗せるように、名曲を素晴らしい演奏と歌声で届けた。

 

続くユニット曲は『渋谷ブルース』。白石と高山の2人によるWHITE HIGHというユニットの曲で、松村と向井葉月があコースディックギターを弾きパフォーマンスを支えている。

 

渋谷ブルース

渋谷ブルース

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ギタリストは無口だから喋らないという設定で松村と向井は沈黙を保ち続けたり、WHITE HIGHに重要なお知らせがあると言ってから白石が自身のメモリアルブックの宣伝をしたり、「WHITE HIGHは解散するけど、理由は音楽生の違い」と話したりと、楽しそうにふざけあう4人。

 

歌と演奏もそんな雰囲気と通ずるような明るくてほっこりした雰囲気。

 

今回のライブは全曲で白石は参加している。しかし一緒にパフォーマンスするメンバーに合わせた楽曲やパフォーマンスを変化させていた。メンバーもそれぞれ自身のキャラクターを守りながら白石への想いを伝えている。

 

白石が主役のライブではあるが、しっかりと他のメンバーも目立つような演出もあった。卒業ライブでありつつ、未来の乃木坂へとしっかりとバトンを繋げるようなライブだ。

 

『シンクロニシティ 』の始まる前にはダンストラックが挟まれたが、齋藤飛鳥からパフォーマンスが始まり、他のメンバーがだんだんとダンス繋いでいってから楽曲のパフォーマンスが始まった。

 

そのまま楽曲に進み、全体のフォーメーションを活かしたダンスで魅せる。これも白石以外のメンバーも印象に残るようなパフォーマンスだ。

 

シンクロニシティ

シンクロニシティ

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『インフルエンサー』もそうだ。炎が吹き出る特効に合わせ、情熱的に踊る全体のダンスに引き込まれる。主役は白石だとしても、乃木坂46として全員が目立つライブなのだ。

 

『サヨナラの意味』からもそれは感じた。

 

後列のメンバーから順番に2人ずつ歌いながら、白石のそばによって抱きついていく演出。普段は目立たないメンバーも、確実に白石と一緒に映る映像が流れる演出。全員で乃木坂46というグループを創っているということが伝わってくる。

 

サヨナラの意味

サヨナラの意味

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それはメンバーだけでなくスタッフも含めてだ。

 

『サヨナラの意味』の後半で白石がランタンに「9年間ありがとう」とマジックでメッセージを書き空に飛ばした。それに合わせてビジョンに無数のランタンが空に舞っていく様子が映し出される。その様子は幻想的だった。

 

それぞれのランタンに様々なメッセージが書かれていることが暗示されている演出に思えた。想いが込められた素敵な演出も含めての乃木坂46のライブである。

 

「涙が急に溢れてきて止まらなくなっちゃったけど、乃木坂は素敵な曲が多いから、改めて歌詞を考えて歌った時に、感情が溢れてきたりね。改めて良い曲がたくさんあると思いました。次の曲で最後です。最後はやっぱり、みんなで楽しく盛り上がりたいなと思っています。配信を見ているみなさんも騒いじゃってください」

 

ラストに披露されたのは『ガールズルール』。彼女にとって初のセンター曲だ。ファンも白石麻衣といえばこの曲が思い浮かぶ人も多いかと思う。

 

ガールズルール

ガールズルール

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この曲のリリース以前の楽曲は生駒里奈がずっとセンターを務めていたが、『ガールズルール』で初めてセンターを白石に受け渡した。これをきっかけにセンターがシングル曲ごとに入れ替わるようになり、1人に人気や注目が集中されることなく分散され、グループの実力や人気が底上げされた。グループの歴史においても重要な曲だ。

 

煙や火花の特効や紙吹雪が飛び出る。花火が打ち上がる映像が流れたりレーザー照明が飛び交ったりと、演出もどんどん派手になっていく。明るくて元気になる楽曲なのに、これが最後だと思うと寂しさも感じる。

 

 

 アンコール

 

再び映像が流れる。白石麻衣がオーディションを受けてから現在までを辿っていく映像だ。

 

後輩が彼女の軌跡を辿るように話し感謝を伝える。そして同期の一期生による感謝と別れを伝えるナレーションへと繋がる。

 

そして白いドレスを着た白石の姿が映る。そして最後の挨拶を始める。

 

白石麻衣です。きょうはここまで見てくださった皆さん、本当にありがとうございます。

 

何を話そうかなって、何回も何回も卒業ライブが決まったときから考えていたんですけど、結局何も考えてこなくて。それは私にとって、この9年間は楽しい思い出ばっかりで、つらいことも、悔しいことも、悲しいことも、壁に何度もぶち当たったこともあったし、私はアイドルに向いてないなとか、もう続けられないかもと思ったことも何回もあったけど…。

 

でも、そんなときに、私の周りにはたくさんの大好きなメンバーがいて、たくさん応援してくれるファンの皆さんがいて、たくさん支えてくれるスタッフの皆さんがいて。皆さんがいてくれたから、ここまで頑張れたし、みんなで励まし合って、たくさん声を掛け合って、大丈夫だよ、頑張ろうって、みんなで支え合ってきたから、私もこうして乃木坂を9年間続けてくることができました。本当にありがとうございます。

 

今日、こうしてライブが始まって、曲がかかったときに「ああ、もう乃木坂でいられるのも、あと数時間なんだな」ってそう思って。すごく寂しい気持ちにもなったし、最後は笑顔で頑張らないとなと思いつつ…。

 

でも、メンバーの笑っている顔だったり、みんなで声を掛け合って、たくさん一緒に頑張ろうねって話してくれる姿を見て、私もきょうは今までで一番最高のライブにしたいと思ったし…。 寂しい気持ちよりも、しっかり前を向いて大きな一歩にもつながるので、頑張らなきゃなと思いつつ、きょうここまで走ってきました。

 

私はライブが本当に好きで、最初は歌もダンスも苦手だったし、ちゃんと歌えるのかなとか、ちゃんと踊れるのかなとか何度も不安になって、いっぱい考えたこともあったけど、ライブで見るすてきな景色、ファンの皆さん一人一人の声援、そういう声にたくさん救われて元気をもらって、歌うのも踊るのも楽しいなとか、ライブってこんなに楽しいんだとか、皆さんからたくさんのパワーをもらったから。

 

ライブですてきなパフォーマンスで恩返ししようって思っていたり。だから、最後のライブが配信になってしまって、直接気持ちを伝えることができないのは残念ですが、今こうして、目の前で最後まで、見てくれている皆さんに本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

 

何もできなかった普通の人でしたけど、私をここまで大きくしてくれたのも、たくさんのファンの皆さんのおかげですし、大好きなメンバーがいてくれたから、私もいろんなことを乗り越えてこれたし、何て言ったらいいか分からないけど、本当にたくさん感謝しているし、ありがとうの気持ちでいっぱいです。

 

この9年間、乃木坂でたくさんの愛をもらって、たくさんすてきな思い出を作って、白石麻衣としても一回り大きく成長できたかなって思っているので…。これから卒業して1人になっても、乃木坂でいられたことを誇りに、これからもしっかり前を向いて強く進んでいきたいなって思っております。

 

乃木坂のこれからもすごく楽しみですし、これからもたくさん楽しんでもらいたいなって思うし、つらいときとかあったときは、みんなで支え合って、手を取り合って、頑張っていってほしいですし、私もこれからも乃木坂を応援して、大好きな乃木坂をたくさんまた見ていきたいなって思います。

 

9年間、乃木坂にいて、すごく楽しかったし、乃木坂に入ってよかったなって心からそう思います。きょうまでの時間たくさん過ごしてきたけど、やっぱり、乃木坂って最高だな。そう、きょうまでの9年間で思いました。

 

たくさんの思い出がいっぱいです。約9年間応援してくれた皆さん、本当にありがとうございました。

(引用:白石麻衣「やっぱ乃木坂最高」/ラストスピーチ全文  : 日刊スポーツ)

 

彼女らしい挨拶だと思った。

 

今までの感謝をファンに伝えつつも、これからの乃木坂46への応援をお願いするような挨拶。だから全曲に自身が参加しつつも、他のメンバーも目立つような演出やセットリストになっていたのかもしれない。

 

そして自ら作詞をしたソロ曲『じゃあね』を歌った。

 

じゃあね。

じゃあね。

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電飾が入ったドレスが様々な色に美しく光り、彼女の立つ床も同じ色に鮮やかに光る。そこには今までの写真も一緒に映し出される。

 

「つらいこともあったけど、全てが楽しい思い出」と語っていたことを表しているように、すべての思い出が美しい映像になってステージ全体を彩る。

 

もうそろそろ行かなくちゃ
描きかけていた絵が好きだから
泣いてないで坂を登って
ただ、らしく 歩こう

さよならをありがとう

(白石麻衣 / じゃあね)

 

楽曲の後半。最後のサビを歌っている時。後方のスクリーンが光り、過去の写真が映し出される。白石の後ろに他のメンバーが見守るように立っていた。

 

歌い終えた白石にグループで唯一の同い年で同期の松村が、メンバーを代表して手紙を読んだ。「全部全部大好きだよ」と涙をこぼしながらも笑顔で語る姿が印象的だった。

 

そんなメッセージに白石は笑顔で応える。そして「みんなで前を向けて、一歩ずつ強くなってがんばろうと思える素敵な曲です」と説明してから、正真正銘の最後の曲『幸せの保護色』が始まった。彼女にとって最後のシングル曲だ。

 

しあわせの保護色

しあわせの保護色

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白石をセンターにして囲むようにメンバー45人全員で歌い踊る。この曲は演出は最小限。そのためメンバー全員のパフォーマンスに集中してしまう。

 

「まいやん、こっちに来てもらっていい?」と秋元が言って、紙吹雪が舞う中をメンバーと移動する。その先にはオーディション当時の写真から現在までの写真パネルや、ファンが集めた写真で作られた白石の顔のモザイクアートが設置されていた。それを懐かしみながら笑顔でみんなが眺めている。

 

そのまま会場の外に出ると、ファンから送られた数えきれないほどの花が飾られていた。

 

「ありがとうございます。こんなにたくさん。幸せです」と応え、再び曲の後半を歌い始める。

 

僕にできることは君にヒントを出すこと
簡単な見つけ方
悲しくなったときは思い出してほしい

(乃木坂46 / しあわせの保護色)

 

彼女が卒業したとしても、ファンはこの歌詞に力をもらうのだと思う。悲しくなったときは思い出すのだと思う。

 

卒業ライブだけど、最後の曲は本人を含め全員が笑顔でパフォーマンスを終えた。悲しさよりも「おめでとう」という気持ちにさせてくれるような、多幸感に満たされた空間になっていた。

 

「白石さんの背中は、私たちが好きになった乃木坂46、そのものでした」

 

梅澤美波は白石麻衣にたいして、このようにメッセージを送っていた。それに心底納得するようなライブだった。

 

乃木坂46のイメージを作った人物の1人だし、可愛くて美しくて完璧なのに親近感もある姿は魅力的だった。世間的にも乃木坂46の名前を見て思い出すメンバーは白石麻衣である人が多いかと思う。

 

ファンにとっても「私たちが好きになった乃木坂46、そのもの」だった。「私たちが好きになったアイドル、そのもの」と言っても過言ではない。

 

それほどに白石麻衣の存在は、乃木坂46にとっても女性アイドルとしても大きな存在で、魅力的な存在だった。そしてこれからはアイドルとは違う形だとしても、魅力的な女性であり続けるのだろう。

 

まいやん、卒業おめでとう。

 

2020.10.28 白石麻衣卒業ライブ NOGIZAKA46 Mai Shiraishi Graduation Concert ~Always beside you~

■セットリスト 

SE. Overture
01. オフショアガール
02. おいでシャンプー
03. 制服のマネキン
04. 世界で一番 孤独なLover
05. ぐるぐるカーテン
06. 失いたくないから
07. バレッタ
08. 逃げ水
09. 夜明けまで強がらなくてもいい
10. 立ち直り中
11. 偶然を言い訳にして
12. でこぴん
13. まあいいか?
14. 流星ディスコティック
15. せっかちなかたつむり
16. きっかけ
17. 渋谷ブルース
18. シンクロニシティ
19. インフルエンサー
20. サヨナラの意味
21. ガールズルール
<アンコール>
22. じゃあね。
23. しあわせの保護色

 

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