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米津玄師『STRAY SHEEP』のレビューを自分は書くことができない件について

米津玄師のアルバム

 

米津玄師が3年ぶりに『STRAY SHEEP』というアルバムを発売した。

 

CDの初回出荷枚数は100万枚を超えた。CDが売れない時代にこれだけCDを売ることは奇跡に近い。この売り上げは社会現象と言っても過言ではない枚数だ。おそらく2020年に日本で最も売れるアルバムになるだろう。

 

ヒットの理由は話題性やマーケティングが優れていたことだけが理由ではない。米津玄師の才能と作品の持つ力の凄さによって生まれたヒットだ。

 

『STRAY SHEEP』はアルバムの流れも美しく、各楽曲が作り込まれていて素晴らしいだけではなく、アルバム作品として統一感があり完成度が高い。

 

あまりに素晴らしい作品だったので、自分もアルバムのレビューを書こうかと思った。語ろうと思えば感想は溢れるように出てくる。

 

しかし書くのは止めた。自分が書く必要性はないと思ったからだ。

 

CDは超絶大ヒットしている上にサブスクも解禁した。『STRAY SHEEP』を聴いた人が世の中に100万人以上いるだろう。わざわざレビューを見て聴くか決める人などいない。そんなもの読まずとも自然と聴く人が多いはずだ。

 

それに熱心なファンはすでに熱い文章でレビューを書いているだろうし、音楽メディアや音楽雑誌は特集を組んだり有名評論家にレビューを寄稿依頼するだろう。

 

熱心なファンとは言えないし有名評論家でもない自分は浅い内容のレビューしか書くことができない。だから自分のレビューに価値はないだろう。

 

だから『STRAY SHEEP』のレビューを自分は書かない。

  

SHISHAMOと米津玄師

 

レビューを書かない理由はもう一つある。米津玄師のことを考えると頭の中にSHISHAMOが浮かんできてしまい、純粋な心で音楽を評価できないからだ。

 

その原因は5年前に山中湖で行われた音楽フェス『SWEET LOVE SHOWER2015』にある。

 

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このフェスにはSHISHAMOと米津玄師が同日に出演していた。

 

SHISHAMOは午前中に出演し、素晴らしいライブでフェスのオープニングを飾った。山中湖の涼しい空気とSHISHAMOの爽やかな演奏は相性が良く最高だった。

 

米津玄師は夕方の出演である。現在ほどの人気や知名度はなかったものの、既に当時も大人気アーティスト。会場を覆い尽くすほどに多くの人がライブを観ていた。

 

演奏と歌が良いことはもちろん、客の盛り上がりもすごい。今思えば国民的アーティストが期待の新人だった時代のライブを観れたことは貴重である。

 

しかしだ。ライブの序盤から自分は集中してライブを観れなくなってしまった。

 

うんこが我慢できなかったのだ。

 

8月といえども山中湖は避暑地で涼しい。夕方以降はぐっと気温が下がる。お腹も冷える。米津玄師の出演時間である16時過ぎは、昼飯がちょうど消化されてうんこに進化する時間帯でもある。

 

うんこをしたくなることも当然だ。

 

ライブの途中だったがうんこを優先し、人混みをかき分けてトイレへ向かった。『パンダヒーロ』を歌っていて名残惜しかったが、うんこのためだから仕方がない。

 

トイレは空いていた。みんなうんこをするよりも米津のライブを観る方が大切なのだろう。スムーズにうんこができて助かった。漏らすかと思った。すぐに戻って続きを見ることができる。

 

それにしても寒い。Tシャツ一枚ではまた腹痛でうんこをしたくなるかもしれない。寒さに耐えてうんこを我慢するために、パーカーを買おうと思い物販によった。

 

そして物販に行き驚く。SHISHAMOが物販で呼び込みをしていたからだ。

 

物販に人はほとんどいなかった。みんな米津玄師を観ているのだろう。SHISHAMOが寂しそうに売り場の前に立っていた。呼び込むにしても告知していたわけでもないし、人が周囲にほとんどいないのだから仕方がない。

 

ちなみに自分はSHISHAMOが好きだ。シシャモがオカズならば丼ぶりで軽く50杯はご飯おかわりできる。ちあみにオカズって変な意味はないんで嫌いにならいでね。

 

ファンとしてライブの感想や応援している気持ちを伝えたいと思い、SHISHAMOに話しかけた。いつもはカップルに舌打ちしたり、男に対して毒舌を吐いたりする宮崎朝子。直接話をすると意外にも神対応だった。米津玄師が生で歌う『アイネクライネ』をBGMにしながらSHISHAMOと少し会話をした。

 

だから米津玄師を聴くとSHISHAMOを思い出してしまう。二度とないであろう特別な体験をしたからだ。うんことSHISHAMOによって純粋に米津玄師を評価できない体になってしまった。

 

そんな自分に米津玄師のレビューを書く資格はない。

 

 

シシャモとレモン

Lemon

Lemon

  • 米津玄師
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

米津玄師にとって最大のヒット曲になった名曲『Lemon』を初めて聴いた時も、SHISHAMOが頭に浮かんだ。

 

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シシャモとレモンは相性が良く、組み合わせるとめちゃくちゃ美味しい。だからレモンと聞けばシシャモが頭に浮かんでしまうのだ。

 

レモンを料理に使う理由としては「臭い消し」を目的とすることが多い。シシャモは臭い。シシャモは生臭い。シシャモは汚れた川の臭いがする。この臭さが夢ならばどれほどよかったでしょうと思ってしまう。

 

そんなシシャモの臭さをレモンの香り成分であるリモネンが和らげるのだ。レモンがなければシシャモは臭い存在であり続けていた。

 

唐揚げとレモンも相性がいい。

 

レモンに含まれるクエン酸は油料理の消化吸収を和らげる効果があるのだ。この成分によって生活習慣病や肥満の予防にもなる。健康に良くないと思われがちな唐揚げも、レモンの力によって健康的に食べることができるのだ

 

だから米津玄師を聴くとSHISHAMOが頭に浮かんでしまうし、シシャモを食べたくなる。

 

そんな自分に米津玄師のレビューを書く資格はない。シシャモの食レポしかできない。

 

 

シシャモとパプリカ

パプリカ

パプリカ

  • 米津玄師
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

『パプリカ』を初めて聴いた時も、SHISHAMOが頭に浮かんだ。

 

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シシャモとパプリカは相性が良く、組み合わせるとめちゃくちゃ美味しい。だからパプリカと聞けばシシャモが頭に浮かんでしまうのだ。

 

シシャモは少しほろ苦い味でもある。特に子持ちシシャモは卵の部分に独特の苦味があり、それを苦手に思う人がいるかもしれない。

 

しかしパプリカと組み合わさることで、苦味が抑えられ食べやすくなるのだ。

 

パプリカはピーマンと同じナス科の野菜だが、ピーマンのような苦味はない。ナス科の野菜は唐辛子の仲間ではあるが、パプリカに辛味はない。その代わり糖度が高くてほんのりとした甘味と酸味がある。これがパプリカの味の特徴だ。 

 

シシャモとは真逆の性質を持った味だからこそ、組み合わさるとバランスが取れて絶品になる。

 

カリッと揚げられた唐揚げにトロっとしたタレをかけて南蛮漬けにするのも最高だ。あえて真逆の食感の食べ物を組み合わせることで、新しい食感と味の組み合わせを発明している。

 

だから米津玄師を聴くとSHISHAMOが頭に浮かんでしまうし、シシャモを食べたくなる。

 

そんな自分に米津玄師のレビューを書く資格はない。シシャモの食レポしかできない。

 

 

シシャモと馬

馬と鹿

馬と鹿

  • 米津玄師
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

米津玄師の『馬と鹿』も名曲だ。しかしこの曲を初めて聴いた時もSHISHAMOが頭に浮かんだ。

 

鹿だけならSHISHAMOが頭には浮かばないが、馬を出されたらSHISHAMOのことを考えてしまう。

 

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そんな自分に米津玄師のレビューを書く資格はない。馬券を買うことしかできない。

 

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