2020-02-06 青い車を運転しながらスピッツ『青い車』を聴いたら感動した コラム・エッセイ スピッツ 車を買った理由 車を買った。 自分は車を持たない人生だと思っていた。それなりに都市部に住んでいたし、駅から徒歩圏内に住んでいたからだ。 車を持たずとも不便はない。むしろ維持費や月々の駐車場代を考えたら所有している方が不便かもしれない。 しかし車を買わざるを得ない状況になってしまったのだ。 転勤が決まったからだ。行き先は富山県。 転勤先の職場は駅からも遠く、ほとんどの社員が車通勤らしい。しかも複数の事業所を移動しながら仕事することもあるとのことだ。車がなければ仕事すらできない。 貯金もたいしてない。正直、まいった。でも、少しワクワクしていた。 車を持つことに憧れもあったからだ。車を持っている知人を「お金がかかって大変だな」と思いつつも羨ましかった。 貯金がないのに新車を買った。維持費が高いのに普通車を買った。貯金は消えたしローンも組んだ。これから大変だ。 カーオーディオを少しだけ良いものにした。貯金がないのに。 でもオーディオにはこだわりたかった。自分は音楽が大好きだから。 車に憧れた理由 自分が好きなミュージシャンやバンドは、車に関わる曲をいくつも作って歌っていた。 奥田民生は『CAR SONGS OF THE YEARS』という車にまつわる曲だけを集めたコンピレーションアルバムを制作していた。 RCサクセションの『雨上がりの夜空に』も好きな曲だ。 忌野清志郎の愛車であった日産サニークーペを題材にした曲。愛車を手に入れたらよりグッとくる曲になるだろうと妄想していた。 雨あがりの夜空に RCサクセション ロック ¥255 タイトルをクリックでダウンロード provided courtesy of iTunes ”車”に憧れていたいうよりも”車で音楽を聴くこと”に憧れていた。自分の大好きな名曲たちを運転しながら聴くことを夢見ていた。 聴きたい曲はたくさんあったが、自分が運転する時は最初に聴くと決めている曲があった。 車が出てくる曲で特に好きな曲。それをどうしても最初に聴きたかった。 スピッツの『青い車』だ。 青い車 スピッツ ロック ¥250 タイトルをクリックでダウンロード provided courtesy of iTunes 自分にとってスピッツは大切なバンド。一番最初に好きになったバンド。学生時代から何度もスピッツの音楽に救われてきた。 『青い車』は爽やかな演奏で明るいメロディが印象的な曲。でも歌詞はどことなく憂いや儚さがある。だから聴いていて不思議な気持ちになる。 スピッツの音楽はいつもそうなのだ。キャッチーなメロディのポップな曲かと思いきや毒があったり、ロックでカッコいい曲かと思いきや可愛らしい歌詞だったりする。不思議で魅力的な音楽だ。 車を買ったらスピッツを聴きながらドライブしたいと思った。『青い車』を絶対に最初に聴くんだ。一番好きなバンドの車ソングだから。 車の色は青色にした。スピッツファンならばやはり『青い車』に乗るべきと思ったから。 インディゴブルーの車。まさに「スピッツファンが乗るべき色の車」。色にこだわったから新車を買ったのだ。貯金もないのに。 納車された日 納車された日。ディーラーの担当さんから鍵を受け取った。思わずニヤニヤしてしまう。いい大人なのにワクワクしている。 目の前にはインディゴブルーの車。この「青い車」は自分のものだ。 車の鍵を開けて運転席に座る。エンジンをかける前に音楽を聴く準備をする。 audio-technica 車載用 オーディオケーブル0.4m AT-CA44C/0.4 出版社/メーカー: Audio Technica(オーディオテクニカ) 発売日: 2011/06/17 メディア: エレクトロニクス カーナビと一体化しているカーオーディオ。AUX接続で音楽プレイヤーを接続するタイプのカーオーディオ。 つまりケーブルを使用して音楽プレイヤーを繋ぐことで音楽を聴くタイプのカーオーディオである。 Bluetooth接続も悪くはないのだが、無線よりも有線の方が良いという噂を聞いたことがあった。どうせなら良い音で聴きたい。 あらかじめ「車専用のオーディオケーブル」を購入していた。iPodとカーオーディオを繋ぐ。良い音で聴く準備はできた。ワクワクする。 エンジンをかける。カーナビの画面がつく。テンションが上がる。 オーディオの操作方法を知るために説明書を読む。 家電の説明書なんて今まで読んだこともなかった。ミニ四駆も説明書を見ずに組み立てていた。そんな自分が説明書を読む。我ながら音楽への愛が強い。 カーオーディオのイコライザーをいじってみる。ロックバンドらしさがでるように、重低音を少しだけ上げてみる。スピッツはロックバンドだからな。ロックなサウンドで聴きたい。 iPodの再生ボタンを押す。もちろん最初に流すのはスピッツの『青い車』。 曲のイントロが流れる。それを確認してサイドブレーキを解除する。アクセルを踏む。初めてのドライブの始まり。 車を走らせた瞬間、不思議な気持ちになった。魔法がかかった気分になった。 音楽の聴こえ方がいつもと違う。 今まで自分が聴いていたスピッツの『青い車』とは違う聴こえ方がする。 ドライブと音楽 青い車を運転しながら『青い車』を聴いている。まるで曲の主人公になった気分になった。 家で聴いている時は部屋の壁が見えるだけ。周りの景色は変わらない。 歩きながらイヤフォンで聴いている時とも違う。景色の変わるスピードが違う。 それにイヤフォンと違い車では身体全体を音楽で包み込まれた気分になる。 スガシカオが『関ジャム』のサザン特集で「鎌倉を車で走っている時にサザンの『慕情』が流れて鳥肌が立った」と言っていたことを思い出した。 その感覚がこれだと思った。自分は『青い車』で鳥肌が立っている。 気分や環境によって聴こえ方や感じ方が変わることは音楽の魅力の1つだ。 例えば卒業シーズンに卒業ソングを聴いたら、夏に卒業ソングを聴くよりも感動する。それと同じように「車で聴くとより感動する曲」もあるのだと実感した。 外にいるのに自分だけの空間を作れるということもドライブの魅力だ。 車の中は誰にも邪魔されない空間。人を乗せるとしても基本的に家族や恋人、親しい友人しか乗せない。 自分の好きな音楽を自由に聴いて運転できる環境は、家族や友人の運転する助手席に乗る時とは感覚が違う。全く違う。 外の移ろいゆく景色を眺めながら運転する。自分だけの空間で自分が大好きな音楽を聴く。 この楽しさは運転している人だけが感じることができる特権だ。車を買って良かったと心の底から思った。貯金はなくなったけれども。 音楽によってドライブの楽しさは倍増する。ドライブしながら音楽を聴くことで、音楽の魅力も倍増する。 ドライブと音楽は切っても切れない関係だ。 ドライブで音楽を聴く際に気をつけなければならないこと ドライブしながら音楽を聴く魅力に目覚め、たくさんの音楽を車で聴いた。 激しいロックナンバーや明るいポップスを聴くのも良いが、切ないバラードを聴きながら走るのも気持ちよかった。 EDMを聴きながら夜の高速道路を走るのも、オシャレで気分がいい。 たまに歌ったりもした。車内は自分だけの空間。誰も聴いていないだろうからカラオケもできる。 ラジオを聴くのも悪くない。仕事しながら聴く時と違い、パーソナリティの話もしっかりと聴くことができる。新しい音楽との出会いもある。運転するようになってからラジオを聴く機会も増えた。 ただ1つだけ、注意してほしいことがある。 それは「音楽に集中しすぎないこと」だ。 運転をする際に最も大切なことは、安全運転をすることだ。 音楽に集中しすぎてしまうと、注意散漫になってしまう。結果的に気を抜きながら運転することになる。 その結果が、これだ。 音楽に集中しすぎて、事故った。 物損事故だったのでまだ良かった。もしも人身事故だったらと思うと、恐ろしい。 車を買ったのは7年ほど前の話。事故もそれぐらい前の話。今は安全運転を最優先で心がけながら、ドライブと音楽を楽しんでいる。 ドライブと音楽は最高だ。しかし「安全運転」を最優先しなければならない。 安全に運転するドライバーだけが、ドライブと音楽を楽しむ権利がある。自分は危うく青い車で輪廻の果てへ飛び降りるところだった。 修理費で数万円かかった。貯金がないのに。 貯金が貯まったら、ホンダの車を購入して乗り換えます。 ↓関連記事↓ 見っけ(初回限定盤/DVD) 楽天市場 Amazon カエライフ×はてなブログ 特別お題キャンペーン #ドライブと音楽 by ホンダアクセス