オトニッチ

ニッチな音楽情報と捻くれて共感されない音楽コラムと音楽エッセイ

ラブシャへ行く人、ちょっと頭おかしい

ちょっとおかしい夏フェス

 

週間天気予報を見て少しだけテンションは下がっていた。

 

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山梨県山中湖で毎年行われている『SWEET LOVE SHOWER』という野外音楽フェス。通称ラブシャ。今年は8月31日から9月2日までの3日間行われた。自分が行ったのは1日と2日。ピンポイントで自分が行く日程だけ雨予報。

 

しかし、雨が降ることは覚悟していた。このフェスは毎年雨が降る。豪雨になることも多い。雨が降ることが前提のフェスと言われるほどに。

 

それでもチケットは毎年売り切れている。先行抽選販売でも取れない人も多く、発売日には全日即完。フェスが乱立している現在、即完するフェスは珍しい。

 

しかし、ラブシャの出演者は他の音楽フェスと代わり映えしない。「音楽フェスの常連」が多いのだ。毎年雨が降るようなフェスでアクセスも便利な場所ではない。

 

それにも関わらず、何故ラブシャは毎年チケットが売り切れる人気フェスになったのだろうか。

 

それは、ラブシャの開催される場所が少しおかしな場所で、ラブシャに来る客もちょっとおかしい客が多いからではと思う。

 

交通の便がおかしい

 

SWEET LOVE SHOWERの開催される山中湖は決してアクセスがしやすい場所ではない。

 

公共の交通機関で来て最初から最後まで楽しむことは不可能。公式のバスツアーや自家用車などで向かう必要がある。

 

会場近辺の道は一車線。しかし当日はバスツアーを含めて2万人近い来場者が車で向かうために渋滞も発生する。

 

今は駅から近い場所で開催されたりアクセスしやすい場所で開催される音楽フェスも多い。そういった場所でも当然楽しむことができるし、同じような出演者のライブを観ることができる。

 

それにもかかわらず、山奥のアクセスが楽ではない場所のフェスを選び来場する客が2万人以上いる。何故だろう?ちょっとおかしい。

 

会場の天候がおかしい

 

山の天気は変わりやすい。そのため山中湖もいつ天候が変わるかわからない。とはいえ、天気予報をある程度は信じてお客さんは行動する。

 

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開催当日の9月1日は雨の予報だった。雨具をしっかり用意して会場へ行ったが雨は降らなかった。快適ではあったが、天気予報、ちょっとおかしい。

 

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9月2日は曇り予報だった。快適に楽しめるかと思いきや、朝から雷雨。マジで天気予報おかしい。

 

ライブ開催中も雨が降る。クリープハイプの時にだけ大降りだった。尾崎世界観、ちょっとおかしい。

 

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地面はぬかるみ泥だらけ。スニーカーを履いている人はその靴は終演後捨てることになるだろうし、サンダルの人は足が臭くなるだろう。

 

それでも客はみんな楽しそうにしている。自分だって笑顔で音楽を楽しんでいた。お客さん、ちょっとおかしい。

 

おかしいと思いつつ行く理由

 

自分は様々な音楽フェスへ行ったことがある。その中でもラブシャは最も好きな音楽フェスかもしれない。他のフェスと代わり映えしない出演者でアクセスも不便で天候も不安定なのに。

 

その理由は、おかしいと思うぐらいに最高のシチュエーションがあるからだ。

 

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会場の入り口にある気球を見ると乗るわけでもないのにワクワクする。今年もここに帰って来たと思える。


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天気は不安定で基本的に曇りだったし、雨も降る時はあった。それでもたまに晴れ間が見えて、雲の隙間から富士山が見えた。それには圧倒させられたし感動した。富士山をバックに行われるライブはここでしか体験できない。

 

このフェスがその年に最後の夏フェス出演のアーティストも多い。多くのアーティストが「この夏最後」というMCをしている。出演者はいつも以上に気合を入れてステージに立っているようにも感じる。

 

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終演後の花火は「最後の花火に今年もなったかなあ」と感慨深くなる。8月中旬の真夏に見る花火以上に綺麗に見えて切なくなる。

 

自分はラブシャへ行くと夏が終わったような感覚になる。自分にとってはラブシャへ行くことが夏納めになっているかもしれない。

 

ラブシャに行くと、ちょっと頭おかしいんじゃないかと思うぐらいに感動してしまう。

 

自分と同じように、ちょっと頭おかしいぐらいに感動しているラブシャのお客さんはたくさんいると思う。だから毎年多くの来場者が訪れ出演者関係なくチケットも早々と売り切れるのだと思う。

 

行くことが面倒な場所や環境でも、他のフェスとは違う「ちょっとおかしな最高のシチュエーション」を求めている人もたくさんいるはずだ。

 

やっぱりラブシャへ行く人、ちょっと頭おかしい

 

ラブシャの環境やシチュエーションやライブの素晴らしさがそうさせてしまうのだろうか。やはり、側から見ると「悪い意味で」おかしな客は必ずいる。

 

自分も悪い意味でちょっと頭がおかしい客になっていた。

 

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自分は某知人男性と手でハートを作って写真を撮ってしまった。こんな写真を撮るとか頭ちょっとおかしい。その場はノリで撮ってしまったが、黒歴史として闇に葬りたい。

 

そして、この時の某知人男性はWANIMAのメンバーに加入できそうなぐらいに満面の笑みだった。男同士でハートを作りながら、とても幸せそうな表情をしていた。

 

成人男性をここまで頭おかしくさせるとは、やはりラブシャには他のフェスにはない魅力があるのかもしれない。いや、元々ちょっと頭がおかしいとも言える。

 

ラブシャへ行く人、ちょっと頭おかしい。

 

⬇︎いい感じに加工しました

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