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星野源が『うちで踊ろう』を始めた理由とコラボ動画がバズった理由について

うちで踊ろう

 

『うちで踊ろう』の企画を知り、星野源はまさに「時代を作るミュージシャン」なのだと思った。

 

優れた音楽を作るだけでなく、音楽シーンに新しい価値観や方法を提示し、それを広げる力があるのだと思った。

 

 

4月2日にInstagramに「家にじっとしていたらこんな曲ができました」とうコメントと共に弾き語りの動画が投稿された。新曲は『うちで踊ろう』というタイトルらしい。

 

コメントの最後には「誰か、この動画に楽器の伴奏やコーラスやダンスを重ねてくれないかな? 」とコメントがされていた。

 

その後はTwitterとYouTubeに動画がアップロードされたことにより、多くのミュージシャンが伴奏やコーラスを入れた動画をアップロードした。プロだけでなく一般のファンも楽しみながら星野源とコラボレーションしている。

 

『うちで踊ろう』は参加した人たちの個性が反映されている。元の動画は約1分程度の短いシンプルな演奏動画だが、拡散されたことで新しい音楽がたくさんうまれた。コラボ相手によって聴こえ方が変わってくるのだ。

 

コラボ相手も素晴らしい人ばかりだが、やはり企画を発案した星野源の”アイデア”に凄さを感じる。短いシンプルな弾き語り動画によって「音楽の新しい可能性」を提示してくれたからだ。

 

コラボレーションしたアーティストを一部紹介

 

 

藤原さくらは星野源の動画に合わせてギターと歌を重ねるコラボ動画を投稿した。

 

2人は共にアミューズ事務所で同じライブイベントに出演したことはあるものの、ステージや音源で共演したことはない。『うちで踊ろう』をきっかけにSNS上で初めて共演を果たしたのだ。恋のスープだけでなく2人の共演も味わいつくしましょう。

 

 

眉村ちあきは自身の製作したトラックと歌声を星野源の弾き語りに重ねた。

 

そのトラックは眉村ちあきの個性が詰まっている。星野源が歌わなければ眉村ちあきの新曲かと思うような編曲だ。本人が踊っている動画も横に表示することで「眉村ちあきのキャラクター」まで伝える動画になっている。働くことを覚えたフリして星野源に染まっている。

 

 

音楽を本業としていなくとも参加できることが『うちで踊ろう』の面白い部分である。

 

映像やイラストなどを製作しているクリエイターの井上涼は、アニメーションを星野源の弾き語り動画に組み合わせた。星野源の発信によってクリエイターのアイデアを引き出して新しい映像作品を作り出したのだ。

 

 

 

 きゅうりを切る音を楽器代わりにしてコラボした動画もある。

 

きゅうりにエフェクターを通して音を変えるという誰も想像しなかった新しい手法を使っている。楽器を使って音楽を奏でるという固定概念をぶち壊した。音楽の楽しさの根本を教えてくれるようなコラボレーションだ。

 

 

岡崎体育は何もしなかった。

 

ここで紹介したコラボ動画はほんの一部だ。数えきれないほどの人たちがコラボ動画を投稿している。

 

星野源の人気や知名度による影響力の強さによって話題になり広がった部分はある。しかし戦略的に企画を進めたからこそ、多くの人が楽しみながらコラボを行い、大きなバズに繋がったように感じる。

 

話題にするための仕掛け

 

『うちで踊ろう』の動画が最初に投稿されたのは4月2日の星野源公式Instagramだ。

 

インスタは写真や動画投稿をすることが前提のSNS。利用者はTwitterと違い写真や動画を見ることを目的としているので、星野源の投稿を見た人は確実に動画を見ているはずだ。星野源の新曲弾き語り動画は話題性がある。すぐにファンの間で話題になった。

 

その翌日には公式Twitterにも動画が投稿された。

 

 

Twitterは写真や動画を見ることがメインではないが、リツイートやいいねを押す機能があるため拡散力はInstagramよりも強い。前日のインスタ投稿は星野源ファンの間では話題になていたし、それ以外の音楽ファンにも少しずつ話題になりつつあった。そのタイミングでTwitterにも投稿されたので『うちで踊ろう』はさらに大きな話題になった。

 

 

4日には楽譜を公開した。これによって参加するためのハードルが下がり、プロのアーティストだけでなく一般のファンも気軽に参加できるようになった。ここで投稿数は莫大に増えたように思う。

 

 

 

5日にはYouTubeに投稿がされた。インスタやTwitterのようなSNSの場合、投稿が時間と共に流れていき忘れれやすい。しかしYouTubeの場合は簡単に検索して見つけることができる。

 

また字幕を追加してくれる人を新たに募集したことで、翌日には有志のファンによって18言語の字幕が追加された。

 

日本だけでなく世界的なムーブメントになる可能性も出てきた。公式Twitterが英語と中国語で『うちで踊ろう』についての投稿をしたことからも、海外にも広げることを目指していることは伺える。

 

順序立てて丁寧に企画を広げていたのだ。『#おうちで踊ろう』というハッシュタグをインスタ投稿時からつけており、最初から拡散させるための仕掛けもしてある。

 

また星野源のインスタストーリーではコラボしてくれた相手の一人ひとりに感謝を送る投稿をしている。自身のインスタライブで三浦大知とコラボして自らコラボ動画を発信することで盛り上げた。アフターフォローもしっかりすることで盛り上がりをファンに伝えている。

 

この考え抜かれ計算された企画の仕組みと星野源の影響力が組み合わさったことが、バズの理由だ。

 

しかし星野源は何故『うちで踊ろう』の企画を行なったのだろうか。

 

話題になったところで星源にお金は入ってこない。今後きちんとレコーディングされ正式に新曲としてリリースするかもしれないが先の話だ。コラボ相手と楽曲やライブで正式にコラボする可能性もあるがそれも未来の話である。つまり短期的には利益がない。

 

おそらくだが『うちで踊ろう』企画を行った理由に「吉岡里帆の存在」が大きく関わっているように思う。それ以外に考えられない。

 

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吉岡里帆が濃厚接触を避けた

 

『うちで踊ろう』の動画がインスタに投稿される1週間前に『どん兵衛』の新しいCMの放送が開始した。

 

 

日清『どん兵衛』のCMには星野源と吉岡里帆が出演していた。吉岡里帆はきつねの格好をしていて「どんぎつね」と呼ばれていた。

 

しかし新しいCMにはどんぎつねは出演していない。星野源が1人で出演している。

 

星野源は1人になって精神崩壊したのか、どんぎつねのモノマネをしながら一人二役を演じている。恐ろしい。意味も意図も不明でカオスな映像だ。

 

おそらく新型コロナの影響でどんぎつねが星野源との濃厚接触を避けたのだ。どんぎつねは夢の外へ行ってしまった。

 

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 星野源は1人になって寂しかったのだと思う。1人ぼっちで寂しく家に籠っていたのだと思う。きっと寂しくて曲を作って公開したのだ。寂しいから誰かと何かをしたくなって『うちで踊ろう』という企画を作ったのだ。

 

こういうことを書くと「CMは作り話だから」と言う人も出てくる。くだらないネタに思うかもしれないが、少し黙ってくれ。

 

それは「サンタクロースは存在しないよ」「プリキュアは嘘の話だよ」「アイドルもウンチするよ」と子どもに言うようなものだ。人の夢を壊すな。くだらないの中に愛があるのだ。人は笑うように生きるのだ。

 

それに星野源も吉岡里帆と会って撮影できると期待していたはずだ。それなのに期待を裏切られ、1人で撮影させられ、カオスな演技をした。

 

撮影中は寂しい思いをしただろう。悲しい思いもしただろう。「君の声を聞かせて。雲をよけ世界照らすような」と思って吉岡里帆のことが恋しくなったはずだ。誰かと濃厚接触したくなったのだろう。

 

つまり吉岡里帆が星野源との濃厚接触を避けたことで、星野源の制作意欲や新しいアイデアを引き出したのだ。誰かと何かをしたいという活力を生み出したのだ。全ては吉岡里帆のおかげだ。

 

『うちで踊ろう』の企画を使って、星野源は一人を越えていけ。

 

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