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桜エビ~ず(ukka)のライブで隣のおじさんが号泣していてドン引きした話 ~食欲の秋!読書の秋!桜エビの秋! ライブ~レポート・感想・セットリスト

ドン引きした

 

隣から嗚咽が聞こえてきた。何事かと思い右隣を見る。

 

隣にいたのは年齢は40代であろう男性。手で目を押さえている。自分の隣にいいたおじさんは泣いていた。号泣していた。

 

ドン引きしてしまった。

 

桜エビ〜ずのライブでの出来事。ライブが終わり最後にメンバーが挨拶をしていた時のことだ。

 

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グループにとって過去最大規模でのワンマンライブ。

 

ライブをやり遂げたことに感極まって泣いているメンバーもいた。おじさんはメンバーの涙にもらい泣きしたのだと思う。

 

メンバー以上に号泣しているおじさん。嗚咽するおじさん。そこまで号泣しなくてもと思ってドン引きした。

 

おじさんが気になってしまうが、できる限り視界に入れないようにしてステージに立つメンバーに集中する。

 

メンバーの挨拶が終わり、最後に桜エビ〜ずにとって初めてのホールライブの開催が発表された。1000人以上を集客する会場でのライブ。今日の会場よりも収容人数の大きい会場。

 

メンバーもみんな感極まって泣いている。

 

「同年代の子はホールでもやっていたりするのに、自分は何をしているんだろうと思うこともあった」と話して泣いているメンバーもいた。

 

顔を上げられなくなるほど号泣しているメンバーももいる。グループの目標の一つだったのかもしれない。

 

隣からはまだ嗚咽が聞こえてくる。おじさん、ずっと泣いている。気になっておじさんをまた見てしまった。

 

おかしい。おじさんの姿がぼやけて見える。

 

目にゴミが入っているのだろうか。目をこすってみる。視界がはっきりとする。号泣おじさんを無視してステージをまた見る。

 

おかしい。ステージにいるメンバーの姿がぼやけて見える。

 

また目にゴミが入ったのか。目をこすってみる。視界がはっきりとする。しかしまたすぐに視界がぼやける。

 

おかしい。何度目をこすってもダメだ。視界がぼやける。

 

おじさんに謝りたくなった。ドン引きしてごめんなさいと。

 

自分も泣いている。メンバーにもらい泣きしてしまった。泣いてしまった自分自身にドン引きしている。

 

特に思い入れはなかった

 

ワンマンライブには来た。しかし、桜エビ〜ずに対して思い入れがあるわけではない。

 

Have a Nice dayが提供した『リンドバーグ』という曲を聴いてから興味を持っていた。他の曲も含めて良い曲が揃っているなあと。

 

 

好きな曲が多いので純粋に音楽を楽しもうと思ってライブに足を運んだ。正直メンバー全員の名前と顔が一致しているわけでもない。

 

覚えているのは水春ぐらい。決して推しているから覚えたわけではない。メンバーの中で1人だけ名字がない芸名で髪が短かったので覚えやすかっただけだ。

 

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つまり思い入れは全然ない。曲が好きで気になっていて、ライブもワンマンでしっかり観てみたいと思って気軽に行ってみただけ。

 

決して水春が気になっているわけではない。

 

だからこそライブでメンバーにもらい泣きしていいる自分にドン引きした。思い入れがないのになぜ号泣しているのかと。

 

ライブについて

 

ライブに泣かせるような演出はなかった。ライブ中のMCも感動的な話なんてしていない。ただただ、ひたすら楽しいアイドルのライブ。

 

1曲目の『オスグッド・コミュニケーション』が始まった瞬間から楽しさで満ち足りた空間になっていた。ひたすら盛り上げてお客さんを笑顔にするパフォーマンス。

 

オスグッド・コミュニケーション

オスグッド・コミュニケーション

  • 桜エビ~ず
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

とはいえ、桜エビ~ずのライブは盛り上げるだけでは無い。

 

セットリストにしっかり段丘があり、その流れも綺麗だ。ブロックで分けられているようなセットリストで、ブロックごとに系統の近い楽曲を集めて披露する流れ。

 

前半で盛り上げる曲を続け、中盤では『ねえ、ローファー』や『214』などミドルテンポの楽曲を続けしっかりと歌を聴かせる。

 

ねぇ、ローファー。

ねぇ、ローファー。

  • 桜エビ~ず
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

後半ではグループの代表曲と言っても過言ではない楽曲に育った『リンドバーグ』やダンスチューンの『それは月曜日の9時のように』を続ける。本編の最後は明るくアイドルらしいポップスの『さいしょのさいしょ』。

 

さいしょのさいしょ

さいしょのさいしょ

  • 桜エビ~ず
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

どのジャンルのライブでもこのような構成のライブは多いとは思う。しかし様々なアーティストが楽曲提供しているアイドルだからこそ映える構成で、桜エビ~ずは特にこの構成が綺麗な流れに感じた。

 

教科書通りのアイドルのライブではあるが、100点満点のアイドルのライブを観せて魅せてくれた。メンバーの名前をほとんど覚えていない自分でも楽しめるようなライブ。

 

ちなみに水春だけは覚えているが、推しているわけではない。美味しそうに食べ物を食べていたから覚えてしまっただけだ。

 

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なぜ泣いてしまったのか

 

だからこそ、楽しさしかないライブの終わりに泣いてしまった自分自身にドン引きした。号泣していた隣のおじさんは桜エビ~ずに対し、強い思い入れがあったのだとは思う。

 

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物販で売ってたなんか凄いTシャツ着てたし、ずっと声を出して盛り上がっていたからだ。思い入れのない自分はこれを着る勇気はない。

 

メンバーだって水春しか名前と顔が一致しない。覚えている理由もヤギに服を食べられてる写真が印象的だったからだ。推しているわけではない。

 

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思い入れも全くない自分が、メンバーの涙に心を打たれてもらい泣きした。ライブをやり切って、ホールライブの発表で喜ぶメンバーに心を打たれて涙が出てきた。

 

水春が特に泣いていた。喋れなくなるほど泣いていた。

 

それまではMCでは全員の話をまとめて進行するしっかり者に見えた。彼女の泣いている姿を見ていたら自分も泣けてきた。

 

推しているわけではない。岡本太郎ファンの自分としては太陽の塔と一緒に写真を撮っていたから水春が印象に残っていただけだ。

 

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それでも、何も知らない自分でも、彼女たちの今までの努力が少しは報われたのかなと思った。

 

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美味しそうなもの食べてるなあと思って覚えていただけなのに。特に思い入れもなかったのに。そこまで応援していたわけでもなかったのに。

 

水春を含めて桜エビ〜ずのメンバーの涙は美しくて、心を動かす何かを持っている子たちだと思って、感情を揺さぶられて、自分も泣いてしまった。

 

本当に思い入れがなかったのか?

 

誰もに大切に感じているコトやモノがあると思う。

 

例えば長年使っている使っていた財布だったり、よく着ているジャケットだったり、カバンにつけているキーホルダーだったり。

 

音楽にもそれは当てはまる。

 

学生時代に毎日聴いていたバンドの代表曲。母親がよく口ずさんでいた歌。父親の運転する車で流れていた懐メロ。

 

気づいたら大切な音楽になっていることがある。無意識のうちに。様々なことがきっかけで。

 

桜エビ〜ずの存在や音楽も自分にとって、そうなっていたのかもしれない。

 

思い入れがないと思っていたけど、良いと思う曲がたくさんあるからライブに行った。そのライブは最高に楽しかった。

 

その時点で、自分にとって大切な音楽になっていたのかもしれない。思い入れだって無意識のうちにあったのかもしれない。

 

最高の曲を聴いて、最高のパフォーマンスを観て、感情を動かされた。だからメンバーの涙に心を打たれたのだ。

 

ライブのパフォーマンスで心を動かされなければ、メンバーが感極まって泣いていても何も感じなかったと思う。

 

自分は無意識のうちに桜エビ〜ずが思い入れがある大切なグループになっていた。無意識のうちに水春を推していた。

 

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眼鏡の使い方を間違えていたから印象に残っていたわけではなかった。

 

ホールライブも成功させて欲しい。いや、きっと今の実力なら成功するし、さらにその先へ行けると思う。

 

自分もこれからはしっかりと桜エビ〜ずを応援して追いかけていくよ。

 

でも、自分は隣で号泣していたおじさんほどの思い入れはまだない。号泣していたおじさんほど強い気持ちをまだ持てていない。

 

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おじさんの着ていたこのTシャツを着る勇気は、今の自分にはまだないから......。

 

セットリスト

M1. オスグッド・コミュニケーション
M2. タリルリラ
M3. まわるまわるまわる
M4. 灼熱とアイスクリーム
M5. Magik Melody
M6. 帰れない!
M7. わたしロマンス
M8. ねぇ、ローファー。
M9. 214
M10. グラジェネ
M11. おねがいよ
M12. せつないや
M13. リンドバーグ
M14. それは月曜日の9時のように
M15. さいしょのさいしょ


EN1. キラキラ
EN2. can't go back summer

 

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