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〈ライブレポ〉フジファブリックの「帰ってきた三日月ADVENTURE」ツアーの千秋楽がすっげーヤバい

すっげーヤバイ

 

2月から行われているフジファブリックのライブツアー。「帰ってきた三日月ADVENTURE」。このツアー、ヤバいのだ。初日公演のレポートを書いた際は、このライブがどれだけ「ヤバい」ライブだったのかを説明した。

 

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ツアー開始から約1ヶ月半。3月24日、ツアーの千秋楽を東京EXシアター六本木で開催した。追加公演はあるがメンバーもライブ中に「今日が最終日」と何度も言っていたので、一応は千秋楽ということだろう。

 

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自分が今回のツアーで観ることができた公演はツアー初日と最終日。今回のツアーは全公演セットリストが全く違うため複数公演観ても毎回新鮮な気持ちで観ることができる。

 

千秋楽のフジファブリックはツアー初日から進化していた。ヤバかった。すっげーヤバかった。何が進化していたかと言うと、ヤバい部分がさらにヤバく進化していた。どれだけヤバくなったのかを説明しよう。

 

セットリストがすっげーヤバい

 

ライブの要ともなるセットリスト。今回のツアーは土地や会場ごとにベストな選曲を考えて全会場違うセットリストにしているらしい。

 

そのセットリストはライブの定番曲や人気曲はもちろん、かなり久々に演奏した曲もあった。それは最近の曲はもちろん、志村正彦が作った作品も歌われていた。

 

例えば初日ならば「打上げ花火」や「TAIFU」は1年近く演奏されていなかったと思う。千秋楽ならば「キノウ」という曲はマニアックな曲で普段のライブで演奏することはほぼない。

 

キノウ

キノウ

  • フジファブリック
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

新旧様々な楽曲が演奏されるため様々な音楽性のフジファブリックを聴くことができるし、フジファブリックの音楽性の幅広さを実感することができる。初めてライブに来たファンも何度もライブに来ているファンも同じぐらいに楽しめるセットリスト。

 

初めてライブに来たファンは「あの名曲が聴けるなんてヤバイ!」と思い、昔からのファンは「あのレア曲を聴けるなんてヤバイ!」と思うような、このセットリスト、ファンならば誰しもが楽しめるセットリストを組めるとはすっげーヤバいことだ。

 

演奏もすっげーヤバい

 

今回のドラマーは玉田豊夢。レコーディングや音楽フェスでフジファブリックのドラムを叩いたことはあるが、一緒にツアーを回ることは初めてだった。

 

玉田豊夢はヤバイぐらい有名でヤバイぐらい人気ですっげーヤバいテクニックを持っているドラマー。ツアー初日から素晴らしく、ヤバいドラムを聴かせてくれた。千秋楽になるとバンドとの息もぴったりで、さらに素晴らしくもヤバい演奏をしていた。

 

初日よりも良い意味で落ちついた演奏になっていて、バンドとしての一体感も増していたように感じる。玉田豊夢のドラムは手数も多くパワフルでもあるのに繊細な叩き方をするのだ。盛り上げるところはガッツリ盛り上げるドラムを叩き、聴かせるときは丁寧で心地よい音で叩く。リズムパターンも個性的。

 

特に印象的だったドラムは「Sugar!!」のドラムだ。前半は繊細に叩く姿が印象的だった。それがサビにや後半になると手数も増えて激しくなる。それでも1つ1つの音の粒は綺麗に響いている。すっげーヤバいドラムを叩いていた。


もちろんフジファブリックのメンバーの演奏もすっげーヤバい。初日以上に洗練された演奏になっていた。本編最後に演奏された「Anthem」は特に素晴らしい演奏だった。演奏に迫力があり圧倒される。迫力だけでなく丁寧な演奏で心地よさもある。演奏に引けを取らない山内総一郎の魂の込もった歌唱。この曲を歌いこなせるボーカリストは志村正彦と山内総一郎しかいないのではと思わせるほどの感情的な歌。会場のお客さん全員が息を呑みながら聴いているような空気。すっげーヤバい演奏と歌を聴けた。

 

https://itunes.apple.com/jp/album/anthem/1110182888?i=1110183616&uo=4&at=1000lwuN

 

加藤慎一がすっげーヤバい

 

この日、ベーシストの加藤慎一は隠れていたヤバさを披露した。他のメンバーと違いヤバさを殆ど披露しなかった加藤さん。しかし、能ある鷹は爪を隠すとはこのことだろう。本当にヤバいやつはヤバさを隠し、ここぞというときにすっげーヤバいことをするのだ。

 

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加藤さん、この日、踊ったのだ。本人が無意識のうちにステップを踏んでいた。華麗に踊っていた。他のメンバーに突っ込まれるまで本人は踊っていることに気づかなかった。ダンサーの素質があるのだろう。

 

曲中のベースソロがすっげーヤバかった。ベースソロの途中でベースを弾かず、ステップを踏んで踊ったのだ。すっげーヤバいぞ、加藤さん。そして、そんなベースソロ(ダンス)でめちゃくちゃ盛り上がる客。客もすっげーヤバい。

 

山内総一郎もやっぱりヤバい

 

ツアー初日には「アドベンチャーと言えば鬼退治じゃないですか?」など難解な問題発言をした山内総一郎。初日は数えきれないほどの意味不明発言をしていたし、日本語をきちんと話せていなかったと思う。よく思い返すと以前から不思議な日本語をMCで披露し続けてきた山内総一郎。頻繁に謎発言を繰り返していた山内総一郎。

 

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 そんな山内総一郎だが、千秋楽はきちんと日本語を話せていたのだ(一部謎発言あり)。バンドがツアーに込めた想いやツアーで感じたことをきちんと言葉で伝えていた(一部謎発言あり)。フジファブリックの今後の活動や目標などもわかりやすくファンに伝えていた(一部謎発言あり)。

 

これほどきちんとライブのMCで話す山内総一郎は久々に見たかもしれない。なんか、逆に心配になる。逆になんで普通に話せてるのと思う。逆にすっげーヤバいとすら思う。

 

そして初日のぶっ飛んだ山内総一郎の話に対しても、千秋楽のわかりやすく想いを伝える山内総一郎の話に対しても同じようなテンションで聴くお客さん。客はなぜか平常心。客もすっげーヤバい。

 

関係者がすっげーヤバい

 

会場の入り口にはお祝いの花がたくさん来ていた。

 

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なんか、ヤバい 

 

 グッズがすっげーヤバい

 

これが今回のツアーグッズのTシャツである。

 

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これが終演後売り切れてた。

 

ヤバイ。

 

血迷って買った客、ヤバい。だんだん欲しくなってきた自分もヤバい。

 

みんなまとめてすっげーヤバい

 

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ファンはバンドを映す鏡だと思う。ファンもバンドの雰囲気やメンバーの雰囲気に似ている人が多いような気もするし、良いバンドには良いファンが多いのではと思う。

 

フジファブリックは良いバンドだ。日本のロックシーンに大きな影響を与えたと思うし、今でも第一線で活動している。楽曲は個性的なものも多い不思議なバンドでもある。そして、ここまで書いた通り、すっげーヤバいバンドでもある。

 

つまり、フジファブリックのファンは良い人かもしれないが、変な人も多く、しかもすっげーヤバい人が多いというわけだ。ファンがヤバいからバンドもヤバく感じるのかもしれない。

 

もしかしたらバンドやファンだけでなく関係者もヤバいのかもしれない。ヤバいフジファブリックのメンバーと一緒にいれば自然とヤバくなるのではと思う。玉田豊夢も他のアーティストといるときよりヤバそうな雰囲気醸し出してたもん。

 

フジファブリックの何が一番ヤバいかと言うと、関わった者はすべて同じようにヤバい人間にしてしまうことかもしれない。

 

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