2025-09-08 【ライブレポ・セットリスト】スパルタローカルズ『Dreamer』リリース20周年記念ワンマンライブ at 代官山SPACE ODD TOKYO 2025年8月17日(日) スパルタローカルズ ライブのレポート 約20年前。ロックバンドの音楽に目覚めた自分は、たくさんのロックアルバムを聴いた。昔の名盤だったり、若手バンドの新譜だったり、人気アーティストの話題作だったり。そんな音楽を漁りまくっていた時に出会い、何度も何度も繰り返し聴いたアルバムのひとつがスパルタローカルズ『Dreamer』だった。 個性的なのに不思議な雰囲気の演奏がカッコよかった。それなのに歌はメロディアスで、妙に歌詞が耳に残ってキュンとした。そんな大好きなアルバムのリリース20周年を記念するライブが渋谷のライブハウスSPACE ODDで開催された。 開演時間をすぎ登場するスパルタローカルズ。観客は20年前と変わらない興奮に満ちた歓声と拍手で迎え入れる。名盤の曲が聴ける期待によって、観客の心までも20年前にタイムスリップしたかのようなフロアの空気だ。 1曲目は『Stay Dreamer』。アルバム『Dreamer』の最後に収録されている曲だ。貫禄ある佇まいで、丁寧に確かめるように音を鳴らし歌うメンバー。その姿は20年経ったからこそ出せる空気かもしれない。 1曲目から深い余韻を感じているかのような、全員が音楽に身を委ねているかのような空気になった。ゆったりとライブを始めたことで、しっかりとスパルタローカルズの音楽に浸らせてくれたとも言える。 そこから安倍コウセイが「夏!」と叫んで『青い夏』が始まる。音楽を聴く空気は1曲目で作ったので、ここからは盛り上がる空気を作るということなのだろう。20年前も変わらない勢いで歌い演奏する姿に、フロアの熱気も急上昇していった。 さらにアルバム『Dreamer』を再現するかのように、アルバムと同じ曲順で『夢ステーション』が続く。客も叫ぶように一緒に歌い、自由に踊り腕を上げていた。この流れを今の時代に生で聴けたという事実にも感動してしまう。 今回のライブでは『Dreamer』の20周年記念ライブだが、他のアルバムの曲も披露された。この後に演奏された『黄金WAVE』はメジャーデビューアルバムの曲で、さらに昔の曲である。 そんな曲を若手時代と変わらない衝動的な演奏で鳴らす。なんなら技術や貫禄が出てきた分、今の方が迫力があるのかもしれない。 序盤で最も盛り上がったのは『GET UP!』だ。演奏は激しく、サビでは観客も叫ぶように一緒に歌い拳をあげる。20年前からキラーチューンのひとつだったが、今も変わらず聴く者を興奮させるロックンロールであり続けている。 曲間なしで立て続けに5曲連続でなだれ込むように演奏が続いたが、ここで少しの間が空く。 そしてコウセイが集中するかのように目を閉じて、ドラムのカウントを合図にゆっくりとギターをストロークし、丁寧に歌い始める。演奏された曲は『ロックとハニー』。明るくて元気をもらえるロックナンバーだ。 虹色の照明の中、ギターとコウセイの歌に合わせ、観客も一緒に〈空にレインボー 浮かんだよ〉という歌詞を歌うと、そのままバンドの演奏が重なる。観客は楽しそうに跳ねたり拳をあげたりしていた。〈1234で僕ばジャンプ〉という歌詞で実際に飛び跳ねるのは楽しすぎる。 スパルタローカルズはミドルテンポの曲も良い。 伊東真一がゆっくりと丁寧にギターを弾いてから始まった『ヒビヤ』は、ミドルテンポのスパルタもカッコいいと思わせてくれる演奏だった。序盤とは違うコウセイの観客の目を見ながら歌うような丁寧な歌唱も良い。 かと思えば再び疾走感ある『コールタール0』でギャップを見せた。それでいて楽器の演奏は独特なフレーズを弾いていてクセになるのも、一筋縄ではいかないこのバンドの個性を音で物語っている。 ドラムの中山昭仁のカウントから始まった『ぼくのポッパー』では重厚な音を重ねる演奏を響かせ、続く『希望』ではサビで観客の大合唱を巻き起こす。その大合唱は多幸感に満ちている。 「『dreamer』は25年前だっけ?15年前か?あれ?20年前だっけ?」と周年ライブなのに何年経ったか忘れるコウセイ。観客からの指摘で20年前と思い出していた。 リリースから20年でキリが良いからワンマンライブをやろうと思って、今回解散......。いや違う!開催したんですけど(笑) 『Dreamer』を改めて聴いてみたら身に覚えがない曲がたくさんあるんですよ(笑)自分の曲を聴き直したりすることが僕はないんで。 でも今回ライブのため聴き直してみたら、なかなか良かったです。良いアルバムだと思いました。 中身がないことを話していますが、言いたいことはつまりワンマンライブができて嬉しいということです。 照れ隠しなのか独特な表現でワンマンができる喜びを語るコウセイ。 「楽しませるぞー!」というかわいらしい宣言からクールなリフが響き『旧TOKYO』が始まる。疾走感ある演奏で盛り上げていた。おどれやおどれ〉旧東京〉という歌詞に合わせて自由に踊る観客は、確実に楽しんでいたと思う。 怪しげなベースのリフから始まった『オオカミ男の唄』では、後方の壁に満月をイメージしたであろう黄色い丸い光が映し出された。小さなライブハウスでも、楽曲を引き立てる演出をしっかり取り入れている。 メドレーのように自然とイントロへと繋がった『Fly』の流れには鳥肌が立った。スポットライトを浴びながら優しく語りかけるように歌い、演奏も繊細で歌を支えるようなものになっていて泣ける。最後のフレーズをロングトーンで歌う姿にもグッときた。 穏やかな余韻で包まれる中、丁寧な演奏で『僕はライオン』が続く。音を過剰には重ねずに全ての楽器の音が引き立つようなミニマムなサウンドが心地よい。 『ナイトエスケープ』もミドルテンポの曲だが、こちらは重厚で迫力ある演奏だ。演奏スタイルが違う曲が続くことで、どちらの曲の魅力も引き立っている。クールな演奏の『I Love You』で観客に愛を囁きつつ横揺れで踊らせるのも良い。 変態的なメロディのギターリフに合わせて歌っていた『パーティー』も楽しい。コウセイと伊東が向き合いながら演奏したりとパフォーマンスでも魅せる。観客も一緒に叫ぶように歌っていたことも印象的だ。 個性的なフレーズのギターリフはスパルタローカルズの魅力のひとつである。『Leaky Drive』はそんな個性や変態性が浮き出ている上に、疾走感ある演奏で、彼らの強みが生かされているような演奏だった。 ライブも後半。「まだまだ行けるのかい!?まだまだ行けるのかい!?」というコウセイの煽りから「オンザピース!」と叫び『ピース』が始まり、終演に向かいどんどん熱量を増していく。 観客は暴れるように踊っていたし、大人しく観ていた観客も前方へ詰め寄っていく。コウセイが「シンギング!」と叫んだ後の観客のサビの大合唱は、演奏をかき消すほどに大きかった。 バンドを結成して25年が経った。人生の半分を超える年月になった。 お前ら老後のことは考えているか!?お前ら老後のことは考えているのかい!?俺は全然考えてねえ!バカヤロウ!!! コウセイが自身の老後に対する価値観を叫んでから『ばかやろう』が始まると、一気に前方に観客が詰めよる。その光景はこの日一番の熱気だったし盛り上がりだった。 老後に差し掛かりそうな年配のファンまでも前方にかけより拳を上げている。みんな老後どころか明日のことも考えてなさそうな暴れ方だ。サビでマイクを向けられた時の観客の歌声も、この日で一番大きかった。 最高の盛り上がりを作ってステージを去っていくメンバー。大団円とも言える雰囲気ではあったが、観客からアンコールを求める拍手が響く。 それに応えてメンバーが出てきたものの「さっきのばかやろうで全部出し切ったんですけどぉ。我々の全てを表現しきったんでけどぉ」と話すコウセイ。だが「特別にアンコールをしてやろう!」とサービス精神を見せ観客を喜ばせる。 アンコール1曲目は『sugar』。本編で全て出し切ったからこそのリラックスした様子の演奏が逆に良い。観客も全てを出し切って盛り上がった後だからこそのゆったりとした空気の中で聴く心地良さがある。 「この夏に捧げよう!」とコウセイが言ってから最後に演奏されたのは『バイオレンスサマー』。夏にピッタリの楽曲だ。妖艶な照明の中、怪しげだけど煌びやかでもある独特なサウンドを響かせる。 全てを出し切った後のオマケとしてのアンコールとは思えない熱演だった。素晴らしかった。あまりの素晴らしさに、観客はさらなるアンコールを求めている。 だが流石に限界らしい。鳴り止まないダブルアンコールの拍手を止めるためコウセイだけが出てきて「もう声が出ないの!お願い!帰って!」と観客に哀願し拍手を止め、ライブは終演した。 『Dreamer』がリリースされて20年。それなりに長い年月だ。 しかし『Dreamer』の収録曲は今聴いても素晴らしい。2025年に置いても他には無い個性があるし、サウンドもクールだ。それでいて今のスパルタローカルズも、20年前に負けないぐらいにカッコいい。それほどまでにこの日のバンドも、鬼気迫る演奏をしていた。 まさに永遠はロックンロールと君だけと感じるような音楽を、スパルタローカルズは今でも鳴らしていた。 ■スパルタローカルズ『Dreamer』リリース20周年記念ワンマンライブ at 代官山SPACE ODD TOKYO 2025年8月17日(日) セットリスト 1.Stay Dreamer 2.青い夏 3.夢ステーション 4.黄金WAVE 5.GET UP! 6.ロックとハニー 7.コールタール0 8.ぼくのポッパー 9.希望 10.旧TOKYO 11.オオカミ男の唄 12.Fly 13.僕はライオン 14.ナイトエスケープ 15.ILoveYou 16.パーティー 17.Leaky Drive 18.ピース 19.ばかやろう アンコール20.sugar 21.バイオレンスサマー DREAMER アーティスト:SPARTA LOCALS ユニバーサルJ Amazon