2020-01-28 【ライブレポ・感想・セットリスト】BiSH NEW HATEFUL KiND TOUR @宇都宮市立文化会館 ライブのレポート BiSH 『beautifulさ』で泣いた BiSHはたくさん夢を持っています。紅白歌合戦に出たいとか、東京ドームでライブをやりたいとか。それは無謀と言う人もいるかもしれないけど、BiSHは今までも無理だと言われることも実現してきました。こんな綺麗事を自分が思うとは想像していなかったけど、夢を夢で終わらせたくないし、 ありえないようなことをみんなと一緒に歩んで共有したいです。 宇都宮市文化会館で行われたBiSHのライブ。アユニのMCで泣きそうになった。 いや嘘をついた。泣いた。 このMCの後に『beautifulさ』を歌われたら、そりゃあ泣いちゃう。 beautifulさ BiSH ロック ¥255 provided courtesy of iTunes どんなとげとげの道も 僕らは乗り越えていくんだし困難裂いて 過去は忘れ 晴れた明日へと 行こうぜ 今までライブで聴いた『beautifulさ』の中で、最も説得力を感じた。今のBiSHならばもっとすごい景色を見せてくれるのではと思った。 BiSHにとって過去最大規模の全国ツアーだったNEW HATEFUL KiND TOUR。 追加公演以外の沖縄以外は全公演ホールでのライブ。いつの間にかホールですら小さく感じるほど、大きな存在になっていた。 BiSHが熱気を作っていた 今回のツアーはバンドセット。5人編成による演奏の迫力に圧倒させられた。その演奏に負けないBiSHの歌声やパフォーマンスにも鳥肌が立った。演奏とパフォーマンスを集中して観たいと思った。 ファン(清掃員)のコールや声援は必要がないのかもしれないと思った。 個人的な考えだが、コールはアイドルの未熟なパフォーマンスをファンの勢いやノリで助けるものだと思っている。ファンが”自ら率先して”良いライブを成立させるためのものだと感じる。 かつてのBiSHは清掃員の熱気によりめんはも感化され良いライブになっていたと思う。清掃員の熱い応援もBiSHのライブの魅力だった。 しかしこの日はそれとは違う魅力があった。 BiSHのパフォーマンス自体が熱気に満ちていて、ファンが“率先して”盛り上げるのではなく、BiSHのパフォーマンスによってブチ上がっている。 1曲目の『Am I FRENZY??』からBiSHのパフォーマンスは素晴らしかった。 Am I FRENZY?? BiSH ロック ¥255 provided courtesy of iTunes バックバンドは音源を再現するどころか、アップデートさせている。ロックバンドとして重低音の響く演奏をしている。 メンバーは扇子を使った魅せるパフォーマンスをする。リンリンのシャウトが響く。それを支えるように他のメンバーはしかりとした歌唱で歌を繋げる。 メンバーの歌も音源を再現どころか、アップデートさせている。 そこからの『SMACK baby SMACK』『デパーチャーズ』とロックチューンを続けることで、BiSHのライブでしか作れない空気感になっていた。 SMACK baby SMACK BiSH ロック ¥255 provided courtesy of iTunes 踊りながら歌う姿はアイドルだと思う。でもバック の演奏はロックバンドそのものだし、メンバーはロックボーカリストのように感情的に歌う。 アイドルの魅力とロックバンドの魅力が綺麗に合わさる。それがホールやアリーナ規模でもしっかりと伝えられている。 ロックをやるアイドルは珍しくはないが、大きな規模でもしっかり自分たちの音楽を届けられることが今のBiSHの強みであり魅力だと思う。 BiSHから心が離れていた自分 実はここ2年ほど自分はBiSHのライブに魅力をあまり感じていなかった。幕張メッセイベントホールでのワンマンを終えた後からだ。 ライブハウスを中心にライブを行っていたBiSHだが、人気も出てきて少しづつ大きな会場でライブも行えるようになっていた。 大きな会場でのライブが駄目だったとは思わない。良いライブもあった。 それでも「まだ今のBiSHでは大きな会場で全員を巻き込むライブはできない」と感じることが多かった。 熱量を良くも悪くも騒いで清掃員は盛り上がっていた。その熱量にドン引きして離れる人もいたとは思うが、清掃員の熱量にBiSHは助けられていた部分もあった。でもその熱量が規模が大きくなるにつれフロアから減っていたように感じる。 たまにライブハウスで観ても、かつてのファンからの異常な熱量は感じなかった。それが悪いとは思わないし、ファンは入れ替わりつつも増えていたので良いことだとは思う。むしろいつまでもファンの熱量に頼っている方が駄目だ。 メンバーも以前とはライブへの向き合い方が変わったように思っていた。 以前は「明日のことはどうでもいい」ぐらいの勢いでぶつかってきた。鬼気迫る表情で、振り絞るように歌っていた。それはデビューしたばかりでライブでの体力を使う配分がわかっていなかったのかもしれない。無茶をしていたのかもしれない。 経験を積んだからか、ペース配分もしつつ安定したライブをするようになった気がする。それは良いことだと思うし、長く活動を続けるならば、そのようなライブをするべきだ。 それでもかつての鬼気迫るようなメンバーの表情や、無茶していると思うぐらいの全力さを忘れられなかった。 古参ぶるつもりはないが、自分が最初に好きになった時とはライブの雰囲気が変わり、それに寂しさや違和感を感じて心が少しづつ離れていた。 ツアーの都度1回はライブに足を運んでいたが、やはり少しの違和感を感じていたので、熱心に活動を追うような気力はなくなっていた。 でも、この日のライブを観て、BiSHへの熱意が蘇った。今のBiSHのライブに感動した。 圧倒させられた 自分がこのライブで最も感動した曲は『オーケストラ』だ。 オーケストラ BiSH ロック ¥255 provided courtesy of iTunes 生バンドの演奏に圧倒させられた。演奏が体に響くような迫力。それは音源やオケを使うライブでは体感できなかったものだ。その演奏が素晴らしかった。 演奏に負けないぐらい、BiSHの歌声も素晴らしかった。彼女たちの表現力に惹き込まれた。こんなに表現力があるとは知らなかった。 アイナやチッチなど以前から歌唱力が評価されていたメンバーだけではない。他のメンバーの表現力も素晴らしかった。 歌の技術としては上手いわけではないかもしれない。しかし楽曲の世界観を表現する力がずば抜けている。歌い続けて楽曲と向き合ったからこそ、楽曲の魅力を最大限に引き出すことができているのだと思う。 BiSHにしか歌えない曲だと思った。BiSHだから歌える曲だと思った。 『オーケストラ』は名曲だと思っていたが、今まではライブではイマイチな曲に感じていた。名曲だからこそ表現することが難しい曲だったのかもしれない。 今のBiSHはしっかり表現できている。音源の魅力を超える歌声で感動させてくれる。 昔はファンの熱量によって支えられることで良いライブになっていたと思う。今はその次のステージに行ったのだと確信した。ファンに支えられるライブというよりも、ファンを引っ張っていくライブをやっているのだと思った。 「昔の方がよかった」と自分のようにウダウダと懐かしんで文句を言うようなファンを黙らせるようなパフォーマンスだった。 「今のBiSHが一番すごくて、今までで一番最高だ」と思った。 この日の『オーケストラ』は一瞬で自分の価値観を変えさせてくれるような、素晴らしいパフォーマンスだった。 BiSHは変わっていない 『My landscape』と『stereo future』を聴いて、今のBiSHにはホールも小さいのだと思った。 stereo future BiSH ロック ¥255 provided courtesy of iTunes 演奏も歌声も壮大だった。曲の構成としても、大きな会場で鳴らすことを意識しつつ作曲されたようにも思う。 スタジアムクラスの会場で鳴らすべき音楽だ。そのような会場が似合うパフォーマンスに思う。 BiSHは進化していた。変化もしている。でも変わっていない部分もあるとも感じた。 『サラバカナ』と『プロミスザスター』も圧巻だった。以前のBiSHはこれほど迫力のあるパフォーマンスはできなかった。 サラバかな '16 BiSH ロック ¥255 provided courtesy of iTunes BiSHが全力で音楽を届けようとしている姿は以前と変わらなかった。それでいてまだ先を目指そうとしているようなパフォーマンスにも思えた。 「その手を離さないよう」 『サラバカナ』のこのフレーズは以前からファンも一緒に歌っていた。今でも同じように一緒に歌っていた。その時の客席の雰囲気は、自分がBiSHを知った時と同じ雰囲気だった。 『プロミスザスター』でアイナが真っ直ぐ前を見ている時の鬼気迫る表情は、自分がかつて魅了されて惹きつけられた時と同じだった。 『星が瞬く夜に』で楽しそうに歌い踊る姿も以前と同じだ。フロアもみんな笑顔で一緒に踊っている様子も同じだ。 BiSHは変わっていない。芯はぶれていない。根っこの部分は活動当初と同じ精神だ。清掃員もかつてと同じようにBiSHを心の底から応援している。 自分はBiSHを取り巻く環境の変化にばかり気を取られ「BiSHは変わった」と思っていた。斜めに構えて見ていた。 変わったのはBiSHではなく純粋に観て評価をしなくなった自分自身だった。 久々にライブを観て思った。進化したBiSHは最高で、変わらないBiSHも最高だと思った。 BiSHは今までも無理だと言われることも実現してきました。こんな綺麗事を自分が思うとは想像していなかったけど、夢を夢で終わらせたくないし、 ありえないようなことをみんなと一緒に歩んで共有したいです。 アンコールでのアユニのMCを思い出し、ワクワクしてきた。 まだまだ目が離せないグループだと思う。もっと凄い景色を見せてくれる予感がする。まだ追いかけ続けなければ。 BiSHは本当に紅白に出れるかもしれない。東京ドームだっていつかやれるかもしれない。『beautifulさ』と思える景色をこれからも観せ続けてくれると思う。 自分にとって今最もワクワクさせてくれるグループはBiSHだ。それを確信するようなライブだった。 BiSH NEW HATEFUL KiND TOUR @宇都宮市立文化会館 セットリスト 1.Am I FRENZY??2.SMACK baby SMACK3.デパーチャーズ4.MORE THAN LiKE5.I am me.6.オーケストラ7.DiSTANCE8.GiANT KiLLERS9.MONSTERS10.CHOP11.DEADMAN12.遂に死13.stereo future14.スパーク15.KiND PEOPLE16.My landscape17.NON TiE-UP18.サラバかな19.プロミスザスター EN1.BiSH-星が瞬く夜に-EN2.リズムEN3.beautifulさ ↓関連記事↓