オトニッチ

ニッチな音楽情報と捻くれて共感されない音楽コラムと音楽エッセイ

エビ中の曲はもう聴きたくなかった~なないろでのMステ出演までの話~

私立恵比寿中学のそれなりのファンです

私立恵比寿中学ことエビ中。

個人的には熱心なファンと比べると、そこまで大ファンといいうわけではなかった。

アルバムならリリースされれば買うし、冠番組だったエビ中++は毎週観る程度。

ライブも全国を追いかけてはいないし、家から近い会場で観たことがある程度。

持っているグッズも、エビ中のコップのフチ子を全種類集めたぐらい。

だから、それなりのファン。

 

好きなアイドルはたくさんいるけども、自分はもともと音楽はロックが好きだった人間。

好きなアイドルはBiSやBiSHなどロックを取り入れているグループが多い。

アイドルなのにライブ中に中指立てたりしちゃうようなグループだ。

エビ中にもロックよりの曲やバンドマンが提供した曲もあるけど、基本的には世間のイメージするアイドルソングが多いし、中指は絶対立てない(笑)

だから、音楽としては自分の好みとは少しづれている曲も多かった

 

でも、エビ中の曲はよく聴いていた。

エビ中はいつも笑顔なんだよ。

みんな明るいんだよ。

あと面白い。

聴いていると元気になるんだよ。

それって、本質としてアイドルに求めているものかもしれない。

 

エビ中を知ったきっかけ

最初に知ったきっかけはテレビで氣志團万博に出演した映像を観たときだった。

土砂降りの中で”大人はわかってくれない”という曲を歌っていたエビ中。

土砂降りの中で笑顔で歌っていた。

激しく歌い踊る姿がかっこいいなと思った。

でも、雨に打たれているのに笑顔でパフォーマンスしていて、やっぱりアイドルだなと思った。

 

エビ中はいつも明るくて笑顔で観ていて、聴いていて元気になる。

それは曲でもそうだし、テレビに出ているときもそう。

自分はそこまでコアなファンではないから、もしかしたらずっと追っかけているファンにとってはそれだけじゃないと思う人もいるかもしれない。

でも、自分にとってはエビ中はいつも笑顔だし楽しそうだし、元気をくれる存在の”正統派アイドル”だった。

そこが自分にとってぐっと来たのかもしれない。

 

エビ中の曲を聴けなくなった

エビ中の天才盆栽中学生(仮) Blu-ray BOX

 

2017年2月8日。

メンバーの松野莉奈が18歳で急逝した。

テレビやネットニュースなどのメディアで大きく報道された。

エビ中の活動もいったんストップした。

 

SNSやネットの掲示板では死因についてやメンバーのことなど、あることないこと書かれてめちゃくちゃだった。

仕方がないかもしれないが、メディアも「若くして亡くなったメンバーがいる悲劇のグループ」のような扱いをしていた。

 

自分は、エビ中の歌を聴けなくなった。

 

松野莉奈が亡くなったショックもあった。

信じられなかった。

今でも信じられない部分はある。

 

今までエビ中は明るくて元気なグループだと思っていた。

グループのイメージに暗い部分が一つもないと思っていた。

エビ中を聴いても、今までと同じ気持ちで聴ける自信がなかった。

曲を聴いて、松野莉奈はもういないのかと思ってしまうことが怖かったのかもしれない。

 

それから、活動についての情報は追いかけていたが、曲を聴いたり、映像をみたりすることはできなかった。

 

ミュージックステーションに出演決定したエビ中

新しいアルバムが発売すること。

新曲がYouTubeにアップロードされていること。

7人になってから初めてミュージックステーションに出演すること。

これらの情報はエビ中の公式LINE経由で知っていた。

 

まだ、自分は2月8日以降、エビ中の曲は全く聴いていなかった。

Mステ出演を知って、観たいとは思ったけど、観ることが怖かった。

前みたいに、エビ中の曲を聴いて、パフォーマンスを観て、元気をもらえるのか不安だった。

余計なことを考えてしまいそうな自分が嫌だったし、怖かった。

 

でも、観ることにした。

 

公式LINEでもTwitterでも、エビ中のMステ出演を盛り上げようとしていた。

Twitterのタイムラインに流れてくる、ファンのツイートも、エビ中のMステ出演を盛り上げようとしていた。

”金八DANCE MUSIC”というMステに出演したい気持ちを歌った歌もある。

エビ中にとって、ミュージックステーションに出演することは特別なことなのだと思う。

 

金八DANCE MUSIC

金八DANCE MUSIC

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  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

今回のMステの放送を観て、以前のように楽しめなかったり、悲しい気持ちになるのだったら、そこでファンも辞めようと思った。

もしもエビ中を観て辛くなるようだったら、活動を追いかけるのも辞めようと思った。

 

Mステでのエビ中のパフォーマンスを観た

エビ中は放送の後半が出番だった。

タモリさんとのトークはほぼなしで、その代わりにVTRで紹介されていた。

 

そのVTRは直接は松野莉奈について触れていなかった。

VTRでは再始動後最初のライブである八王子公演の映像やその時のMCが流れた。

”7人で初登場”や”悲しみを乗り越えて再始動”などといったナレーションはあったが、”亡くなった””急逝”などという言葉は使われていなかった。

そこにMステのエビ中への愛を感じた。

”亡くなった”というワードを出すだけで、知らない視聴者も見る目が変わってしまう。

”悲劇のグループ”扱いしてしまう。

でも、そういったワードを出さなくても、今のエビ中がどのような想いで活動を再開したのかが伝わるVTRだった。

 

パフォーマンスした曲は”なないろ”という曲。

新しいアルバムに収録されている曲だ。

 



 

エビ中のパフォーマンスは、自分が今まで観てきたエビ中と同じだった。

笑顔で楽しそうに歌って踊るエビ中だった。

テレビの中でパフォーマンスしているエビ中は、自分が元気をもらっていた、アイドルだった。

悲しい気持ちとか、余計な感情とかを考えさせないような、元気をくれるアイドルだった。

 

余計な修飾語はいらない

今でも、ネットを観ると、”メンバーの死を乗り越えて”とか”メンバーが一人亡くなって再始動”とか、余計な修飾語をつけたがる人が多い。

もちろん、それは事実ではある。

  

でも、それを乗り越えて色々な覚悟をして、7人で活動を再開したのだと思う。

今のエビ中も松野莉奈がいたときと同じように、明るくて笑顔で元気をくれるアイドルだ。

それは松野がいなくても成立するとか、いなくてもなんとかなったということをではない。

きっとメンバーやスタッフの方々には様々なことを考えて、多くの葛藤もあって活動を再開して続けているのだと思う。

その上で、今までどおりのエビ中をやっていこうとして、今まで通り、元気をくれるパフォーマンスをしてくれているのだと思う。

 

 

自分はMステでエビ中を観て、前と同じように元気をもらえた。

だから、これからも応援していこうと思う。

そりゃあ、たまには曲を聴いて思い出して、悲しくなることもあるかもしれない。

でも、エビ中が活動している限り、松野莉奈のことを忘れることはないし、エビ中の曲を聴き続ける限り、松野莉奈の存在を忘れることはないと思う。

 

エビ中が元気に歌ってくれていれば、永遠に松野莉奈がメンバーであったことは忘れないし、松野莉奈も永遠に中学生でいられるんじゃないかなと思う。

 

永遠に中学生(エビ中 真冬の北半キュリスマス2014 ver.)

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