2019-05-05 ジャニオタじゃない男がSexy Zoneのライブを初めて観た感想 ライブのレポート Sexy Zone 価値観がぶち壊された チケットを手に入れる縁があり、タイミングも合い観に行ったライブ。 アラサーの男である自分の価値観が簡単にぶち壊された。一瞬だった。ライブが始まってすぐ。1分もないぐらい。 カルチャーショック。自分にはまだまだ知らない世界があり、自分の触れていなかった素晴らしい音楽の表現がまだあるのだと実感した。自分がここ数年で観たライブで最も大きな衝撃。 それがSexy Zoneのライブ。 「ライブを観る」という表現は誰もが使う表現。しかし、それは「ライブは観るもの」と思い込んでいる固定観念かもしれない。その固定観念がぶち壊された。その表現は間違いではないと思うが、ライブはそれだけではないと気づいた。 Sexy Zoneのライブは「ライブを観ている」という気持ちにならなかった。「ライブに参加している」や「ライブを体感している」という気持ちとも違う。 「ライブに吸い込まれる」という感覚。ディズニーランド以上に夢の世界。アニメよりもファンタジー。それでいてメンバーに親近感も湧いてしまう矛盾も発生する。不思議なライブ。 一言でまとめられない魅力。ずっと忘れられない衝撃。Sexy Zoneのライブは自分が観たことがなかったエンターテイメントだった。 ステージセットについて 客席に入った瞬間からエンターテイメント。異世界に来たような気分になる。 前方のステージには大きな洋館のような大規模なセットが建てられ、大きなスクリーンも設置されている。迫力のあるステージセット。セットには開演前から照明が点灯しており、すでに会場全体がファンタジーの世界に染まっている。 スクリーンにはSexy Zoneの名前とツアータイトルが表示されている。ライブへの期待感が高まる。開演前からライブの世界観に入り込んでしまうような仕掛けや、自然とテンションが高まる空気が作られている。 客席に伸びる花道やセンターステージにも驚いた。 センター席(他の会場で言うアリーナ席)全体を囲むように花道が最後方まで伸びている。センターステージはかなり大きい。花道とセンターステージを合わせるとセンター席の半分近くのスペースが使われている。 大きな会場だと座席によってはステージが遠すぎて演者が見えにくいことも多い。後方の席だと生で動いている演者の表情は見えない。スクリーンばかり見てしまったり、前方の席とでは楽しみ方も変わる。臨場感にもかける。感じる楽しさも半減することもある。 しかし後方まで花道があれば後ろまでメンバーは来てくれる。センターステージならばどの席からも見やすく距離も近く感じる。座席の位置による不公平さが最小限になる。 アリーナ規模の会場でもメンバーとの距離感を近く感じる配慮がされ、離れていてもステージセットの迫力で楽しめる仕組みになっている。 開演前まではステージセットに対して上記のような感想を持った。しかし、ライブが始まった瞬間、それは間違いではないが正解でもないと感じた。 そんな単純な理由で組まれたステージではない。それを実感されられた。 Sexy Zoneのライブは、このステージセットでなければ成立しないライブだった。Sexy Zoneのライブの世界観を表現し、最高のライブを行うために計算されて作られたもので、これでなければ駄目なのだ。 その事は開演後すぐに理解した。 演出について 頭の中が混乱した。 ライブが始まってからすぐは、目の前で起こっている状況が理解できなかった。 ステージのどこを観ればいいのかもわからなかった。 理解できたことは「凄いものを見せられている」ということだけ。 客席の隅に置かれていたトロッコの上からメンバーが1人出て来たと思えば、気づくと自分の近くの花道には違うメンバーがいる。大掛かりなマジックで登場したかのように、瞬間移動でもしたかのように出てくる。 近くの席のファンから歓声が湧き上がる。すぐ後に他の場所からも歓声が聞こえる。気づけばそちらには他のメンバーがいる。 それの繰り返し。遠くにいるメンバーに気を取られていると、自分の近くのメンバーはいつのまにか離れた場所に移動している。そして先ほどと違うメンバーが近くにいる。瞬間移動で入れ替わったかのような錯覚。 派手な火薬の特攻の迫力にも驚く。その火薬の演出もそれぞれパターンが違う。全てが新鮮。全ての火薬にビビる。 ステージ中央のスクリーンには演出が含まれた映像が流れる。両サイドにはメンバーをリアルタイムで撮っている中央とは違う映像。 映像に気を取られていると、別の場所では特攻や照明での演出で盛り上がっている。そちらを焦って観ると、違う方向からファンの黄色い声が聞こえる。いつの間にかメンバーが違う場所に移動してパフォーマンスしている。 メンバーは動き回り様々な場所でパフォーマンスする。客席にも突入する。2階のスタンド席にまで。 ライブの時間は約2時間30分。ライブ中に同じ演出はない。常に刺激的な演出が連続で叩きつけられう。細かい演出も派手な演出もバンバン繰り出される。それに驚いたり感心したりの繰り返し。 始まった瞬間から情報量が多すぎる。しかもどの部分を観てもハイレベルな演出とパフォーマンス。どれも見逃せないのに会場内で起こっている全ては理解しきれない。 目の数が足りない。脳の処理能力も足りない。そんな時間が2時間半も続く。圧倒されすぎて魂まで抜かれた気分。これは普通に生活していたら体験することがないような時間。夢でも見ることがないような夢よりも夢のような体験。 圧倒され続けた結果、ライブ終了後は「ヤバいし凄いし楽しい」と語彙力のない感想しか出ない。 メンバーについて 演出がどれだけすごくても、それだけでは音楽のライブは成立しない。 例えばSexy Zoneのライブの演出やステージセットで全く別のアーティストやアイドルがライブをやったとしよう。きっと同じような感動は生まれない。 ステージに「誰が立つか」が重要だ。演出によってアーティストは引き立つし、逆にアーティストによって演出が引き立つ。 自分がSexy Zoneのライブを観て演出の凄さだけで衝撃を受けたわけではない。Sexy Zoneのメンバーのパフォーマンスの凄さにも衝撃を受けた。 語弊があるかもしれないが、Sexy Zoneのメンバーが自分と同じ人間と思えなかった。 スクリーンに映る表情は常に崩れずにイケメン。スクリーンに映っていない時もイケメン。立ち振る舞いもスマート。ダンスの動きもダイナミックで見応えがある。 ステージセットや演出はファンタジーの世界に連れ込まれるような凄みがあったが、そこでパフォーマンスするSexy Zoneもファンタジーの世界の住人のようだった。 ハイレベルな演出に対応するには、ハイレベルなパフォーマンスがなければならない。演奏が上手いバンドのボーカリストが音痴で下手だと台無しになることと同じ。 Sexy Zoneのパフォーマンスがハイレベルだからこそ、ライブの世界観に一瞬で引き込まれて圧倒される。 自分は男だ。だからメンバーに黄色い声援を送ることはない。どれだけイケメンが近づいたとしても。 しかし、Sexy Zoneは性別すら超えていたかもしれない。アイドルに性別はないのかもしれない。キメ顔のメンバーや笑顔のメンバーを観ていたらそう思った。何を言っているのだ自分は。 女性ファンが「キャー」と叫んだり黄色い声援を送るタイミングで、男である自分もメンバーをかっこいいと感じた。魅力を感じた。自然と笑顔になってしまった。 最終的に中島健人が「ノーセクシーノーライフ」と意味不明がことを言っていても「わかる。セクシー必要だよな」と思ってしまう。 映画やアニメの登場人物を見ている気持ち。めちゃくちゃ面白い映画やアニメの登場人物が、画面を飛び出して、自分の目の前に飛び出て来たような感覚。 アイドルは馬鹿にされがちだ。偏見の目で見られ「アイドルはルックスが良ければ誰でもなれる」と言う人もいる。 実際はそんなわけがない。魅力がある人でなければアイドルにはなれない。誰よりも努力できる人でなければアイドルにはなれない。最高のステージを作るための想いを持っていなければアイドルにはなれない。 馬鹿にしたり偏見を持っている人にこそ、観てほしい。そんなあなたの偏見も価値観も、一瞬で粉々に破壊されるから。 想いについて 涙が出そうになったタイミングがある。 演出やパフォーマンスに感動したことも理由だが、それ以上に、特別な「想い」を感じたことが理由だ。 この日のライブでステージに立っていたメンバーは4人。しかし、本当は5人組。松島聡というメンバーもいる。彼はこの日、ステージに立ってはいなかった。詳細は知らないが病気で療養しているらしい。 でも、5人でステージに立っているつもりでライブをやっていたのかもしれない。 何も知らなければ元々4人組のグループだと思うぐらいに素晴らしいパフォーマンスだった。4人でも最高のエンターテインメントが成立していた。 松島聡の居ない分、それをカバーするために相当努力し万全の準備をしたのだろう。だから自分のようなグループに詳しくない人間は全く違和感を感じなかった。 ライブの最後、スクリーンにイラストのアニメーションが映っていた。そのアニメーションの最後のシーンは5人の男性のイラストだった。まるで5人のSexy Zoneを表現しているようで、また5人で帰ってくると宣言しているようだった。 メンバーが欠けた状態ならばグループを活動休止しても仕方がない。ライブをやらないとしても納得するファンも多いだろう。 それでもグループの活動を4人で続けているのは、松島聡が安心して戻って来れる場所を続けることで守るためと感じた。いつでも戻って来れるように歩みを止めなかったのだと思った。 それはメンバーだけでなく、関わっているスタッフも含め同じ気持ちではと思う。 そうでなければ、このような演出はしない。 スタッフも含め、Sexy Zoneに関わる人達全員が「想い」を持ってライブを作っているのだと感じた。 だから、自分はグッと来た。 関係ない話だけど少しだけ Sexy Zoneにとってもファンにとっても失礼なことかもしれないが、自分の好きなアイドルとSexy Zoneを重ねてしまった。 私立恵比寿中学という女性アイドルグループ。通称エビ中。 エビ中も突発性難聴で一時期ステージに立てなかった柏木ひなたという子がいる。一時期怪我で全くステージに立てなかった星名美怜という子もいる。 その時、エビ中はグループの活動を止めなかった。残りのメンバーでステージに立ち活動した。Sexy Zoneと同じように。 変わらずに活動し歩みを止めないことで「休んでいるメンバーが戻れる場所」を守ってくれた。人数が少なくてもファンを心配させないように、今まで以上に全力のライブをやってくれた。時折MCで休んでいるメンバーにエールも送っていた。 エビ中には病気で亡くなったメンバーもいる。 松野莉奈という子。性格は子どもみたいで気分屋だったけど、素直で可愛らしい子。凄くいい子だった。背も高くて綺麗でモデルもやっていた。まだ18歳だった。 グループを解散しても仕方がない状況。それでもエビ中は活動を続けてくれた。「松野莉奈が大好きだった私立恵比寿中学」を守るために続けてくれた。 大事なライブの日には松野莉奈が生前に好きだと語っていた曲は必ずセットリストに入っている。松野莉奈を想って作られた楽曲もある。 去年エビ中はハワイでライブを行った。今年はエビ中が主催で音楽フェスを行う。どちらも松野莉奈が生前に「やってみたい」と話していた彼女の夢の1つ。 ステージに松野莉奈の姿は見えないけど、今も一緒に活動している気がする。そんな「想い」を持っているのだと思う。 エビ中のライブは想いもこもってるし、上手いしカッコイイんだ。機会があれば観て欲しい。 ここで言いたいことは「俺の推してるアイドルは最高だぜ」と言いたいわけではない。それも3割ぐらいはあるけど、最も伝えたいことは違う。 伝えたいことは「想い」を持って活動しているグループは強いということ。 「想い」を持つメンバーのいるグループは強い。 「想い」を持つスタッフや関係者のいるグループは強い。 「想い」をしっかりと受け取れるファンのいるグループは強い。 「想い」を持って応援しているファンがいるグループは強い。 Sexy Zoneからは「想い」を感じた。パフォーマンスや演出や音楽から強く感じた。もちろん会場に集まったファンからも「想い」を感じた。 だから自分は心を動かされた。素晴らしいグループだと思った。 2つの感動した理由 Sexy Zoneのライブを観て感動した理由が2つある。 迫力あり計算された物凄い演出。惹き付けられて目が離せなくなるパフォーマンス。 そういった「目に見える部分」での感動。今まで観たことないハイクオリティな演出とパフォーマンスで感動した。それが1つ目の理由。 そして「目に見えない部分」でも感動した。それがもう1つの理由。 メンバーのパフォーマンスや演出から感じた「想い」。それは目には見えない。それでも初めてライブを観て、グループにあまり詳しくない自分にも伝わる想いがあった。 「目に見える部分」と「目に見えない部分」の2つが組み合わさり、感動した。忘れられないライブになった。 きっとファンの人達も同じではと思う。パフォーマンスや演出やメンバーのルックスに惹かれただけでなく、そんな「目に見えない部分」にも惹かれたのだと思う。 中島健人が最後の挨拶で言っていた「ノーセクシーノーライフ」という言葉。言葉だけ聞くと意味不明な発言。 でも、今はわかる。 ファンにとっては「ノーセクシーノーライフ」なのだろう。Sexy Zoneの音楽やライブやメンバーが必要なのだ。彼らに救われたり、彼らを応援するこおで人生がより豊かになっているのだと思う。 メンバーにとっても「ノーセクシーノーライフ」なのだと思う。これだけ真剣で最高のパフォーマンスをしているのだから当然だろう。ファンともきっと想いを共有している。 今度はステージに5人立っている姿も観てみたい。きっと今回のライブよりも凄いものを観せてくれて、魅せてくれて、夢中にさせてくれるのだと思う。 自分も「ノーセクシーノーライフ」になってしまいそうだ。 SEXY ZONE repainting Tour 2018(Blu-ray初回限定盤) 楽天市場 Amazon