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【意味を分析】the pillows山中さわおは何故「アウイエ」と言うのか?【意味を考察】

アウイエ

 

the pillowsが好きなストレンジャーだけが知っていて、一般のニンゲンドモには理解できない言葉がある。

 

 

「アウイエ」という言葉だ。

 

これはthe pillowsのギターボーカル山中さわおがライブ中に頻繁に発する言葉である。主に曲中に言ったり、MCの最初に言うことが多い。

 

それに対してファンも「アウイエ」と返す。挨拶のようなコミュニケーションが生まれている。

 

自分は「アウイエ」を鳴き声だと思っていた。犬が「ワン」と鳴いたり猫が「ニャー」と鳴くことと同じだと思っていた。

 

しかしそれは違うようだ。2年前に自分がthe pillowsのライブで、山中わさわおはこのようのに話していた。

 

 

「アウイエ」は鳴き声ではなかった。言葉だった。つまり意味を含んでいるのだ。

 

ピカチュウが「ピカピ」と言ったり、イクラちゃんが「チャーン」と言うことと同じだった。何かしらの意味や意思が含まれているということになる。

 

 合う家と会う家

 

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「アウイエ」の意味を”確かめに行こう”と思いiPhoneで検索してみた。すると予測変換に気になる2つの言葉がでてきた。

 

「会う家」と「合う家」だ。

 

山中さわおは「家」についてのメッセージを、ライブやCDで伝えていたのかもしれない。ライブでは「常識的におかしい言葉」と言っていたが、これは文法の話かと思う。正しく伝えるなら「家で会う」「家に合う」だからだ。

 

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ちなみに「アウイエ 意味」でググると福井県の住宅ブランドのサイトに繋がる。

 

そこには〈福井の暮らしに「auie」 家族が多くの喜びに「会う」ということ、ライフスタイルや福井に「合う」という意味〉と書かれている。もしかしたら「アウイエ」という言葉は福井県では一般的に使用される言葉なのかもしれない。

 

予測変換の言葉や、ググった結果からして、山中さわおは「会う家」「合う家」のどちらかの意味、もしくは両方の意味を込めているのではと予測できる。

 

そしてthe pillowsというバンド名にも注目すると、家に対するメッセージを発していることに説得力が増す。「アウイエ」の意味についてのヒントが含まれているように感じるからだ。

 

 

枕は家にあるもの

 

the pillowsはギターの真鍋吉明の家で結成された。バンド名の由来はチェリーレッド・レコードの『Pillows & Prayers』というオムニバス・アルバムのタイトルである。真鍋宅のレコード棚にあった『Pillows & Prayers』を見てバンド名に採用したのだ。

 

the pillowsが生まれた場所はライブハウスでもスタジオでもなく「家」である。バンド名に使われている「pillow」は日本語に訳すと「枕」という意味だ。誰もが持っていて家に置いてあるものだ。

 

the pillowsは「家」と関係性が深いとわかる。

 

予測変換と検索結果と家に関連したバンド名から予測すると「合う家」と「会う家」である可能性はさらに高まる。

 

「合う家」

 

枕は大切な存在だ。枕の質によって睡眠の質も変わる。

 

デザインも大切だ。おしゃれな枕の方が気分が高まる。おしゃれな枕を使えば、部屋全体がおしゃれにも見える。そして寝るときは必ず側にある。生活の一部として存在している。

 

the pillowsの音楽も「枕のように生活に必要な存在」ということをバスターズ(ファンの名称)に伝えているのかもしれない。

 

ROCK AND SYMPATHY -tribute to the pillows-

 

the pillowsのトリビュートアルバム『ROCK AND SYMPATHY』のジャケットは部屋の写真だ。ベッドに座り音楽を聴いている女性が写っている。

 

このアルバムに参加したアーティストはthe pillowsの後輩ばかりで、元々はファンだった人たちが中心に参加している。つまり参加アーティストは「バスターズの代表」でもある。

 

the pillowsの音楽と家にいるファンとの関連性についてのメッセージを、アルバムジャケットから感じる。

 

 

会う家

 

この世の果てまで

この世の果てまで

  • the pillows
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

会えない夜も君に歌うよ

 

the pillowsの名曲『この世の果てまで』のサビでは上記のように歌っている。

 

代表曲のひとつでもあり、節目となるライブでは演奏されることが多い。横浜アリーナで行われた30周年記念ライブの1曲目で歌われていたし、the pillowsの30周年記念映画『王様になれ』でもハイライトとも言える場面で使われている。

 

現在、新型コロナウイルスの影響で、多くのバンドがライブを行えない状態になっている。the pillowsのライブも行われていない。山中さわおはソロツアーを行う予定だったが、中止になった。

 

ライブハウスでthe pillowsに会えない夜が続いている。しかし大好きな音楽に出会える場所はライブ会場だけではない。家でも会えるのだ。

 

iPhoneからthe pillowsの音楽を流せば、the pillowsの音楽に触れることができる。コンポでCDを流せば部屋にthe pillowsの音楽が響き渡る。会えない夜だとしても、山中さわおの歌声を聴くことはできる。

 

合う家。会う家。

 

改めて山中さわおの言葉を噛み締めてみる。「アウイエ」はバスターズに希望をくれる言葉であり、優しく寄り添ってくれる言葉だった。ライブでthe pillowsを聴くときと同じように、家の中でもthe pillowsはバスターズに力をくれる。

 

ためしにthe pillowsの音楽をスピーカーから流してみてほしい。囁いてばっかりのスピーカーをthe pillowsが息で吹き飛ばしてくれるはずだ。家に合う音楽であり、家で会える音楽なのだ。だから山中さわおは「アウイエ」と言い続けているのだ。

 

「久しぶりじゃないか」とライブハウスでまた挨拶する日まで、家の中でもアウイエ!

 

次は『BUMP OF CHICKEN藤原基央は何故「オーイエヘイアハン」と言うのか?』について調べるために望遠鏡を覗きたい。

 

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