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岡崎体育の感情のピクセルが叩かれてレキシのKATOKUが叩かれない理由

何かと勘違いされる岡崎体育

 

 岡崎体育の感情のピクセル。

 個人的には好きな曲だし名曲だと思うんですよ。

 発表当初に歌詞の考察までしたぐらいに。

 

関連記事:岡崎体育”感情のピクセル”の歌詞の意味を考察と解釈~ワニさんが仲間に入れてもらえない理由~ - オトニッチ

 

 しかし、この曲は賛否両論だったようでいまだにネット上で叩かれまくる。

 SWANKY DANKのSink Like a StoneのMVや曲の雰囲気をパクってるとか言われたりして。

 

👇岡崎体育・感情のピクセル(画像をクリックで動画になります)

 

👇SWANKY DANK -Sink Like a Stone(画像をクリックで動画になります)

 

 まあ、似てますよ。

 確実に意識していることがわかる。

 

 これがパクリだとか、メロコアやラウドロックやスワンキーをバカにしているのではという批判が岡崎体育に向けられたらしい。

 

  

同時期に同じようにパクった?アーティストがいる

 

 岡崎体育の感情のピクセルが発表されるおよそ3週間ほど前に「これは特定のアーティストをパクってネタにしてるだろう」というMVを発表したアーティストがいる。

 似ていたり特定のアーティストをバカにしていると思われがちな内容であることは共通していると思う。

 それはレキシのKATOKUという曲だ。

 

👇レキシ・KATOKU(画像をクリックで動画になります)



 しかもYouTubeの動画紹介の欄にはご丁寧に「80’s オマージュとなる笑撃作。」と明らかに「ネタにしてますよ」とわかるコメントまで書いてある。

 ちなみに元ネタは70年代後半から80年代に人気の絶頂期だったアメリカのバンドJourneyだ。

 

👇Journey・Separate Ways(画像をクリックで動画になります)



 まあ、似てますよ。

 完全に意識してますよ。

 というか、バカにしてるんじゃないかってぐらいにレキシはネタにしちゃってますよ。

 

 でもね、レキシは誰にも叩かれていない。

 むしろ評価されている。

 どうやらJourneyのファンの方々にも面白がってもらえて興味も持たれているようだ。

 

 自分とは畑違いの音楽をネタにしてたことは岡崎体育もレキシも同じだ。

 しかし元ネタにされたアーティストのファンの反応は違うものに感じる。

 それは両者の楽曲やMVの構成に起因している部分もあるのではないだろうか?

 

 

 

かっこよく始まる岡崎体育

 

 岡崎体育の感情のピクセルのMVを再度確認してもらいたい。

 

 YouTubeのサムネイル画像は顔が写っていなく、ギタリストの持っているギターが写っている。

 この画像だけ観ると岡崎体育ではないバンドの画像にも見えるし、かっこよさそう。

 

 歌が始まる前の前半は岡崎体育の顔も映らない引きの映像でバンドの演奏を映している。

 その姿は引きで映していることもありは実力派のラウドロックバンドのようだ。

歌が始まってからもAメロとBメロはかっこいい映像が続く。

 岡崎体育ですらイケメンに見えるような、カメラマンや編集スタッフが優秀さが伝わる映像だ。

 サビでどうぶつさんたちが登場するまでは他のバンドでもありそうな(というかスワンキーのオマージュ)映像で続いている。

 

 曲と歌詞にも注目してみよう。

 1番のAメロとBメロの歌詞におふざけ感はない。

 抽象的な表現ではあるが真面目に書いている歌詞にも感じる。

 編曲はPay money To my PainのギタリストのPABLOが担当している。

 PTPと言えば日本のラウドシーンでの影響力も絶大だったバンドだ。

 そのメンバーが編曲すれば、そこらへんの若手のラウドロックバンドよりも作りこまれていてクオリティの高い音源になることは必然かもしれない。

 

岡崎体育の感情のピクセルの曲構成はクオリティの高い演奏と映像でリスナーに「あれ?岡崎体育の新曲、普通にかっこいいんだけど!」と思わせてサビで「どうぶつさんたちだいしゅうごうだわいわい♪」と笑いを持っていく。

感情のピクセルは『真面目な演奏と歌→どうぶつさんたちだいしゅうごう』へと続く、真面目からおふざけへの変化によるギャップで印象に残らせたり笑わせる曲になっている。

 

 

最初から最後までレキシであるレキシ

 

それでは、次にレキシのKATOKUのMVを観てみよう。

いや、観なくてもいい。

サムネ画像から岡崎体育とは違うおかしさがわかるだろう。

 

サムネ画像からふざけている。

 

いや、いつも通りのレキシとも言えるけども。

岡崎体育の感情のピクセルとはアプローチが違うことを最初から示している。

 

曲と歌詞にも注目してみよう。

曲に関しては岡崎体育と同様クオリティが高い。

しかし、最初からコスプレしたレキシを始めとするメンバー。

そして歌詞の歌いだしが「世襲制♪ 昔からきまーってたーことー♪」である。

最初からふざけている。

いや、いつも通りのレキシでもあるのだけど。

 

つまり岡崎体育は真面目からネタへのギャップで楽しませていたわけだが、レキシは最初から最後までネタなのだ。

ギャップで笑わせるのではなく、出落ち感があるぐらい最初から笑わせにかかっている。

 

もちろん家督を譲ると言うテーマで考えたら歌詞は大真面目で泣ける歌詞だけど。

 

岡崎体育が叩かれてレキシが叩かれない理由

 

岡崎体育を知っている他人ならまだしも、知らない人や詳しくない人が観たら感情のピクセルの前半は真面目なラウドロックに感じる人も

いるかもしれない。

クオリティが高いだけに余計にそう思う人もいるだろう。

 

そのため「普通にかっこよかったのにどうぶつさんたちで笑ったw」と言う人と「ラウドロックをネタにして馬鹿にしてるのか?ふざけるな!」と怒るラウドロックが好きな人がいるのかもしれない。

リスナーも真面目にやってると思って聴いてたら騙され馬鹿にされたと思う人もいたのかもしれない。

そのため一部の人たちの反感を買ってしまったのだろう。

 決して岡崎体育がふざけて音楽をやっているわけでもないし、真剣にやっていて研究しているからこそネタ曲だとしても印象に残る曲を作れているとは思うが。

 

それに対してレキシはサムネ画像から「これはおふざけしてますよ」というアピールをしている。

そのためMVを観た人も「レキシのおじさんまた何かやってるなw」とか「パロディでネタにしすぎw」と笑ってくれるだろう。

 

つまり、ファンでない人たちが両者のMVを観る前のテンションが“真面目なMVとして観るか”“ネタのMVとして観るか”の違いがあるのだ。

 岡崎体育の場合、岡崎体育の音楽を受け入れる体制ではないリスナーにも曲やMVが届いてしまったため、一部から批判をされてしまったのかもしれない。

 

 

音楽に真剣であることは間違いない

 

叩かれることもあった岡崎体育だが、もちろんファンも多いし、感情のピクセルをきっかけでファンになった人も多いとは思う。

アルバムもヒットしたし、今ではライブツアーのチケットも取りづらくなっている。

そして音楽業界の関係者や同業のミュージシャンからの評判も良い。

私立恵比寿中学や関ジャニ∞やV6など有名アーティストにも楽曲提供をしている。

それは、岡崎体育が真剣に音楽をやってきたからこそ得ることができた人気と評価だと思う。

 

感情のピクセルが一部の人から批判された理由は、クオリティが低かったからではない。

むしろクオリティが高かったから批判されてしまったのではないだろうか。

きちんと曲を聴けばわかると思うが、曲自体のクオリティは高い。

それゆえに、真剣にやってると思ったらふざけてるのかという感想も出てくるのだと思う。

編曲がPABLOが担当しているとしても、PABLOも岡崎体育を評価して、曲を良いと思ったからこそ編曲の仕事を受けたのだろう。

ネタに走っている部分はあるが、きちんと曲を聴けば岡崎体育がどれだけ曲を作りこんでいるか、どれだけラウドロックを研究して作ったかがわかる作品だ。

 

例えば最初から最後まで歌詞があるあるネタになっている『MUSIC VIDEO』は叩かれることはなかった。

何かしら批判されるとしても、お笑い芸人扱いされたり、ネタ曲専門のミュージシャンだと勘違いされる程度だ。

最初から笑いのネタが入っていることがわかる部分では、こちらの曲の方がレキシのKATOKUとアプローチ方法は近いのではないだろうか。

そのため批判は殆どなかったのかもしれない。

 

👇画像をクリックで動画になります



岡崎体育もレキシもネタ曲だけではない

 

岡崎体育もレキシも笑いに走っているミュージシャンだったり、ネタ曲だらけのミュージシャンだと思われがちな部分もある。

しかし、岡崎体育もネタ曲ではない曲も多いし名曲だってある。

むしろただネタに走っている曲の方が少ないのではないだろうか。

 

鴨川等間隔はミドルテンポでギターの音が特徴的なギターロック曲だ。
歌詞の世界観もメロディへの歌詞の乗せ方も独特。
この曲はネタになるような面白さはなく、岡崎体育にしか書けない真面目な名曲だと思う。

 

鴨川等間隔

鴨川等間隔

  • 岡崎体育
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

  

レキシはユニット名のせいで歴史にまつわる曲でないと本人が歌えないような制限もあるかもしれない。

しかし、そういった曲でも歌詞を読んでいくと内容がきちんとありストーリーもあったりする。

歌詞の設定に歴史が関わっているだけで、内容自体は切ないラブソングだったりもするのだ。

 

ちなみにレキシは楽曲提供も多く手掛けている。

楽曲提供の場合は歴史にまつわることという制限もなくなる。

そのため楽曲提供をするレキシは”普通にクオリティの高いポップス”を作ってしまう職人になるのだ。

 

例えばNegiccoに提供した”ねえバーディア”はレキシの曲とは違う方向性ではあるがメロディもキャッチーで歌詞も切ない。

編曲もレキシが担当しているが、バックトラックも作りこまれている。

 

ねぇバーディア

ねぇバーディア

  • Negicco
  • J-Pop
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

  

私立恵比寿中学に提供した”頑張ってる途中”も良い曲だと思う。

エビ中の『永遠に中学生』というコンセプトも取り入れてエビ中が歌うことで魅力が増すような楽曲に仕上がっている。

こちらも作詞作曲編曲の全てをレキシが担当している。

本来はレキシこと池田貴文はネタに走るミュージシャンではなく、コンセプトに合った作品を作ることができる職人気質のミュージシャンなのだ。

 

頑張ってる途中(中辛ver.)

頑張ってる途中(中辛ver.)

  • 私立恵比寿中学
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

 

批判をする前に・・・・・・

 

岡崎体育がネタ曲をやることは注目されるための手段の1つでもあり、ただ本人がやりたい音楽の種類の1つにそういった音楽があり、単純に本人がやりたい音楽を突き詰めて作った結果でもあると思う。

岡崎体育のアルバムを聴くとわかるが、様々なジャンルの音楽を自分のものとして取り入れて作品を作っている。

 

レキシだってそうだ。

池田貴文はSUPER BUTTER DOGのキーボーディストとしてデビューし、そちらをメインの活動としていた。

レキシ自体は日本の歴史が好きな池田貴文が趣味の延長として作られたソロユニットだ。

そもそものコンセプトを「歴史ファンクネスバンド」としていた。

つまりネタに走っているのではなく、コンセプトに忠実に今でも曲作りを行い自己プロデュースを行いライブも行っているのだ。

 

何が言いたいかまとめると、感情のピクセルを叩いている人は表面的な部分しか見ていないのではということ。

ついでに言うと、レキシをネタ曲だと思って聴かず嫌いしている人ももったいないよと思うこと。

表面的な部分だけで批判して曲をきちんと聴かないのはもったいないんじゃないだろうか。

感情のピクセルをきちんと聴いてみると、ロックが好きな人にはツボに嵌る部分がたくさんある。

曲の構成もそうだし、演奏もそうだし、編曲もだ。

 

感情のピクセルのドラムパターン凄くない?

ギターの演奏もかっこよくないかい?

2番のサビの後の演奏の変化にテンション上がらないかい?

1番も2番も同じメロディなのにバックの演奏が変わってるのも聴きごたえあるでしょ?

 

どうぶつさんたちの面白さだけ切り取るのではなく、曲もきちんと聴いたら楽しめる曲なんじゃないかなと思う。

岡崎体育もラウドロックシーンやSWANKY DANKを批判したり馬鹿にする意図は感情のピクセルに含んでないだろう。

ただラウドロックも好きな岡崎体育が自分のアプローチ方法でラウドロックをやってみただけなんだよ。

 

ちょっと違う気持ちで聴いてみてさ、いっしょに楽しくうんぱっぱのぶんぶんしようよ。