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【ライブレポ・セットリスト】フジフレンドパーク 2023 (出演:フジファブリック・くるり) at Zepp Divercity Tokyo 2023年3月29日(水)

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フジファブリックとくるり。この2組の対バンは、待ち望んでいたファンが多いかもしれない。

 

この2組は15年以上前から交流があり、岸田繁と志村正彦は飲みに行く仲でもあった。2010年に富士急ハイランドで行われた『フジフジ富士Q』にくるりは出演しているし、山内総一郎はくるりのツアーにサポートギタリストとしても参加していた。

 

音楽性も通ずる部分があるからか、ファン層も被っている。この2組の共演に特別な意味を見出しているファンも少なくはないだろう。しかし東京での対バンライブは、今回が初だった。

 

そんな特別さがあるからか、去年『フジフレンドパーク』で超絶な人気を持つSaucy Dogと対バンした時よりも、観客は多かったし満員に高い状態だった。

 

くるり

 

暖色の照明のステージに、SEを流さずにゆっくりと登場したくるり。

 

「こんばんは。くるりです」と岸田繁がゆるく挨拶して、リラックスした様子で演奏を始めた。くるりとフジファブリックは関係性が深い。主催のフジファブリックのファンが多かったとは思うが、温かく迎え入れられているように見える。

 

そんな空気の中で披露した1曲目は『瑠璃色の街、上海蟹の朝』。いつしかバンドの代表曲となった楽曲だ。

 

ゆったりとしたリズムの楽曲ではあるが、今回のサポートドラムはあらきゆうこ。彼女の力強いドラムで演奏されると、ロックの成分が強まる感じがする。そんな演奏だからゆったりとしたリズムでも、フロアはジワジワと熱気で満ちていく。腕を上げている観客が多いことが、それの証拠だ。

 

そしてアルバム『TEAM ROCK』のジャケットのような青色の照明の中で『ばらの花』を続ける。序盤から聴き馴染みのある代表曲を続けることで、観客の心を掴んでいた。かと思えば『虹色の天使』とレア曲を披露することに驚く。今年の3月以降のライブでは毎回演奏しているようだが、2013年の『Remember me』リリースツアー以来、約10年ぶりのセットリスト入りだ。王道シングル曲だけでなくレア曲も披露することで、コアなファンの心もしっかりと掴んでいた。

 

佐藤征史「満員のZeppは何年ぶりですかね?」

観客「ふぉおおおおおおおおお!!!」

岸田繁「フジファブリックとは長い付き合いですが、久々に呼んでもらいました。では、淡々と演奏していきます」

観客「wwwwwww」

 

満員のZeppに喜ぶ佐藤と、淡々とする岸田。それに振り回される観客。そんなMCの光景はワンマンの時と同じだ。招かれての対バンではあるものの、完全に会場をくるりの空気で染めてしまっている。

 

淡々と演奏すると言いつつも、演奏には熱を感じる。新曲『愛の太陽』は淡々とした曲かもしれないが、楽器の音色やフレーズひとつひとつにこだわりを感じる。ライブだと音源以上に力強いサウンドになっていた。淡々と演奏しているようで、ライブでなければ味わえない感動も与えてくれるのだ。

 

そこから続いたのは『Liberty & Gravity』。全く淡々としていない複雑で難解な楽曲だ。しかしユーモアがあって、聴いていて楽しい楽曲でもある。それはフジファブリックの音楽と通ずるものがあるかもしれない。それもあってかアルバム曲であるものの、しっかりと観客は盛り上がっている。青や紫や赤のカラフルな照明演出も楽曲にマッチしていて良い。

 

岸田繁「なんか話そうか?もう曲やろうか?」

佐藤征史「フジファブリックとの思い出とか語ったらいいんじゃないですか?」

岸田繁「フジフジ富士Qに出させてもらった時に『銀河』という曲をやりました。めっちゃ難しかった。あなたギターやってたよな?」

佐藤「めっちゃ難しくて、カッティングが途中から追いつかなくなりました(笑)」

岸田繁「俺もカッティングしてたけど早すぎてできなくて、途中からやってるフリしてた。こんな速い16分の曲があるんやなあ、変な曲やなあと思いながらサボりながらやってた(笑)」

 

13年越しで仕事放棄していたことを暴露する岸田と佐藤。帰宅後『フジフジ富士Q』のBlu-rayを観て確認したところ、途中でスタンドマイクに手を置いてギター演奏を諦めている岸田が映っていた。言われるまで気づかなかった。

 

かつてくるりはJ-WAVEで『TR2』という深夜番組のパーソナリティを担当していた。『銀河』がリリースされた直後、その番組で流れていたことを覚えている。

 

おそらく本人の選曲ではなくスタッフの選曲だったと思う。聴き終えた岸田が驚きつつも楽しそうに笑いながら「なんやこの曲。転調の仕方がおかしすぎるな」と言っていた。ひねくれたコメントではあるが、口調やニュアンスからして、絶賛しているように思えた。

 

これがくるりとフジファブリックが最初につながった瞬間かもしれない。どちらのバンドもファンだった自分は、二組が繋がったことが嬉しかった。その後、岸田と志村正彦は交流を持つようになった。もしかしたら『銀河』がなければこの日の対バンは実現しなかったかもしれないし、フジファブリックの活動が続くこともなかったかもしれない。

 

そして「『銀河』みたいな曲はくるりにないしなあ。かといって次の曲もくるりらしい曲かはわからないですが」と告げてから『everybody feel the same』演奏された。たしかに世間のくるりのイメージはミドルテンポの楽曲かもしれないので、アップテンポのこの曲は「くるりらしくない」と思われるのかもしれない。しかしメロディや言葉のセンス、編曲の凝り方や音色のこだわりは、くるりの音楽の個性が溢れている。

 

この楽曲で観客のボルテージは一気に最高潮に。サポートギターの松本大樹は前方に出てきて観客を煽り、ギターソロをかき鳴らす。その瞬間、フロアの温度が急上昇した気がした。それもあってか腕を上げたり手拍子して盛り上がる観客がたくさんいる。なんならくるりのワンマンの時よりも激しく盛り上がる観客が多いと感じるほどだ。

 

岸田繁「車の免許を取ったんですよ」

観客「ええええええ......!」

岸田繁「そんな驚くことか(笑)でも、それを総一郎に言ったら、今まで喋った中で1番ぐらいにめちゃくちゃ驚かれました。では、そんな曲を」

 

「そんな曲」とはどんな曲かと思ったが『ハイウェイ』が演奏されたので納得した。歌詞にもMVにも車が出てくる楽曲だからだ。岸田はアコースティックギターに持ち替え演奏全体も優しく温かみを帯びたものになっている。先ほどまで拳を上げていた観客も心地よさそうに体を揺らいしてる。

 

岸田繁「そんでな」

佐藤征史「話の続きがあるんですか(笑)」

岸田繁「歌ってたら思い出した。総一郎が車にウーファーつけたんですか!?って言ってきた」

観客「www」

 

後輩の山内総一郎に『ハイウェイ』の歌詞を引用されてイジられる岸田繁。簡単なMCで終わらせるのかと思ったが、話しているうちに山内総一郎と一緒にツアーを回った時を思い出したのだろうか。岸田と佐藤は思い出話に花を咲かせていた。

 

佐藤征史「当時はモンハンが流行ってて、夜ホテルに集まって一緒に狩りをしてたんですよ。でも広島で狩りをしてた時に岸田さんの電池が切れて、それ以来一緒に狩りができてないんですよね」

岸田繁「俺はボーガンを使ってたんよね」

佐藤征史「よく覚えてますね(笑)またモンハンが流行った時は一緒にやりたいです」

岸田繁「くるりでした」

 

最後に演奏されたのは『remember me』。原曲はoasis『Whatever』をオマージュしたホーンの音が印象的な楽曲だが、今回のライブアレンジではアコースティックな演奏になっていて、より温かみを感じるサウンドに感じる。

 

だからこそ岸田の歌声や歌詞の言葉がより胸に沁みる。あまりにも感動的な演奏に、目から特別な味噌汁がこぼれそうになった。

 

文句のつけようのない最高の演奏だったくるり。観客は思いっきり泣いたり笑ったりしたはずだ。

 

セットリスト

1.瑠璃色の街、上海蟹の朝
2.ばらの花
3.虹色の天使
4.愛の太陽
5.Liberty & Gravity
6.everybody feel the same
7.ハイウェイ
8.remember me

 

フジファブリック

 

『フジフレンドパーク』で毎回使われている明るくポップなインスト楽曲がSEで流れる中、笑顔で登場したフジファブリック。くるりと同様にリラックスしているように見える。去年のSaucy Dogや一昨年のMy Hair is Badを招いた時は、気迫を感じる空気感だったが、それとは違う。長年交流があるバンドとの対バンだからだろうか。

 

しかし演奏は手を抜かないしキレッキレだ。薄暗い妖艶な照明に包まれながら演奏された1曲目の『東京』からしても最高の演奏だ。そんな演奏に連れられたフロアからは、自然と手拍子が鳴らされる。サビで会場全体が腕を振ったりと、観客のボルテージは一気に最高潮に。そのままなだれ込むように続いた『楽園』は『東京』と親和性がある、ダンスミュージックの影響を感じるロックナンバーだ。この2曲が続く流れは完璧だし気持ちいい。

 

久々にみんなの声を聞けて嬉しいです!

 

今日は正気じゃいられないですよ!ようやくくるりを呼ぶことができました!是非とも岸田さんには車にウーファーを積んで欲しいです。

 

WBC見てました?フジファブリックがJ SPORTSのテーマソングをやると、日本は優勝するんですよね。是非とも次回もお願いします(笑)

 

リラックスした様子で登場し2曲続けたものの、山内総一郎のテンションは高いようだ。くるりと対バンできたことと、野球日本代表の優勝が心の底から嬉しいのだろう。

 

そんなハイテンションな山内から次の曲は振り付けがあると説明される。「探偵ナイトスクープのオープニングみたいなイントロで踊って」と言っていたが、関東は知らない人が多いので分からない。その振り付けを身振り手振りで観客に指導する加藤慎一。加藤のテンションは普通である。

 

振り付けを観客が見事に覚えたことを確認してから『ミラクルレボリューションNo.9』が披露された。新曲だが既にキラーチューンに感じるほどの盛り上がりだ。観客の振り付けも完璧。山内も時折踊っていたが、彼だけは振り付けを何度か間違えていた。

 

そこから複雑な構成の『LET'S GET IT ON』を続ける。プログレ的だがユーモアも感じるロック。くるりの『Liberty & Gravity』とも通ずるものがある楽曲だ。くるり目当てで来た観客にもしっかり伝わっているような空気感である。

 

ここでメンバー紹介をするハイテンションな山内。サポートドラムの伊藤大地は「サンフジンズ!伊藤大地!」と紹介されていた。彼は岸田繁と奥田民生と共にサンフジンズというバンドをやっていた。今回の対バンはサポートメンバーも含め、交流が深い人たちが集まっているのだ。

 

金澤ダイスケ「なんでウーファー付けて欲しいの?

山内総一郎「お前!そんなことをステージで言って!気づいてないのか!?俺は~♪クルマにウーファーを♪」

金澤ダイスケ「急に近づいて歌ってなんですか......?あ、そういうこと?」

 

『ハイウェイ』の歌詞ということに気づかなかった金澤。普段は山内が天然発言をすることが多いが、この日は金澤も天然を発揮していた。

 

山内はくるりへの熱い想いが溢れすぎているようだ。くるりとの思い出をハンドマイクでステージを動き回りながら語っていた。

 

最初にくるりを聴いたのは『さよならストレンジャー』で、プロになる前の大阪府茨木市というところに住んでいた頃でした。『TEAM ROCK』も大好きです。聴きながら泣いた夜があるぐらい大好きなアルバムです。

 

だから志村くんが岸田さんと交流あるのもいいなあって思っていて。俺もギターの話したいなと思っていて。

 

それから2009年に志村くんのことがあって、それでフジフジ富士Qにも出てもらいました。その後バンドが止まっている間に僕はツアーにサポートとして呼んでもらったりと、本当に恩義があるバンドなんです。

 

2011年。くるりのサポートをしている時、もう一度フジファブリックをやることを、くるりのツアー中に伝えました。その先のくるりのスケジュールがあることも知っていたけど、フジファブリックをやるならと背中を押してくれました。歌った方が良いって言ってくれたのも、くるりのスタッフの方でした。メンバーじゃなくてスタッフっていう(笑)でもそれが大きなきっかけの1つなんです。

 

くるりのツアーの金沢公演で、その場のノリでソロで歌えと言われて、BOBOさんと僕は1曲ずつ歌わされました。BOBOさんはなんかすごくポップな歌をうたってました(笑)

 

僕は作りかけだったフジファブリックの新曲を、ワンコーラスだけ歌いました。その時に岸田さんが「すごくいい曲だ」って言って、抱きしめてくれたんです。その時のことは忘れません。

 

その曲の当時の仮タイトルは『ふつう2』でした。今日は感謝の気持ちをこめて、『ふつう2』として、くるりの前でもう一度歌います。

 

フジファブリックとくるりが交流や関わりがあることは、両者のファンが共に知っていることだと思う。しかしここまで山内が感謝をしていることと、特別な想いを持っていることは知らなかった人も多いとは思う。

 

そして集中した表情になり、ギターをストロークする山内。しかしなぜか音が出ない。スタッフを呼んですぐに対応してもらっていた。

 

山内総一郎「僕が歩き回ったせいで、線が抜けてました......」

 

熱く感動的な話をした後に、おっちょこちょいで和ませる山内。このゆるゆるいってしまうのもフジファブリックらしい。

 

しかし、演奏が始まれば最高の音楽で感動させるのも、フジファブリックらしい。

 

演奏されたのは『ふつう2』こと『ECHO』。シンプルな演奏とサウンドの楽曲ではある。しかし力強く胸を打つ楽曲でもある。

 

そういえばアルバム『STAR』のライナーノーツに山内の言葉として、このような言葉が書かれていた。

 

生きていく中では様々な出会いと別れがあって、それを繰り返しながら進んで行くという。考えても答えはないし、止まっている場合ではない、前へ進んで行くしかないな、という思いをそのままぶつけた曲ですね

 

この楽曲が生まれた時期に、山内はくるりのサポートをしていた。それもあってか、この日の『ECHO』はいつも以上に感情がこもっているように感じた。

 

感動的な空気で包まれる会場。それを『徒然モノクローム』で、再び熱気で包み込む。この楽曲は現体制になって最初のシングル曲だ。この楽曲もフジファブリックにとっては再び歩き出すきっかけの曲かもしれない。

 

そして『星降る夜になったら』で、盛り上がりを爆発させる。サビで山内はマイクスタンドから離れ観客を煽る。それに応えるように観客は歌う。コロナ禍になって3年弱。ずっと声を出すことが禁じられていた。久々にフジファブリックのライブで一緒に歌うことができた。

 

この瞬間、2011年のROCK IN JAPANのフジファブリックのライブを、自分は思い出していた。現体制になって初めてのフェス出演で、現体制を自分が初めて観た日だった。この日に『虹』を聴い一緒に歌った時、もう一度フジファブリックの曲を聴いて、それを好きな人と一緒に歌える喜びを感じた。

 

コロナ禍は終わってはいない。でも牛歩だとしても少しずつ前に進んでいる。そしてまたフジファブリックと一緒に歌える喜びを感じることができている。

 

最高のフジフレンドパークになりました。ワンマンライブはもちろん、フジフレンドパークも続けていきます。

 

笑顔でまた、会いましょう。

 

山内が挨拶をしてから演奏されたのは『破顔』。これが本編最後の曲だ。先ほどまでは腕を上げたり歌ったりと盛り上がっていた観客は、それをじっと集中して聴いている人が多い。まるでバンドからのメッセージをしっかりと受け取ろうとしているかのようだ。特に〈闇を切り裂け さあ鳴らそう 遮るものは何もない〉と歌う声は力強く、まっすぐ胸に突き刺さる。

 

熱気と感動が混在した余韻が残る中ステージを去るメンバー。すぐにアンコールの拍手が巻き起こり再登場したが、ステージにはマイクスタンドやアンプなどの機材が増えている。どうやらくるりとコラボレーションをするようだ。

 

山内が呼び出し岸田と佐藤も登場し、湧き上がる観客。くるりの二人はやはりリラックスした様子で登場していた。

 

岸田繁「お前、野球好きなの?サッカーファンやないの?」

山内総一郎「サッカー、好きです......」

岸田繁「お前!どっちかにしろよ!俺、J SPORTS入ってるからフジファブリックが流れてるの聴いてるで」

山内総一郎「今日会った時に”電光石火の奴”って言ってましたね(笑)知ってくれててありがとうございます(笑)」

 

親しいことが伝わってくる会話をするフジファブリックとくるり。かと思えば岸田がギターを爪弾き突然ジャムセッションが始まった。ブルースを感じるまったりとした演奏で、キャリアを重ねて技術もあるから成立するような心地よいセッションだ。

 

そのセッションが終わり観客から歓声と拍手が巻き起こったが、そんな観客の反応が終わる前に瞬間に伊藤大地がカウントを取り、そのまま『ロックンロール』へとなだれ込んだ。くるりのライブ定番曲のひとつで、両者が一緒に演奏することは初めての特別なコラボレーションだ。

 

セッションからなだれ込む始まり方のカッコよさや、最高のイントロが鳴らされたことへの興奮で、この日一番の歓声が沸き起こった。ふだんのくるりのライブよりも音に厚みがある『ロックンロール』は迫力があって最高だし、岸田と山内が2フレーズずつ歌いサビを一緒に歌う。そんな二人の掛け合うようなボーカルも素晴らしい。アウトロはいつも以上に長尺のセッションになっていた。岸田が「山内総一郎!」と叫び山内がギターソロを弾き倒して、山内は「岸田繁!」と叫び岸田がそれに応えてギターをかき鳴らす。かつてくるりのライブで一緒にツアーを回っただけあって、この二人は息がピッタシだ。

 

そういえば2009年12月25日、代官山UNITで行われた『Club SNOOZER』というイベントにくるりは出演していた。その時の1曲目に「亡くなった友達に捧げます」と話してから『ロックンロール』を弾き語りで歌っていたらしい。その話を聴いてから『ロックンロール』の歌詞の解釈が少しだけ変わった。

 

自分はこの日のチケットを取っていたが、その日に知ったニュースの衝撃とオールナイト公演という時間のせいで、とても行く気分にはなれず、チケットを無駄にしてしまった。今になっても後悔している。きっと当時の心にぽっかり空いた穴を、少しだけ埋めてくれたライブだったと思うから。もしかしたらフジフレンドパークでフジファブリックと一緒に演奏した『ロックンロール』も、岸田は亡くなった友人のことを思い浮かべながら演奏したのかもしれない。

 

山内総一郎「もう一曲やります。メールで"あの曲やらへんの?"って岸田さんに言われて、急遽やることにしましたやることにしました。その連絡が来たのは昨日の夜ですよ!」

岸田繁「次が最後の曲ですね。お疲れ様でございました」

 

岸田繁による無茶振りファインプレーによって、もう1曲コラボレーションが行われることになった。招かれた側なのになぜか締めの挨拶をしたことも、ファインプレーがあったので見逃そうと思う。

 

演奏されたのは『Sunny Morning』。2010年の『フジフジ富士Q』でもくるりが参加した楽曲だ。フジファブリックとしても2012年に行われた『徒然流線TOUR』以来に演奏された、超絶レア曲だ。それなのに前日に急遽決まったのに演奏できることが凄い。

 

観客の盛り上がりも凄い。2曲一緒にやるだけでも興奮するのに、まさかの選曲なので熱狂するのも当然だ。メインボーカルは岸田が勤めるのも13年前と同じ。今の二組が進化した形で表現でしているようだ。そして何よりもメンバー全員が楽しそうにしていることが印象的だった。特に山内と岸田が笑顔で向き合って演奏している様子や、演奏を終えて抱き合う二人の姿は目に焼きついた。そして演奏中に1回だけ、山内が上を見上げて天に指差したよすも、忘れられないあ。

 

 

最後に観客と記念撮影をするフジファブリックとくるり。記念の写真撮って僕らはさよならではあるが、この日のことを何年経っても思い出してしまうほどの大切な思い出になった人がたくさんいると思う。

 

セットリスト

1.東京
2.楽園
3.ミラクルレボリューションNo.9
4.LET'S GET IT ON
5.ECHO
6.徒然モノクローム
7.星降る夜になったら
8.破顔


En1.ロックンロール (くるり)
En2.Sunny Morning

※アンコールはフジファブリック×くるりのコラボ

 

↓去年のフジフレンドパークのレポはこちら↓