オトニッチ

ニッチな音楽情報と捻くれて共感されない音楽コラムと音楽エッセイ

不毛なライブマナー議論に対して言葉にできない

Twitterで話題になったライブマナーのツイート

 

色々と賛否両論を生んでいる、こちらのツイート。

 

 

個人的には、共感できる部分も多い。

むしろ殆ど共感。

おっしゃる通りですよと思う。

 多分、このツイートした人はとても良い子なんだろうなと思う。

きっとみんながライブを楽しめるようにするにはどうすれば良いんだろうとファンとして考えてわかりやすく伝えようと思ったんだろう。

一生懸命考えて時間をかけて絵を書いて、自分の考え、気持ちを伝えようとしたのだと思う。

このツイートへ「勝手にルール決めるな」「ライブは自由な場だ」「ライブマナーなんてクソくらえ」とリプをしてる人達の何倍も音楽のことやライブのことを考えてるんじゃないかな?

 

でもね、このツイートに反発する人や納得行かない人達の気待ちもわかる。

 

なぜライブマナーに関しての話題が荒れてしまうのかを考えてみようと思う。

 

ライブマナーのとらえ方について

 マナーとルールは違うのである。

そして、マナーは人によっても考え方が違ったり、場所や環境でも変わってくる。

 

例えば、ファミレスで食事をするときと高級フランス料理店で食事をする際にはマナーも変わってくるのと同じようにマナーはTPOによって違う。

ファミレスでも高級フランス料理でも同じだって思ってる人もいるかもしれないが、それはそれで世間の常識からずれていて、ずれていることがかっこいいわけでもないと自覚した方がいい。

 

音楽のライブも同じだ。

ロックのライブとJ-POPのライブとヴィジュアル系のライブとアイドルのライブではマナーも変わってくる。

 

例えば、マキシマムザホルモンのライブでヘドバンするのはありでも、小田和正のライブでヘドバンするのはおかしい。

明らかに周りに迷惑をかけている。

そんなことされたら言葉にできない。

 

 ↓こちらから曲をダウンロードできます。

言葉にできない

言葉にできない

  • 小田 和正
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

↓小田和正のお得な3枚組ベストアルバムはこちらから購入できます。

 

例えば、マキシマムザホルモンのライブで地下アイドルのライブのノリで「タイガー!ファイアー!サイバー!ファイバー!ダイバー!バイバー!ジャージャー!(ファイボ!ワイパー!)」とか言うやつや、曲中に「ナーヲちゃん!ナーヲちゃん!おーれーの!ナヲちゃん!!!」とか言ってるやつがいたら困るでしょ?

包丁・ハサミ・カッター・ナイフ・ドス・キリを用意してそいつをロッキンポ殺ししたくなうでしょ?

ちょっとはホルモンのライブの予習復習して来いよって思うでしょ?

 

↓そんな人でもこちらを購入すればマキシマムザホルモンのライブ予習復習ができます。

 

地下アイドル現場でSMAPのライブのノリで「〇〇ちゃんウインクして♡」てうちわを作ってフリフリしてレスをもらって「キャー!!!」とか言ってるやつがいたら「イエ、タイガー!!!」て思うでしょ?

 

 

こういった他のジャンルのファンが他のジャンルのノリで小田和正のライブにきたら言葉にできないでしょ?

 

さらに言うと、ロックの中でも細かいジャンルによってマナーも変わるし、バンドやアーティストによってもマナーは変わってくる。

もっと言うと、同じアーティストでもファンによってマナーのとらえ方は違ったりする。

それはファンになった時期やファンの年齢の違い、今までの人生経験などでもだ。

育ってきた環境が違うから好き嫌いはイナメナイのだ。

 

なぜライブマナーについてのツイートが炎上したのか? 

 いくつか理由はあると思うが、最も大きな理由は特定のジャンルの特定のアーティストのライブにあてはまるマナーについての内容だが、すべてのジャンルをひっくるめてのマナーだと勘違いされたからではと思う。

 

今回拡散されたツイートの内容からすると、これはロキノン系バンドのライブハウスでのマナーとして伝えたかったのだと思う。

それも、2,000~3,000ぐらいのキャパのライブハウスでのライブについてではないだろうか。

さらに言うと、ロキノン系でもくるりみたいなタイプではなく、例えば、若手のKEYTALK(キートーク)のようだバンドのライブだろう。

そういったバンドのライブと考えると、このツイートの内容のように思っているファンが多いだろうし、実際それをマナーだと思って守っているファンが多いのではないだろうか。

 

MONSTER DANCE

MONSTER DANCE

  • KEYTALK
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

  

だから、このツイートにたいして、もっとラウドよりの音楽やパンクよりの音楽やアングラな音楽が好きな人たちが、「勝手にマナーにするな」と意見をしたところで、不毛なのだ。

 

もちろん、拡散されたツイートは「これがすべてのライブでのマナーですよ」という意味に勘違いされてしまうような文章だし、ツイートした本人もおそらく自分の好きなジャンルのライブにしか行ったことがないのかもしれない。

だから、自分が経験してきたライブではこれがマナーだと思ったからとツイートしたにすぎないのだろう。

 

だから、本来ならばリプを送る場合でも、叩くような書き方や喧嘩腰の書き方をする必要はなかったのではないのではと思う。

「自分のいくラウド系だとちょっと違ってこうですよ~」と教えたり、「アイドルだとキンブレはみんな持っていきますよ」とかそういった違うジャンルのことを教えあうだけでよかったのではないだろうか。

 

ライブは自由な場なのか?

よく、ライブは自由な場でありたいと言う人がいる。

今回の拡散されたツイートへのリプでも「ライブは自由な場だ」というリプもあった。

それはファンだけでなくアーティストトや、音楽関係者も言うことが多い。

もちろん、自分もライブは自由な場であってほしい。

しかし、自由となんでもありは違うのだ。

そこは勘違いしてはいけない。

 

 

これは先日BiSというグループの公式アカウントのツイートだ。

BiSに関しては先日、このブログでも紹介したので、知らない人はそちらも見てほしい。

 

www.ongakunojouhou.com

 

BiSは運営もBiSの現場は自由な場でありたいと、頻繁に言っている。

だから、ライブにたいして細かいルールもないし、基本的にはみんな自分の楽しみたいスタイルで楽しんでいる。

 

しかしだ、ち〇こは出していいものではない。

自由といっても、やっていいことと悪いことがあるのだ。

 

  

例えば、指定席ならまだしも、ライブハウスの最前エリアにヒールで行ってはいけない。

これはケガを相手にさせてしまう可能性が高いから当然だ。

これを”問題ない”と思っている人は、それは自由ではなく自分勝手だ。

 

拡散されたツイートにも痴漢行為はするなと書いてあった。

当たり前だ。

これもライブならOKと思っているなら、それは自由ではなく自分勝手だ。

いや、自分勝手というより、ただの犯罪者だ。

 

あくまでアーティストや音楽関係者が言う”自由”という言葉は、「全員が楽しめる環境にしたいから細かいルールは作りたくないよ。だからみんな周りのことを考えて楽しんでね」というメッセージではないかと思う。

 それを勘違いしてはいけない。

 

 みんなが平和で楽しめるライブ環境になりますように。

そのためライブのマナーについて考え、意見を交換することは大切なことかもしれない。

 

もしもこれ以上ライブマナーの議論で炎上する人がいたら、言葉にできない。