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Sexy Zoneの「Mildも地球の裏側じゃ Wildになるよ」という歌詞の意味を分析してみた

Sexy Zoneのデビュー曲であり、グループ名がそのまま曲名として続けるわれている『Sexy Zone』という楽曲がある。

 

 

この楽曲をライブで初めて聴いた時に、心の底から感動した。あれは2019年の横浜アリーナである。

 

自分にとってSexy Zoneはもちろん、ジャニーズのライブへ行くことが初めてだった。そのライブは衝撃的だった。

 

自分の想像をはるかに超えるハイクオリティな演出と、隙のないキレッキレなパフォーマンス。「これが日本のエンタメの最高峰か」と想うほどに打ちのめされ、感動し興奮した。

 

『Sexy Zone』はアンコールで歌われた。

 

スタンド席の間を練り歩くパフォーマンスで、スタンド席の一番後ろの席にまでメンバーは行こうとしていた。

 

ステージから離れたファンも、楽しませようとしている。心の距離だけでなく、身体の距離まで近づこうとしている。

 

その心意気に痺れた。これが時代を創るグループに思った。

 

しかしこの曲を聴く都度に、モヤモヤしてしまう部分もある。

 

Mildも地球の裏側じゃ
Wildになるよ
時代を創ろう Sexy Zone

 

これだ。この歌詞だ。このフレーズの意味がわからないから、モヤモヤしてしまうのだ。

 

ライブ中に『Sexy Zone』を聴いて涙を流すファンもいた。トンチキフレーズで泣くファンは少ないだろう。多くの人を感動させている楽曲なのだから、トンチキではない深い意味が、込められている気がする。

 

だからMildとWildについて本気出して考えてみた。

 

まずは「地球の裏側」が何処なのかをハッキリさせなければならない。日本に住むSexy Zoneが日本語で歌っているので、おそらく日本の裏側の国、ブラジルを指している言葉だろう。

 

ブラジルは日本と12時間の時差がある。他の諸外国と比べても距離は離れているし、生活環境や文化は全く違う。しかしブラジルは日系人が世界一多い国で、2017年時点での日系ブラジル人は190万人を超えている。日本と特に関わりが深い国でもある。

 

日系人が増えたきっかけは、日露戦争で日本国内が混乱したことにある。

 

日露戦争で日本は勝利したが、その裏では増税を行なったりロンドンやニューヨークから多額の軍事費を借りた背景がある。多額の費用をかけた結果としての勝利なのだ。

 

それなのに日本はロシアからの賠償金の受け取りを拒否した。様々な理由があるが「金が欲しくて戦争したわけではない」という政府の意向も影響している。

 

諸外国からは「平和を愛するがゆえに成されたマイルドな英断」として好意的に受け取られたが、国内では批判的な反応が多かった。

 

増税や借金、戦死者など多くの犠牲を払って勝利した結果がこれなのだから、当然の反応だ。多くを失い勝っても、その犠牲を無駄に感じるほど何も得られなかったのだから。

 

そんな不満を爆発させた一部のワイルドな国民によって、大きな暴動が発生した。

 

特に日比谷公園を中心に発生した「日比谷焼打事件」は、東京各所の警察署や公使館、教会、新聞社、総理大臣官邸などが放火される歴史に残る大規模でワイルドな暴動となった。

 

しかし暴動を起こしたところで、何かが変わるわけでもない。

 

日露戦争による社会の混乱も経済的な逼迫も、全く治らなかった。当時の日本国民は生きていくことに精一杯で、生活に疲弊する人だらけだった。

 

そこで一部のマイルドな日本人は、安定した生活を求めブラジルへと渡ったのだ。

 

当時のブラジルは奴隷制度が廃止されたことにより、コーヒー農園など国内の主要産業で人手が不足していた。それに対して日本は、収入や仕事を欲している人がたくさんいる。

 

そんなお互いの問題を解消するために、日本とブラジルの移民契約が1907年に交わされ、1908年から大量の日本人がブラジルに行くこととなった。

 

しかし多くの移民にとって、ブラジルでの生活は日本以上に苦しいものだったらしい。

 

ブラジルは純粋な働き手を求めていたのではなかった。奴隷制が廃止されたために居なくなった奴隷の代わりを求めていたのだ。

 

短期間ブラジルで多くのお金を稼ぎ日本へ帰国し、将来的に母国で安定した生活を送ることを目指す移民が殆どだったが、実際は低賃金で長時間労働を強制され、帰国のための資金を貯められなかった。

 

みんな精神底にも肉体的にも疲弊していた。それを理由に病気になったり亡くなる人もいた。マイルドな国民性である日本人は、それでも耐えて懸命に働いたという。

 

さらに第一次世界大戦、第二次世界大戦と世界が混乱の渦に巻き込まれると、ブラジルに在住する日本人の生活環境はさらに厳しいものになった。

 

日本軍がアメリカを攻撃したことにより、アメリカと共同防衛を結んでいたブラジルは反日思想が強まってしまった。その影響もありブラジルでは日本語の本や新聞は発行が禁止され、日本からの移民が新しい情報を得ることは難しくなった。

 

さらには反日の流れは強まり、1942年にブラジルは日本との国交断絶をしてしまう。これによってサンフランシスコ平和条約が発行される1952年までの約10年間、日本への帰国が不可能になった。移民にとって絶望的な時代が続いた。

 

しかし日本人はワイルドになってブラジル人と争うよりも、マイルドな思想をすることでブラジルの中で自分たちの居場所を作っていく。

 

国交断絶をきっかけに、ブラジルに永住する覚悟を決め、ブラジルでどのように生きていくかを模索する移民が増えていた。

 

もともと日本人は1930年代前後から、「ブラジルで日本人として生きる方法」を模索し実行している。

 

日本人同士で協力し植民地を作り、日本人学校を運営したり、ブラジルの労働で得た知識や経験を発展させコーヒー農家を経営したりと、日本人による社会をブラジルの中で形成していった。

 

特に日本人移民の作るコーヒー豆は、母国日本で人気となり大量に輸入された。

 

本場ブラジルで作られた高品質な商品でありつつも、日本人が作った「純国産品」として扱われていたため信頼を得ていた。日本でコーヒーが文化や社会に馴染むことになったのは、ブラジルに住む日本人のおかげかもしれない。

 

マイルドで勤勉で真面目な日本人の国民性は、ブラジルでも変わらなかったのだ。自らのマイルドさによって、新しい社会や文化を形成したのだ。

 

戦後は日本人移民の子どもがブラジルで政治家や医者になったり、タレントやアーティストとして活躍したりと、ブラジルの社会や文化を発展させる一員にもなった。今では真面目で勤勉でマイルドな日本人は、ブラジル人から尊敬されている。

 

ワイルドさを感じる暴力ではなく、マイルドさを感じる教育が日系人の武器だった。その武器を駆使することで自らの地位を向上し、異国で認められたのだ。

 

反日思想もいつしかなくなり、今ではブラジルは親日国の一つである。近年は日本で生まれた文化も、ブラジルで愛されている。

 

特に日本のアニメやゲームは大人気だ。『Anime Friends』という日本のアニメや特撮を題材としたイベントは「ブラジル版コミケ」と呼ばれ、毎年ブラジルで開催されている。

 

2019年には10万人が来場する、中南米を代表する大規模イベントへと成長した。

 

アニメソングやボーカロイドも大人気で、アニメに使われたJ-POPもブラジル国民には聴かれているようだ。

 

アジカンやサンボマスターやT.M.Revolution、初音ミクのライブもブラジルで開催されている。日本の文化も人も、ブラジルから愛される存在になった。

 

日本人を奴隷扱いするブラジル人など、当然ながら現代は存在しない。これはマイルドな日本人が自身を貫き努力し続け、認められた結果だろう。

 

マイルドな行動を着実に行なって、ワイルドで壮大な結果を生み出した。これはまさに「Mildも地球の裏側じゃWildになるよ」を体現した結果であり、時代を創ったと言える。

 

Sexy Zoneはブラジルに行った日本人へ、リスペクトの気持ちを込めて歌っているのだろう。自らも同じように、マイルドに活動することでワイルドな結果を出し、時代を創ると宣言しているのかもしれない。

 

しかしこれは、あくまで自分が分析した予想であり想像である。念のために調べたところ、Yahoo!知恵袋に投稿された質問にたどり着いた。

 

Sexy Zoneの歌詞の中に 『Mildも地球の裏側じゃWildになるよ』 っていうところありますよね!? その意味って地球の裏側(文字を逆さにして)で Mを読むと逆さになってWになるっていう意味ですか? また、1番好きなメンバーを教えてください!!

SexyZoneの歌詞の中に『Mildも地球の裏側じゃWildになるよ... - Yahoo!知恵袋

 

質問者は「それぞれの頭文字のアルファベットを上下逆さまにするからMはWになる」という分析をしている。

 

ジョークとしては面白いが、この歌詞に込められた意味は、そんなトンチキな理由ではないだろう。

 

そこにメンバー自らが意味を公表しているという回答が投稿されていた。

 

Myojo1月号で中島健人君が゙Mildも地球の裏側じゃWildになるよ"という詞は、Mをひっくり返すとWになるってことだよ!って言っていますよ。だから正解でいいと思います。 私はSexyZoneの中では風磨君が一番好きです。 でも5人それぞれ個性があってみんな素敵ですよね。

 

・・・・・・。

 

 

は?そんなトンチキ理由なの?

 

Sezy Zoneはブラジルへの日本移民について歌っているわけではなかった。

 

最初の印象通りに、トンチキな歌詞へ195カ国の夢を乗せ、時代を創る歌だった。トンチキソングだった。

 

ちなみに私はSexyZoneの中ではケンティーが一番好きです。でも5人それぞれ個性があってみんな素敵ですよね。

 

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