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SHISHAMOの新曲「水色の日々」を小林武史がプロデュースした結果・・・・・・

SHISHAMOの大躍進

 

正直、SHISHAMOがこれほど売れるとは思ってはいなかった。デビュー時から個性もあったしメロディもキャッチーだった。注目はされるだろうなと思ってはいた。でもね、紅白歌合戦に出るほどの人気と知名度を獲得するなんて全く想像もしていなかったわけです。

 

SHISHAMOがすごいと思う部分は、どれだけ売れても根本の部分は変わらないところ。音楽性は変化や進化をした部分もある。でも、個性的な顔とかバンドの演奏の魅力は変わっていないと思う。キャッチーなメロディは変わらないし、歌詞の言葉選びのセンスの良さや歌詞のテーマの個性も変わらない。

 

しかし、いつまでも変わらずにいられるかというと難しいのかもしれない。SHISHAMOは変化の時期を迎えつつあるのではとも思う。

 

SHISHAMOは「水色の日々」という新曲を発売した。紅白歌合戦出演後では最初のリリースになるシングル曲だ。この曲はSHISHAMOを初めて小林武史がプロデュースした楽曲だ。ロックバンドが好きな人なら誰しもが思うだろう。「嫌な予感がする」と。小林武史は一流のミュージシャンであり一流のプロデューサーだ。しかし、小林武史をプロデューサーに迎えることは博打だとも思うのだ。

 

 

SHISHAMOの演奏の魅力

 

SHISHAMOの演奏は個性的だと思う。演奏がべらぼうに上手いわけではない。しかし、とても魅力的な演奏をするのだ。例えばSHISHAMOが注目されるきっかけにもなった「僕に彼女ができたんだ」という曲。 

 

僕に彼女ができたんだ

僕に彼女ができたんだ

  • SHISHAMO
  • ロック
  • ¥250
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  • provided courtesy of iTunes

 

3ピースのバンドサウンドが印象的だ。しかし、テクニカルな演奏をしているわけではない。むしろ簡単に演奏できる部類かもしれない。それでも、とても魅力的な演奏に感じる。その理由は演奏を工夫しているからだと思う。

 

簡単に弾けて、それでいて印象に残るフレーズや編曲を意識してバンドの音作りをしていたのではと思う。「僕に彼女ができたんだ」では最初から最後までギターは耳に残るフレーズを意識して弾いているように思う。ベースもメロディを奏でるように弾いている。ドラムもシンプルなリズムパターンだが、キメのタイミングも多い編曲なので存在感がある。

 

3人編成はバンドとしては最小限の人数の編成だ。デビュー当初のSHISHAMOは演奏技術やテクニックがあったわけではない。その中でも自分たちの演奏が最も魅力的に伝わる方法を考え、創意工夫をしていたように思う。

 

それがSHISHAMOの個性の1つで魅力の1つでもあると思う。

 

メンバー以外の音で引き立つメンバーの演奏

 

SHISHAMOの演奏の個性は売れてからも変わっていない。代表曲になった「明日も」でもメンバーの演奏はデビュー当初から変わらずに魅力的だ。

 

明日も

明日も

  • SHISHAMO
  • ロック
  • ¥250
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  • provided courtesy of iTunes

 

「明日も」はホーンの音が印象的なポップな曲。しかし、曲の始まりは宮崎朝子のギターのリフからだ。そのリフが印象的なのだ。ギターのリフだけではない。ベースもドラムも印象的なフレーズを弾いているし、3人の演奏が合わさった時、他のバンドが真似できない「SHISHAMOの音」になっている。

 

この曲の演奏を支えているのはメンバー3人の演奏だ。メンバー以外の楽器の音が増えても、メンバーの楽器の音はきちんと聞き取れるし、目立っている。デビュー時から変わらずメンバーの創意工夫を感じる演奏はされている。個性も魅力も変わっていないのだ。

 

小林武史の才能について

 

人気バンドの一員になったSHISHAMOだが、きっともっと多くの人に自分たちの音楽を届けたいと思っているのだろう。自分たちの音楽を進化させたいと思っているのだろう。今までセルフプロデュースで活動していたSHISHAMOが、新曲の「水色の日々」では初めて音楽プロデューサーが制作に参加した。小林武史である。よりによってコバタケである。

 

誤解しないでほしいのだが、自分は小林武史を天才だと思っている。ヒット曲を作る天才だと思っている。ミスチルやサザンの多くのヒット曲に関わっているし、最近だとbacknumberを国民的バンドになるほどヒットさせたのも小林武史の貢献度は高いと思う。

 

しかし、小林武史は本人の個性が強すぎるのだ。プロデュースされるバンドが小林武史の個性と調和できれば良い作品になるとは思う。しかし、小林武史の個性に負けてしまうバンドも少なくはない。例えば売れてからのレミオロメンはバンドの色よりも小林武史の色がより濃くでていたように個人的には思う。

 

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しかしヒット曲を連発していたころのミスチルのように二人三脚でヒット曲や名曲を作ることも少なくない。SHISHAMOは小林武史にプロデュースされてどうなってしまうのか。

 

小林武史の個性爆発の「水色の日々」

 

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とりあえず「水色の日々」を聴いてもらいたい。今までのSHISHAMOと明らかに違うことがわかるだろう。最初の音から小林武史の匂いがぷんぷんする。「俺がSHISHAMOをプロデュースしちゃってるよ」とコバタケが言っているかのような小林武史の音。

 

シンセサイザーやストリングスの音が印象的な編曲。ピアノも使われている。今まで発表されたSHISHAMOの楽曲の中で最も音数が多いかもしれない。このような編曲は小林武史が得意とする部分で、小林武史が手掛けたヒット曲や名曲もこのような編曲が多いかと思う。

 

小林武史はSHISHAMOの持っている魅力を引き出すようなプロデュースを行おうとしているわけではないと思う。自身の経験や理論に基づく「ヒット曲」のテンプレートに当てはめつつ「小林武史の音楽」をSHISHAMOの曲に加えているようにも思う。

 

決してそれが悪いとは思わない。それによって成功したバンドも名曲を歌ったアーティストもいる。でも、SHISHAMOの持っている個性や魅力を引き立てて欲しいとも思う。と思ったら、SHISHAMOもコバタケに負けていなかった。

 

SHISHAMOの魅力が爆発の「水色の日々」

 

曲の最初から小林武史ぽさが爆発しているし、全体を通してメンバーの演奏以外の音も目立つ。しかし、シンセサイザーの音にもピアノの音にも負けないSHISHAMOの演奏がそこにはある。

 

曲の序盤から主張するように弾かれているギターのカッティング。SHISHAMOはギターのカッティングがカッコいいんだよ。それが「水色の日々」にもきちんと収録されている。間奏にはギターソロもある。ベースも歌を歌うかのような動き回るベースラインを弾いている。ドラムもシンプルに叩いているかと思いきや面白いリズムパターンをぶっこんで来る。

 

様々な音に隠れがちではあるが、「水色の日々」でもSHISHAMOの個性的で魅力的な演奏は変わらない。小林武史にプロデュースされたと言うよりも小林武史とSHISHAMOがコラボレーションをしたとも感じる。両者の個性がぶつかり合っている。それによって耳に残る音が今までのSHISHAMOにはない新しさを感じる。

 

SHISHAMOが小林武史に負けなかった理由

 

座右の銘は無い。理由は「私は人を信じてない。人の言葉とかも信じてないから。(Wikipediaより引用)

 

上記はSHISHAMOのボーカルの宮崎朝子の発言だ。前髪と同じように性格も斜めに構えているひねくれもののようだ。

 

SHISHAMO 2

斜めに構えた性格と斜めに刻んだ前髪が個性的な宮崎朝子(真ん中)

 

 宮崎朝子の発言や天邪鬼な性格から考えると、小林武史の言うことを最初から聴く気がなかったのではないだろうか。プロデューサーとしてアドバイスを受けたりすることを求めていたのではなく、利用してやろうとすら思っていたのではと想像してしまう。

 

もしかしたら小林武史はそういった空気を感じ取り、がっつりプロデュースするのではなく、SHISHAMONOの音楽性を尊重しつつも自分の色を加えるようなプロデュースをしたのかもしれない。

 

「水色の日々」はSHISHAMOの曲としては今までにない音でもあり、SHISHAMONO魅力もしっかり存在する楽曲だと思う。SHISHAMOと小林武史は相性は悪いわけではないようだ。それはきっとSHISHAMOのもつ音楽の個性や人としての個性がそうさせたのではと思う。

 

SHISHAMOがずっと変わらず良いバンドで居続けるため、これからも音楽も見た目も個性的でいて欲しいし、宮崎朝子は前髪を永遠に斜めに刻んでおいて欲しいし、生涯人のことを信じないで活動してほしいと思う。