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【ライブレポ・セットリスト】aiko『Love Like Rock ~別枠ちゃんvol.2~』2020.10.17

※ネタバレ&下ネタあり

いつもと雰囲気が違う

 

aikoの配信ライブ『Love Like Rock ~別枠ちゃんvol.2~』を観た。

 

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素晴らしいパフォーマンスだったが、aikoの様子がいつもと少しだけ違うように感じた。

 

自分はaikoにガッツリとハマったのは去年の話である。だからこの感想は的外れかもしれないし、本来は偉そうに語れる立場でもない。

 

しかし自分が過去に生でライブを観た時とは、様子が少しだけ違ったのだ。

 

歌声はいつも通り素晴らしかったが、少し緊張しているように見えた。MCは小声でテンションは低めで落ち着いていた。

 

そして、「ち○こ」の話をしていなかった。

 

 

aikoとち○こ

 

自分は過去に2回ライブを観ている。2019年2月のさいたまスーパーアリーナ公演と、2020年のZepp Tokyoだ。

 

たまアリでaikoの沼に足が沈み、Zeppでaikoの沼に全身が浸かった

 

 

アリーナとライブハウスという会場の違いや演出の違いはあるが、どちらも共通している部分はある。

 

それは「ち○こ」の話を必ずしていたことだ。

 

さいたまスーパーアリーナでは「たまアリでライブをやっているから玉アリの話をしている」とち○こ関連の話を積極的にMCで話していた。

 

Zepp Tokyoでは「お前ら脱げ!ち○こ見せろ!」と言ってファンのち○こを見たがっていた。

 

aikoはち○こが好きなのだ。

 

ファンもaikoがち○こについて言及することを求めている。ち○こも含めて「それがライブ」なのだ。

 

そんなデリケートな話題もaikoとファンとで共有できている。そんな「太くて硬い信頼関係」が両者に結ばれているのだ。

 

しかし配信ライブでは、ち○この話はしなかった。どういうことなのだろうか。

 

ち○こがなくても熱量はある

 

ち○こはなかったが、ライブの出来が悪いかというとそんなことはない。最高のライブだった。

 

『雲は白リンゴは赤』からライブがスタートした瞬間に、まるで実際の会場にいるような気持ちになった。

 

雲は白リンゴは赤

雲は白リンゴは赤

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テンションもMAX。配信なのに興奮して立ち上がりそうになった。

 

そして『あたしの向こう』『プラマイ』とアップテンポのナンバーを連発する。

 

プラマイ

プラマイ

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熱量は普段と変わらないどころか、いつも以上に高いと思う。目の前にファンがいないからこそ、序盤からフルスロットルにする必要があるのだろうか。

 

しかしMCでは小声でささやくように話すaiko。

 

普段のライブでは客席を見渡して一人ひとりと目を合わせるように話すことが多いが、無観客だから目線が定まらない様子だ。

 

そういえばパフォーマンス中もバンドメンバーに目線を送ることが多かった。

 

MC中と同様に歌唱中もファンと目を合わせるように歌っているが、今日はそれができないからだろう。

 

ち○こがないことだけでなく、それも普段と違う部分だった。

 

普段と違うからダメというわけではない。むしろ普段と違うからこそ良かったぶぶんもある。

 

今回はaikoやバンドを様々な角度から複数のカメラが映していた。テレビ収録やライブ収録よりもカメラが多いようだし、無観客だからこそ撮れる構図もある。

 

だからこそ通常のライブ映像とは違う魅力と迫力がある映像になっていた。

 

aikoとバンドは音楽だけで勝負し、スタッフは演者の熱量を伝えるための演出を徹底して行ったのだ。

 

7ヶ月ぶりのライブです。この7ヶ月はいろいろなことがありすぎて記憶が抜けていますけど、今日はいろんなことを取り返そうと思ってこのライブをやります。なので皆さん、最後までよろしくお願いします。

久しぶりですからね。スタッフのみなさんとも7ヶ月ぶりに会うので。嬉しいし楽しいです。コロナのせいで会えないので配信ライブをやっているのですけど、本当はみなさんに会いたいです。

 

そしてち○こへの想いを語る代わりに、配信ライブをやることへの想いを語っていた。

 

ライブを楽しみつつも、やはりファンに会えない寂しさを感じているようだ。

 

寂しいことはファンも同じだ。

 

いつもはライブ通じて「楽しい」の感情をaikoとファンとで共有しているが、今回はそれに加えて「寂しい」の感情も共有している。

 

同じ気持ちを音楽を通じて共有していることは、普段のライブと同じである。

 

 

ち○こがなくても心地よさはある

 

aikoのライブは熱量や勢いだけが魅力ではない。繊細で美しい表現や、心地よい音楽を聴くことができることも魅力だ。

 

『こいびとどうしに』では口笛を吹いてから、アコースティックの優しい演奏に歌声を乗せていた。かわいらしくて心地よいアレンジ。

こいびとどうしに

こいびとどうしに

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その後も原曲とは違うライブだからこそのアコースティックで特別なアレンジの曲を続ける。

 

『夢見る隙間』はジャジーでクールなアレンジで届ける。薄暗い照明がオシャレ。『星のない世界』はレーザーに照らされながら、幻想的な世界を作り出した。

 

同じアコースティックアレンジで楽曲を披露しても、音楽性の幅広さを感じさせる。

 

これからも頑張ります。1日でもみなさんに会える日を願って曲を作って頑張ります。次の曲は初めて歌います。聴いてください

 

ゆっくりと語るように短いMCをしてから新曲『ハニーメモリー』へ。

 

ハニーメモリー

ハニーメモリー

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切ない歌詞とメロディを引き立てるようなピアノの音が印象的な楽曲だが、ライブだとバンドサウンドの重低音が加わる。これはライブ映えする楽曲だ。

 

そして2月にリリースされた『青空』と新しい曲を続ける。

 

青空

青空

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こちらは跳ねるようなリズムが心地よい。水色の照明に照らされて歌うaikoを見ていると、温かな気持ちになってくる。

 

中盤はシンガーとしての底力と表現力の高さを感じる楽曲を続けて披露した。ち○こについて語るとは想像できないような、アーティストとしての圧倒的なオーラがある。

 

 

ち○こがなくても感動はある

 

久しぶりにこんなに声を出したり汗を書いたのが7ヶ月ぶりなので。44歳になるまでこんなことになるとはおもわなかったやん。みんなと普通に会ってアホなことやって冗談言って過ごすことが当たり前だったのに、それができない時代になったことがびっくりですけど。

 

若い学生のみんなとか可哀想ですよね。歌うことでみんなが少しでも笑ってくれたら嬉しいです。配信だからアホなこと言いづらいんですよ。どうすればいいんですかね

 

20年以上一人で喋ってるから滑っても気にしないんですよ。バナナみたいに滑っても。でも本当はバナナよりも長芋の方が滑るらしいですよ。

 

 いつものようにMCをやりづらいことを語るaiko。音楽でファンに元気を与えたい想いを感じるMCだ。

 

バナナの話をしたのでち○こへの伏線かと思ったが違った。長芋のくだりは滑っていた。

 

そして「歌うことでみんなが笑ってくれたら嬉しい」という言葉を体現するかのように、『恋の涙』でステージを走り回ったりカメラに手を振ったりとパフォーマンス。

 

アップテンポの曲調も相まって、自然と笑顔になってしまう。

 

重低音響くバンドサウンドが最高な『染まる夢』、疾走感あるポップナンバーの『クラスメイト』と続ける。

 

クラスメイト

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前半と比べるとステージをより動き回ってパフォーマンスしていた。身体全体を使って歌っているかのようなパフォーマンス。全力で歌を届けて、ファンに元気を与えようとしている。

 

あともう少し一緒に楽しんでください。じゃあ行きます!

 

ライブが終盤に向かうことを笑顔で伝えて『ハナガサイタ』へ。

 

ハナガサイタ

ハナガサイタ

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いつも考えてること
もう少し君が僕に近づいてグッときたら
僕は君を抱きしめ離さない

(aiko / ハナガサイタ)

 

歌声でaikoに抱きしめられているような気持ちになった。

 

それぐらい画面を飛び出すぐらいの勢いで歌をこちらにぶつけてくる。熱量が画面から飛び出てくる。

 

いつものライブと同じような感動で胸がいっぱいになる。

 

「まだまだ行きます!」といってから曲名を叫び『be master of life』を披露。

 

be master of life

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前半はカメラ目線が少なかったのに、後半に連れて、aikoのカメラ目線が増えていた。バンドメンバーに「もっと動いて!」と指示したり間奏で笑い声を出したりと、テンションんがどんどん上がり、盛り上がっていく。

 

演出によっても盛り上がりが加速する。煙が吹き出たり、サビでは銀テープが飛び出たりと、盛り上がる要素を全部盛りしていた。

 

「男子! 女子! そうでない人! 全員!」とライブで定番の煽りをする。もちろん無観客なので声は返ってこない。それでもファンはみんな心の中で叫んで応えたはずだ。

 

みんないないとホンマに寂しいな。でもみなさん、必ず会えますように、それまで頑張って過ごそうね

 

間奏でaikoが話した言葉に救われた人がたくさんいると思う。

 

aikoはリスナーに向けて真っ直ぐ音楽を届けるし、ファンに向けて真っ直ぐな言葉を伝えるのだ。

 

この言葉を合図に曲のテンポが早まっていく。演奏も歌も激しく荒々しくなっていく。音楽の力で何かを変えようと、全員が全力で音を奏でる。

 

それが観ていて最高に楽しい。

 

楽しすぎて泣けてくる。感動してしまう。配信とは思えないぐらいにライブ感がある。

 

ち○こがトークがないこと以外はいつもと同じライブだ。

 

aikoにち○こは必要ない

 

みんながライブに来てくれる時って、いろいろな状況の中来てくれると思います。嫌なことがあるけどライブに来てくれたり、手帳に日付を書いて待っていてくれたり、友達に誘われてフワっと来た人とか、いろいろな人がいると思います。

 

ライブは毎回特別な時間です。でもコロナになってから、このような形でライブの大切さを感じるとは思いませんでいた。だから今日はライブができて本当に良かったです。でもまたみなさんに会える日が来ることを信じて頑張るので、みなさんも楽しく生きてください。

 

じゃあ歌います。今日は本当にありがとうございました。約束です。

 

また直接ライブで会うことを約束するかのようなMCをしてから、丁寧に語りかけるように歌い始めた。

 

歌った曲は『約束』。

 

約束

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どんな事があっても忘れたりしない
幸せも痛みも永遠の薬草
いつかまた逢える日が来るでしょう
その日まで必ず元気でいてね

(aiko / 約束)

 

歌詞が胸に響く。まるでこの日のために作られたかと錯覚するような、今の状況や心情に合致した曲。

 

切ない余韻と未来への希望を残すように歌い終え、メンバー紹介をしてから「バイバイ!」と挨拶してステージを去っていった。

 

そしてエンドロールが流れる。ち○こトークがなかったことを忘れるぐらいに、素晴らしいライブの余韻を噛みしめながらエンドロールを見る。

 

しかし、これで終わりではなかった。

 

エンドロールが終わったかと思いきや巻戻り、再びステージの映像が映る。そこにはaikoとバンドメンバーの姿。

 

そして『Loveletter』の演奏が始まる。配信ライブだからこそできる、小粋な手法のアンコールだ。

 

Loveletter

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しんみり終わるのではなく、笑顔で楽しく終わる。最後の最後に盛り上がりを最高潮にする。

 

愛しい言葉をどうかあなたが
今も思ってくれていますように
ではさよなら

(aiko / Loveletter)

 

歌で最後の挨拶しているように思った。

 

この日のライブは配信だからこそ響く曲を並べたセットリストに思う。それもあって通常ライブと変わらない感動があったのだ。

 

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 けっきょくaikoは「ち○こ」について一言も語らなかった。それでも最高のパフォーマンスで大満足のライブだった。

 

つまりaikoのライブにち○こは必要ないのだ。それにようやく気づいた。音楽がメインだし、あくまでち〇こはオマケなのだ。

 

もしかしたらち○こについて語らないライブも今まで行っていたのかもしれない。

 

自分が行ったライブで毎回ち○こについて語っていただけで、きっとち○こについて語ることの方が珍しいのだろう。

 

自分が観たライブで毎回aikoがち○こについて語っていたことは、”たまたま”の偶然だったのだろうか?

 

2020.10.17 aiko『Love Like Rock ~別枠ちゃんvol.2~』

■セットリスト

01. 雲は白リンゴは赤
02. あたしの向こう
03. プラマイ
04. ドライブモード
05. 桃色
06. 冷凍便
07. 格好いいな
08. こいびとどうしに
09. 夢見る隙間
10. 星のない世界
11. ハニーメモリー
12. 青空
13. 恋の涙
14. 染まる夢
15. クラスメイト
16. ハナガサイタ
17. be master of life
18. 約束

EN1. Loveletter

 

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