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ニッチな音楽情報と捻くれて共感されない音楽コラムと音楽エッセイ

2019年に読んだ面白かった音楽の本

読むことで聴き方も変わる

 

音楽は聴くものだ。

 

知識や情報を得なくても楽しめる。難しことも考えずに老若男女誰もが楽しめることが魅力。

 

それでも、深く音楽を知りたいと思ったら情報も必要になってくるし、音楽を創り出している人の思想や思考についても知りたくなる。音楽に詳しい専門家の考察も気になってくる。

 

音楽に関する本はたくさんある。2019年も多くの音楽に関する本が出版された。それを読むことで個人的にも好きなアーティストの新しい一面を知ることができたり、詳しくなかった音楽についても少しだけ興味を持つことができた。

 

2019年に自分が読んで面白いと感じた音楽関連の本をいくつか紹介しようと思う。もしかしたら読んだら音楽をより好きになれるかもしれないよ。

 

著者・クリープハイプ /  聞き手・木村俊介『バンド』

 赤裸々な本だと思った。本来ならファンに伝えなくても問題ないことや、伝えるべきではないことも書いてある。

 

メンバー間のゴタゴタや空気の悪い時期の話や尾崎世界観の喉の不調の話など。外部から見ていると売れてきて勢いに乗ってきていると思っていた時期もある。しかしその時でも内部では様々な問題や葛藤があったようだ。

 

自分はインディーズ時代からクリープハイプの音楽は聴いていた。本に書かれている内容でうっすらと気づいていた部分もあるし、全く想定していなかったこともある。それが意外でもありショックでもあった。

 

クリープハイプは今では人気バンド。良い部分だけを切り取ってまとめて前向きなサクセスストーリーの本にすることもできたはず。それなのに、マイナスなことも情けないこともたくさん書いて公表してしまっている。でもそれも知ることでよりバンドに魅力を感じることができたし、これが「バンド」なのだなとも思う。

 

著者・大久保和則『私立恵比寿中学 HISTORY 幸せの貼り紙はいつもどこかに』 

 おすすめできる本かと聞かれると、悩む。

 

私立恵比寿中学の結成10周年を記念して作られた公式ヒストリー本。結成から現在までの歴史を物語形式で綴られている。

 

内容はノンフィクション。しかしフィクションではと思ってしまうような、フィクションであってくれと思ってしまうような内容。描写やメンバーや関係者のコメントも生々しい。明るい話だけでなく、重い話や悲しい話もたくさん書かれている。

 

特に中盤以降は読むことに覚悟がいる本。

 

ファンは読んでいて辛くなってしまうかもしれない。ファン以外の人が読めば同情してしまうかもしれない。 

 

でも、それも含めて今のエビ中が存在している。忘れてはならない思い出や想いもある。ファンに対しても勧めるべきか悩む本ではあるとしても、エビ中にとって必要な本なのだと思う。

 

著者・カーク・ウォーカー・グレイス / 池城美菜子『カニエ・ウェスト論 《マイ・ビューティフル・ダーク・ツイステッド・ファンタジー》から読み解く奇才の肖像』 

この本の面白いところは、カニエ・ウェストの歴史を辿っているような本ではないところ。

 

彼の出生や音楽活動の経歴をたどるのではなく、著者がカニエ・ウェストの音楽についての考察やレビューをしている。というか、レビューというよりもカニエについて研究論文。めちゃくちゃ細かく考察している。

 

2009年に発売された『My Beautiful Dark Twisted Fantasy』というアルバムを主に考察している。1曲ごとに丁寧に解説していて読みながらアルバムを聴くことで新しい発見や気づきもある。その解説は180ページを超える。

 

音楽のアルバムは考えながら聴いたり情報を得てから聴くと、また違った楽しみ方ができると再発見。カニエ・ウェストに興味がない人も読んでみると彼の存在や音楽の魅力や偉大さを感じるかもしれない。

 

著者・マーヴィン・リン / 翻訳・島田陽子『レディオヘッド / キッドA』 

レディオヘッドのキッドAという1枚のアルバムについて約200ページ語られている本。『カニエ・ウェスト論』と同様に一枚のアルバムについて丁寧に研究論文のように語られている本。

 

楽曲についてだけでなく時代背景や政治的意味やマーケティングについても触れながら解説している。

 

KID Aは2000年に発売され賛否両論あったものの「20世紀最後の名盤」と呼ばれることも多い作品。その理由やレディオヘッドがKID Aでシーンにどのような影響を与えようとしていたのかを読むことで考えることができる本。

 

著者・imdkm(イミヂクモ)『リズムから考えるJ-POP史』

 「リズムから考える」というタイトルは内容とは少しズレているかもしれない。リズムだけでなく様々な部分からJ-POP史を振り返り解説している本だから。

 

基本的には過去のJ-POPの名曲のリズムに軽く触れつつ歴史をたどっていき、著者の考察を述べている本。その考察に納得する部分もあるが、逆に疑問を感じる部分もある。

 

だからこそ読みながら自分も考えることができ、改めて名曲たちを聴くことで新しい発見もあった。

 

アーティストのインタビューや発言を引用して紹介している部分が多いのだが、そこが最も読み応えがある。「よく見つけてきたな」と思うようなファンも知らなかったり忘れていたりするような過去のアーティストの発言。それらを知ることができたことが最も大きな収穫。

 

著者・大木亜希子『アイドル、やめました。AKB48のセカンドキャリア』

 この本は「夢が叶わなかった人たちが見つけた新しい道について」の本に思えた。

 

正直、AKB界隈に詳しくない自分は紹介されている元アイドルの名前を1人も知らなかった。有名メンバーのセカンドキャリアについては全く紹介されていない。

 

言い方は悪いかもしれないが、元アイドルの肩書きでは芸能界には残れなかった人たちのセカンドキャリアについての内容。

 

振付師や声優など芸能界に近い場所をセカンドキャリアとして働いている人も紹介されている。しかし他の人たちは保育士やアパレル販売員やバーテンダーなど芸能界とは関係のない職業が多い。

 

でも、みんな生き生きしていると思う。アイドル時代に叶わなかった夢や実現できた目標についても語りつつ、様々な理由で別の道を選んだ理由や今の自分について語っている姿は希望に溢れているとも思う。

 

これは取り上げられている対象が元アイドルではあるが「転職」という部分を取り上げると普遍的なテーマ。人それぞれ何を幸せと感じるかは違うし、幸せの掴み方もちがうのだろうなと思えた本。

 

著者・松井玲奈 『カモフラージュ』 

 音楽の本ではないかもしれないが、元々は音楽と携わっていた元アイドルの本。

 

元SKE48の松井玲奈が書いた短編小説集。全然期待せずに読んだのが、予想以上に良い文章で面白い内容だった。

 

自分は近所のヴィレヴァンでサイン入りの本が売っていたので「松井玲奈の指紋がついている本か」と思って記念に購入しただけだ。内容には期待していなかった。それが面白い本だった。いい意味で裏切られた。ヴィレッジヴァンガードPLUSイオン越谷レイクタウン店さん、サイン本を置いてくれてありがとう。良い本と出会わせてくれてありがとう。

 

この小説は描写が細かく書かれている。正直必要以上に文字数を使っていると思える部分もある。その代わり景色がはっきりと頭に浮かぶ。登場人物の動作や感情も具体的に想像できる。それが魅力的にも思う。

 

個人的には「ジャム」という作品が特に好き。小説家として魅力的な作品をしっかりとかけていると感じる。

 

著者・細野晴臣 / 鈴木惣一朗『とまっていた時計がまたうごきはじめた』 

 細野晴臣と鈴木惣一郎の対談集。対談というか雑談に近い感じ。

 

クスと笑える話もあれば、切なくなる話もある雑談集。ただの雑談のはずなのにグッとくる言葉も多い。改めて細野晴臣は様々なことを考えて活動をしている偉大なミュージシャンなのだと実感した。2人の雑談から学ぶ部分もある。

 

特に大瀧詠一の話は読んでいて切なくなった。大瀧詠一の新しいアルバム、聴いてみたかったな。

 

 著者・小松成美『M 愛すべき人がいて』

浜崎あゆみの自伝的小説としてメディアで取り上げられていた作品。

 

ネタのつもりで読んだ。半年後にはブックオフで叩き売りされるんだろうと思った。それが、意外と面白かった。

 

この本を紹介される時ノンフィクション作品として紹介されることが多い。しかし読み進めていくとフィクションも含まれた物語なのだと気づく。

 

浜崎あゆみの恋愛が物語の本筋ではあるが、スターになるまでのサクセスストーリーの小説でもある。それが面白くてどんどん読み進めてしまう。

 

くだらない本だと思っている人も多いかもしれないが、意外と面白いので読んでみたらいいと思う。でも浜崎あゆみファンの人は読まない方がいいかもしれない。全く思い入れがない人の方が楽しんで読めそうな本。

 

著者・むらたかもめ 『オトニッチ』

 

本を読むためにはお金が必要だ。1,000円〜2,000円前後の本が多い。インターネットなどで無限に文章が読める時代。安い買い物ではない。

 

文章を読むためにお金を出すことに抵抗のある人もいるかもしれないが、お金を出してでも読む価値のある本も存在する。

 

ネットでは知れなかった情報や深い考察も本で知ることがあるかもしれない。1,000円前後の本が自分にとって一生読み続ける大切なものになることもある。

 

普段本をあまり読まない人も、年に1冊だけでも良いので本を読んでみたら良い刺激になるかもしれない。

 

しかし、本は安い買い物ではない。暇つぶしが目的で文章を求めているのならば本である必要はない。ネットにあふれた文章で十分。

 

そんな人におすすめなのが、下記のサイトだ。

 

 

『オトニッチ』という音楽に関する文章が書いてあるブログ。

 

書いてある内容は身になることは1つもない。くだらないこととクソみたいなことばかり書かれている。しかし記事1本につき4,000字以上あるので暇つぶしにはちょうどいい。

 

定期的に更新されるので新しい文章も読むことができる。もちろん過去の記事も読むことができるので、暇を持て余している人の暇を全て消化することも可能。ただし、クソみたいな文章とキモい文章も多いので、そこは注意が必要。

 

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これさえすれば、本は読まなくても大丈夫です。

 

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