オトニッチ

ニッチな音楽情報と捻くれて共感されない音楽コラムと音楽エッセイ

あいみょん『瞬間的シックスセンス』を聴く前の偏見と聞いた後の感想

みょん♪

 

シングル曲がアルバムの1曲目だと萎える。

 

視聴する時は殆どの人が1曲目から聴くはず。アルバムの1曲目は重要だ。そこに既存の聴きなれたシングル曲を持って来ると取っ付きやすくはなるだろう。

 

しかし、自分は「アルバム曲に自信がないのか」と思ってしまう。

 

シングル曲だけ完成度が高く、アルバム曲は微妙なアーティストの作品を自分はいくつも聴いてきた。そのような作品はシングル曲が1曲目である事が多かった。

 

もちろん例外もある。シングル曲が1曲目でも素晴らしいアルバム作品を作ったアーティストは沢山いる。それでも1曲目がシングル曲だとガッカリしてしまうのだ。

 

あいみょんの『瞬間的シックスセンス』の1曲目はシングル曲だった。『満月の夜なら』という曲。2曲目にもシングル曲の『マリーゴールド』が続く。

 

満月の夜なら

満月の夜なら

  • あいみょん
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

少し萎えた。

 

もちろんどちらも名曲だ。自分も大好きな楽曲。しかし「これはアルバム曲が微妙だからシングル曲を最初に持ってきたのでは?」と不安になってしまった。

 

実際にアルバムを聴いてみた。

 

その不安は必要がなかったと気づく。萎えた自分が間違いだった。

 

これは名盤だ。あいみょん、凄いみょん凄いものを作った。

 

みょん♪みょん♪

 

『瞬間的シックスセンス』を全曲聴いた時、スピッツの『ハチミツ』や小沢健二の『LIFE』を思い出した。どちらも日本の音楽シーンに大きな影響を与えた名盤。

 

あいみょんの作品がスピッツや小沢健二に似ているというわけではない。『瞬間的シックスセンス』はそれに匹敵するほどの日本の音楽シーンにおいて大きな爪痕を残すと思ったという意味だ。

 

『ハチミツ』や『LIFE』は収録作品が全てキャッチーなメロディ。全曲シングル曲にしてもみょんだい問題はなさそう。

 

それでいて、尖った表現や変わった編曲の楽曲もある。それすらキャッチーなJPOPに昇華している。そんな感覚を『瞬間的シックスセンス』からも感じた。

 

アルバムの3曲目は『ら、のはなし』という曲。様々な楽器の音を使っている不思議な編曲。そこに「あいみょん節」と言えるような独特な表現の歌詞が乗っかる。メロディはシングル曲に負けないキャッチーさ。

 

シングル曲が2曲続いた後のアルバム曲だが、シングル曲と変わらないクオリティの楽曲。アルバム曲でもしっかりとしたクオリティの楽曲を作っている。

 

ら、のはなし

ら、のはなし

  • あいみょん
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

あいみょんのシングル曲はミドルテンポの楽曲が多いが『瞬間的シックスセンス』ではスローテンポのバラードも収録されている。

 

『ひかりもの』という曲と『恋をしたから』という曲。

 

特に『ひかりもの』はメロディも編曲もJ-POPの王道バラードといった感じ。それでもあいみょんの歌声と歌詞の独特な表現で個性的な楽曲になっている。

 

シングル曲として出しても全くみょんく文句のつけようがない作り込まれたJ-POP。それでいて今までのあいみょんの曲には珍しかったパターン。

 

ひかりもの

ひかりもの

  • あいみょん
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

MVも作成された『夢追いベンガル』はキャッチーなメロディと疾走感ある曲調が特徴的。『マリーゴールド』や『君はロックを聴かない』であいみょんを知った人は新鮮に感じる楽曲かと思う。

 

歌詞は尖っている。過激な表現を使っている。それでもしっかりJ-POPとして成立させているし、この楽曲であいみょんの音楽の深みにハマる人も多いのではと思う。

 

夢追いベンガル

夢追いベンガル

  • あいみょん
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

「1曲目がシングル曲だからアルバム曲は手を抜いているのでは?」というみょんな妙な考えは必要なかった。むしろ不安になっていた自分がみょんな奴妙な奴だった。

 

アルバム曲も全て素晴らしい。

 

みょん♪みょん♪みょん♪

 

『瞬間的シックスセンス』のすごい部分は楽曲のクオリティが高いことだけではない。他にもみょんみ妙味がある。 

 

殆どの楽曲がAメロ→Bメロ→サビの構成になっている。いわゆる王道的なJ-POPの構成。過去に使い古された楽曲構成だ。そこに新しさはない。

 

しかし『瞬間的シックスセンス』の全ての収録曲から新しさを感じる。

 

今まで聴いたことのないような、斬新なJ-POPに感じる。それでいて懐かしさも感じる。そんな不思議で魅力的な楽曲。

 

使い古された楽曲構成かもしれない。しかし、シンプルであるがゆえに楽曲本来の持つメロディの美しさや、あいみょんの歌の表現力の高さが際立つ。

 

あいみょんの個性自体が新しい才能であり、今までになかった唯一無二の才能なのだ。そのため新しさを感じる。

 

あいみょんには影響を受けたと公言しているアーティストがいる。浜田省吾や小沢健二やスピッツや平井堅などなど。

 

あいみょんが影響を受けたアーティストは日本の音楽シーンに大きな影響を残した。日本の歌謡曲やポップスのスタンダードになった楽曲をたくさん作っている。

 

そんなアーティストから影響を受けたあいみょん。だからこそ王道的な構成の楽曲を作りつつも、日本人なら一発で気に入ってしまうようなメロディを作れるのかもしれない。そこに若者の感性とあいみょんの才能と個性がミックスされている。

 

あいみょんの楽曲がヒットしないはずがないのだ。

 

懐かしさも新しさも共存している楽曲で老若男女関係なく多くの人を魅了してしまう。シンプルなようで、よく聴くと一癖も二癖もある。そんな音楽を作れるアーティストは滅多に居ない。それを支えるスタッフに恵まれることも運がいい。

 

『瞬間的シックスセンス』はみょんく文句のつけようがない名盤だ。

 

そして、全体を通して聴くと「シングル曲を1曲目にした意味」も想像がつく。

 

みょ〜ん

 

『瞬間的シックスセンス』に収録されている楽曲はどれもシングル曲にしてもみょんだい問題ないようなキャッチーさと完成度の高さだ。

 

しかし、ヒットしたシングルと比べると少し違う方向性や新しい部分もある。

 

シングル曲の編曲は作り込まれているが王道なJ-POPと言える編曲でもある。歌詞も独特な表現を使ってはいるが、それほど尖ってはいない。優しい表現が中心。

 

アルバム曲は変わった音や攻めた編曲がされている曲も多い。歌詞も尖った表現が多い。アルバム曲はシングル曲とは違う魅力もある。

 

多くの人が聴き慣れたシングル曲を1曲目にすることでアルバムの世界へ引きこむ。引き込んだ状態でまた違った魅力が詰まっているアルバム曲を聴かせる。それによってあいみょんの深い魅力を伝える。

 

シングル曲を1曲目にしたことでアルバム曲が引き立ち、逆にアルバム曲が1曲目でないことでシングル曲の魅力も引き立たっている。

 

記事の冒頭で「シングル曲がアルバムの1曲目だと萎える」と書いた。

 

しかし、それこそが自分の偏見であった。

 

自分の考えにみょんだい問題がありみょんな考え妙な考えなどする必要がなかった。凄いみょん凄いものでやばいみょんやばいものを作ったならばみょん素直に認めるべきだったのだ。みょん

 

 『瞬間的シックスセンス』はみょんく文句のつけようがないみょんさく名作だみょん。ぜひ多くの人に聴いて欲しいみょん。

 

みょん。

 

みょん。