2017-05-10 チケット購入時の先行や一般販売の手数料の金額がどれだけ高いか調べた 音楽コラム コラム・エッセイ チケットぴあが”定価リセールサービスを始めた” 以前から問題になっていた、チケットの高額での転売。 チケットキャンプやヤフーオークションの登場により、より気軽に高額で転売をされるようになってしまった。 そして、チケットを定価で売買できる仕組みとして、チケットぴあが行けなくなってしまった公演のチケットを定価で売買ができるサービス”チケトレ”が開始されました。 tiketore.com 5月10日の正午からプレオープンしたこちらのサイトだが、始まったばかりにも関わらず、下記のような問題点が指摘されている。 ・転売屋の新しい仕入れ先になるのではないのか ・売れなかった場合はただチケットが無駄になるだけ(当然ではあるけれども) ・発送の手続きを出品者が行わなければならない(これも当然ではあるけれども) ・手数料が高い これらが指摘されており、出品者にとっては行けなくなってしまったチケットを譲るとしても実質、定価よりも安い金額で手間をかけて譲ることになるのだ。 正義感の強い出品者ならまだしも、そうでない出品者は同じ手間をするならチケットキャンプなどの転売サイトで定価以上で譲るだろう。 チケトレの手数料は? 手数料が高いと言われているが、手数料を利用者がどれだけとられるのか? 下記が出品者と落札者が払わなければならない手数料だ。 【出品者側の手数料】1. 取引手数料(チケット券面金額の10%、3999円以下の場合は一律400円)2. システム手数料(送金時の手数料として380円)上記手数料に加え、チケット配送費は出品者負担。 【購入者側の手数料】1. 取引手数料(チケット券面金額の10%、3999円以下の場合は一律400円)2. システム手数料(決済時の手数料としてチケット券面金額の3%) 上記の手数料の場合、例えばチケット代5,000円のライブに行けなくなってしまった場合どれだけ払わなければいけないのか。 【チケット5,000円の場合の出品者側の手数料】 取引手数料→500円(チケット額面の10%) システム手数料→380円(送金時に必要な手数料) 配送費→510円(出品者が個人で送るため金額に誤差はあるが安心安全のレターパックプラスを使うと仮定) 合計1,390円 出品者はチケットを売ると送料も含めてだいたいこれぐらいの費用が発生する。 チケットぴあに支払う手数料だけでも880円と、チケット代の役18%を手数料として取られてしまう。 【チケット5,000円の場合の落札者者側の手数料】 取引手数料→500円(チケット額面の10%) システム手数料→150円(決済時時に必要な手数料) 合計650円 なんか、出品者と比べたらお得じゃんとか一瞬でも思ったあなた、よく考えるとチケット代の1割以上手数料で取られるんですよ。 これらを合わせるとチケットぴあは5,000円のチケットの定価リセールで1,530円というチケット代の30%の手数料を取るわけです。 たっか! 通常のチケット購入でも手数料は取られる ちなみに、チケット販売サイトを利用して通常のチケット購入をしても手数料は取られます。 これはコンサートやライブなどへ行く機会の多い人はご存知のこと。 通常の販売でもチケット販売サイト(ちけっとぴあやイープラスなど)は販売者側からも購入者側の両方から手数料を取っている。 では、通常の販売ではチケットぴあにはどれだけの手数料を利用者からとっているのだろうか? 通常の販売で販売者側がチケット販売サイトに払う手数料 今回はイープラスで先行抽選プレリザーブも行い、紙ベースでのチケット発券をする場合で考えます。 (チケットぴあは上記の条件の場合個別に問い合わせだったのでわからなかったです) イープラスではライトプランとスタンダードプランの2種類の販売プランがあります。 今回は先行抽選もできるスタンダードプランで販売側が申し込んだ場合での手数料です。 【公演登録料】10,000円 【販売手数料】プレオーダー(先行抽選)の場合チケット金額の8% 一般販売の場合チケット金額の10% 【用紙代】1枚につき10円 例えばチケット1枚5,000円で座席が1000席の場合、以下の金額になります。 【公演登録料】10,000 【販売手数料】プレオーダー(先行抽選)の場合 400,000円 一般販売の場合 500,000円 【用紙代】10,000円 合計 プレオーダー先行販売の場合 420,000円 一般販売の場合 520,000円 プレオーダー(先行販売)で販売した場合は、1枚当たり420円。 一般販売で販売した場合は、1枚当たり520円。 販売側もチケット代の1割ほど販売サイトに払わなければならないのです。 (もしかしたらチケットぴあなど他の販売サイトはもっと手数料が高いかもしれないです。) 販売する場合は、プレリザーブ(先行抽選)で販売した方が手数料は下げられ、経費が少なく済みそうです。 ※公式サイトより出典 2つのプラン|チケット委託販売サービス|イープラスでチケットを売る・告知・集客 通常の販売で購入者側がチケット販売サイトに払う手数料 では、チケット購入者はチケット販売サイトにどれだけの手数料をはらうのでしょうか? チケットを購入したことがある人はだいたいお分かりだとは思います。 【システム利用料】216円 【店頭発券手数料】108円(配送での受け取りではない場合) 【コンビニ/ネットバンク/ATM支払手数料】216円(クレジットカード払いなら0円) 【配送手数料】648円(コンビニなどでの店頭発券ではない場合) 【サービス料】515円(プレリザーブの場合のみ・公演により値段変更あり) ・プレリザーブで購入/クレジットカード払い/店頭発券の場合 合計839円 ・プレリザーブで購入/クレジットカード払い/配送の場合 合計1,379円 ・プレリザーブで購入/コンビニ等で支払/店頭発券の場合 合計1,055円 ・プレリザーブで購入/コンビニ等で支払/配送の場合 合計1,595円 ・一般販売で購入/クレジットカード払い/店頭発券の場合 合計324円 ・一般販売で購入/クレジットカード払い/配送の場合 合計864円 ・一般販売で購入/コンビニ等で支払/店頭発券の場合 合計540円 ・一般販売で購入/コンビニ等で支払/配送の場合 合計1,080円 それなりの金額を手数料で取られてしまう。 プレリザーブでコンビニ払いで配送の場合、チケットが3,000円の公演の場合、手数料でチケット代の5割は払わなければならない。 一番手数料が安く済むのは、一般販売でクレジットカード払いでコンビニ発券だが、人気公演は実質プレリザーブ(先行抽選)に申し込まなければチケットを取ることは難しい。 これだけ手数料を払うのならば、場合金額によっては定価以上で売られている転売チケットのほうが安く購入できる場合もある。 チケット1枚あたりチケット販売サイトは合計でどれだけ手数料を取っているのか では、販売者側から取る手数料と購入者側から取る手数料で、チケット販売サイトは合計でどれだけ手数料を取っているのだろうか計算してみた。 こちらも例としてチケットの定価が5,000円として計算してみる。 【販売者側の手数料と購入者側の手数料の支払合計額】 ・プレリザーブで購入/クレジットカード払い/店頭発券の場合 合計1,259円 ・プレリザーブで購入/クレジットカード払い/配送の場合 合計1,799円 ・プレリザーブで購入/コンビニ等で支払/店頭発券の場合 合計1,475円 ・プレリザーブで購入/コンビニ等で支払/配送の場合 合計2,015円 ・一般販売で購入/クレジットカード払い/店頭発券の場合 合計844円 ・一般販売で購入/クレジットカード払い/配送の場合 合計1,384円 ・一般販売で購入/コンビニ等で支払/店頭発券の場合 合計1,060円 ・一般販売で購入/コンビニ等で支払/配送の場合 合計1,600円 上記のような結果になった。 最低でも合計でチケット金額の2割の金額は手数料として得ることができ、最大で定価の4割を手数料として得る場合がある。 ちなみに、金額を見てもらえばわかるように、プレリザーブで販売をしたほうがチケット販売サイトが得る手数料金額が多くなっている。 プレリザーブでは購入者側から手数料を多めにとる代わりに販売者側は手数料を安くしている。 逆に一般販売の場合は購入者側が手数料が少なく、販売者側が手数料が高くなっている。 つまり、チケット販売サイトとしてはプレリザーブで販売するほうが利益を大きくできる仕組みになっているので、できる限り利益の大きいプレリザーブで販売したいため販売者側の手数料を下げているようだ。 おそらく、プレリザーブ販売をメインにすれば、一般販売の集中アクセスに対応するためのサーバー増強が必要ないということだろう。 そのためプレリザーブの方が販売する側には経費が削減でき、チケット販売サイトも利益が増えるという企業的に素晴らしい仕組みになっているようだ。 手数料は何に使われているの? あれだけ大規模なサイトなので、維持費にもそれなりの金額だろう。 その維持費や従業員の給料に使われていることは想像できる。 あとはそうだな・・・・・・ イープラスの場合は、その手数料でカフェなんか開いちゃったりしてる。 食べて楽しむ、聴いて楽しむ|livingroomcafe.jp 渋谷駅から徒歩3分という好立地! 内装もおしゃれ! アンティークレザーのソファーや暖炉もある! アート作品まで展示されてる! 道玄坂では珍しくテラス席まである! そう、僕たち私たちの手数料はおしゃれで好立地なカフェの運営費にもなっているのだ! ぜひとも僕たち私たちの手数料で作られたカフェに一度足を運んでみよう! ※余談だけども、チケットキャンプの運営会社とチケット定価売買サイトとして立ち上がったチケトレは同じビルに会社が入っているらしいが、それはただの偶然だろうか・・・・・・?