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【レビュー・感想】『THE YELLOW MONKEY IS HERE. NEW BEST』のおすすめポイントを紹介

Hatena Feedly

特別なバンド

イエモンの全盛期を自分はリアルタイムでは知らない。

まともに曲やバンドのことを知ったのは活動休止中だったし、世代的にはイエモン世代ではない自分。

 

でも、THE YELLOW MONKEYというバンドは自分にとって特別なバンドの一つ。

それについては、以前書いたエントリにも書かせてもらった。

 

www.ongakunojouhou.com

再結成後のイエモンのライブを自分は観れていないが、再結成後の曲である砂の塔などは聴いたし、テレビ出演も観た。

 

その曲を観たり、テレビで演奏している姿を観るとかっこいいなと思う。

 

そして、このタイミングで今のイエモンで過去の楽曲をセルフカバーするベストアルバムが発売された。

収録曲16曲はすべてファンなら誰しもが知っている曲だし、ファンでなくても聴いたことがあるであろう楽曲ばかり。

 

 でもね、個人的にはセルフカバーではなく、オリジナルアルバムをリリースしてほしかった。

例えば、再結成したユニコーンは再結成後に全曲新曲のアルバムをリリースした。

イエモンは再結成後にオリジナルアルバムはリリースしていない。

 

でも、なんだかんだでセルフカバーベストも聴いてしまうわけです。

で、このセルフカバーベスト、とても良い。

そして、なぜこのタイミングでセルフカバーを出したのかも聴いていて理解できた。

 

 大人しくない大人な音

今回のアルバムを聴いて印象的なことは、華やかさかないということ。

それは悪い意味ではない。

華やかさというよりも大人の魅力を感じるような演奏になっている。

 

例えば、1曲目に収録されている、”悲しきASIAN BOY”。

この曲はMVのイメージもあるかもしれないが、華やかなだったり、キラキラ感があるイメージだと思う。

では、今回のセルフカバーバージョンも下で聴いてもらいたい。

 

悲しきASIAN BOY

悲しきASIAN BOY

  • THE YELLOW MONKEY
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

とても落ち着いて歌い、落ち着いて演奏をしているように感じる。

華やかさよりも、渋さ、クールさを感じる。

これは昔のイエモンでは出せなかった魅力ではないだろうか。

 

”太陽が燃えている”もそうだ。

太陽が燃えている

太陽が燃えている

  • THE YELLOW MONKEY
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

原曲よりもストリングスが目立つアレンジになっていることもあるかもしれないが、演奏も歌も落ち着いて余裕をもってパフォーマンスしているように感じる。

 

バラ色の日々

バラ色の日々

  • THE YELLOW MONKEY
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 バラ色の日々も原曲と比べると落ち着いているように感じる。

そして、アレンジもごちゃごちゃせず、一つ一つの楽器の音が聞き取りやすい。

 

これらのセルフカバーから感じることは、今のイエモンだから出せる大人の魅力を伝えたかったのではと思った。

 

生々しい音

ライブでも盛り上がる楽曲だろう、”パール”と”SPARK”。

この2曲からは、音に生々しさを感じる。

 

 

パール

パール

  • THE YELLOW MONKEY
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

ヘッドフォンで聴くとわかるが、一つ一つの楽器の音が生々しい。

余計な加工をしていないように感じる。

まるでスタジオでメンバーが演奏している音をそのまま聴いているような気分になる。

 

SPARK

SPARK

  • THE YELLOW MONKEY
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

この生々しさはアップテンポの曲だけではない。

ミドルテンポの楽曲”BURN”でもその生々しさはある。 

 

BURN

BURN

  • THE YELLOW MONKEY
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

 今回のアルバムは全曲、スタジオでメンバーの演奏を聴いているような、音の良いライブハウスでじっくり演奏を聴いているような、そんな生々しさがある。

 

原曲を超えたんじゃないかと思った曲

 

名曲の”SO YOUNG”。

この曲はリリースされた当時よりも年齢を重ねたメンバーが歌い、演奏すると、楽曲のもとメッセージの説得力が増すように感じた。

 演奏自体もセルフカバーの方が重みを感じる演奏。

 

SO YOUNG

SO YOUNG

  • THE YELLOW MONKEY
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

そして、”天国旅行”。

ダウナーでプログレのような曲展開のロック。

このダウナーさや渋さも年齢を重ねたメンバーだからこそ、より魅力ある演奏になっているのではないだろうか。

 

天国旅行

天国旅行

  • THE YELLOW MONKEY
  • ロック
  • ¥250
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もしかしたら、一番知名度のある曲かもしれない”JAM”。

アレンジは元の曲とほぼ変わらないアレンジと演奏。

楽曲をもつメッセージ性が強いが、今のメンバーの演奏はよりそのメッセージを深く届けられるような圧巻の演奏。

 

JAM

JAM

  • THE YELLOW MONKEY
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

このアルバムがリリースされた理由とは

今年がデビュー25周年という記念日も理由の一つだと思うが、懐メロバンドが再結成したわけではないということを見せつけるためではと思う。

 

今回のセルフカバーアルバムの特徴として、全曲が基本的に1テイクの1発撮りをしているというところだ。

音の加工もほとんどせず、基本的には4人だけの音で録音している。

それを過去の楽曲をセルフカバーすることで、イベントで再結成したわけではなく、現役のバンドで、昔よりも進化していることを見せつけたかったのではないだろうか?

つまり、今回のアルバムは昔のファンに「懐かしさ」で買ってもらおうとしているわけではく、新しい若いファンを獲得するためのセルフカバーでもあるのかもしれない。

そして、昔からのファンには改めてイエモンの凄さ、かっこよさを感じてもらうためのアルバムではないだろうか。

 

去年からロックフェスに出演しヘッドライナーを務めたり、今回のセルフカバーベストもタワーレコードなどの大手のCDショップで、若手の人気バンドの横に大きく展開されている。

 

まだまだ現役のバンドだし、これだけ良い曲がたくさんあるんだということを、イエモンを知らない世代にもアピールできるアルバムではないだろうか。

 

ちなみに、このアルバムはヘッドフォンで聴くことがおすすめです。

ぜひセルフカバーベストで今のイエモンを感じてほしいなと思う。