オトニッチ

ニッチな音楽情報と捻くれて共感されない音楽コラムと音楽エッセイ

〈座談会〉運営に対してはあきらめたうえでビバラロックを楽しむ方法

ビバラロックは本音を言うと、どうだったの?

 

開催中から様々な意見が飛び交っていた。それはライブの感想だけではない。運営方法や会場の環境についてなど。それは良い部分も悪い部分も様々な意見がSNSには書き込まれていた。

 

5月3日~6日までに行われた音楽フェス『VIVA LA ROCK 2018』についての話だ。

 

f:id:houroukamome121:20180516185831j:image

 

2014年から始まった今年で5回目を迎える音楽フェス。チケットは3日間全日ソールドアウト。1日あたり2万人以上の来場者が訪れ「動員に関しては」大成功の音楽フェスだった。

 

しかし、それだけの動員があれば問題点も出てくる。もちろん運営も問題点を理解して改善しようという意識はあるだろう。しかし、昨年から改善できていない部分、新たに生まれた問題点もあった。

 

ライブを純粋に楽しめない状況もあったことは事実だと思う。しかし、安くない金額を出して参加しているのだ。運営の不備など気にせずに純粋に楽しみたい。今回、ビバラロックに参加経験のある音楽ブロガーが集まって、ビバラについて語り合ってみた。

テーマは『運営や導線や鹿野淳についてはあきらめた上でビバラロックを楽しむ方法』。

 

運営上の問題点は「あえて」無視してフェスを楽しむためにはどうすればいいのか語り合ったはずが、意外な結論になってしまった・・・・・・。

 

参加ブロガー

 


『ロッキン・ライフ』で独自の視点でのコラムを書かれている、ロッキン・ライフの中の人さん(@rockkinlife )。

 


ライブレポートを熱い文章で驚くほどに詳細書かれる、ソノダマンさん(@yoppeleah

 


『musicfreedom -keep on,keep on-』というブログでストレートに自身の音楽観について語るsoftmanさん(@softman_mfrdkok

 


『SUGAROCK-FESTIVAL』で邦ロックについて熱い文章で語るSugarさん(@Sugarrrrrrrock

 


そして当ブログ『オトニッチ』を運営している、むらたかもめ(@houroukamome121

 

音楽ブログを運営、ビバラへの参加経験あり、吉岡里帆が好き、という共通点がある5人で語ってみた。進行役はわたくしThis is むらたかもめが担当しています。

 

 ビバラの問題点は?

 

──自分(むらたかもめ)はビバラは初日のみ参加で運が良かったのか大きな不満はなかったんですけど、Twitterを見ているとかなり多くの人にディスられてますよね。実際にビバラで感じた不満点ってどのようなことがありますか?

 

ソノダマン ツイートしたんですけど、こんな感じですね(以下画像の内容)

 

f:id:houroukamome121:20180516185854j:imagef:id:houroukamome121:20180516185901j:imagef:id:houroukamome121:20180516185913j:image

 

softman 飲食ブースでの電子マネー不備もありましたよ。使えるはずの電子マネーが使えず、不備についてアナウンスもないし。もし現金を持っていなかったらどうするんだと不信感は持ちました。

 

ロッキン・ライフの中の人 自分はむらたさん同様にそれほど不満はなかったですけど「真面目にステージを観たいリスナー」ほど損をする仕組みはどうなんだろうとは思いますね。

 

softman あとは場所取りもありましたね。ロッキンなど他のフェスでも場所取りは最低の行為と言っているのにやる人がいるのかと・・・・・・

 

Sugar 導線の混雑が原因で移動に時間がかかって見れなかったバンドもいました。導線が細いことが原因だとは思うんですけど、今年新しくゲートを作って改善できるかと思ったら全然機能してなかったみたいですね。

 

ソノダマン 通路も一方通行が多すぎるんですよ。一方通行にしない方がスムーズに移動できたんじゃないかと。

 

問題は導線とタイムテーブルの不備?

 

──導線の混雑、入退場の規制、タイムテーブルの不備などが大きな問題点ですかね。電子マネーの不備については現金を持って対策するしかないですかね?

 

softman JAPAN JAM(千葉で5月4日~6日に開催されたフェス)では問題なく電子マネーを使えたから比べちゃう部分もあります。現金所持でも良いですけどスリに狙われやすくなるんですよね。

 

Sugar そういえば出演時間が後のアーティストほど持ち時間が長くなってますよね。あれは時間が押したり導線が混雑したときの保険のために長くしてるのかなって思いました。

 

ソノダマン 基本的には全ステージが後半のバンドほど持ち時間が長いですけど、結局、転換の時間は考えられていないから、移動する場合は前半もしくは後半の1~2曲は聴かずに移動しなければいけないという・・・・・・

 

f:id:houroukamome121:20180505074101j:plain

 

 ロッキン・ライフの中の人 5月6日に同じ会場で行われたビバラポップは動員が少なかったこともあって快適だったという声もありましたよね。ビバラロックが動員のキャパオーバーしているんでしょうけど。

 

──ビバラポップはステージが2つだったので移動もしやすかったのかもしれないですね。そもそも会場のさいたまスーパーアリーナが複数ステージのフェスには向いていない作りなわけで。

 

Sugar ビバラロックのチケット販売枚数はメインステージのSTAR STAGE(約2万人弱)のキャパに合わせているらしいですよね

 

softman STAR STAGEの収容人数が基準ってマジですか!?ならばなぜ通路や入場で規制されるんだ(笑)。通路や出入口をきちんと活用できていないとしか思えない。

 

 他のフェスはどうなの?

 

ソノダマン ちなみに、みなさん『SWEET LOVE SHOWER』(山中湖で毎年開催される夏フェス)には行ったことありますか?

 

──ラブシャは導線もスムーズでタイムテーブルも移動時間を考慮してありますよね。

 

ソノダマン ラブシャはメインステージと小さいステージをつなぐ橋があって、それがめちゃくちゃ小さいんですよ。

 

Sugar でもその橋も少し混雑したかなぐらいのイメージです。ステージが横並びで移動しやすいってのもあるけども。

 

ソノダマン その橋には常にスタッフがいて、混雑状況によって導線を変化させているんですよ。メインステージに行く人が多いときはメインへ進む方の通路を広めにする。逆の場合は小さいステージへ行くときの通路を広めにする。

 

Sugar そういえばそんな気が!

 

softman 柔軟に対応してますね!

 

ソノダマン ビバラもラブシャみたいに一方通行の通路を柔軟に変更できればスムーズなのにとは思いました。もう少し有効に活用しろと。

 

──みなさん、テーマから少しずれてきていますよ。ビバラにはロッキンやラブシャみたいな運営は無理とあきらめましょ(笑)。そのうえでどう楽しむかがテーマなので。

 

softman テーマからずれてはいますけど、そこは断定して良いんですか(笑)?

 

ソノダマン 主催者の鹿野さんは毎年ラブシャに来ていてロッキンの立ち上げメンバーなのに?運営方法について諦めるならステージを絞って移動をあきらめるとか?自分はその楽しみ方は無理です。

 

ロッキン・ライフの中の人 自分をどうするのかって意味では自分自身のタイムテーブルの組み方を変えるしかなさそうですね。

 

softman 自分もソノダさんと同じですね。ステージ移動しないのは無理。ただ、絶対観たいアーティストがいるのならば確実に観れるように自分の移動方法を変えるしかないですね。実際今年はスピッツが観たくてレキシからずっと同じステージにとどまっていたんで。

 

ソノダマン こちらの楽しみ方を変えるのは鹿野淳の駄目さに屈しているようで、異常に悔しいです(笑)

 

──スムーズに移動して多くのアーディストを観たいなら同日開催のJAPAN JAMの方に行った方が幸せかもですね。

 

ロッキン・ライフの中の人 いつぞやのサマソニでレディオヘッドだけを目当てにお金を払ったんで、そういうものだと思えば耐えられます(笑)

 

ソノダマン レディオヘッドぐらいの大物ならともかく、ビバラでしか見れないバンドはテレフォンズぐらいしかいないですからねえ。そりゃあJAPAN JAMへ行く方が良いんだろうけども。

 

ビバラロックの良い部分は?

 

ソノダマン 自分はテレフォンズと銀杏BOYZがいなければビバラにはいかなかったんですけど、みんながビバラに行く理由はなんだろうとは思ったり。

 

Sugar 新しいバンドを開拓したいと思ったらビバラのCAVE STAGEのラインナップはブレイク候補がそろっているし魅力的だとは思います。

 

ロッキン・ライフの中の人 今年ビバラに行った理由はスピッツが出ることと観たいバンドが固まっていたことが理由ですね

 

ソノダマン 今年はロキノン系のフェスには出ないSiMがいたりJAPAN JAMでは観れないバンドがいたことも確かで。あと、自分がするかは別としてJAPAN JAMでは禁止されているダイブができることはロキノン主催のフェスでは体験できない魅力だとは思うんですよ。(ビバラはダイブ等の危険行為は自己責任で禁止されていない)

 

Sugar そうですね。ビバラの規制のない「自由さ」はロックファンには魅力的なのは間違いないですね。

 

ロッキン・ライフの中の人 導線の規制はあるけど、ダイブの規制はないビバラ・・・・・・

 

softman その点はいいところですね

 

Sugar JAPAN JAMはフロントエリアでもぬるいですからね。あと1日に同ジャンルの出演者が固まっていることもビバラの特徴ですね。

 

──あと音はたまにハウリングもしていたけどかなり良かったとは思います。JAPAN JAMは海沿いの野外だから音が風に流されて酷い音の時もあったし。

 

Sugar ビバラは今年スピーカーを増設したんですよね。

 

softman スピーカーの増設は良かったと思います。これは他のフェスも参考にしてほしいです。

 

行くフェスを選ぶ理由について

 

──つまりビバラにはほかのフェスにはない魅力もあるってことですよね。その代わり導線などに問題があると。フェスに対して何を求めるかで行くフェスを選ぶことがベターかもしれないです。

 

ソノダマン そうなんですよねえ。たくさんのアーティストを観ることを優先するならビバラは向いていないっていう。JAPAN JAMを選んだ方が楽しめるだろうし。

 

softman フェスの参加目的としてはスピッツが出るか出ないかで決めてました。そのため去年はJAPAN JAMにスピッツが出たのでJAMへ行って、今年はビバラに行きました。

 

ソノダマン 例えばビバラで、STAR STAGEでスピッツ→VIVA STAGEでくるり→STAR STAGEでサカナクションという流れだったら、どう動きます(笑)?

 

softman くるりで退散。サカナクションは規制で観れないだろうし。

 

ロッキン・ライフの中の人 自分もくるりで終了ですかねえ。

 

Sugar 自分はスピッツの後STAR STAGEに居座りますね

 

──自分もスピッツからくるりの流れはアツいんでそこで終了ですかねえ。頑張ってサカナクションに移動はしてみればワンチャンあるかもしれないんで、移動はしてみますけど。

 

Sugar ビバラだからスピッツもくるりもサカナクションも全ては観れないことが前提で応えなければいけない質問・・・・・・

 

softman 悲しいですね・・・・・・

 

Sugar JAPAN JAMだったら余裕で全部観れますもんね・・・・・・

 

 結論は?

 

ロッキン・ライフの中の人 『運営に対してはあきらめたうえでビバラロックを楽しむ方法』という議題の回答としては「参加者が諦めて受け入れることを覚える」しかない現状・・・・・・

 

softman ビバラの大きなメリットはJAMに出ないアーティストが観られることとダイブができることぐらいですかね(笑)

 

ソノダマン そうなると運営がクソという結論に行きつく(笑)

 

──話を広げても「運営のdis」にどうしても繋がっちゃいますね・・・・・・

 

ロッキン・ライフの中の人 鹿野さん自身も何とかしたいという想いはあるだろうから粘り強く意見を言うしかないですねえ。

 

 ソノダマン いっそ「これ以上の改善は無理だから、こんな状態だけど楽しんで!」と運営側から言われた方が諦めて楽しめます(笑)

 

ロッキン・ライフの中の人 こればかりは来年のビバラがどうなるか生暖かく見守るしかないですね

 

ソノダマン 「ラブシャで酒飲みながらライブ観てないで運営の動きを見ろ!」という目線で鹿野さんを見守ります!

 

──結局「運営がクソ」という話の流れになっちゃうんで「鹿野淳について諦めて楽しもうと思ったけれど無理だから生暖かく見守って来年に期待するよ」ということでまとめて良いですか(笑)?

 

ロッキン・ライフの中の人 はい

 

ソノダマン 記事にするときは石野卓球の鹿野に対するツイートも添えてください!

 

──わかりました(笑)

 

 

 音楽フェスは音楽だけが重要ではない

 

 ビバラロックに対しての苦情がメインの会話になってはいるが、出演したアーティストは素晴らしいライブを行っていた。その点に関しては参加者全員が感じていることだと思うし、今回の座談会に参加した5名も同じように感じている。

 

しかし、ライブや音楽フェスは音楽さえ良ければいいというわけにはいかない。どれだけステージで素晴らしい演奏がされていても、運営の不備でステージに入れなかったり、まともにステージを観ることができなければ不満も出てくる。気持ちよくライブを観ることができないだろう。事故も発生するかもしれない。

 

運営に不満を持っている人はSNSでの反応から見ると少なくはない。そのため、今回は「運営について振り回されても勿体ないから、自分たちで最大限楽しむ方法を考えよう」という気持ちで話そうと思った。

 

でも、無理だった。

 

数万人規模の「音楽フェス」ならば運営方法や主催者の方針は重要になってくる。それによって楽しみ方も変わってくる。来場者のためにも真剣に演奏をする出演者のためにも、不備のないように運営してもらいたいと思う。

 

そして、なんだかんだでビバラロックが好きなんだ。魅力的な部分や他のフェスにはない良い部分もたくさんある。運営面での現在の問題点を解決できれば、もっと良い音楽フェスになるのだと信じている。魅力的な部分もあるから期待もしているのだ。

 

「ビバラロックをもっといいフェスになることを期待しているし来年こそは頼むよ!」と思っている。期待が大きい故の愛情の裏返しかもしれない。

 

ちなみに自分は運よくあまり不満は感じなかったので下記の内容の記事も書いています。読んでみてください。

 

関連記事:ビバラロックとJAPAN JAMを比較してお互いのクソな部分を洗い出した - オトニッチ-