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【ライブレポ・セットリスト】LIVE BLAST (出演:Saucy Dog / PEDRO / GLASGOW) 2021年9月13日 豊洲PIT

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TOKYO FM『RADIO BLAST』のライブイベント『LIVE BLAST』が行われた。

 

普段は接点がなさそうなPEDROとSaucy Dogの異色の対バン。共通点は『RADIO BLAST』で別の日にパーソナリティを担当していることだけ。

 

しかし異色の対バンだからこそ生まれる化学反応もある。それによって両者の魅力が引き立つ最高の対バンになった。

 

 

GLASGOW (オープニングアクト)

 

この日はPEDROとSaucy Dogのファンが大多数だったと思う。GLASGOWはチケット発売開始後に追加されたオープニングアクトだし、まだまだ駆け出しのバンド。彼らにとって過去最大キャパのライブだったと思う。

 

そんなアウェイの空間でも彼らは自分達の音楽を物ともせずに鳴らす。『lightning』『オレンジフィルムカーテン』とミドルテンポのロックでしっかりと空気を作っていく。

 

こんなご時世だから辛いこともたくさんあります。でもこの4人で鳴らしたい音がまだあるから、ここに立っています。

 

音楽は何が素晴らしいかというと、聴いた時に記憶が蘇ることだと思います。今日は悩みながら会場に来た人がたくさんいると思います。俺たちのことを知らない人がほとんどだと思います。

 

そんな人も俺たちの曲を聴いた時に「あの時ライブに行ったな」とかGLASGOWを初めて聴いた時のことを思い出してもらえたら嬉しいです。

 

短いMCをしてから「4人で初めて作った曲です」とつぶやき『youth』を披露。UKロックとシューゲイザーをミックスさせたようなサウンドが心地よくもクール。

 

ボーカルのアラタニはoasisのTシャツを着て、ギターの藤本はMy Bloody Valentine『Loveless』のジャケットが書かれたTシャツを着ていた。

 

そこから読み取るに洋楽からの影響を強く受けているのだろう。影響を受けた音楽に、自分たちの個性を組み合わせている。そこに唯一無二の個性を感じる。

 

ラストは『After image』。サビの衝動的な演奏が印象的な楽曲。若手ながらも先輩バンドに負けないロックを見せつけ演奏を終えた。

 

おそらく彼らを初めて聴いたお客さんも多かったと思う。しかし魅力は伝わっていたし、今回のライブを機にファンになった人も確実に居るだろう。、

 

■セットリスト

1. lightning
2. オレンジフィルムカーテン
3. youth
4. After image

 

 

PEDRO

 

照明が落とされるとフロアから大きな音の手拍子が巻き起こり、ゆっくりとメンバーが登場する。田渕ひさ子が歪んだ音でギターを鳴らすのを合図に、ライブがスタート。

 

1曲目は『夏』。疾走感あるサウンドと爽やかなメロディが組み合わさったロックナンバー。夏の終わりに〈また夏まで生きようか〉という歌詞を歌うアユニ。今日もこの曲を聴いて救われた人がいるのではないだろうか。

 

「PEDROです。よろしくどうぞ」と挨拶し『GALILEO』で急激に熱気を上げる。

 

イントロの掛け声ではSaucy Dogのグッズを身にまとった人も、飛び跳ねたり腕を挙げたりと盛り上がっている。

 

この2組はファン層がそれほど被ってはいないと思う。それでもカッコイイ音楽は伝わるし、心を動かす事ができる。これを再確認できることが、対バンライブの魅力である。

 

曲間なしで『pistol in my hand』を続け、怪しげでドープな雰囲気を作り出す。中盤でアユニはシャウトし、先程までとは違うクールな姿を観せる。PEDROはロックをベースに、幅広い音楽を取り入れているのだ。

 

「みなさん、行けますか?行きましょう!自律神経出張中!」と煽り、ライブ定番曲で代表曲でもある『自律神経出張中』へと繋げる。盛り上がるフロアを見てニヤリと笑うアユニ。天使。神。尊い。

 

PEDROとSaudy Dogは接点がないと思われがちですが、同じラジオ番組で別日にやっているファミリーなんです。だから対バンをさせてもらえて嬉しいです。

 

1年ほどラジオをやらせてもらっているんですけど、初回では全然喋れなくて泣きながら帰りました。でも今はラジオで喋ることがすごく楽しいです。好きな音楽をラジオで共有できることが嬉しいんです。

 

そして今日は生で好きな音楽を共有できて幸せです。色々とある世の中で、今日ここに来てくれた皆さんの勇気に感謝してます。

 

少し緊張した様子で今回のライブやラジオへの想いを語ってから、ミドルテンポの曲を連続するブロックに入った。

 

まずはオレンジの光に照らされながら『空っぽ人間』を披露。そして『浪漫』を演奏し、フロアを穏やかな空気にする。

 

そんな空気を作ってから歌われた『生活革命』は圧巻だった。

 

田渕ひさ子のアルペジオが美しく響く中、アユニが感情を吐露するように叫び歌う。フロアはそれに圧倒され、息を飲むようにステージを観ていた。

 

みなさん、今、楽しいですか?私は楽しいです。

 

オープニングアクトのGLASGOW、めちゃくちゃカッコよかったですよね。この後出るSaucy Dogは先月出たアルバムが素晴らしくて、私はたくさん聴いています。特に『シンデレラボーイ』が好きです。

 

素晴らしい2組と対バンできて、素敵な日になりました。色々とある世の中ですが、嫌なことも辛いことも肯定して、愛のある生活ができるように、元気に生きていきましょう。

 

今回のライブへと想いを語ってから、ラストに『感傷謳歌』を演奏した。煽ったわけでもないのに、フロアから自然と手拍子が鳴らされる。それを見てアユニがニコリと笑う。

 

生きていればいつかきっと
良いことがあるらしいが
良いことは生きていないと起こらない
やってやろうじゃないか

(PEDRO / 感傷謳歌)

 

サビの歌詞が胸に響く。こんな時代だからこそ心に刺さる。

 

〈また夏まで生きようか〉と歌う『夏』から始まり〈やってやろうじゃないか〉と歌う『感傷謳歌』で終わったライブ。

 

アユニは「喋ることは得意じゃない」とMCで言っていた。その代わり音楽で想いをさやメッセージを伝えようとしていた。ひたすらロックを鳴らすライブでありつつも、希望を与えてくれるライブだった。

 

■セットリスト

1.夏
2.GALILEO
3.pistol in my hand
4.自律神経出張中
5.空っぽ人間
6.浪漫
7.生活革命
8.感傷謳歌

 

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Saucy Dog

 

いつも通りに3人がグータッチをして気合いを入れてから演奏を始めたSaucy Dog。

 

石原慎也が息を吸って集中するように一呼吸置いてから『煙』でライブスタート。ゆっくりと丁寧に自分たちの世界観を創っていく。

 

そして「Saucy Dog始めます!」と石原が叫び『シーグラス』を続ける。夏の終わりに聴くからこそセンチメンタルな気持ちにさせてくれる名曲だ。

 

今回の対バンはPEDROファンの方が若干多いようだった。

 

しかし序盤から自分たちの空気を作り、彼らの音楽を知らない人にもしっかり魅力を伝えられている。それもあって手拍子の音はどんどん大きくなったし、腕を上げるお客さんも少しづつ増えていた。

 

「楽しんで行きましょう!」といつになくハイテンションに叫び『雀ノ欠伸』へ。この曲の演奏中にはワンマンかと思うほどにホームの空気が作られていた。

 

後半では石原とベースの秋澤和貴が前方に出てきて手拍子を煽る。この日で1番大きな音の手拍子が会場に響く。この日のサウシーはロックバンドとして衝動的なライブで圧倒させる ている。それにお客さんも巻き込まれてテンションが上がってしまう。

 

フロアの様子を満足気な笑顔で見ながら歌うものの、歌詞を間違えまくる石原。衝動的に歌いすぎていた。彼の笑顔が苦笑いに変わる。

 

歌詞をたくさん間違えてしまった......。

 

GLASGOWとPEDROの凄く良いライブを観たから、気合いが入りすぎてしまった。少しだけ落ち着きます。

 

あ、自己紹介もしてなかった!Saucy Dogです(笑)

 

冷静さを保つために、呼吸を整える石原。そして最新アルバム『レイジーサンデー』から『シンデレラボーイ』を披露。今度は落ち着いて様子で丁寧に演奏し、楽曲の魅力をしっかり伝える。

 

ライブも後半に差し掛かる。「あなたに歌います」と宣言してから『ゴーストバスター』で盛り上げ『バンドワゴンに乗って』ではサビ前に「行ける!?」とフロアに問いかけて煽る。

 

何度も曲中に「ありがとう!」と叫んでいた。それぐらいに自分たちの音楽が伝わっていることを実感していたのだろう。

 

僕らのファンじゃない人も手を挙げたり手拍子をきてくれて嬉しかったです。みんな音楽が好きなんだよね。目を見ればわかるよ。

 

今日初めて観た人と多いだろうけど、もしも気が向いたらSaucy Dogのファンにもなって欲しいです。でもPEDROやGLASGOWを観に来た人達は、目当ての好きなバンドのこともずっと好きでいて欲しいです。

 

今回の対バンはバンド同士で直接的な多かったわけではない。ファン層も違うと思う。それでも終始良い雰囲気めで包まれていた。それは石原が語る通りに「音楽が好きな人」が集まっていたからだろう。

 

最後の曲は『結』。「僕らにとって大切な曲です」も語ってから丁寧に繊細な表現で披露する。

 

1番を歌い終えると「アユニ!」と石原が言ってアユニを呼び込む。

 

ハンドマイクを持って登場したアユニ。センターに立ち歌い始める。サプライズに喜び拍手をするフロア。そこから2組のデュエットで曲が進んで行く。

 

楽曲が素晴らしいことはもちろん、2人の声の相性も良い。だから沁みるし感動してしまう。ラストに相応しい曲であり、コラボに相応しい楽曲だった。

 

ファン層が違っても、音楽の方向性が違っても、同じステージに立てば1つになることはできる。魅力的な音楽は必ず伝わる。

 

異種格闘技戦のような対バンだからこそ、両者の魅力が引き立つ最高の対バンになっていた。この対バンをきっかけに、好きな音楽が増えた人がきっといるはずだ。

 

■セットリスト

1.煙
2.シーグラス
3.雀ノ欠伸
4.シンデレラボーイ
5.ゴーストバスター
6.バンドワゴンに乗って
7.結  ※アユニ・Dとのコラボ

 

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