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【アルバムレビュー・視聴】PassCode メジャー1stアルバム『ZENITH』感想とおすすめポイント

ラウドロックが好きならパスコも気に入るよ

 

ここ最近のアイドルはキャラクター的にも音楽的にもなんでもありになってきまして。

BiSHなどの大頭もあり、世間にも少しずつ王道アイドルソング以外の普通に良い曲を歌うアイドルも認知されつつあるのかなと思う今日この頃。

 

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”アイドルらしからぬパフォーマンスと楽曲”

 

この意外性を狙ったであろうキャッチコピーが全く珍しいものではなくなり、逆にこのキャッチコピーを名乗ることがアイドル界隈でのブームになっているのではと思うほど。

しかし、奇をてらっても中身が偽りのものならば注目もされないし評価もされないのだ。

 

そんな中、人気もじわじわ上がってきて、実力もどんどん評価されてきている”アイドルらしからぬパフォーマンスと楽曲”のグループがいる。

 

それがpass codeだ。

 

とりあえず音を聴いてもらえばどんなグループか分かると思う。

 

👇画像をクリックで動画になります



これは生バンドを従えてのライブ映像だ。

ラウドな音でピコリーモをやっている。

曲の途中でデスボイスでシャウトまでやっている。

 

画面を観ずに音だけ聴いているとロックフェスのステージに立っても全く恥ずかしくもない、むしろそこら辺のバンドよりも客を盛り上げてしまうのではと思うようなパフォーマンス。

 

ラウドパークやサマソニのメインステージにも出てくれよってぐらいのライブパフォーマンスですが、ライブだけじゃなくて音源もかっこいいんですよ。

少しpass codeが気になり始めたあなたのために良いものがあるんです。

ちょうどメジャー1stアルバムをパスコがリリースをしたのです。

 

 

『ZENITH』というアルバム。

アイドルのアルバムとしては語れないかっこよさです。

 

むしろ、”アイドルが好きな人にはおすすめできないアイドルのアルバム”という不思議なアルバムでもあります。

かっこいい曲ばかりのアルバムですが、良い点ばかりではなく、不満点もあったりはします。

それも含めてpass codeの『ZENITH』を全曲感想とレビューをしてみます。

 

01.Maze of mind

 

Maze of mind

Maze of mind

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1曲目から激しめな曲で飛ばしています。

シャウトからのサビへの入り方がカッコいい。

 

ラウドロックの王道的な弾き方なギターもシンプルながら曲に勢いをつけていて良いです。

 

02.bite the bullet

 

bite the bullet

bite the bullet

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 シングル曲でMVも作成されている楽曲。

1曲目の勢いを落とすことなく、むしろ加速させるぐらいの勢いのある曲。

 

初っ端のシャウトで耳を完全に持っていかれます。

中盤の打ち込みをバックにシャウトしている部分も心地よい。

 

王道なラウドロックな部分もあればピコリーモな部分もあればラップもあり泣きメロもありと様々な要素が詰め込まれているけど、1曲として綺麗にまとめられている。

 

03. all or nothing

 

all or nothing

all or nothing

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この曲も1曲目と2曲目と同じ系統の楽曲。

エフェクトのかかったボーカルと打ち込みと歪んだギター。

基本的に今作の楽曲はどれも近い編曲になっている。

 

この曲もライブでは盛り上がりそうな楽曲。

 

04.ONE STEP BEYOND

 

ONE STEP BEYOND

ONE STEP BEYOND

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アルバムのリード曲でMVも作られた楽曲。

これはめちゃくちゃライブで盛り上がりそう。

サビ前に歌と打ち込みの音だけになり、そこからサビへの流れが盛り上がる。

 

この曲の聴きどころは後半のデスボイスからテンポと曲調が変わるところ。

1曲の中で様々な曲展開があって飽きない。

 

05.Scarlet night

 

Scarlet night

Scarlet night

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サビの前に一瞬だけ無音になるところが心地よい。

そしてサビのバックの打ち込みの音がかっこいい。

 

編曲や音作りはやはり一貫して同じ打ち込みの音と歪んだギターが中心。

 

06.TRACE

 

TRACE

TRACE

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メロディがきれいな楽曲。

個人的には今作でギターの演奏が一番好きな楽曲。

 

07.Same to you

 

Same to you

Same to you

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途中の3拍子の展開が面白い。

MVも作られているリード曲の一つ。

 

他の曲と編曲の系統が少しだけ違うようにも感じる。

それでもpass codeのお決まり的な曲展開や編曲も随所に入っている。

今作は全曲を通して統一感を重視しているのかなとも思う。

 

メロディに和風のテイストも入っていて、これは海外で勝負するときに海外のアーティストとの差別化をはかるためかも。

 

08.カタルシス

 

カタルシス

カタルシス

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他の収録曲と明らかに雰囲気が違う楽曲。

泣きメロのメロディ重視の楽曲。

ピアノの音が切ない。

 

個人的にドラムも好きな楽曲。

 

09.rise in revolt

 

rise in revolt

rise in revolt

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デスボイスが印象的な楽曲。

ピコリーモな曲が多いアルバムですが、この曲はギターが目立っていてかっこいい。

疾走感もあり聴いていて気持ちいい。

 

歌詞は個人的に今作で一番好きです。

 

10.Insanity

 

Insanity

Insanity

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これもギターのリフと2本のギターの絡み方がカッコいいです。

ベースラインもこの曲が個人的にはとてもいいと思っている曲。

 

ライブだとお客さんもいっしょに途中叫ぶのかな。

 

11.MISS UNLIMITED

 

MISS UNLIMITED

MISS UNLIMITED

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こちらはシングル曲。

打ち込みのリフがキャッチーで耳に残る曲。

 

パスコが他のアイドルと違うことを紹介するかのような歪んだギターとピコリーモを感じる打ち込みの音と、デスボイス。

これらの要素がきれいに合わさって完成度の高い1曲になっている。

今のpass codeがどういうグループなのかをわかりやすく紹介するような名刺代わりになるような曲。

 

12.Voice

 

Voice

Voice

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アルバムの最後の曲。

ボーカルのエフェクトのかかり具合に一瞬perfumeが頭によぎったけど曲の方向性は全然違います。

アルバムを通してきくとクリーンなギターの音が新鮮に感じる。

クリーンなギターのアルペジオと歪んだギターの絡み方が心地よい。

 

ミドルテンポの楽曲でアルバムの最後って感じはしない曲だけど、聴いていて心地よい曲。

 

全体的に似た曲が多い?

 

今作はメジャーデビュー後最初のアルバムとしては完成度は申し分がない出来だと思います。

しかし少しだけ苦言を言うと、似ている系統や方向性の曲が多すぎるかなという印象はある。

 

今までのpass codeを知っている人ならまだしも今作で初めて知った人や最近パスコを知った人にとってはどれも同じ曲に聞こえる恐れもある。

曲の展開や編曲も似ている曲が多い。

流石にシングル曲やアルバムリード曲は他とは違う印象的な部分が多いけれども。

 

これはあえて「pass codeというグループの音楽性はこういう音楽性ですよ」ということをわかりやすく示す目的もあるのかもしれない。

似た曲が多いといっても、このアルバムを通して聴けばpass codeがどのような音楽をやっているグループかは誰しもが理解できるはずだ。

今作は「メジャーデビューしたpass codeの自己紹介的なアルバム」と考えるとリスナーに伝えたい部分はすべて押さえられていると思う。

 

でもね、なんだかんだでpass codeはアイドルグループでもあるわけですよ。

アイドルはバンドがやるような曲はできても、バンドはアイドルのような曲はできなかったりするわけです。

 

例えば、前作のアルバム『VIRTUAL』に収録されていた”ドリームメーカー”。

 

ドリームメーカー

ドリームメーカー

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バックの演奏こそ歪んだギターや激しいドラムがあったりするが、メロディや歌い方や曲調は今作の『ZENITH』にはないものになっている。

これは普段はバンドも顔負けなラウドロックをやっているpass codeが”あえて”やることで曲も引き立っていて、アルバムを通して聴いたときも良いアクセントになっている。

 

 👇こちらはインディーズ時代にリリースした前作。

 今作でもこういった”良いアクセント”になる曲が1曲でも入っていたらアルバムを通しての印象も変わってくるかなと思う。

そのため冒頭で「アイドルファンにはおすすめできないアイドルのアルバム」と述べてみた。

 今作は明らかにアイドルファンではなく普段はロックを聴いているリスナーに向けてアピールするような曲が多いようには感じた。

しかし、前作の”ドリームメーカー”や前々作に収録されていた”kissの花束”のようなアイドルファンにも受け入れられるような曲が1曲でもあればアイドル曲を聴くリスナーをさらにパスコのファンにできたのではとも思う。

 

少し否定的なことも書いたけども、シングル曲やアルバムリード曲はずば抜けてる感じはありますが、全体的に完成度が高いです。

ラウドよりなロックやピコリーモやスクリーモが好きな人はきっと気に入るアルバムだと思います。

 

アイドルからの脱却の決意宣言的なアルバム?

 

ちなみにpass codeはバックバンドを従えての全国ツアーを行います。

13公演と少し長めのツアーです。

バックバンドを従えてのアイドルのツアーでは、公演数が多い方ではないでしょうか。

バックバンドを従えているのにチケット代は3,500円。

これは元がとれるのか心配になる。

 

今ではバックバンドをつけるアイドルは珍しくはなくなりましたが、passcodeの場合は今後ワンマンライブや主催ライブや大きな会場でのライブでは基本的にバックバンドをつけて活動するのではとも思います。

今作のアルバムでいわるゆ”アイドル的な曲”がなかったことと、全国ツアーを比較的安い金額でバックバンドを従えて行うことを考えると、パスコは今後バンドシーンを相手に活動しようとしているのではと感じてしまう。

 

実際にロックフェスにんも出演し爪痕をきちんと残して新しいファン層も拡大しているpass code。

正直、長く活動をしてくと考えると、アイドルシーンで活動していくよりもバンドシーンなど他のジャンルへ活動の幅を広げた方が長期的に考えると良いのでしょう。

 

そのように考察すると、今作はアイドルから脱却しさらに活動の幅を広げるための布石にもなるアルバムで、アイドルからの脱却の決意宣言的な意味も込められているのではと感じます。

そういった意味では新しい方向性へ向かうためのきっかけにもなる極めて重要なアルバムなのかもしれない。

 

今までpass codeを知らなかった人は、pass codeの魅力をしるために。

pass codeを知っている人は新しい方向へ向かおうとしているpass codeの音楽をぜひ聴いてほしいなと思う。