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【ライブレポ・セットリスト】乃木坂46『10th YEAR BIRTHDAY LIVE』Day2 at 日産スタジアム 2022年5月12日(日)

10年前は乃木坂46が日産スタジアムでコンサートをできるとは想像していなかったです。

 

まだ制限がある中でのコンサートでありますが、ぜひ、楽しんでいただけたらと思います。そして、これからも乃木坂46の応援をこれからもよろしくお願いいたします。

 

開演の5分ほど前、注意事項のアナウンスが流れた。この日のアナウンスは乃木坂46の運営責任者である今野義雄が行っていた。

 

普段はメンバーの誰かが選ばれて行うことが多い。運営の代表がアナウンスすることは異例である。10周年という特別なライブの2日目であることや、ルールをしっかりファンに守って楽しんでもらいたいと言う想いから、最高責任者が出てきたのかもしれない。だからかメンバーが出てきた時と同じぐらいに、このアナウンスで観客がどよめいた。

 

日産スタジアムで1日あたり約7万人を動員した、グループにとって過去最大規模のワンマンとなる『乃木坂46 10th YEAR BIRTHDAY LIVE』の2日目。会場の大きさへの興奮だけでなく、特別さが溢れた雰囲気によって、始まる前から会場は熱気に満ちていた。

 

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開演時間を過ぎると5期生から1期生まで加入が新しい順に登場し、期ごとに代表者が1人ずつ挨拶をしていった。特に4期生の遠藤さくらが「まだフレッシュなわたしたちが走り回ります!」と話したことと、1期生の和田まあやが「大人の魅力を見せつけます!」と話していたことが印象的だった。10年間の歴史があるからこそ、1期生と4期生とでは対照的な言葉が出てきたのだろう。

 

キャプテンの秋元真夏が「10th YEAR BIRTHDAY LIVE始まります!」と叫んだことを合図にライブがスタートした。1曲目は『インフルエンサー』。2017年3月にリリースされ日本レコード大賞を受賞した楽曲だ。

 

日産スタジアムの2日目公演は2017年から2022年までの楽曲を中心に披露すると、事前に案内されていた。それもあってか2017年の乃木坂46のスタートと言えるシングル曲から始めたのだろう。44名全員が参加したパフォーマンスは迫力満点だ。

 

最初から演出も壮大で豪華である。まるでグループの10周年を祝うかのようにド派手だ。曲が始まる無数の赤い風船が客席から飛びかい、後半には赤い紙テープがステージから飛び出た。ライブの後半に行うような派手な演出だ。

 

そのままアップテンポの楽曲で盛り上げる展開かと思いきや、次に披露されたのは『逃げ水』。時系列で発表された順にシングル曲が披露された。与田祐希と岩本蓮加がダブルセンターで幻想的なパフォーマンスを繰り広げる。

 

この楽曲は三期生の与田と現在卒業生で同じく三期生の大園桃子がダブルセンターを務めていた。それを引き継ぐように3期生の岩本が大園のポジションに代わりに入った。これからも3期生を思い起こさせる楽曲として歌い継いでいくのだろう。

 

 

 

そして『いつかできるから今日できる』へと続く。メンバーからの10周年についての想いやファンへの感謝の気持ちが綴られた手紙メッセージが、ビジョンに次々と映し出される。その演出にグッとくる。

 

今回は山下美月と賀喜遥香がダブルセンターを務めていた。3期生と4期生の中でも、特に同期を引っ張っている2人だ。元々は齋藤飛鳥と西野七瀬の1期生がダブルセンターだった楽曲だが、それを引き継ぐ形でパフォーマンスされている。今回はグループの歴史を辿るライブではあるが、後輩が引き継いでいくということもライブテーマの1つなのかもしれない。

 

次に披露されたのはアルバム曲の『スカイダイビング』。4曲目でシングルを時系列で続ける流れから変わった。この日は集客数が多いこともあり、シングル曲や代表曲しか知らない観客も少なくはなかったと思う。一般的な知名度は低い楽曲なので、有名曲よりも盛り下がってもおかしくはない。

 

しかし山下美月が「お前ら盛り上がる準備できてるのか!?」煽り、メンバーがアリーナ外周に設置された花道を走り回るので、盛り上がりが爆発していた。序盤で最も盛り上がっていたと感じるほどだ。演出もウォーターキャノンが打ち上げられたりとライブを彩っている。

 

続いて披露されたのは3期生楽曲の『3番目の風』。アリーナ後方のバックサブステージで、中心に集まり華やかに歌い踊る姿が印象的だ。

 

乃木坂46にとって2017年の大きな出来事は、3期生が本格的にグループへ合流したことだろう。だからこそ歴史を辿るような内容の本公演では外すことができない楽曲である。

 

2018年のグループの軌跡を辿る映像が流れると「ライブにかかせない名曲」という紹介されアンダー楽曲の『日常』を披露した。

 

センターは久保史緒里。現在は選抜入りすることが多いメンバーだが、かつての彼女はアンダーでも活躍をしていた。その歴史を感じさせるパフォーマンスだ。さらにアンダー楽曲の切ないバラード『誰よりもそばにいたい』を続けた。アンダーはライブで力をつけてきたと感じる。その経験や成長を日産スタジアムという大きな場所で見せつけていた。

 

わたしたちアンダーにとって、アンダーライブはステージに立つ全員が主役になれる大切な場所です。もっと多くの人にアンダー楽曲を知ってほしいし、ファンの方の熱い応援や、メンバーの魅力も知ってほしいです。

 

未来の乃木坂46を作るメンバーのためにも、わたしたちがこの場所を守り続けていきます。今後もアンダーメンバーの応援をよろしくお願いします。

 

この楽曲でセンターを務めた佐藤楓は、感情を込めながら、少し震えた声で、曲中に語っていた。彼女のグループやライブにかける想いが伝わってくる。

 

ここから再び会場を盛り上げるアップテンポの楽曲が続くいた。『キャラバンは続く』では梅澤美波が「みなさんの近くまで会いにいきます!」と叫んでメンバーが花道を駆け走り、会場の隅々でパフォーマンスして盛り上げる。

 

続く『ジコチューでいこう』もそうだ。会場スタンドに設置されたサブステージを階段で上がり、スタンド2階席の近くまで行って盛り上げていた。

 

齋藤飛鳥は「盛り上がりはそんなもんですか?物足りないなあ!もっとペンライトを振ってください!」と煽っていた。カッコいい。そして激しくペンライトを振り始めたファンを見て「やればできるじゃん///」と言って笑う。かわいい。あまりに素晴らしいパフォーマンスだったので、自分はこの瞬間を無駄にはしないと誓った。

 

梅澤が「一生忘れられない愛をプレゼントします!」と曲中に話した『空扉』も最高の盛り上がりだった。メンバーがトロッコでアリーナ客席を移動するパフォーマンスも取り入れられていて、自分の近くには秋元真夏と齋藤飛鳥がすぐ近くを通った。自分の近くの席の人が秋元に「ズッキュン」されていた。羨ましくて悶える。

 

 

 

MCでは「大きい会場ですが、できるかぎりみなさんの近くまで会いにいきます!」と言ってファンを沸かせ、「乃木坂の野外ライブとしては珍しく雨が降っていません!」と言って喜ぶ秋元。しかし次の曲から雨がパラパラと降り始めた。フラグを立てるのが上手である。

 

しかし雨すらも味方につけるグループだ。『帰り道は遠回りしたくなる』では卒業生の西野七瀬がサプライズで登場し、雨が似合うような幻想的なパフォーマンスを繰り広げる。この楽曲は彼女の卒業ソングだ。久々の西野のパフォーマンスに会場はどんどん熱気が上がっていく。

 

秋元と西野が中心に立ちくるくると回るペアダンスを披露した時は、感動したファンも多いはずだ。そして歌い終ると「いっぱい間違えちゃった...。あとみんなよりスタートが短くて恥ずかしい///」と言って照れた西野の姿には興奮したファンが多いはずだ。

 

2019年の軌跡を辿る映像が流れてから披露されたのは『ありがちな恋愛』。この年にリリースされたアルバム『今が思い出になるまでに』のリードトラックだ。アリーナ後方のサブステージで齋藤飛鳥と山下美月の2人がセンターに立ちクールにパフォーマンスをするする。少しずつ強くなる雨が、楽曲の幻想的な雰囲気をより魅力的に引き出していた。

 

この年の大きな出来事は4期生が本格的にグループに合流したことだろう。それを象徴する楽曲が4期生の遠藤さくらがセンターを務めた『夜明けまで強がらなくてもいい』に思う。当時よりもずっと頼もしい姿でセンターに立ち、日産スタジアムでも堂々とパフォーマンスしていた。

 

しかしこの楽曲では謎の演出があった。大きな羽の形をした布を背負った男性スタッフもステージに出てきたのだ。男性は腰を振りながら布をたなびかせていた。自分の視界は男性と布によって、かわいいメンバーが隠される。メンバーのパフォーマンスは素晴らしかったので問題ないのだが、今でもあのシュールな演出のインパクトが消えない。

 

観客もライブを一緒に作っていることを実感したのは『Sing Out!』だ。サブステージや花道にメンバーが広がり、観客と一緒に手拍子をしながら盛り上がっている。7万人の手拍子は演奏の一部と感じるほどに大きな音で響き渡る。今回のライブで最も多幸感に満ちていたのはこの楽曲だ。

 

そんな空気に満ちた中で4期生が『4番目の光』を披露。この楽曲もサブステージで披露された。最近5期生が入ったこともあり先輩になった彼女たちには初々しさがまだ残ってはいるものの、パフォーマンスにたくましさも出てきている。

 

再び軌跡を辿る映像が流れ、ここからは2020年のブロックに入る。このブロックは3期生楽曲の『毎日がBrand new day』からスタートした。ポップな映像をバックに寸劇を交えたパフォーマンスをしつつ、かわいらしく盛り上げるメンバー。

 

そこからバトンを繋ぐように4期生と入れ替わり、4期生楽曲『I see...』へとなだれ込む。私服風の衣装を着てキュートにパフォーマンスするメンバー。始まった瞬間に空気が変わるのがわかるほどに最初から盛り上がっていた。大きなバズを巻き起こした楽曲ということもあり、この楽曲をきっかけにファンになった人が多いのかもしれない。

 

 

 

 

そして2020年にリリースされたシングル曲『幸せの保護色』が続く。この楽曲は白石麻衣の卒業ソングということもあり、白石がサプライズで出演することを期待したファンは多かったと思う。しかし白石は登場せずに楽曲が始まった。「流石にまいやんは出てこないか」と観客は思いつつ、現役メンバーのパフォーマンスを楽しんでいたと思う。

 

しかし〈悲しくなった時は思い出してほしい〉という歌詞の部分で、ステージ中央の扉を1期生が開けると、そこから白石麻衣が登場した。

 

粋で最高の演出だ。そして乃木坂46の代表曲の1つである『シンクロニシティ』を白石をセンターにして披露。美しく華やかに舞うようなパフォーマンスは、観ていてテンションが上がるだけでなく惹きつけられて見惚れてしまう。

 

予想を超える演出と最高のサプライズで湧き上がった観客だが、コロナ禍に入ってからの活動を追った映像が流れると、空気が重くなった。ライブエンタメは夢の世界に連れていってくれるものでもあるが、今は現実と向き合うものの一つになってもいる。それを実感させるような映像だったからだ。

 

そんな重い空気を『世界中の隣人よ』の包み込むような優しい歌声で癒す。メインステージと花道、サブステージ全体にメンバーが並び心をこめながら歌っていた。曲が終わると「世界中の隣人たちが安心して過ごせる日が訪れるまで 私達は歌い続けます」というメッセージがビジョンに映し出されたのも印象的だ。

 

この楽曲は2020年に緊急事態宣言が発令された時、コロナと戦う人たちへのエールを込めて感染拡大防止を呼びかけるために作られ配信リリースされた楽曲である。この楽曲の収益は全額寄付された。そんな楽曲が発表から2年後、有観客で7万人の前で披露されている。それは少しずつではあるが世界が前に向かっていることを、パフォーマンスによって示しているように感じた。

 

ここからは2021年の楽曲が続く。卒業生が増え世代交代が意識されていた時期である。再びグループの軌跡をまとめた映像が流れたが、その中で3期生以下のセンター経験者がセンターの重圧について語りつつも、グループを引っ張っていく意思を語る姿が印象的だった。

 

そして3期生の山下美月がセンターを務めた『僕簿僕を好きになる』と4期生の遠藤さくらがセンターを務めた『ごめんねFingers crossed』が続く。2人のパフォーマンスからは気迫を感じた。先輩メンバーにも負けないほどに堂々としていた、

 

しかし自身のキャラクターや個性を活かしつつ、センターで伸び伸びとパフォーマンスする姿も魅力的だ。賀喜遥香がセンターの『君に叱られた』では、彼女の魅力が特に引き出されていた。ポップな映像に合わせてキュートに歌い踊っている。そんな賀喜に引っ張られてか、他のメンバーもかわいさが倍増している。そもそも全員が元々かわいいのだから、これはかわいさの暴力だ。

 

そんな可愛さの暴力の後には、美しさの暴力で魅了する乃木坂46。続く曲は『最後のTight Hug』。美しいメロディと優雅なダンスが魅力的な楽曲だ。教会をイメージした映像も美しい。

 

しかも卒業生の生田絵梨花が登場するサプライズまであった。彼女の卒業ソングと言うこともあり、10周年をお祝いに来たのだろう。西野と白石に続いて生田まで出てくるとは観客も思っていなかったはずだ。驚きと感動で会場がどよめいていいた。

 

歴史を辿るように続いてきたライブも、ついに2022年にたどり着いた。まずは加入したばかりの5期生が全員で『絶望の一秒前』をクールにパフォーマンス。特にセンターを務める井上和の動きや表情に凄みを感じた。加入したばかりとは思えないほどに、何かが憑依したかのようなオーラを出している。

 

そして後方のサブステージでアンダーメンバーが『届かなくたって…』を、こちらもクールにパフォーマンスした。乃木坂46はクールさも兼ね備えたアイドルだ。そんなことが伝わってくる。メインステージでパフォーマンスされた『Actually… 』は特に圧巻だった。歌詞が次々と浮かび上がる映像をバックに、特装的なダンスで魅せるメンバーに引き込まれてしまう。

 

センターに立つ中西アルノは、ダンスも表情も素晴らしかった。加入直後にセンターを任せられたことも納得できる才能を感じた。加入前の過去の活動について一部のファンに批判されてはいたが、この場にいた多くの人が彼女のパフォーマンスに魅了され才能を認めたと思う。

 

正直なところ、中西へブーイングするような観客がいないかと、不安に思っていた。しかしその不安は杞憂だった。ファンの全てか彼女を認めているわけではないと思うが、多くの人が今後の活躍や今の頑張りを応援したいと思っているのではないだろうか。パフォーマンス後に会場に響いた盛大で温かな拍手に、そんなことを感じた。これがアイドルを応援するファンとして、正しい姿なのだと自分は思う。

 

乃木坂46の歴史を辿るセットリストはここで終了した。ここからはラストスパートをかけるように年代関係なく人気楽曲や重要な楽曲を続けるサプライズ的なセットリストが続く。

 

 

 

まずはグループの人気を決定づけ、ターニングポイントとなった名曲『制服のマネキン』を披露。

 

この日の公演は2017年から2022年の楽曲を披露するとあらかじめアナウンスされていた。初日も後半は年代関係なく人気曲を披露したようだが、その情報を知らなかった人にとっては興奮が止まらないサプライズだ。

 

そして真赤な照明に包まれながら『世界で一番 孤独なLover』を続ける。観客もペンライトを赤色にして盛り上がっていた。

 

ここでメンバーがそれぞれグループやファンへの想いを語っていく。

 

特に齋藤飛鳥の「最近はメンバーとよく写真をよく取ります。何故か涙が出そうになります。これも続けてきからだろうなと思います」という言葉と、秋元真夏の「こらから後輩が引っ張っていく乃木坂46も、皆さんに愛されるグルーすであって欲しいです」という言葉が印象的だった。

 

そして10周年を記念して制作された楽曲『他人のそら似』を披露。1枚目シングル曲から最新シングル曲までの振り付けを組み合わせたセルフオマージュといえるダンスは、長年応援していたファンほど感慨深く思うのだろう。

 

ライブ定番曲のキラーチューンが連発すると、会場の一体感はさらに増していった。「この曲からはわたし達のシャンプーの匂いが嗅げるぐらい、みんなの近くにいきますよ!」と変態を喜ばせる言葉で齋藤飛鳥が煽ると、観客は湧き上がるような盛り上がりになった。ここには頭皮の匂いを嗅ぎたがる7万人の変態が集まっているようだ。

 

齋藤飛鳥の頭からは「ラックス スーパーリッチシャイン ストレート&ビューティー」の匂いがするのだろうか。自分は残念ながら齋藤飛鳥の頭の匂いを嗅げなかった。

 

 

そんな変態の熱気に包まれる中始まったのは『おいでシャンプー』。メンバーが花道を駆け回ったりサブステージへ行ったりと、会場全体を使うパフォーマンスを繰り広げた。サビで身体を左右に動かすメンバーのダンスに合わせ、7万人の観客がペンライトを前後に振っている景色は圧巻だ。

 

さらに「サイリウムいっぱい振ってください!夏だからやっちゃおおう!」という与田祐希のかわいい煽りから始まった『夏のFree&Easy』と、人気の夏曲『太陽ノック』と連続で披露し、夏かと思うぐらいに会場の熱気を上昇させていく。この2曲もサイドのサブステージや花道でパフォーマンスしていた。これは楽しいに決まっている。

 

まだまだ攻めた楽曲とパフォーマンスを繰り広げるメンバー。「こんなかわいい子たちがここにいるんですけど、もっと応援してくれないんですかあ!?」 と挑発的な煽りをする齋藤飛鳥。挑発に乗ったドMな7万人は湧き上がるように盛り上がる。

 

始まったのは『裸足でSummer』 。花火が打ち上がったりと、演出もどんどんド派手になっていく。この楽曲では観客がサビでタオルを広げて頭上に掲げることが定番の盛り上がり方だ。今回は7万人がタオルを掲げている。その景色は凄まじい。花道やサブステージなど四方八方に散らばりパフォーマンスするメンバーの笑顔も良い。メンバーも景色に感動しているのだろう。

 

この楽曲では一部のメンバーがアリーナ客席をトロッコに乗って移動していた。与田祐希と遠藤さくらが自分の近くの席をトロッコで通った。

 

そして、自分は与田ちゃんから、レスをもらった。手を振ってもらった。あれはたぶんきっと確実に絶対的に自分へのレスだった。これだけでもチケット代の元は取った。与田祐希は最高のアイドルである。

 

最高の盛り上がりと与田ちゃんのレスによる多幸感を作り出してから、ドローンで上空から7万人の観客とメンバーとの記念撮影を行った。そして西野と白石と生田が会場近くのスペースに設置されたモニュメントにいる3人の映像がビジョンに映り、会場と一緒に10周年を記念して巨大ロウソク10本に点火するセレモニーが行われた。

 

秋元が「11年目もよろしくお願いします!」と挨拶しこれで大団円かと思いきや、まだライブは続く。グループにとって特に重要な楽曲が残されていたからだ。

 

 

 

続いて披露されたのは2021年の紅白歌合戦でも披露された『きっかけ』。大所帯のオーケストラによる生演奏をバックに披露された。原曲を超える壮大な演奏と、丁寧に心をこめながら歌う声が胸に響く。

 

そのまま卒業ソングの定番となりファン以外にも知られる曲となった『サヨナラの意味』が続く。こちらもオーケストラの生演奏での披露だ。

 

会場一面のペンライトの色は緑色になっていた。この楽曲は2017年に卒業し芸能界を引退した橋本奈々未の卒業ソングである。そのためこの楽曲には彼女のイメージが強い。だから橋本のメンバーカラーだった緑で客席は包まれたのだろう。卒業したメンバーも10年間の歴史を作ってきた一因なのだ。

 

ここから私たちは新しい1歩を踏み出します。これからの乃木坂46にも、たくさんの希望が訪れるはずです。

 

秋元がゆっくりと話してから始まったのは『君の名は希望』。グループにとって特に大切な楽曲だ。サビではメンバーの動きと同じように、ペンライトをゆっくりと上にかかげる観客。その景色を見ていると、グループの歴史はファンも一緒に作ってきたのだとも感じる。

 

「これからも乃木坂46の応援をお願いします」と言って去っていくメンバー。オーケストラは『君の名は希望』のサビを壮大なインストアレンジで演奏して、彼女たちを見送っている。10年間の集大成であり、未来への希望までも表現したラストパフォーマンスで本編は感動的に締め括られた。

 

そんな感動的な空気は、アンコールで良い意味でぶち壊される。西野と白石と生田が再登場しただけでなく、高山一実と松村沙友理とさらに卒業生がサプライス出演したからだ。

 

スタンドに設置されたサブステージに登り、客関全体を見渡すメンバーたち。そして齋藤飛鳥の「まだ行けますか!大丈夫ですか!?声を出すんじゃないの!!!腕が大丈夫か聞いてんの!腕を上げろ!」という煽りから、白石麻衣による久々の煽りが続き『ガールズルール』をパフォーマンスし会場をブチあげる。

 

久々に花道を走り回り客席に手を振りながらパフォーマンスする卒業生と、いつも以上に輝く笑顔を見せる現役メンバー。もう2度とライブで観ることができないと思っていた共演が目の前で繰り広げられる。さらに『ロマンスのスタート』を卒業生も含めた49人で続けるのだから、観客のテンションも限界突破をしたかのようなブチ上がり方をしていた。

 

現役メンバーと卒業生による2曲のパフォーマンスを終えて、余韻に浸りながらMCをするメンバーと卒業生。それぞれ感慨深そうに客席を眺めながら感想を語っていた。

 

そしてこの日は客席にバナナマン2人が観にきていることを松村が明かすと、関係者席にいたバナナマンをカメラが捕らえ会場のビジョンに彼らが映された。日村はバルシャークのポーズをしていた。

 

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バナナマンはグループ結成当初から乃木坂46と共演してきた。彼らも乃木坂46の歴史を一緒に歩んで作ってきたのだと、改めて感じる。

 

ここで秋元が「みなさんにお知らせがあります!」と告げると、会場のビジョンに映像が映し出された。

 

それは宮本莉帆ちゃん(10)と名乗る女の子が「わたしは乃木坂46が結成された10年前の2月22日に生まれました!」と挨拶する映像だった。会場のところどころでは「誰......?」とつぶやく人がたくさんいる。本当に誰なのか。

 

そんな宮本莉帆ちゃんから、夏に乃木坂46が全国ツアーを行うことが発表された。グループでも関係者でもなく、謎の女の子から重大発表がされた。

 

乃木坂46はまだまだ足を止めない。これからもファンを感動させてくれるだろうし、もっとすごい景色を見させてくれるだろう。そんなことを、宮本莉帆ちゃん(10)の言葉によって実感した。

 

 

最後に歌われたのは『乃木坂の詩』。メンバーもペンライトをファンと同じように振ってパフォーマンスしている。

 

10周年ライブの最後の曲での景色は、ファンと一緒に最高の景色を作ろうとしているように見えた。〈乃木坂の詩 僕らの詩〉という歌詞が、いつも以上に説得力を持って心に響く。

 

やる前は不安でいっぱいでしたが、会場いっぱいに集まったみなさんをみて安心をしました。お世辞でも綺麗事でもなく、ここまで続けて来れたのはみなさんの支えがあったからだと思います。

 

まだまだ歴史を作り続けて、新しい未来を切り開いていきます。困難もわたしたちなら乗り越えられるはずです。

 

11年目も、どうか一緒に歩んでいってください。

 

全41曲約4時間のライブを終えて、最後の挨拶をするキャプテンの秋元真夏。その言葉は「やりきった」という安堵感よりも、今後の未来を見据えているように感じた。

 

過去最大規模のライブではあった。今までの集大成と言える内容でもあった。しかし次のスタートを切るための”きっかけ”となるライブでもあった。

 

これからも乃木坂46は、地に足をつけてちゃんと歩き続けるのだろう。

 

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■乃木坂46 『10th YEAR BIRTHDAY LIVE』 DAY2 at 日産スタジアム 2022年5月15日(日) セットリスト

01. インフルエンサー
02. 逃げ水
03. いつかできるから今日できる
04. スカイダイビング
05. 三番目の風
06. 日常
07. 誰よりそばにいたい
08. キャラバンは眠らない
09. ジコチューで行こう!
10. 空扉
11. 帰り道は遠回りしたくなる
12. ありがちな恋愛
13. 夜明けまで強がらなくてもいい
14. Sing Out!
15. 4番目の光
16. 毎日がBrand new day
17. I see… 
18. しあわせの保護色
19. シンクロニシティ
20. 世界中の隣人よ
21. Route 246
22. 僕は僕を好きになる
23. ごめんねFingers crossed
24. 君に叱られた
25. 最後のTight Hug
26. 絶望の一秒前
27. 届かなくたって…
28. Actually… 
29. 制服のマネキン
30. 世界で一番 孤独なLover
31. 他人のそら似
32. おいでシャンプー
33. 夏のFree&Easy
34. 太陽ノック
35. 裸足でSummer
36. きっかけ
37. サヨナラの意味
38. 君の名は希望

EN1. ガールズルール
EN2. ロマンスのスタート
EN3. 乃木坂の詩

 

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