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川谷絵音の「ひたすら音楽を作っていくことしかない」というツイートが叩かれたことについて想うこと

川谷絵音がまた炎上していた。

 

「少しでいいから殴らせて」と言いそうなツイッタラーによって、想いきり叩かれていた。そんな批判や中傷は受け流しているようだが、これが続いたら彼もそのうち戦ってしまうよ。

 

 

このツイートが批判や批難を呼んでいるらしい。”しか”という表現に「他にもあるだろう」という反論が多いようだ。

 

たしかに極端な表現で勘違いされやすいかもしれない。極端な表現は言葉の持つ強さのせいで、文脈や裏の意味を読み取る人よりも、反射的に極端な受け取り方をする人が多い。

 

実際の川谷絵音は音楽を作る以外のことも行う。音楽だけを作る機械ではない。様々なことを考え、発言し行動する人間だ。

 

彼の全ての考えを、たった140文字のツイッターで表明するとは限らない。他の場で表明するかもしれない。こんな短い文章で人間の本質や考えを全て理解することは不可能だ。

 

そもそも本当に川谷絵音が音楽しか作らないとしても、それは「エンタメが死なないための行動」として間違ってはいないはずだ。素人が趣味で作っているのではなく、プロの人気ミュージシャンが音楽を作るのだから。

 

川谷絵音が音楽を作れば、それをファンに届けるためにレコーディングを行う。それによってバンドメンバーやスタッフの仕事が生まれる。

 

CDがリリースされれば、流通業や販売店の売り上げが発生する。ダウンロードやストリーミングの配信でも売り上げが生まれる。実際に川谷絵音が所属するバンドは、コロナ禍でもアルバムをリリースしていた。

 

新曲やアルバムのリリースをきっかけに、ライブも行われる。彼が所属するindigo La Endやゲスの極み乙女。は、コロナ禍でもライブを行った。無観客の配信ライブはもちろん、感染予防対策を徹底した上での有観客ライブツアーも開催している。

 

Tシャツなどの新しいライブグッズも販売された。その制作や流通に関わる企業や人々にも、仕事や売上を与えていた。

 

川谷絵音が音楽を作るということは、エンタメ業界に雇用やお金が発生するのだ。

 

それにより死なずに済んだエンタメがある。救われたエンタメ業界の従事者がいる。力をもらったファンもいる。それはエンタメが死なないようにするために、重要な活動だった。

 

もちろん音楽以外にできることはあるだろう。

 

例えばロッキンの中止に関して思うところがあるならば、出演する当事者として意見をハッキリ述べることもできた。 政治に対して言及したり、社会的な活動を行うこともできる。

 

特にライブエンタメを業界は、風当たりが強い世の中。影響力があり被害を受けている当事者が、代表し発言し訴えることは大切だ。

 

しかしミュージシャンが「エンタメが死なないためにする行動」として最も即効性があり、直接的に大きな影響を生むのは「音楽を作ること」に思う。

 

それに川谷絵音は〝人として〟様々なことを考え行動しているはずだ。一般の人と同じように、SNSに投稿していることだけが、全ての考えではない。

 

人の思想も思考も感情も行動も、そんなに単純ではない。本人が思いの丈を1万字書いたとしても、3分の1も伝わらない。

 

例えばスピッツがミャンマーに寄付や支援をしていることを自ら公表せず、寄付先のHPでの発表によって知られたように、彼も裏では様々な社会活動やエンタメ業界のための支援や行動をしているかもしれない。

 

「ひたすら音楽を作っていくしかない」という言葉に込められた、裏の意味や意図もあるはずだ。もしかしたら今の世の中では難しい「音楽だけに集中できる環境」を作るための行動をするという、意思表示かもしれない。

 

ひとつの言葉から様々な想像をすることができる。考えることができる。〝文字〟としての意味だけで理解することは危険だ。

 

自分は揚げ足取りのように、一部の表現を切り取り批難することには懐疑的だ。他人の影響力や立場を頼り利用し、思い通りの行動や発言をしないからと叩くことには違和感を覚える。

 

怒りの矛先を間違えてはならない。

 

問題の本質とは関係ない場所や人が叩かれる場面を、最近はよく見る。怒るべき対象を見誤られた結果として川谷は叩かれ、エンタメ業界の従事者やエンタメが好きな人達が身内で、無意味にゴタゴタしていると思ってしまう。

 

 

 

それに川谷絵音は音楽制作以外にも、様々なことを行っている。

 

音楽関係ならば日経エンタテイメントで『ヒットの理由がありあまる』という音楽批評の連載を行っていたし、アーティストのインタビュアーとしても活動している。

 

特にニガミ17才のインタビューは、同業者としての視点で踏み込んだ質問をしており興味深かった。

 

 

最近は美意識が高まったようだ。リンパを流すことの魅力や食生活の大切さについて語り、スキンケアの啓蒙活動をしている。

 

牛丼チェーン松屋の魅力を、頻繁にツイッターで語り宣伝をしている。松屋の非公式広報として頑張っている。

 

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自身のバンドメンバーにも直接クソリプを送り、松屋の布教活動をしている。

 

なお、ほないこかからの返信はなかった。

 

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あと、自宅の掃除を頑張っている。

 

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 このように音楽以外の活動も行なっている。エンタメが死なないように、ツイッタラーとしてエンタメを提供し続けている。

 

言葉の表面だけを受け取らずに、揚げ足取りせずに、彼の活動を見てほしい。様々なことをやりすぎて、むしろ「音楽に集中しろよ」とすら思えてくるから。

 

そもそも彼は気軽に発言できないほど傷ついているのかもしれない。表では強がって「ネットの意見は気にしない」と言っているものの、人間は誰しも常に強くいられるわけではない。

 

以前は後輩で親しい間柄の米津玄師を呼び捨てにしただけで、叩かれ感電していた。

 

 

彼は嫌われバイアスがかかっているのか、何を言っても気に食わないと思う人もいるようだ。逆に米津玄師は「絵音」と呼び捨てしても、気に留める人はいなかった。しかし「川谷絵音と関わるな」と怒る米津ファンはいた。

 

かわいそうである。相手を選んで叩く人もいるのだろう。今回の炎上も少なからずそれが影響していると思う。

 

野田洋次郎や後藤正文のように、想いや意見をわかりやすく長文で発信できるアーティストは素晴らしいと思う。尊敬できるし信頼できる。

 

しかし後輩を呼び捨てにしただけで炎上する川谷絵音が、デリケートな問題についてSNSに意見を投稿することは難しいだろう。どれだけ精神的に強くても傷つく可能性が高い。自分が彼の立場なら、恐ろしくてツイートなんてできない。

 

自身の心を守ることが最優先だ。自分が死なないようにすることが最重要だ。発信することには責任も伴うし、傷つくこともある。誰もが簡単にできるわけではない。外野が簡単に気軽に背負わせられる問題ではない。

 

 

マキシマム ザ ホルモンのナヲはロッキン中止について「甘いものを食べることで昇華させるしかありません」と語っている。

 

彼女も”しか”という表現を使っているのだが、誰にも叩かれず炎上することもなかった。川谷絵音と何が違うのだろうか。

 

決してナヲを批判すべきと言っているわけではない。むしろ批判する部分など存在しない。彼女に対して「他にもあると思うが...」などと、謎のツッコミをするつもりもない。甘いものをたくさん食べて、心を落ち着かせてほしい。

 

だからこそ自分は今回の川谷絵音への批難や批判は揚げ足取りで、サンドバッグにしやすい相手を選んだ上での攻撃に見えてしまうのだ。批判や意見ではなくネットリンチに思ってしまうのだ。

 

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しかし煽った絵音による自業自得な部分はあるので、全てに同情はできない......。

 

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