2021-06-30 YOASOBIがロッキンのトリに抜擢されたことについて個人的に想うこと YOASOBI ROCK IN JAPAN FESTIVAL コラム・エッセイ YOASOBIがロッキンのトリを務めることについて 邦ロック界隈のSNSが荒れていた。騒がしい日々に笑えない君が荒れたツイートをしていた。 ROCK IN JAPAN FESTIVAL2021のタイムテーブルが発表されたからだ。どうやら8月8日(日)のトリがYOASOBIであることに驚いていた人が多いようだ。 YOASOBIは有観客でライブを行ったことがない。ロッキンのステージが初の有観客ライブになる予定だ。 日本最大の音楽フェスの、最も大きなステージ。多くのアーティストにとっての憧れの舞台。ライブを積み重ね実力をつけ評価を受け、ようやく認められここに立てるパターンが多い。 YOASOBIはそのパターンとは違う流れで人気になり、ロッキンのグラスステージに立つ。 彼らはソニーのプロジェクトとして結成されたユニットで、お金と時間をかけて戦略的にマーケティングした結果、インターネットのバズをきっかけに人気を獲得した。 今までフェスの大舞台に立ったアーティストとは、全く違う手段で結果を出しているのだ。 邦ロックファンは「泥臭い活動を続けて大人に媚びず、人気と評価を獲得していくバンド」を好んでいる人が多いと感じる。音楽の魅力だけでなく、そういった物語も求めているのではと思う。 一部のベテランを除いては、少しずつステージを大きくしてフェスのトリにたどり着く姿に、美学を感じ感動している人も多い。自分もそれに胸が熱くなることもある。 YOASOBIはそれとは真逆だ。大人に媚びているわけではないが、プロの匂いがプンプンする。 オールナイトニッポンでは陽キャな雰囲気を漂わせ、2人でイチャイチャ喋っている。Ayaseが羨ましい。気軽に「ikuraちゃん」と呼んでいて妬ましい。邦ロックファンが好むアーティストのキャラとはかけ離れている。 たまに「ikuraさん」と呼んでいるのも、むしろ距離感の近さが伝わってきて僻んでしまう。ぴえん🥺を楽しそうに持っている姿にも嫉妬する。見ているこちらがこちらがぴえん🥺な気分になる。 きっとYOASOBIのトリに批判的な人も、ぴえん🥺な気分になっているのだろう。特にトリの常連であるASIAN KUNG-FU FENERATIONや[Alexandros]のファンは、ぴえん🥺を超えてぱおん🐘になっているはずだ。 アジカンは2021年が結成25周年の記念イヤーである。人気も実力兼ね備えているし、彼らがトリを務めるには絶好のタイミングだ。 [Alexandros]もデビュー10周年イヤーを終え新メンバーも加入して、バンドの空気感もベストな状態になっている。彼らのトリに期待するファンも多かった。 実際はそんな期待と予想を反して、初出演のYOASOBIがトリを務める。今までフェスを支えたベテラン実力派バンドを、人気と話題性とikuraの可愛さで、夜を駆けるように下克上した感じ。批判的な人がいることは当然かもしれない。 しかしだ。時代は変わる。音楽が聴かれる環境や評価される基準は、良くも悪くも変化する。残念ながら生で音楽を鳴らす現場から成り上がる時代は、終わってしまったのかもしれない。 そんな時代の変化を敏感に捉え、現在トップを走っているのがYOASOBIだ。2021年の音楽シーンで重要なアーティストを、2021年の音楽フェスで重要なポジションに抜擢することは、時代の流れとしては当然である。 音楽フェスへの貢献度だけでトリを決めてはシーンの成長も変化も起こらない。それは長い目で見るとマイナスな影響が大きいかもしれない。 ベテランは広い心で若手をフックアップしても良いのかもしれない。そしてYOASOBIは「生のライブ」の大切さと大変さを知ることで、さらに飛躍するきっかけになるだう。ネットで爪痕を残すだけでなく、リアルでも感爪痕を残すかもしれない。 もしもYOASOBIのトリに否定的な考えを拭うことができないならば、「お手並み拝見」ぐらいの気持ちで迎え入れてあげても良いと思う。それにベテラン勢はどんな立場やポジションだとしても、素晴らしい演奏をしてくれる実力と経験を持っている。 話題の超人気新人アーティストの前に出演するロックバンドなんて、絶対に熱いライブをやって爪痕を残すはずだ。いつもと違う環境での推しバンドのライブを、楽しみに待っていてもいいのではと思う。 トリでなくともアジカンは夜を超える素晴らしい演奏をするだろうし、ドロスはどの時間帯でもスターに感じる貫禄を見せつけるはずだ。トリのYOASOBIは夜を駆ける最高のライブをやると期待したい。 そういえば台風で中止になったものの、中村一義も初ライブがロッキンのグラスステージのトリになる予定だった。 むしろ世間的な知名度も人気もなかったので、YOASOBI以上に謎の大抜擢だった。前例はあるのだから、YOASOBIの抜擢を批判する理由はないのかもしれない。 そもそも今は中村一義の存在を知らない人が多いのだろうか。それならば悲しすぎて、ぴえん🥺超えてぱおん🐘 【Amazon.co.jp限定】怪物 / 優しい彗星 (期間生産限定盤) (メガジャケ付) アーティスト:YOASOBI SME Amazon