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【文字起こし】クリープハイプ尾崎世界観とUNISON SQUARE GARDEN田淵智也が影響を受けた音楽について

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クリープハイプ尾崎世界観がパーソナリティのTBSラジオ『ACTION』でUNISON SQUARE GARDEN田淵智也がゲスト出演し「思春期の頃に影響を受けた音楽」について語っていた内容を文字起こししました。

 

 

最近の田淵智也について

 

尾崎 久しぶりですね

 

田淵 お久しぶりです

 

尾崎 全然会ってないよね

 

田淵 会ってないですよ。僕が連絡しないのも良くないかもしれないけど、尾崎さんも連絡くれないし

 

尾崎 待ってるんだよ。こっちは

 

田淵 そういう待つだけの態度で良いんですかね?尾崎さんはTBSラジオの人みたいな感じに僕の中でなっちゃってるから、やっぱり「芸能の人」ってすごく感じるので

 

尾崎 なんでだよ!

 

田淵 僕から歩み寄るには緊張するし、すごく勇気がいるんですよね

 

尾崎 俺にメール送ると画面がピンクに光るよ。ボワンとね

 

田淵 なんですか?それ?

 

尾崎 今の時点でオープニングトーク聞いてくれてないのわかるからね

 

田淵 ごめんなさいごめんなさい

 

尾崎 (南海キャンディーズの)山里さんがよろしくと言っていました

 

田淵 恐縮です。TBSラジオの人々

 

尾崎 なんなのその言い方(笑)よくないよそういうの(笑)

 

田淵 心が引きこもっちゃってね

 

尾崎 本当に。自粛しすぎなんだよあんたは

 

田淵 やっぱ人と話すのが上手じゃないから。話さなくなってくると特に

 

尾崎 そういう人は自粛させちゃダメだよ。ソーシャルディスタンスしすぎなんだよ

 

田淵 (リモート出演なので)僕行きたかったなTBSラジオ。アクリル板見たかった

 

尾崎 あとで写真送りますよ

 

田淵 横にもあるんでしょ。それ見たかったんですよ。メール渡すときは下からスッと渡すんでしょ?

 

尾崎 詳しいな

 

田淵 安住さんのラジオで聞きました

 

尾崎 田淵くんとは一つ年が離れていて、尾崎世界観が一つ上なんですけど、プライベートでも飲みに行ったりしていますね。田淵くんは今は何をやっているんですか?

 

田淵 そうですねえ。音楽でワクワクすることをやるのが生きがいみたいなところあるから、こういう期間でも音楽でワクワクすることは色々と思いつくんですけど、世に何か出すって時は一人ではできないので、思いつくだけ思いついて、思いついたままって感じです

 

尾崎 モチベーションは保てるの?アウトプットや出口が決まってないのに曲作れたりとかする?

 

田淵 ユニゾンに関しては今年の玉は全て作り終えたんで。自分の中で。これ以上新しく作るという感じでもなかったので。別に出口があるかは関係ないというか

 

尾崎 米みたいに自然と植えて収穫してるというスタンス

 

田淵 例えがすごい!TBSラジオACTION!

 

尾崎 やめてよ(笑)

 

田淵 普通に生活している家族のリスナーにも届けるような丁寧な生活情報を交えて

 

尾崎 うるせえな(笑)

 

田淵 交通情報を届けたいという気持ちというか

 

尾崎 交通情報は届けると決まってるんだよ!

 

田淵 流石です。尾崎さん本当に凄い人になりましたね

 

尾崎 本当にこの人は心のアクリル板が凄いんだから(笑) 分厚いから。曲自体は作っているの?

 

田淵 ユニゾンに限らず色々と作れる対象はあったりするので作ってますね

 

尾崎 俺、歌詞が出てこないんだよ。出てくる?今の状況で?

 

田淵 僕は全然影響ないですね。もともと生活を反映しようとは思ってないので。確かに尾崎さんみたいな作り方だと外の世界が見れないと影響ありますよね

 

尾崎 外の世界との摩擦で刺激を受けて作ってたから

 

田淵 そうですよね。僕は心まで自粛してはいけないと思っていて、もちろんお年寄りの人は筋力が弱って歩き辛くなったりするし。ワクワクすることをしないと心の健康が保てないと思っていて。友達とオンライン飲み会をするだけでも保てるんですけど、モチベーションを保つためには自分の心の健康が下がらない努力が必要に思っていて。それは家から一歩も動くなということではないと思っていて。散歩はするし日光は浴びるし。人と話すこともそうだし。自分は音楽を作ることが趣味みたいなもので、だから作ってるときはとにかく楽しいし。心が落ちていくことを敏感に気づいて、そうならないようにする努力をしないとと思っています

 

尾崎 そんな田淵くんと今日は90年代後半から2000年代前半の今オススメしたい音楽について話していきたいと思います。最近ね、昔の音楽を聞き返してるのよ。サブスクとかでね。改めて自分の思春期の頃や音楽やり始めた頃に聴いていた音楽ってかっこいいんだなと思って。それは田淵くんも同じだと思うから話していきたいと思います。

 

GO!GO!7188『こいのうた』(尾崎世界観の紹介)

こいのうた

こいのうた

  • GO!GO!7188
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

尾崎 聴いていただいているのはGO!GO!7188『こいのうた』です。田淵くんはこの歌知ってますか?

 

田淵 知ってます。有名ですよね

 

尾崎 有名だね

 

田淵 コピーバンドとかでよくやってますよえ

 

尾崎 そうだね。女子高生とかがね。学祭で

 

田淵 そうですよね。女子でもかっこいいバンドがいるんだっていう象徴みたいなバンドでしたもんね。これはいつですか?

 

尾崎 これね。日比谷の野音でスペシャが野音でSWEET LOVE SHOWERをやっていて。俺はBUMP OF CHICKENが出演していて、その音漏れを友達と聴きに行こうと思ってたんだけど、行ったら終っちゃてて。当時はTwitterとかSNSがなくていつ出るかわからなかったから。「BUMP終わっちゃった」と思いながら日比谷公園で友達とダラダラとベンチに座ってすごしてたら、その時に流れてきて「なんだこの良い曲は!」と思って。当時はまだリリースされてなくて新曲としてやってたんだけど、遥か離れた公園のベンチで音漏れを聴いただけで良い曲だとわかるってすごいことだなと

 

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田淵 そういうの忘れないですよね。自分の世界が変わるような体験。

 

尾崎 忘れないね。だって正直クリープハイプにそんな曲ないもん

 

田淵 あるでしょ。それはクリープハイプファンに聞いて見なさいよ。一人ひとりに

 

尾崎 一人ひとりに?調査してみる?

 

田淵 「いつクリープハイプ 知りましたか?」って聞いたら一人ぐらいは音漏れっていますよ

 

尾崎 チケットなくて音漏れ聞きに行ったことある?

 

田淵 ないかも

 

尾崎 日比谷の野音とかよくいるよね

 

田淵 そうですよね。聴けちゃいますもんね

 

尾崎 自分のライブで音漏れ聞きに来てくれた人がいるって知ったときはすごい感動した。自分が昔音漏れを聴きに行ってたから

 

田淵 良い話

 

尾崎 続いて田淵くんのおすすめ聴いて見ましょう

 

 

SURFACE『なにしてんの』(田淵智也の紹介)

なにしてんの

なにしてんの

  • SURFACE
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

尾崎 この曲、ユニゾンっぽいところあるね。

 

田淵 そうですか。なんですかね。ポップスとしてのふざけ方の塩梅が好きなのかなと。あとこのシングルがたぶん4枚目なんですが、ファーストアルバムに向かうまでの4枚目なんですけど。で、毎回シングルが良い曲だなと思って。それで興味を惹きつけられてアルバムを買うじゃないですか。そのアルバムまでの流れが良かったんですよね。僕は1曲ずつの良さというよりは、アルバムの流れを大事にして音楽を作っているんです。そのアルバムを買いたくなる流れとして美しかったんですよね。「毎回このバンドのシングル、良い曲だな」って。それって今の音楽の聴かれ方と違っている気がしていて。

 

尾崎 アルバムという認識が薄いのかな。サブスクとかあるから、単曲で伝えていくっていう。手軽に配信リリースできるし

 

田淵 「1曲良かったから、次のリリースが楽しみ」というのがそんなに今は無いかもしれないですね。

 

尾崎 曲単位でリスナーも向き合ってるかもね

 

田淵 2010年代ってYouTubeの時代でしたけど、そこで1曲聴いたとしてその半年後のリリースの曲を聴いてもらうにはちゃんと宣伝しなきゃいけないみたいなところもあったりするから。それでいうと90年代の聴き方はアーティストの次のリリースを楽しみにする聴き方だったなと思いますね。

 

尾崎 サビの後半とか田淵君っぽいよね。そのまま終わってもいいんだけど、もう1品出してくれるみたいな。〈人の目ばっかり気にして損でしょ〉のメロディをあげるところとか。こういうちょっとした気遣いがリスナーを惹きつけるのかなと思うけど、こういうところが引き継がれているのかな聴いてて思ったりして

 

田淵 この頃ってプロデューサーの助言もあって、ものすごくJ-POPに適した曲の作り方をしていたそうで。イントロが短いとか、テレビノリの良い作られ方をしていて、そこからの影響はあるかもしれないですね。

 

 

cune『リフレイン】(尾崎世界観の紹介)

リフレイン

リフレイン

  • cune
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

尾崎 これは知ってる?

 

田淵 知ってます。これは尾崎さんの中ではロックバンドという認識で知った感じですか?

 

尾崎 そうだねえ。でもゴリゴリのバンドではなかったかな

 

田淵 聴いてて思ったのが、クリープハイプに通じるものがあるなと思って。ロックバンドとして出てくるメロディがロックバンド的でなくて歌謡曲的要素が強くて、それがクリープハイプの持っているメロディの哀愁性と近いものがあると思っていて。メジャーキーで明るい歌を歌う人じゃないじゃないですか。尾崎さんも。マイナーキーだとロックバンドだともっとハードな感じに行きがちなんですけど、メロディがすごくキャッチーなのでゴリゴリにも感じない、ロックとも突き切らなみたいな。歌謡曲としても成立するというのはクリープハイプに近いところがある気がします

 

尾崎 すごい影響受けてて。このバンド大好きで。やっぱり声がメロディに呼ばれている感じがするというか。完璧なのよ。過不足がなくて。

 

田淵 この頃ってこんなにハイトーンなボーカルって珍しかったですよね。僕は尾崎さんの影響で世の中がハイトーンのボーカルが増えたと思っていて。最近はデフォルトで声が高い人がすごく多いじゃないですか。僕の見立てだと尾崎さんやKANA-BOONの鮪君あたりから時代が始まったんじゃないかなと思います

 

尾崎 でも最近はまたちょっと低くなってきてもいるよね

 

田淵 あ、そうかも

 

尾崎 「切ない」っていう表現って日本独自のものだと思っているんだけど、この曲は1から10まで全部切ないじゃん。そういう曲を作りたいってずっと思ってたなぁ

 

 

ゆず『てっぺん』(田淵智也の紹介) 

てっぺん

てっぺん

  • ゆず
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

田淵 これは今日ラジオに出演することもあって、ラジオと自の関係性は何だったかを思い出したんですけど、この曲は深夜に起きた時に流しっぱにしていた『ゆずのオールナイトニッポンR』のお別れ間際のスタジオライブでやっていて

 

尾崎 やってたねえ。たまにCDになってない曲やるんだよ

 

田淵 そうそう。スタジオライブでやった曲が別のアレンジになってCDで出たりして。

 

尾崎 放送を撮ってたよ。テープに

 

田淵 そうそう。撮ってた。カセットウォークマンの付属マイクをラジオのスピーカーにあてて録音してた。ラジオから流れてきた曲が自分を変えてくれるみたいな。さっき尾崎さんがしてたライブの音漏れの話に近くて。あと曲作りにおいても「コードってこういう感じで覚えればいいんだ」ってわかって

 

尾崎 それは俺も同じなんだよ。ゆずのコード進行でいまだ曲を作ってる。G→D→Em→Em →C→G→Am7→Gっていう岩沢厚治さんがよく使うコード進行を基本的に使って曲を作ってるからね

 

田淵 だから僕も「曲ってどういう風に作ってるんだろう?」ってやってる時に「こうやれば作れるんだ」とゆずを聴いて思ってギターを辞めてるんで。曲の作り方はゆずから教わって、後はその派生形でやってるみたいなところある

 

尾崎 でもユニゾンを普段聴いてるファンの人たちは、まさかゆずからとは思わないよね

 

田淵 まあ専門的な話ではないんですけどね。キーが何だとかAのコードだったら次に使っていいコードはこうでとか超初歩的な話で。きっと他の曲を解析しても同じかもしれないですけど

 

尾崎 でも歌本とか見て意外とみんな曲作りって近いんだと思ってびっくりしたよ。もっと途方もないと思っていたから

 

田淵 そうそう。俺でもできるじゃんと思って

 

尾崎 でもそれが難しいよね。自分が良いと思わせることが出来てるかと考えた時に、それは出来てないんじゃないかと思うし。簡単に作れると思ってもらえることがいかに難しいかだよね

 

田淵 そうですね。確かに。バンドじゃないってことも大きかったかもしれないですけどね。ギター1本で曲ってできてるんだってことも分かり易かったのかもしれない。当時は特に

 

尾崎 そうだよね。中身が透けて見えてるというか。難しそうなんだけど、中身がスケルトンで曲作りが見えているというか

 

田淵 そうですね。路上ライブのブームの走りみたいなところもあったから。普通に路上とかでアーティストの人ってライブやるんだっていう。そういう身近に感じるきっかけもゆずが強かったように感じるな

 

尾崎 それもラジオという身近で等身大のトークをした後にスタジオ生ライブってのが良かったよね。田淵くんと俺も同じなんだ。なんか恥ずかしいね///

 

田淵 照れちゃいますね。心のアクリル板がなくなっちゃいますね///

 

尾崎 なくなっちゃうね/// まだ曲があったけど盛り上がりすぎて時間が来てしまった。楽しいですね。第二弾もやりたいぐらい。

 

田淵 尾崎さんと話すの久しぶりなので

 

尾崎 嬉しいのか嬉しくないのか教えて

 

田淵 めちゃくちゃ嬉しいですよ。僕は勇気が出ず連絡しづらいのもあるし。そんな中ラジオでは「よく飲みにいく」みたいなこと言っていて、最近行ってないのに。尾崎さん、そういうこと言うんだって思って

 

尾崎 うるせえなお前は!飲みに行きましょう(笑)

 

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