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【Mステ】ミュージックステーションが生放送を中止し放送した総集編を残念に思った

Mステの生放送中止

 

新型コロナウイルス感染拡大のためミュージックステーションの生放送が中止になった。4月いっぱいは過去のVTRを放送したり総集編で対応するらしい。

 

個人的には判断を支持するし納得ができる対応だ。スタッフや出演者の安全を考慮するならばベストに思う。対応のために過去のVTRを編集したスタッフの対応にも頭が下がる想いだ。

 

そんな「生放送ではないMステ」の第一回目が4月17日に放送された。

 

総集編ではあるが放送を止めない判断には感謝をしている。音楽を止めないように配慮してくれたMステスタッフには、音楽への愛があるのだと思う。

 

しかし自分が観た感想としては疑問に感じる部分が多かった。以前行なっていた高校生のダンス企画や、無駄な一般人アンケートや、準レギュラーになっているToshIにオリジナル曲ではなくカバー曲ばかり歌わせることよりも疑問だった。

 

これは「音楽番組」ではなく「情報番組」だと思ってしまった。

 

音楽よりも情報を詰め込んだ編集

 

4月17日の放送では『春うた30年のベストヒストリー』をテーマに、30年分の出演者の大量の映像と楽曲が紹介された。

 

超人気アーティストのデビュー当初の映像や、ベテランバンドの若手時代の映像など貴重な映像も多かった。通常放送では紹介されることがないであろう音楽もあったと思う。

 

しかし音楽を楽しめるような編集ではなかった。

 

1曲ごとの紹介時間は短い。サビだけしか映像が流れないアーティストも多かった。曲が流れている間はナレーションが楽曲についての解説や時代背景について説明をしている。そのため「音楽」よりも「情報」がメインの編集になっていた。

 

3月以降の音楽業界の動きについての解説や、新しく収録したであろうコブクロやサカナクション山口一郎などのアーティストコメントも流していた。インスタライブで演奏したりと自粛期間の活動を紹介していたが、その際も映像や演奏に被せるようにナレーションが解説をしていた。

 

音楽の知識や情報を求めている視聴者ならば、今回の放送は素晴らしく思えたはずだ。しかし自分はMステに求めているのは、アーティストによる最高のパフォーマンスと素晴らしい音楽だ。

 

4月13日にはTBSテレビの『CDTV ライブ!ライブ!』も生放送を中止した。その代わりMステと同じように過去のライブ映像を総集編にして放送したのだ。Twitterと公式HPの応募フォームを利用して視聴者からリクエストを募ることで放送楽曲を決めたようだ。

 

 

放送では映像に解説は一切なかった。ひたすら過去のライブ映像を流し続けた。こちらは「音楽」をしっかり届ける編集で総集編を作っていた。

 

MステもCDTVもプロとしての仕事を行なったと思う。こだわりの部分が違ったので、同じ音楽番組でも印象が違うのだ。CDTVは「音楽を届けること」にこだわり、Mステは「音楽の情報を届けること」にこだわっている。

 

しかし自分は音楽番組には「音楽の魅了を伝えてくれること」を求めている。「情報を知ること」ではない。今回のMステの編集は自分の感性には合わなかった。 

 

 

リモートで生放送はできないのだろうか

 

ミュージックステーションは自分にとって大切に思っている音楽番組ではある。

 

多くの音楽に出会わせてもらえたし、音楽の素晴らしさを教えてもらった。思い出もたくさなる。今でもt.A.T.u.のドタキャンと代打のミッシェルガンエレファントの最高の演奏は忘れていない。たぶん一生忘れないぐらいの衝撃だったし興奮した。エビ中が『なないろ』を歌った放送もフジファブリックが『若者のすべて』を歌った回も忘れることはない。

 

生放送でアーティストのパフォーマンスを観れることも好きなのだ。t.A.T.u.のドタキャンのようなトラブルもあるが、それも含めて楽しい。ライブ会場に行かずとも、生のライブを体感している気持ちになったこともある。

 

そんな「生放送」の強みを生かすことはできないのだろうかと思う。

 

4月17日の総集編ではライブや番組出演が中止になったアーティストがインスタライブで弾き語りなどを配信していると紹介していた。それと同じようにテレビでもリモート出演でアーティストが音楽を奏でる機会を作れないのだろうか。

 

 

 奥田民生は公式YouTubeチャンネルで『カンタンテレタビレ』という番組をスタートした。

 

ビデオチャットをアプリを使用し、ゲストとトークと演奏を行う番組だ。第一回では斉藤和義と寺岡呼人とともにセッションを行なった。斉藤和義『歩いて帰ろう』奥田民生『恋のかけら』カーリングシトーンズ『涙はふかない』の3曲をリモートでセッションを行なった。現在第三回まで配信されているが、毎回ゲストとリモートでセッションをしている。

 

 

lyrical school はメンバーが自宅からのリモート配信で、40分ぶっ続けのライブをYouTubeで配信した。離れた場所とは思えないようなグルーヴを感じる。

 

アーティストが自分発信で工夫することで音楽を届けてくれている。離れた場所で演奏したとしてもライブのような生々しさを感じるパフォーマンスはできる。逆境を逆手にとって新しい方法で伝えてくれているように思う。

 

できることならばテレビでもこのような映像を観たい。

 

ネットよりもテレビの方が影響曲がある。Mステの平均視聴率は7〜8%。現在の日本の人口は約1億2千万人なので、毎週800万人以上が同時に視聴しているということだ。ネット配信ではこれほどの視聴数を一回で稼げるコンテンツはない。

 

テレビで音楽を届けることで、より多くの人に元気を与えられると思う。それが生放送ならば、同じ時間を共有することでの感動もあるはずだ。

 

自分はMステの生放送を観て、なんども音楽に感動した。もしかしたら今までにはない緊急事態だからこそ「生放送」の強みを生かせるのではないだろうか。Mステは多くの人に音楽の魅力を伝えてくれた番組だと思う。音楽の情報を伝える番組ではなかったはずだ。

 

もちろんリモートでの生放送は難しいことだと思う。トークではなく演奏となると音響面も難しい部分があるかもしれない。視聴者としてのワガママではあるが、Mステには歴史のある人気音楽番組として、このような時だからこそ「生放送」で音楽を多くの人に届けてほしいと思う。

 

これが難しいのならば、解説はいらないので過去のライブ映像を流してくれるだけでも問題ないです。解説は、いらないです.......

 

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