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乃木坂46の新曲『I see...』が「SMAP感がある」と言われる理由を真剣に分析・考察してみた(歌詞・レビュー・感想・評価)

SMAP感があるとはどういうことなのか?

 

乃木坂46の新曲『I see...』が話題になっている。

 

この曲はシングル表題曲ではない。新曲『しあわせの保護色』のカプリング曲だ。知名度がある人気メンバーは参加していない曲なので話題性はそれほどないはずだった。

 

しかし『I see...』がSNSを中心にバズった。ファン以外の多くの人にも楽曲が届いている。

 

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「SMAP感がある曲」として話題になっているのだ。楽曲の持つ特徴がSMAPの楽曲に似ていることでバズっている。多くの人が「SMAP感があること」に共感し楽曲の魅力を感じているのだ。

 

自分も聴いてみた。たしかにキーを変えればSMAPが歌っても違和感がないように感じた。自分が聴いたことのあるSMAPの楽曲に似ているような気がする。それだけでなく楽曲としても作り込まれていてクオリティが高い。純粋に良い曲だ。話題になる理由も理解できる。

 

しかしだ。聴いていて不思議な気持ちにもなった。

 

SMAPの楽曲は複数の作曲家が関わっている。ジャンルも幅広い。それなのに「SMAP感のある楽曲」が存在していることを不思議にも思うのだ。それを多くの人が受け入れて共感していることも不思議に思うのだ。

 

この「SMAP感」の正体が気になる。SMAPに関しては全曲を知っているわけではないが、自分なりに「SMAP感」の正体を知るために、自分なりに徹底的に分析と考察をしてみた。

 

 

代表曲からは感じないSMAP感

 

1位 世界にひとつだけの花

2位 夜空ノムコウ

3位 らいおんハート

4位 SHAKE

5位 青いイナズマ

6位 俺たちに明日はある

7位 セロリ

8位 ダイナマイト

9位 がんばりましょう

10位 たぶんオーライ

(SMAPのシングル売上ランキング | ORICON NEWS)

 

上記はSMAPの歴代シングル売上ランキングの上位10曲だ。

 

ファン以外でも知っている曲ばかり。この10曲だけでもジャンルの幅広さを感じる。少なくともミドルテンポからスローテンポの上位3曲と『I see...』を比べて「SMAP感がある」と話題になったわけではないと思う。楽曲の系統が違いすぎるからだ。

 

『SHAKE』や『ダイナマイト』 などのアップテンポな楽曲と比較して「SMAP感がある」と話題になっているのだと思う。

 

「SMAPの代表曲は?」と聞かれたら『世界にひとつだけのはな』と答える人が多いかもしれないが、「SMAPぽい曲は?」と聞かれて思い浮かぶのは『SHAKE』などアップテンポの楽曲ではと思う。

 

もしも『夜空ノムコウ』に近い系統の楽曲が出てきたとしたら、世間は「SMAP感がある」と感じるのではなく「夜空ノムコウに似ている」と感じるのではないだろうか。

 

『i see...』が「SMAP感がある」と評されていることから仮定すると、世間はアップテンポで元気な曲の方に「SMAP感」を感じるのだと思う。

 

ではなぜアップテンポの楽曲の方に「SMAP感」を感じるのだろうか。それにはフジテレビで放送されていた人気番組『SMAP×SMAP』が影響している可能性が高い。

 

SMAP×SMAP

 

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1996年からフジテレビで放送された『SMAP×SMAP』は日本のバラエティ番組視聴率歴代8位の記録を持っている。放送期間は20年を超えフジテレビの歴代番組で四番目に長い放送期間だった。

 

日本を代表する人気バラエティ番組だ。ファン以外の多くの人にも視聴されていた。SMAPが国民的アイドルになった理由の一つが『SMAP×SMAP』が放送されたことに起因している。

 

番組ではSMAPの楽曲がテーマソングになっていた。シングル売上ランキング上位10曲の中では『夜空ノムコウ』『SHAKE』『青いイナズマ』『ダイナマイト』がテーマソングとして使われている。

 

初回から視聴率が22%を超える人気番組だった。SMAP自体の人気が上昇している最中だったこともあり番組も注目されたのだと思う。

 

前半はバラエティ企画やコントを行い、後半はゲストを招いた歌のコーナーがある。自然と音楽にも注目される構成になっていた。そのためテーマソングと使われていた楽曲が印象に残りやすかったのだと思う。

 

番組の通常放送では1996年〜1998年の期間と、2000年〜2001年の期間が高視聴率を記録することが多かった。

 

『青いイナズマ』(1996年)

『SHAKE』(1996年)

『ダイナマイト』(1997年)

『Peace!』(1997年)

『Let It Be』(2000年〜2001年) 

 

高視聴率が多かった期間にテーマソングとして使われていた楽曲がこの5曲だ。そのためテレビでSMAPに触れていた人たちが思い描く「SMAP感」はこれらの楽曲のイメージかもしれない。5曲ともアップテンポで明るい曲であることは共通している。

 

しかし『Peace !』と『Let It Be』は世間のイメージする「SMAP感」とはズレがあるかもしれない。

 

SMAP歴代シングル売上ランキングで『Peace!』は24位で『Let It Be』は31位である。この2曲はCDが売れていた時代でSMAPもヒット曲を連発していた時代の楽曲なのに、ヒットに繋がっていないのだ。もちろん楽曲は優れているとは思うが、ファン以外には届きにくい楽曲だったのかもしれない。

 

そのため『Peace!』と『Let It Be』は除外し、残りの3曲を「SMAP感のある楽曲」と仮定して検証していこうと思う。

 

 

スマスマのテーマソングの共通点

 

下記は高視聴率時期のSMAP×SMAPテーマソングで、作詞作曲編曲を行なったミュージシャンの一覧だ。

 

『青いイナズマ』 作詞:森浩美 / 作曲:林田健司 / 編曲:CHOKKAKU

『SHAKE』 作詞:森浩美 / 作曲:小森田実 / 編曲:CHOKKAKU

『ダイナマイト』 作詞:森浩美 / 作曲・編曲:小森田実

 

森浩美、CHOKKAKU、小森田実、の三人は複数の楽曲に参加していることがわかる。彼らが「SMAP感」を生み出すことに大きく貢献しているのかもしれない。特にCHOKKAKUはアルバム曲も含め数十曲にもわたりSMAPの楽曲に関わっている。

 

楽曲提供者によっての癖や個性もある。

 

例えば『青いイナズマ』と『SHAKE』は作曲者が違うが編曲者が同じなので、音の耳障りにはCHOKKAKUの個性を感じる。『SHAKE』と『ダイナマイト』は作曲者が両曲ともに小森田実のため曲の持つ雰囲気に近い部分を感じる。

 

楽曲提供者の個性がSMAPの楽曲の個性に繋がっているのだ。

 

3曲ともにBPM (楽曲の速さ・テンポを表す数値)が130前後であることも共通している。正確なデータを見つけられず個人的に計測した結果なので100%正確ではないかもしれない。しかし大凡のBPMはこの速さで3曲とも共通しているかと思う。

 

楽曲のベースとなっているリズムも共通しているように思う。

 

3曲ともディスコミュージックを感じるリズム。EDMやトランスのような電子音のゴリゴリなダンスミュージックとも違う。楽器の音で作られた演奏に一定のリズムパターンを刻むリズムが多い。人力的なダンスミュージックに感じる。

 

リズムからは1970年代のグルーヴィーなソウルミュージックやファンクの影響を感じる。J-POPはメロディ重視な曲が多いが、メロディ以上に”リズム”を大切にしてる楽曲でもあるのだ。リズムに注目すると洋楽的にも聴こえる。

 

ソウルミュージックからの影響はコーラスワークからも感じる。

 

3曲ともにメンバー以外のコーラスパートがある。特に『青いイナズマ』では曲の始まりからコーラスがあり全編にわたってコーラスが印象的に使われている。

 

『ダイナマイト』でもサンプリングされたコーラスが序盤から聴こえる。Bメロでのコーラスもソウルミュージックの影響を感じる。コーラスワークが楽曲の印象を色付けているのだ。また『SHAKE』のサビではコーラスがひっそりと聴こえる。目立ってはいないが楽曲を支える役割を担っている。

 

しかしJ-POPの要素もある。海外のダンスミュージックはAメロ→サビの構成が多いが、J-POPはAメロ→Bメロ→サビという構成の曲が多い。3曲ともに構成はJ-POP的な構成を取り入れている。洋楽的なリズムでJ-POP的な曲展開にすることも共通した特徴的だ。

 

もちろんメロディの良さも大切にしていると思う。

 

3曲ともに音階が上下するメロディアスでキャッチーな歌だ。それでいて歌詞も聴き取りやすい。歌詞に英語が出てくるが発音はネイティブではない。片仮名を読むような日本語的な発音である。そのため歌の流れに違和感がなくスムーズになる。

 

シェイク シェイク ブギーな胸騒ぎ

チョーベリベリ最高 ヒッピハッピシェク

(SMAP / SHAKE)

dynamiteなhoneyでもいいんじゃない

(SMAP / dynamite) 

蒼いイナズマが僕を攻める

炎カラダ灼き尽くす

Get you.冷たい君の素肌が

いつもココロ狂わせる

惑わせて You're my girl.

(SMAP / 青いイナズマ) 

 

上記の歌詞の英語部分を聴いてもらえばわかると思うが、日本語と同じ発音をしている。リズムは洋楽的な部分を取り入れているが、歌については日本人に馴染みのあるメロディと歌唱方法にしているのだ。

 

歌に関しては音域が全体を通してあまり上下しないことも特徴的だ。

 

サビはキーが高い方が盛り上がりは演出できる。しかしSMAPは歌唱力を武器にしているアイドルではない。高いキーにせずメンバーが歌いやすく最も綺麗に聴こえるキーに合わせている。だからサビになっても極端にキーが高くなることはない。

 

音域の上下によって盛り上げるのではなく、リズムで少しづつ盛り上げていくような曲だ。

  

 それらは他にはなかった個性だと思う。だから多くの人が新鮮に感じてヒットにつながったのかもしれない。

 

 

歌詞の特徴

 

3曲ともにメロディに言葉が綺麗に乗っていて歌詞が聴き取りやすい。またサビの最初のフレーズが「タイトルと同じ言葉から始まっている」ことも共通している。そのためタイトルも自然と覚えてしまうし、サビの歌詞も印象に残りやすい。

 

シェイク シェイク ブギーな胸騒ぎ

チョーベリベリ最高 ヒッピハッピシェク

(SMAP / SHAKE)

dynamiteなhoneyでもいいんじゃない

(SMAP / dynamite) 

蒼いイナズマが僕を攻める

炎カラダ灼き尽くす

Get you.

(SMAP / 青いイナズマ) 

 

また歌詞の意味よりも語感を大切にしていて、聴いていて気持ちの良い言葉の具合わせを重視しているように感じる。それでいて覚えやすいフレーズなので口ずさみたくなる。

 

英語のフレーズも必ず入れていることも特徴である。多くの日本人は英語の単語をダイレクトに理解するわけではない。あえて意味が直接理解しづらい歌詞にすることで、音楽を聴く心地よさを歌で演出しているとも言える。

 

3曲とも森浩美の作詞だがノリがよく耳に残るフレーズを作ることが得意な作詞家なのかもしれない。彼の綴る言葉によってSMAPのイメージが形成されている部分もあるのかもしれない。

 

「SMAP感」のある音楽の特徴まとめ 

 

・BPM130前後のアップテンポな楽曲

・70年代のソウルミュージックやR&Bの影響を感じるディスコミュージックのリズム

・メンバー以外が歌うソウルミュージックの影響を感じるコーラスワーク

・Aメロ→Bメロ→サビの曲構成

・J-POP的な音階が上下するメロディ

・歌詞が聴き取りやすく英語も日本語の発音で発声し、音階が上下するJ-POP的メロディ。

・歌の音域が狭い

・サビの最初の歌詞が曲名と同じ言葉から始まる

 

ここまでの分析と考察をまとめると「SMAP感のある楽曲」の特徴は上記のように仮定できる。

 

乃木坂46『I see...』が これらの特徴に当てはまれば「SMAP感」がある理由が説明できるはずだ。次は『i see...』について分析してみようかと思う。

 

 

乃木坂46『I see...』

 

 

 乃木坂46『I see...』のリズムに注目してみよう。

 

ゆったりとしたリズムパターンだが思わず踊りたくなるようなキックの音が印象に残る。このリズムは70年代のファンクミュージックやディスコミュージックの影響を感じる。打ち込みのダンスミュージックでなく、人間が鳴らしているような泥臭さを感じる。

 

BPMは130前後だ。正確なデータを見たわけではな、個人的に計測してみたので実際のBPMの数値とはブレがあるかもしれないが、大凡この程度の速さかと思う。

 

Bメロにはメンバー以外のコーラスが収録されている。コーラスワークからはファンクの影響を感じる。

 

また全体を通して音域が狭い。サビになってもキーが高くなるわけではない。歌で盛り上げるというよりもリズムと曲の構成によって少しづつ盛り上げる楽曲だ。

 

歌詞にも注目してみよう。

 

浮かれた気分のステップ
鼻歌まじりでご機嫌
街は日差しのスクリーン
君と久しぶりのランデブー

 

ずっと会いたかったけど (Baby)
素直になれなかったんだ (I’m sorry)
先に連絡しちゃったら (Baby)
僕の負けみたいじゃないか?

 

I see… とでもういい wow ×3
突然思ったんだ Yeah ×3
I see… そんなこと wow ×3
まるで、関係ないね
意地なんか張ってちゃ もったいない
自分の気持ちに 素直になろう
大事なのは一つだけ wow ×3
君のことが好きだ。

 

気づかないなんかじゃ
なんだってできそうな気がする
空に愛情の雲行き
もう少しで手が届きそう

 

早く気がつけば良かった (Baby)
自分を見失ってたんだ (Oh my girl)
駆け引きなんかいらない (Baby)
カッコつけてどうする?

 

この際馬鹿馬鹿しい wow ×3
ようやく分かったんだ Yeah ×3
この際考えすぎ wow ×3
僕は僕じゃないか
我慢なんかしてたって 意味はないよ
心隠せば 苦しくなる
曝け出せばいい wow ×3
君しか見えないよ

 

Hey! Hey! Hey!
Hoo hoo!

 

I see… とでもういい wow ×3
突然思ったんだ Yeah ×3
I see… そんなこと wow ×3
まるで、関係ないね
意地なんか張ってちゃ もったいない
自分の気持ちに 素直になろう
大事なのは一つだけ wow ×3
君のことが好きだ。

 

らららら ららららら
(Miss you, baby! Oh wow)
らららら ららららら
やっと素直になれる

 

 

「スクリーン」「ランデブー」「I see」と英語のフレーズもあるが、全て日本語の発音で歌っている。

 

曲の構成はAメロ→Bメロ→サビの王道J-POPの曲展開だ。メロディも音階が上下するJ-POP的なメロディアスでキャッチーなメロディ。言葉の乗せ方も素直で歌詞が聴き取りやすい。

 

I see… とでもういい wow ×3
突然思ったんだ Yeah ×3
I see… そんなこと wow ×3
まるで、関係ないね

 

サビの最初のフレーズは「I see」。曲名と同じだ。そのためタイトルも自然と覚えてしまうし、サビの歌詞も印象に残りやすい。

 

これらの特徴は全て前述で仮定した「SMAP感のある楽曲の特徴」と共通する。

 

この記事でいう「SMAP感」は個人的に分析し考察したものなので絶対的な事実ではない。アルバムを全て聴いていたりコンサートにも行っていたコアなファンからすれば、SMAPの個性や魅力は別の部分にあると感じるかもしれない。

 

しかし代表曲しか知らない人たちがSMAPに思うイメージはこのようなものではないだろうか。そのため多くの人が『I see...』からSMAPぽさを感じたのだと仮定できる。

 

これが「SMAP感」の正体であり、SMAPの音楽の個性かもしれない。

 

もう一つの共通点

 

もう一つ需要な共通点がある。これはグループとしてSMAPと乃木坂46で共通している部分だ。

 

それはアイドルでありながら楽曲のクオリティが高いということだ。良い曲が多いということが共通している。

 

どちらもアイドル性が高いグループなので楽曲よりもメンバーに注目されがちではある。しかし良い曲が多い。シングル曲だけでなくアルバム曲も作り込まれている。それなのにアイドルとしては評価されても、音楽面は過小評価されているように思う。

 

『青いイナズマ』

『SHAKE』

『ダイナマイト』

『Peace!』

『Let It Be』

 

この記事では5曲だけSMAPの曲を取り上げてみたが、どれも個性的な上に作り込まれている。日本のJ-POPシーンに残る名曲だと思う。

 

SpotifyやApple Musicなどの定額配信サービスで聴くことができないので、今の若者や音楽ファンがSMAPの楽曲に触れる機会が少ないことが残念ではある。

 

乃木坂46も『I see...』以外にも多くの名曲がある。特に『君の名は希望』は2010年代のJ-POPシーンを代表する名曲だと思う。定額配信サービスでも聴くことができるので、ぜひ聴いてみてほしい。

 

君の名は希望

君の名は希望

  • 乃木坂46
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

乃木坂46の若いファンはSMAPをきちんと聴いたことがない人も多いかもしれない。リアルタイムで全盛期を知らない人も多いだろう。SMAPファンも乃木坂46を聴く人は少ないかもしれない。

 

偶然にも両者が”音楽によって”繋がる機会が生まれた。SNS上ではSMAPファンと乃木坂ファンの交流が見られるようになった。

 

このように良い音楽が広がっていく様子は素敵だと思う。音楽を心から楽しんでいるからこその、健全な盛り上がり方だと思う。ファンが自分の好きなグループを心の底から愛していることも伝わってくる。

 

SMAPと乃木坂46の最大の共通点は、ファンがグループと音楽を愛していることだとも言える。そんなファンの持つ雰囲気が「SMAP感」でもあり「乃木坂46感」でもあるのかもしれない。

 

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