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SixTONES『Imitation Rain』は異質な曲だと思った(感想・レビュー・評価)

『Imitation Rain』に感じた色気

 

そもそも自分はジャニーズについて詳しいわけではない。知らない曲もたくさんあるし、メンバーの顔も名前も知らないグループがたくさんある。

 

それでもジャニーズグループのデビュー曲は印象に残っている曲が多い。デビュー時は特にプッシュされることが多いからだろうか。

 

ポップな曲や明るい曲が多いように感じる。アイドルが歌うからこそ輝く曲が多いと思う。

 

 

SixTONESというグループが『Imitation Rain』という曲でデビューした。

 

この曲が個人的に好きだ。良い曲だと思う。カッコいい曲だと思う。それに今までのジャニーズグループのデビュー曲とは違う印象を感じた。それが新鮮に思った。

 

新人としての初々しさを感じなかったのだ。まるでベテランのような色気を歌やダンスから感じる。

 

それに自分は魅力を感じた。

 

 

他のジャニーズグループとのデビュー曲の違い

 

■King & Prince / シンデレラガール
■ジャニーズWEST / ええじゃないか
■A.B.C.-Z / Za ABC~5stars~
■Sexy Zone / Sexy Zone
■Kis-My-Ft2 / Everybody Go
■Hey! Say! JUMP / Ultra Music Power
■KAT-TUN / Real Face
■関ジャニ∞ / 浪花いろは節
■NEWS / NEWSニッポン

 

これは2000年以降にデビューしたグループとデビュー曲の一覧だ。

 

基本的にはアップテンポの曲もしくはポップで明るい曲が多い。アイドルだからこそ歌えるような内容の歌詞が中心。

 

グループのコンセプトやキャラクターが伝わるような楽曲も多い。

 

King&Princeの『シンデレラガール』ならば歌詞や曲調からグループのコンセプトやキャラクターが伝わってくる。NEWSやSexy Zoneは歌詞にグループ名が出てくる。

 

それに対してSixTONESの『Imitation Rain』はスローテンポのバラード。音は重厚なロック。明るい曲でもない。むしろ暗い曲。グループのコンセプトやキャラクターが伝わるような曲でもない。

 

でも魅力的なのだ。ただただカッコいいのだ。

 

 

YOSHIKIの提供曲

 

『Imitation Rain』はX JAPANのYOSHIKIが作詞作曲を手がけている。

 

『Rusty Nail』や『JADE』を組み合わせたようなのようなX JAPANのミドルテンポの楽曲に近い雰囲気がある。

 

JADE

JADE

  • X JAPAN
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

曲だけに注目すると、X JAPANの新曲としても成立するような楽曲だ。

 

「紅に染まるまで」という歌詞からはX JAPANの『紅』を彷彿させる。そもそも『Imitation Rain』というタイトルからも『ENDLESSRAIN』を思い出してしまう。

 

Endless Rain

Endless Rain

  • X JAPAN
  • サウンドトラック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

YOSHIKIは他のアーティストに楽曲提供をしたことは過去にもある。

 

例えば松田聖子に提供した『薔薇のように咲いて桜のように散って』は松田聖子の歌声の魅力が引き立つような楽曲になっている。YOSHIKIは自分の個性をあえて抑えているように思う。

 

薔薇のように咲いて 桜のように散って

薔薇のように咲いて 桜のように散って

  • 松田聖子
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

YOSHIKIはバンドマンであり、作曲家やプロデューサーとしても一流なのだ。提供先の魅力をしっかりと引き出す。

 

しかしSixTONESの『Imitation Rain』ではYOSHIKI自身の個性が際立っている。提供先の個性を潰してしまうのではと危惧するほどに。

 

YOSHIKIは滝沢氏の熱心な思いと海外での活動を視野に入れたSixTONESの目標や思い描く夢に共感し、オファーを受けた。デビュー曲はエッジの効いた激しさの中に優しさや美しさも持ち合わせる、YOSHIKIいわく「意図的に“YOSHIKI メロディ”を取り入れた」大作に仕上げられている。

(引用:SixTONESデビュー曲はYOSHIKIプロデュース「滝沢さんの熱心な思いに心を打たれ」- 音楽ナタリー)

 

どうやらあえてYOSHIKIの個性を詰め込んだようだ。

 

これは危険でもある。

 

作曲家にとっては得意な方法で得意な方向性の楽曲を作ることができるので作りやすいかもしれない。名曲も生まれやすいとは思う。だが提供先の個性や魅力を潰してしまうかもしれない。

 

しかし『Imitation Rain』からはSixTONESにしか歌えないと思わせるような工夫もされている。

 

そしてYOSHIKIの個性が詰め込まれた楽曲で、自分たちの個性を出すことが難しい楽曲だからこそ、SixTONESの魅力も引き立っているようにも思う。

 

 

SixTONESとYOSHIKIの組み合わせで化学反応が起こる

 

X JAPANの雰囲気は感じる曲だ。しかしX JAPANとは違う魅力も含まれている。いや、SixTONESが歌うことで違う魅力が生まれている。

 

X JAPANはTOSHIのハイトーンボイスが魅力の1つ。しかし『Imitation Rain』はX JAPANの曲と比べるとキーが低い。低い声で響かせるように歌っている。それに色気や艶を感じる。

 

サビはメンバーがユニゾンで歌っている。声が重なることにより美しいハーモニーになる。メンバー全員歌が上手い。だからこそ感じる美しさだ。

 

ソロのパートも印象に残る。

 

声質は全員違うが、歌唱方法は曲の雰囲気に合わせて統一されている。違う声が順番に歌うことで新鮮な気持ちになる。それでも歌唱方法は統一されているので違和感はない。

 

X JAPANの歌はTOSHIハイトーンボイスの迫力に圧倒させられる。SixTONESにはそのような魅力はない。その代わり艶や色気がある。複数人数で歌うことによるハーモニーの美しさがある。

 

楽曲については滝沢さんとも話し合い、意図的に“YOSHIKI メロディ”を取り入れました。先見の明を持つ滝沢さんのもと、メンバー個々の魅力に加え、高度な歌唱力とパフォーマンス力を持つ「SixTONES」という素晴らしいグループが今後どのように進化していくのか、とても楽しみです。

 

YOSHIKIは最初からわかっていたのだ。

 

自分の個性を詰め込んだ曲を提供したとしても、新しい魅力を楽曲にSixTONESが吹き込んでくれることを。

 

 

実力があるからこその「このデビュー曲」

 

『Imitation Rain』を聴けばわかるが、SixTONESは全員歌が上手い。デビューしたばかりとは思えない。

 

基本的に低く艶のある歌声で楽曲は展開されていく。それだけでも魅力的なのだが、中盤でハイトーンでサビを歌う部分がある。そこで歌唱力の高さを特に感じる。

 

MVでいうと2分頃の部分だ。1人のメンバーのソロパートなのだが、ハイトーンで歌う透き通った声が美しい。裏声も綺麗だ。ボーカリストとしての実力も感じる。

 

この実力があるからこそ「意図的に“YOSHIKI メロディ”を取り入れた」のだと思う。歌いこなすこともできるし、楽曲に新しい魅力を吹き込んでくれると信頼したのだと思う。

 

楽曲自体もYOSHIKIの個性が詰め込まれてはいるが、SixTONESが歌うからこそ引き立つような展開一部ある。

 

ハイトーンのソロでのサビが終わった後は転調し低いキーでユニゾンのサビになる。艶のあるユニゾンの低音が心地よい。

 

このような転調はソロボーカリストの曲では滅多にない。複数のボーカリストがいるからできる曲展開だ。

 

そのような工夫を取り入れるYOSHIKIの作曲家としてのセンスも見事に思うし、その期待にしっかり応えるSixTONESも流石だと思う。

 

 

『Imitation Rain』と同じようにSixTONESは異質な存在になるかもしれない

 

SixTONESカレンダー 2020.4→2021.3 ([カレンダー])

 

『Imitation Rain』は名曲だと思う。しかしジャニーズグループのデビュー曲としては異質だともおもう。

 

重い音でミドルテンポのロックバラード。歌いこなすことも簡単ではないと思う。

 

SixTONESの実力を認めたからこそ提供された異質な曲だとは思うが、SixTONES自体も異質な存在なのかもしれない。それは良い意味での話だ。

 

滝沢さんの熱心な思いに心を打たれ、また「SixTONES」が海外での J-POP のイメージを一新させる可能性を秘めたグループだと確信したので、楽曲提供およびプロデュースを引き受けさせて頂きました。

 

最初から海外での活躍を期待され、それに向けた楽曲を用意することは異質ではと思う。他のグループとは違う意味での期待もされているように思う。

 

「海外でのJ-POPのイメージを一新させる」

 

それは簡単なことではない。今のSixTONESが海外に出てすぐに実現できる目標だとも思えない。

 

しかし期待をしてしまうのもわかる。現時点でも実力はあると思うが、まだ伸び代がありそうな予感もする。

 

他のジャンルの楽曲に挑戦する姿も観てみたい。それも魅力的な音楽になる予感がする。

 

異質であることは強みでもあり魅力でもある。そんな異質な魅力でSixTONESが海外での J-POP のイメージを一新させる姿を観てみたい。

 

それは、遠い未来ではないような気もする。