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東京事変の新曲『選ばれざる国民』の感想を語ろうと思ったら最終的に東京事変への苦情になってしまった...(楽曲レビュー・評価)

これが東京事変だと思った

 

2020年1月1日。東京事変の「再生」が発表された。2012年に解散した東京事変の8年ぶりの再始動。東京事変のファンだけでなく、多くの音楽ファンが話題にして喜んでいた。

 

活動再開と同時に新曲が配信リリースされた。『選ばれざる国民』という曲。

 

選ばれざる国民

選ばれざる国民

  • 東京事変
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

椎名林檎の楽曲とは違う質感。それでいて過去の東京事変の楽曲とも違う雰囲気。しかし『選ばれざる国民』を聴いて「これが東京事変の音楽だ」と思った。

 

椎名林檎のソロしか知らない人や、椎名林檎がいるバンドとしか知識がない人の、ド肝を抜くような曲だ。東京事変とはどのようなバンドかを説明ではなく楽曲によって伝えている。

 

 アップテンポで盛り上げるわけではない。聴かせるバラードでもない。多くの人がイメージするロックバンドの音とも少し違う。

 

それでも東京事変が再生したことへのワクワクが止まらない曲。じわじわとバンドの再開への期待感を高めていく曲。他では聴けない東京事変の音楽。

 

一度止まったバンドな再開に相応しい、バンドの個性と魅力が詰まった曲に思った。

 

 

「東京事変は椎名林檎のバンド」というわけではない

 

「東京事変は椎名林檎のバンド」

 

これは多くの人が抱いているイメージだと思う。このイメージは間違ってはいない。しかし正解でもない。『選ばれざる国民』はそれをファン以外にも理解させるような始まり方をしている。

 

メインボーカルが椎名林檎ではないのだ。

 

再生して最初に聴こえる声は椎名林檎ではない。浮雲の歌声だ。

 

『選ばれざる国民』では椎名林檎と浮雲と伊澤一葉の3人がボーカルを担当している。3人が掛け合いをするように歌っている。

 

バトンをつなぐように歌い継いだり、コーラスをしたりと。時にはぶつかり合うように歌が重なる。

 

「東京事変は椎名林檎のバンド」と思っている人のイメージを序盤でぶち壊す。曲全体を通して「東京事変は椎名林檎も参加しているバンド」だと理解させる。

 

東京事変の主役は椎名林檎ではない。メンバー全員が主役なのだ。

 

某都民

某都民

  • 東京事変
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

『某都民』のように3人によるボーカル曲も過去にはあった。『color bars』というミニアルバムでは椎名林檎が歌唱に参加していない曲もある。それも東京事変の魅力に感じる。

 

椎名林檎以外が歌っても「東京事変の曲」として成立している。椎名林檎のソロとも違う、東京事変でしか聴けない音楽になるのだ。

 

 

作詞 椎名林檎 作曲 浮雲 編曲 東京事変

 

『選ばれざる国民』は作詞は椎名林檎だが作曲は浮雲だ。

 

ソロのオリジナル作品では、ほぼ全ての作詞作曲をしている椎名林檎。東京事変は椎名林檎以外のメンバーによる作詞作曲作品も多い。

 

『選ばれざる国民』は椎名林檎のソロでは聴くことができなかったタイプの作品。メロディセンスも曲構成も、椎名林檎とは違う個性がある。かといって浮雲が結成したペトロールズの音楽とも違う。

 

『選ばれざる国民』の編曲は東京事変。

 

バンドとして編曲をしているのだ。それによってメンバーそれぞれの活動とは違う、メンバー五人の個性が溶け合った質感の音楽になっている。

 

楽器だけでなく打ち込みの音も使われているが、それもバンドによる編曲。全員がコンポーザーになって作品を作っている。そのためか打ち込みを使ってもバンドとしてのグルーヴ感が失われない。

 

演奏スタイルもそれぞれの個性をぶつけているように感じる。

 

歌うように動く亀田誠治のベースライン。耳に残るフレーズ満載な浮雲のギター。前半と後半で全く違う演奏をするキーボードの伊澤一葉。ドラムのリズムパターンが独特な刄田綴色。

 

メンバーはそれぞれ別のバンドでも活動たり、サポートミュージシャンとして様々なアーティストと共演している。しかし5人が揃うことで、東京事変でしかできない演奏になる。それが東京事変の個性の1つで魅力の1つだ。

 

東京事変の新曲を聴くことで、それを思い出した。

 

演奏を再び聴いてワクワクした。椎名林檎のバックバンドではなく、椎名林檎とメンバーが一緒に作り上げたバンド。それが東京事変だ。

 

 

選ばれざるファン

 

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『選ばれざる国民』のジャケット画像には「loading」と書かれている。東京事変の「再生」は始まったが、まだ読み込みをして復元している最中。

 

つまり「loading」の文字が消えるまでは東京事変は活動してくれるのだと思う。『選ばれざる国民』だけで再開を終えるわけではないという宣言にも思う。「loading」が終わるまでには、まだまだ新曲が必要だ。

 

個人的にはアルバムの発表もあるのではと期待してしまう。さらにファンを驚かせてくれる活動をしてくれるのではと楽しみに思う。

 

東京事変は全国ツアーの開催も発表した。これも「loading」を進めるための活動だ。

 

東京事変「Live Tour 2O2O ニュースフラッシュ」
2020年2月29日(土)東京都 東京国際フォーラム ホールA(5012席)
2020年3月1日(日)東京都 東京国際フォーラム ホールA(5012席)
2020年3月6日(金)大阪府 フェスティバルホール(2700席)
2020年3月7日(土)大阪府 フェスティバルホール(2700席)
2020年3月14日(土)宮城県 仙台サンプラザホール(2054席)
2020年3月15日(日)宮城県 仙台サンプラザホール(2054席)
2020年3月21日(土)北海道 札幌文化芸術劇場hitaru(2302席)
2020年3月28日(土)福岡県 福岡サンパレス ホテル&ホール(2316席)
2020年3月29日(日)福岡県 福岡サンパレス ホテル&ホール(2316席)
2020年4月4日(土)愛知県 名古屋国際会議場センチュリーホール(3000席)
2020年4月5日(日)愛知県 名古屋国際会議場センチュリーホール(3000席)
2020年4月8日(水)東京都 NHKホール(3601席)
2020年4月9日(木)東京都 NHKホール(3610席)

 

全国6箇所13公演のホールツアー。最大キャパで東京国際フォーラムの5012席。

 

・・・・・・。

 

キャパが、小さすぎる。

 

解散ツアーは横浜アリーナと大阪城ホールと日本武道館で行われた。どれも10000人規模のアリーナ会場。それでも全国から66万人からチケットの応募があり、ほとんどのファンがライブを観ることができなかった。

 

最終公演の日本武道館公演は、全世界122箇所の映画館でライブビューイングされた。

 

今回のツアーも多くの応募があると予想される。つまりチケットが取れない可能性は高い。おそらく10人に1人程度しかチケットは手に入らない。

 

東京事変のライブを観たいと思っても、簡単には観ることはできない。運良くチケットを手に入れた選ばれしファンしか行くことができない。

 

せめて追加公演で大きな会場でやってくれないだろうか。このままではチケットが手に入らなかった『選ばれざるファン』だらけになってしまう...。

 

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