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フジファブリック・エキシビションに行った感想 ~ フジファブリックの展示会・感想・レポート ~

フジファブリック初の展示会

 

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会場に向かう途中にある看板。それを見てテンションが上がる。バクバクと鳴ってる鼓動。全力で走りたくなる。

 

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会場の入口に到着。立て看板に「フジファブリック」の文字を発見。最初の「フ」が「ン」に見えてしまうのは、いやしかしなぜに。

 

フジファブリックは今年でデビュー15周年のバンド。それを記念して渋谷・スペイン坂の「GALLERY X BY PARCO(ギャラリーエックスバイパルコ)」で展示会が行われている。

 

バンドの楽曲をイメージして制作されたアートが展示されている、フジファブリックにとって初めての展示会。

 

そして、初めての展示会とは思えないほどに想いが込められた展示ばかりで、フジファブリックの魅力を改めて感じる展示だった。

 

入場してから感じるフジファブリック感

 

会場の入口で入場料金を支払う。800円。入場特典としてバックステージパス風ステッカーを貰う。嬉しい。そういえばチャットモンチーが同会場で展示会をやった時も同じようなステッカーをもらった。

 

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ステッカーと一緒に1枚の紙も受け取った。フジファブリックの『手紙』という曲の歌詞が書かれた紙。今のフジファブリックにとって大切な曲の歌詞がワンスフレーズ書かれている。

 

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手紙

手紙

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その紙を裏返してみる。そこに書かれていたのはは「大切なあなたへ」という一言。

 

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なるほど。「手紙」の歌詞が書かれた紙は大切な人へ送るための手紙だったのだ。曲のことやバンドのことを理解しているからこその粋な計らい。

 

少しほっこりした気持ちになる。その気持ちのまま、入場料金を払ったレジの奥をなんとなく見てみる。

 

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いわしの詩・・・・・・。

 

そうだ。こういうことやるのもフジファブリックなのだ。入場後すぐにフジファブリックの簡単には言葉に表せない魅力を「手紙」と「いわし」で表現していた。

 

桜の季節

 

入口の側に置かれている展示は『桜の季節』もモチーフにした展示。フジファブリックのメジャーデビュー曲が最初の展示。

 

桜の季節

桜の季節

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男女の表情が描かれている。向いている方向は逆。『桜の季節』は別れの曲。それを表現しているのだと思う。

 

2人の絵の上から映像の桜が降ってくる。それが綺麗。見とれてしまう。

 

フジファブリック・エキシビションには是非ともスマホやiPodなどを持っていくことをオススメしたい。作品を観ながらテーマになった楽曲を聴いてみて欲しい。

 

より作品の世界観に浸ることができるし、作品によっては楽曲を聴くことによって最大限に楽しめる仕組みの作品もある。

 

『桜の季節』をテーマにしたこの作品も楽曲を聴きながらじっくり観て欲しい。想像していなかった発見があるかもしれない。

 

茜色の夕日と若者のすべて

 

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『桜の季節』の先には歌詞が書かれた暖簾がある。『若者のすべて』と『茜色の夕日』の歌詞が書かれた暖簾。暖簾の先にはこの2曲をモチーフにした作品がある。

 

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部屋の中には映写機。映写機が複数枚の写真を順番に壁に向けて映している。

 

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上の方に大きく映される写真。こちらが『若者のすべて』をテーマにした作品だ。

 

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若者のすべて

若者のすべて

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この作品が写す写真には順番がある。蝉の写真から順番に映されていく。『若者のすべて』を実際に再生しながら観て欲しい。

 

写真が楽曲とリンクするように、歌詞の世界を表現するように映し出されている。展示されている作品は楽曲と合わさることで完成する仕組みになっているのだ。

 

足元にも映写機が写真を映す。茜色の夕日。

 

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茜色の夕日

茜色の夕日

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『若者のすべて』も『茜色の夕日』も夏の終わりが舞台の楽曲。そして少しのセンチメンタルを感じる楽曲。

 

映される写真だけでなく置かれている映写機や部屋の雰囲気も含めて「作品」になっている。この部屋のすべてで楽曲の世界観を表している。

 

この部屋には作品ではない展示が1つ置いてあった。

 

志村正彦のギターだ。

 

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フェンダーのストラトキャスター。このギターでたくさんの名曲を作ったのだと思う。ライブでも最高の音を鳴らしていたのだと思う。


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 錆びや塗装の剥がれでボロボロ。でも、新品のギターよりもずっと魅力的なギターに見える。志村正彦と一緒に生きてきたギター。一緒に音楽を作ったギター。

 

『茜色の夕日』というフジファブリックや志村正彦にとって特に大切な楽曲がテーマの作品のある部屋に飾られた志村のギター。

 

志村が生前に作詞作曲し、いつのまにかフジファブリックの代表曲になり多くの人に愛される曲になった『若者のすべて』がテーマの作品のある部屋に置かれた志村のギター。

 

フジファブリック・エキシビジョンにある作品は素晴らしいアーティストが自分の芸術性で勝負しているだけではない。そこにはフジファブリックへの想いもしっかりある。

 

だからこそ作品を観たときにフジファブリックの楽曲を聴いた時と同じように心が動かされる。

 

そして、津久見中央病院様。素晴らしい作品を作るために映写機を貸してくださりありがとうございます。

 

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 徒然モノクローム

 

『茜色の夕日』と『若者のすべて』が展示されていた部屋の奥。またまた暖簾があった。

 

その暖簾をくぐると、先ほどとは違う世界が広がっていた。

 

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薄暗い部屋。『徒然モノクローム』をテーマにした作品。

 

『徒然モノクローム』の歌詞が部屋全体を囲むように書かれている。部屋に入った瞬間に楽曲の世界観に連れ込まれた気分。

 

徒然モノクローム

徒然モノクローム

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中心にはスクリーン。前回のライブツアーのタイトルとツアーファイナルの日程と会場が書かれている。

 

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 しばらく待っているとスクリーンの映像が変わる。ライブ映像が流れた。前回のツアーの映像。音も迫力がある。まるでライブ会場に来た気分。

 

『徒然モノクローム』は現体制になってから最初のシングル曲。この部屋で流れる音と映像は最新のフジファブリックのライブ映像。

 

ここの前の部屋は志村正彦のいたフジファブリックの魅力と想いが詰まっていた。この部屋には志村の意思を引き継いで今も続けているフジファブリックの魅力が詰まっている。今のフジファブリックの姿を観ることができる。

 

展示の配置や導線の流れにも意味を感じる。そこに想いを感じる。

 

眠れぬ夜

 

この展示会にはもう一つ部屋がある。部屋の壁の色褪せ方が気になるような展示。

 

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他の展示と比べると落ち着いた雰囲気がある。部屋には歌詞のフレーズが散りばめられている。鏡の中だったり、椅子の上だったり、テーブルや写真の中にも。

 

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志村の参加した最後のアルバム『MUSIC』の最後に収録されていた『眠れぬ夜』という曲をテーマにした展示。実際に曲を聴きながら部屋の中を見てみる。部屋に散りばめられた歌詞を読みながら聴く『眠れぬ夜』。より楽曲の魅力も引き立つような気がする。

 

眠れぬ夜

眠れぬ夜

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テーブルの上の写真を見てみる。そこにも歌詞のフレーズが書いてある。

 

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 ちょうど君の声を聞きたくなって、聞いていたところ。そこにメンバー四人の写真が目に入る。いい写真だ。

 

今夜も眠れぬ夜になりそうな気がした。

 

会場全体を埋め尽くす展示

 

部屋は3つある。しかし、部屋以外も会場全体がフジファブリックの楽曲をモチーフにしたアートで囲まれている。

 

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『夜明けのBEAT』をイメージして描かれた漫画と歌詞が壁一面にある。

 

夜明けのBEAT

夜明けのBEAT

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その奥には『Girl!Girl!Girl!』。

 

Girl!Girl!Girl!

Girl!Girl!Girl!

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『Girl!Girl!Girl!』の展示の左手には『ブルー』をモチーフにした作品。青みがかった写真がプリントされた紙が壁に貼られている。

 

ブルー

ブルー

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『虹』をテーマにした作品は見ていて明るい気持ちになる。虹が空で曲がってる。

 

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虹

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床には水が張られている。そこにはピンクのアヒルが2匹。井之頭公園の池をイメージしているのだろうか。Battle of Inogashira Park。

 

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さらに奥に進むと『Water Lily Flower』をモチーフにした作品がある。

 

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カーテンのような歌詞の描かれた布に隠されている金魚鉢の中の水に浮いた花。

 

Water Lily Flower

Water Lily Flower

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見開きになった本に情報が詰め込まれた『Small World」。細かい部分まで作り込まれている。

 

Small World

Small World

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本の背表紙も丁寧に作られている。


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『Green Bird』の展示は女性の絵が映されている。「僕のそばで微笑んでいる」ような女性の絵。


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Green Bird

Green Bird

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様々な表情を見せて微笑む女性。いつまでも消えない残像。


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この女性は吊るされた沢山の糸に映像として映し出されている。この布をめくると歌詞が書かれているしかけもある。


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これらの展示があるスペースの中心には机が置いてある。開いたままの引き出し。そこには歌詞が書かれている。

 

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これは『タイムマシン』をモチーフにした展示だ。引き出しの中がタイムマシンなんて、どこかの猫型ロボットのいる家のよう。もしか僕に猫型ロボットがいてタイムマシンを使えるらどこに行こうか考えてしまう。

 

タイムマシン

タイムマシン

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手紙

 

 部屋の奥には大量の色とりどりの紙が吊るされている。近づいて確認してみる。

 

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その紙には『手紙』という曲の歌詞のフレーズが書かれている。書かれているフレーズは一枚一枚それぞれ違う。でも、そのどれものフレーズに心を掴まれる。改めて想いが込められた歌詞だと感じる。


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 なるほど。入り口で配られた紙はこれだったのだ。

 

フジファブリック・エキシビジョンには様々な想いが込められて製作された展示ばかりだ。来場者も想いを込めたメッセージを書いて結ぶことで、自分の想いもこの場に残すことができる。

 

この展示会はフジファブリックへの想いだけではなく、来場者への想いや、来場者からの想いもある。たくさんの愛で溢れた空間だ。

 

VR

 

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フジファブリックの『ECHO』をモチーフにした展示。その下にあるベンチに座っている人たちがいる。みんな頭に大きなゴーグルを装着している。

 

ECHO

ECHO

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どうやらVRで映像が観れるらしい。ライブ映像でも観れるのだろうか。ベンチの横にはVRの順番待ちをしている人たちの列。自分も列に並ぶ。


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自分の順番になりVRを手にする。嬉しさと緊張。バクバク鳴ってる鼓動VRの始まりの合図。ゴーグルを装着した。すぐに映像は流れた。

 

映像が始まった。その瞬間、思った。

 

なんだこれ?

 

 しばらく映像を見続けてみる。少し動揺する。しかし、こういうことをするのもフジファブリックだとも思う。

 

数分のVR映像。動揺しつつも見終わった。そして、思った。

 

なんだこれ?

 

いや、不満があるわけではない。これもフジファブリックの魅力ではあ。しかし、思った。

 

なんだこれ?

 

VR映像は写真を撮ることができない。実際に会場へ行かなければ体験できない。これがどのようなものか説明すべきなのだが、観て思った大きな感情はこれなのだ。

 

なんだこれ?

 

ただの展示ではない

 

作品を作ったアーティストは技術も才能もある方々ばかりだと思う。展示全体の構成もよく練られている。フジファブリックのことを知らない人にとっても楽しめる高いクオリティだった。

 

しかし、センスがよく技術力のある作品が揃っているから素晴らしい展示になっているわけではない。それも理由の1つではあるが、それだけではない。

 

想いだ。全ての作品に想いがこもっている。それが一番の理由だ。

 

フジファブリックへの想いがこもっている。来場するファンと同じぐらいフジファブリックを理解して、それを作品にしている。フジファブリックの愛で溢れている。

 

それはフジファブリックの演奏と似ている。フジファブリックはメンバー全員が高い演奏技術を持っている。同年代のバンドではトップクラスの演奏力だと思う

 

しかし、フジファブリックの音楽が心に突き刺さる大きな理由は技術力ではない。そこに様々な想いを込めて楽曲を作り演奏してリスナーに届けているからだ。

 

展示もバンドも同じように想いが込められている。だから素晴らしい展示会になっている。そこにフジファブリックを愛しているファンが訪れる。最高の空間だ。

 

 会場を出た後も余韻が残るような素晴らしい展示。それぞれの展示に込められた想いで胸がいっぱいになる。

 

1つ1つの展示を思い返して少しほっこりして笑顔になる。少し切なくなったり嬉しくなったりして、泣きそうになる。

 

VRの映像も思い返してみる。そして改めて思う。

 

なんだったんだ、あれ?

 

  • 開催期間
    2019/8/16(金)〜9/3(火)
  • 会場
    GALLERY X BY PARCO
    (東京都渋谷区宇田川町13−17 ライズビル)
    お問い合わせ:03-6712-7505
  • 営業時間
    11:00〜20:00
  • 入場料
    800円(税込・特典付き)
     
    ※未就学児無料
    ※前売り券等の販売はございません

 

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