2018-12-16 眉村ちあきは「イロモノ」ではない コラム・エッセイ 眉村ちあき テレビ出演 眉村ちあきは凄いと思う。 最近はテレビ出演することも増えて来た。ゴッドタンは準レギュラーのように何回か出演もしている。出演する都度に大きな爪痕を残し、初めて観た視聴者に大きなインパクトを与えている。 ついこの間まで全く無名のアーティストだったのに。去年は殆ど注目もされていなかったのに。 眉村ちあきの才能や実力がそうさせているのだと思う。気づいてもらえる環境に行けば、絶対に評価される魅力を持っている。 眉村ちあきは『弾き語りトラックメーカーアイドル』と自身の肩書きを名乗っている。おそらく世界を探しても、眉村ちあき以外には居ないであろう肩書き。その肩書きの通り、眉村ちあきの音楽も世界を探しても他にはいないであろう個性がある。 しかし、テレビ出演では眉村ちあきの魅力の全てを伝えられていない。1割も伝えられていない。 眉村ちあきは、テレビ出演でギターを弾き歌うことが多い。しかし、そこで披露されるのは、その場でお題をだされ、その場でそのお題に沿った楽曲を作る『即興ソング』。 それも魅力の一つではある。しかし、『弾き語りトラックメーカーアイドル』という唯一無二の個性を感じるものではない。 即興で曲を作れるからバラエティでも面白く扱える「イロモノ」のシンガーソングライターと思われているようで、モヤモヤする。 テレビで眉村ちあきが『即興ソング』以外のオリジナル曲を披露したことはないのかもしない。 眉村ちあきは『即興ソング』だけではない 眉村ちあきはソングライターとしても、トラックメーカーとしても、他にはない個性がある。クオリティの高い作り込まれた楽曲を生み出せる才能がある。 個人的に眉村ちあきの才能が爆発していて、そのセンスの良さが最もわかる楽曲は『お天気お姉さん』だと思っている。 決してメジャーアーティストのような整った綺麗な音でもないい、スタジオできちんと録音されたような音ではない。宅録ならではの手作り感がある音。 しかし、手作り感あふれたその音作りだからこそ、センスや才能が必要となってくる。ギターを叩く音をリズムとして楽曲を彩り、独特なコーラスワークで世界観を作り上げる。お天気お姉さんについて歌う歌詞の内容も独特。 ユーモアのある曲作りも魅力だ。RADWIMPSの前前前世をコーラスに使用したり、〝理由をしっかりと付けた上で〟ラップも取り入れる。独特な世界観の楽曲にユーモアも加わり、より魅力的な楽曲になっていく。 費用をかけていない自宅録音は、できることも限られる。その制限された状況を、様々なアイデアを詰め込み、でスタジオ録音以上に面白く個性的な楽曲に仕上げている。こんなタイプの曲は他のアーティストで聴いたことがない。 しかし、その他にはない独特な世界観が物珍しく、作り込まれた楽曲でも「イロモノ」だと思われてしまうこともある。 うんこについての歌 いい大人の自分は「うんこ」についての歌に感動してしまった。『東京留守番電話ップ』という曲だ。 東京留守番電話ップ 眉村ちあき J-Pop ¥150 タイトルをクリックでダウンロード provided courtesy of iTunes それは自分だけではないと思う。眉村ちあきのファンは全員そうだと思うし、他にも多くの人に届くだけの普遍性もある内容だと思う。 教室を抜け出してチャリ置き場へ向かおうか 泥んこの中踏んだうんこに気づかないまま ざわめく教師達に私の差し歯をみせつけて ついでに足の裏のうんこも見せてやれ うんこを生み出した人の生き様なんて知ったこっちゃないけど うんこがうんこになるまでのうんこの生き様を ダメだよと言われればしたくなる そんな僕が働くことを覚えたフリして東京に染まる 「うんこ」という単語が出てくることで「イロモノ」「ネタ曲」と判断する人もいるかもしれない。 しかし、歌詞をきちんと聴いてほしい。歌詞にはロックの魂が詰まっている。頑張っている学生や、一生懸命働いている社会人へのエールも含まれている。 それは「うんこ」を使ったからこそ、綺麗な単語だけでは表現出来ない感情も歌詞にできたのだと思う。 一部の部分だけを切り取ると芸達者なイロモノミュージシャンに見えるかもしれない。しかし、しっかり彼女の音楽を聴いて欲しい。表現力豊かで、個性的な才能あるミュージシャンだと気づく。 それは、楽曲だけでなく、ライブでも同様だ。 眉村ちあきのライブ 眉村ちあきは音源だけでなく、ライブも個性的。他では体験できないぶっ飛んだライブをやる。 決してかっこつけようともしない。かわいくいようとしているわけでもない。盛り上げようと、煽ることもあるが、他のアーティストとは少しタイプが違う方法。 眉村ちあきは自分が楽しいと思うことを、周囲のことを気にせずにライブで表現しているように見える。だからステージなど気にせずに客席にもどんどん降りてくるし、客にもがんがん絡む。座席があってもダイブする。 それを観ているうちに、客も引き込まれて楽しくなってくる。ライブで作り上げられた眉村ちあきの世界に引き込まれ、抜け出せなくなる。 めちゃくちゃにやっているようでも、しっかりとした技術がある。ギターも歌も上手い。だからこそ、破天荒なライブでも音楽として成り立っているし、引き込まれる。 それはテレビのバラエティ番組だけでは知ることができない魅力でもあり、バラエティ番組の延長とも言えるような魅力でもある。 眉村ちあきのライブは写真撮影も動画撮影も自由。YouTubeにはファンが撮ったライブ映像がたくさんある。プロの良い機材で撮ったわけでもない映像。スマホの動画撮影機能で撮ったものが多い。 そのような映像でも、ライブの魅力は伝わるのではと思う。 うんこの生き様 それでも、眉村ちあきは勘違いされやすいようにも思う。 テレビ出演をきっかけに魅力を感じ、作品を聴いたりライブに行きファンになった人も居るとは思う。しかし、テレビのバラエティ番組だけでは全ての魅力は伝わらない。 テレビでちょろっと観て知った人は「イロモノの変な歌手が出てきた」「タレントなのか歌手なのかわからない」などと思っている人もいるかもしれない。 それは勘違いだ。しかし、今はそれでもいいと思う。1月にアルバムを発売するし、6月には約2000人収容できる新木場スタジオコーストでライブを行う。 すでに本当の魅力に気づいている人がたくさんいる。これからもそのような人がどんどん増えると思う。これからの眉村ちあきの活動と才能が証明するはずだ。 それでも勘違いしたり馬鹿にする奴がいれば、眉村ちあきは差し歯を見せつけて、ついでに足の裏のうんこを見せつけるように変わらずに活動して欲しい。言われなくても、そうするだろうけど、一部の人の評価がひっくり返るのも遠い未来ではないはずだ。 そして、東京に染まったファンの自分はうんこの生き様を見せつけてやろう。 ぎっしり歯ぐき 眉村ちあき レーベルじゃないもん 2019-01-09 Amazon 楽天市場