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関ジャニ∞『GR8EST』を聴いたジャニオタじゃない男が感じた感想

このアルバムを聴いてほしい人について

 

去年、関ジャニ∞の『JAM』というアルバムを聴いた。楽曲提供者が自分の好きなアーティストが多かったので聴いたわけだけど、これがとても良いアルバムだった。去年よく聴いたアルバムの1つでもある。

 

それをきっかけに去年リリースされた中では嵐やSexy ZoneやV6のアルバムも聴いてみた。そちらも良いアルバムだった。特に嵐のアルバムは凄い作品だと思う。

 

とはいえ、自分はジャニーズ自体にはあまり興味がない。自分は男だしアイドルなら女性アイドルの方が好きだし。実はメンバーの名前と顔が全員は一致していなかったりする。メンバー自体にはあまり興味はないのだ。

 

でも曲は良いと思う。特に関ジャニ∞の曲が最も自分の好みの音楽だ。

 

自分はロックが好きなのだが、関ジャニ∞の音楽ら自分と同じようにロックが好きな人にはおすすめしたい。他のジャニーズのグループとは音作りが少し違うのだ。特に邦楽ロックが好きな人は気に入りそう。

 

ちょうど『GR8EST』というベスト盤が発売したから聴き始めるにはちょうどいいと思う。邦ロックが好きな人だけでなく、ジャニーズやアイドルを普段聴かない人や、偏見を持っている人ほど聴いてほしい。

 

有名ミュージシャンも関わっている

 

関ジャニ∞の楽曲は多くのバンドマンが楽曲提供をしている。特に「邦ロック」が好きな人にはたまらないバンドだったり、コアな音楽ファンも認めるような実力派や個性派も多い。

 

例えば「涙の答え」はSEKAI NO OWARIのnakajinが作曲を行い作詞はsaoriが行っている。「応答セヨ」は作詞をポルノグラフィティの新藤晴一行っているし、「侍唄」はレキシの池田貴史が作詞作曲編曲までを手掛けている。

 

自身がバンドやアーティストとしても著名で大きなステージでもライブを行っているミュージシャンが関わっているのだ。

 

去年発売したオリジナルアルバムの『ジャム』でもユニコーンやいきものがかりの水野良樹や岡崎体育や菅野よう子など、有名ミュージシャンや実力派ミュージシャンが関わっている。

 

そして、楽曲提供だからこその魅力がある。

 

例えば「侍唄」を提供したレキシは本人が歌唱するならば歌詞は歴史が関わる内容になる。しかし、楽曲提供だと歌詞は歴史には関係ない内容。これは楽曲提供だからこそだ。

 

「涙の答え」の作詞作曲はセカオワのsaoriとnakajinだが、編曲はアゲハスプリングという音楽制作集団に所属する野間康介。それによってセカオワの楽曲とは違う編曲になる。セカオワの良い部分も生かしつつ、関ジャニ∞でしか聴けない音楽になっている。

 

ヤバいバンドマンも関わっている

 

そして、アイドルには楽曲提供を行わなそうなバンドマンも提供している。むしろ、提供してもいいのかと思うようなバンドマン。

 

「あおっぱな」は怒髪天の益子直純が作詞を行い上原子友康が作曲を行っている。

 

日本のロックファンは全員知っているようなバンドだが、世間的にはあまり知られていない。男くさくて泥臭い歌を歌っているバンド。でも、熱くてかっこいいバンド。

 

しかし、そんな男くさくて泥臭くて熱い部分が関ジャニ∞とも相性が良かった。編曲がアゲハスプリング所属の大西省吾ということもあり、怒髪天の良い部分を活かしつつ、関ジャニ∞が歌うからこそ映える楽曲に仕上がっている。

 

 「言ったじゃないか」の作曲は銀杏BOYZの峯田和伸だ。

 

銀杏BOYZはステージで暴れまわるパンクバンド。最近はドラマに出たりと少しおとなしくはなったが、ライブでは脱いでち●こを出すこともあった。ライブで全裸にあり書類送検されたこともある。ある意味、アイドルにあまり近づいてはいけないタイプのミュージシャンかもしれない。

 

でも、魂が込もった良い曲を書くんだ。切なくて泣けるメロディを書くメロディメイカーなんだ。その部分が関ジャニ∞の曲でも生かされている。

 

編曲はアゲハスプリングに所属しているミュージシャンが関わることが多いようだ。特に大西省吾が編曲をすることが多い。

 

 関ジャニ∞には様々なタイプのミュージシャンや作曲家が関わっている。それでも聴けば関ジャニ∞の音だとわかる。

 

それはボーカルが関ジャニメンバーと言うこともあるが、大西省吾をはじめとする編曲家がどのような音が関ジャニ∞と相性が良いのかを考え理解することで全曲を通して「関ジャニ∞の音」を作り上げているからではと思う。

 

 「邦ロック」が好きな人に関ジャニ∞の音楽をおすすめしたい理由。それはロックファンが好きなバンドマンやミュージシャンが楽曲提供をしていることと、そのミュージシャンたちの新しい一面の楽曲を聴くことができるからだ。 

 

他のジャニーズとの違い

 

 『GR8EST』を聴いていて感じたことがある。それは自分が聴いた他のジャニーズのグループとは曲の雰囲気が違うことだ。それも「邦ロック好き」が気に入りそうなポイントに思う。

 

その理由としては、作曲家の違いと編曲の違いがあるかと思う。

 

嵐やSexy ZoneやV6のアルバムを聴いてきたが、それらのグループはEDMよりの編曲が多い。また、嵐とSexyZoneに関してはスウェーデンの作曲家が多く関わっており、音作りも洋楽的なアプローチが多い。

 

全曲ではないが、ダンスミュージックよりのポップスが多いのだ。メンバーがライブでダンスをするわけで、それが映えるような編曲にしているのではと思う。

 

 それに対して関ジャニ∞の編曲でEDMはほぼない。日本人の作曲家しかいない。打ち込みよりも生楽器が多い。

 

その編曲も作りこまれている。曲によっては歌声よりも演奏の方が印象的な楽曲もある。ロックバンドのようにカッコいい演奏もある。ベスト盤には東京スカパラダイスオーケストラとコラボレーションしている楽曲もある。

 

アイドルの曲だからとバックトラックも手を抜かず作りこまれていて、その方向性が「邦ロック」が好きな人のストライクゾーンに入りそうな編曲になっているのだ。

 

名曲が23曲も入っている

 

『GR8EST』は23曲入っている。シングル曲が収録されているので、関ジャニ∞を知らない人でもCMやドラマなどで聞いたことがある曲もあるかもしれない。

 

好きなバンドマンやミュージシャンが関わっている曲もあるかもしれない。それを聴かないのは勿体ないし、新しい音楽との出会いがあるかもしれない。

 

アイドルとはいえ、売れていて評価されている音楽は完成度が高い。特にシングル曲はアルバム曲以上に多くの人に聴かれる機会がある。制作にもアルバム曲以上に力を入れることが多い。

 

『GR8EST』には過去のシングル曲が23曲入っている。プロの音楽家が集まり作り上げた上質なポップスという感じ。アイドルソングだからと舐めてはいけない。かなり作りこまれている。

 

 配信はされていないのでCDを購入しなければ聴くことはできないが、黙されたと思って聴いてみてほしい。

 

普通に良い曲が多いんだ。これ。

 

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