オトニッチ

ニッチな音楽情報と捻くれて共感されない音楽コラムと音楽エッセイ

YUIをヌルい音楽と思ってた奴はFLOWER FLOWERを聴いて土下座しよう

わたしは土下座しました

 

YUIはデビュー当初からかなりメディアにプッシュされてたと思う。デビュー曲はラジオやテレビでガンガン流れていたし、ミュージックステーションにもデビュー曲で出演したりと。

 

主演映画も公開されていた。「タイヨウのうた」という映画。それなりにヒットした。クラスのカップルがみんなデートで観に行っていた記憶がある。そいつらみんな別れたけど。クラスのカップルはみんなGood-bye daysした。

 

自分はソロで活動していた頃のYUIはアイドルやタレント的な要素が強いシンガーソングライターだと思っていた。きちんと音源を聴いていなかったにも関わらず。

 

特に今のアラサーでいわゆる「ロキノン系ロック」に学生時代にハマっていた人たちはそういう人が多いように感じる。YUIに対して否定的な人も少なくなかったのではないだろうか。正直、自分はきちんと聴いていなかったにも関わらず、ヌルい音楽だと思っていた。ごめんなさい。

 

YUIの活動は紆余曲折あったようだ。活動休止したりソロ活動も終了したりと。現在は名前をyuiと小文字にしてFLOWER FLOWERというバンドを組んで活動している。余談だが、バンド名を日本語に翻訳すると花・花。とりあえず今も元気そうで「あ~よかったな」。

 

ファンと言うわけでもなかったし全然活動を追っていなかった。しかし、ラジオで偶然FLOWER FLOWERの曲を聴いた。ぶったまげたね。滅茶苦茶カッコいいんだ。

 

それから偶然自分の行った音楽フェスでライブを観る機会があった。鳥肌立ったね。滅茶苦茶良い演奏だった。 

 

それからFLOWER FLOWERのCDもきちんと聴いて、凄さや魅力を感じている。ソロ時代のYUIを内心バカにしていた人もいるでしょう。そいつら、全員FLOWER FLOWERの曲を聴いてからYUIに土下座した方が良い。それぐらい良い。

 

自分はしたよ。FLOWER FLOWERのCDに向かって。

 

FLOWER FLOWERを聴いてくれ

 

YUIの全盛期の人気と比べると、今のFLOWER FLOWERの知名度と人気は全然だ。ソロ時代のように世間一般に知られている活動をしているわけではない。かつてのYUIのファンにとっても、YUIをヌルいと思っていた人にとっても、過去のYUIのイメージのままかもしれない。

 

そんな人たちも、とりあえず曲を聴いてくれ。凄いから。

 



上の動画は2ndアルバム「スポットライト」に収録されている「パワフル」という楽曲。

 

最初のイントロからソロ時代とは違う音作りであることがわかる。

 

ソロ時代はアコースティックギターでの弾き語や、キラキラしたポップスを歌っていたイメージのYUI。ソロ時代でもエレキギターが印象的なロックサウンドもあったが、それとも音作りが違う。かなり攻めたアレンジ。

 

歌ではなく演奏が主役とすら感じるほど、印象的な演奏。もしかしたら聴く人を選ぶような編曲で、ヒットチャートにある音楽とは違うマニアックな演奏かもしれない。

 

その演奏にyuiのボーカルが乗っかる。メロディや歌詞はソロ時代を彷彿とさせるキャッチーな部分がある。ハイクオリティで独特な演奏にyuiの個性が合わさると、それがFLOWER FLOWERでしか聴けない音楽になる。 

 

東京事変とFLOWER FLOWER

 

FLOWER FLOWERのメンバーの関係性は東京事変の関係性に近いものを感じる。

 

東京事変は椎名林檎が中心となって結成したバンド。素晴らしいミュージシャンが集まっていたバンドだが、椎名林檎の知名度や人気は他のメンバーと比べると圧倒的だった。

 

最初は椎名林檎がバンドを結成したということで話題になったが、次第に椎名林檎以外のメンバーも知名度や人気が上昇した。東京事変に加入したことで注目され、他のアーティストへのサポートも増えたメンバーや、自身が中心となって活動しているバンドも注目されメジャーデビューしたり、ライブ動員が増えたりと。

 

それは東京事変が「椎名林檎のバックバンド」ではなくメンバー全員が主役と感じるほどの実力も個性も持ったメンバーだからだ。もともと椎名林檎のファンだった人も東京事変をきっかけに事変メンバーが結成したペトロールズやPE'Zに興味を持った人も少なくはないと思う。

 

その関係性やメンバーの高い実力や強い個性は、FLOWER FLOWERと通ずるものがあると思う。

 

主役はyuiだけではない
 

FLOWER FLOWERはyuiが中心になって結成されたバンドだ。しかし、バンドメンバー全員が自身の個性をアピールしているような演奏をする。

 

 yuiのバックバンドではない。メンバー全員が主役のバンドなのだ。

 

例えば上記で紹介した「パワフル」の場合。キーボードのmura☆junの速弾きは楽曲の魅力を引き立たせる重要な役割を持っているし、ベースのmafumafuのスラップ奏法も印象的でかっこいい。ドラムのsacchanの疾走感を感じる演奏はバンドの柱とも感じる。

 

yuiもボーカリストとしてだけでなく、ギタリストとしても歪んだギターでソロも弾いている。

 

それぞれのメンバーの見せ場がある演奏で、最高のパフォーマンスをしている。YUIとそのバックバンドという関係性ではなく、全員対等なバンドなのだ。 

 

音楽性が大きく変わったわけではない

 

ソロ時代と比べると音楽性は変化した部分が目立つ。演奏や音作りは大きく変わった。しかし、変わっていない部分もあるのだ。

 


 

ソロ時代の代表曲でもある「Good-bye days」という楽曲。現在の方が声も太くなって声量も上がったと思う。しかし、口ずさみたくなるメロディや、どことなく繊細で聴き入ってしまう歌声はFLOWER FLOWERでも健在だ。

 

表現の方法は変わったかもしれないが、根本の曲や歌詞の作り方は変わていないのかもしれないとも思う。

 

例えばYUIの楽曲をFLOWER FLOWERで演奏したら、ソロではなくバンドとして成り立つものになるだろう。FLOWER FLOWERの楽曲を弾き語りで歌っても、それはそれで名曲に感じるかもしれない。

 

音楽性の変化で離れてしまったソロ時代のファンもいるかもしれない。しかし、バンドでもソロでも変わらない部分や近い部分がある。

 

どちらも良い楽曲で、良い歌だ。

 

ソロ時代ファンで、バンドになってから離れてしまった人は、FLOWER FLOWERのソロ時代かれ変わらない魅力をたぶん気づいてないでしょ。気づいて欲しいという願い込めてCHE.R.RY。

 

YUIはソロ時代から良いアーティストだった

 

 そして逆にソロ時代を知らずにバンドになってから興味を持った人にも言いたい。自分自身も含んでいるわけですが。

 

きちんと聴いてみるとソロ時代から個性もあったし魅力的な歌を歌っていたと気づく。一度聴けば覚えてしまうようなキャッチーなメロディを作るメロディメイカーでもあった。

 

自分はなんとなくのイメージで良くないと判断し、食わず嫌いしていた。食わず嫌いをしたことでYUIに限らず他の多くのアーティストとの出会いを自ら潰していたかもしれない。

 

その食わず嫌いは新しい音楽との出会いを減らす原因にもなるし、自分の視野を狭める原因にもなる。この記事を読んでる音楽好きの人も音楽に対して食わず嫌いしている人もいるかもしれない。

 

YUIやFLOWER FLOWERに対しても食わず嫌いしている人もいるかもしれない。

 

それはもったいないことをしているかもしれない。せっかくだから食わず嫌いしている人も、FLOWER FLOWERを聴いてほしい。ロックが好きな人ほど気に入るんじゃないかと思う。

 

聴いてみて少しでも良いと思ったら、食わず嫌いしてヌルい音楽と思っていたことを後悔して欲しい。

 

いっそのこと、恥じて欲しい。

 

そして、yuiやFLOWER FLOWERに土下座しろ。

 

自分は土下座しました。