2017-09-25 BiSのプー・ルイのダイエット企画は摂食障害の危険性とは違う問題もある コラム・エッセイ BiS 話題作りで大きくなったBiS 大袈裟に聞こえるかもしれないが、BiSは日本のアイドル界で革命を起こしたグループの1つだと思っている。 BiSの登場前まではキラキラした華やかなアイドルが殆どだった。 曲や歌詞もアイドルソングのテンプレートのようなものがあり、それに当てはめるような可愛らしくポップな曲が多かった。 BiSはそういったアイドルシーンにおいて存在も楽曲も異質だったり 世間一般のイメージするアイドルに対してのカウンターカルチャーのような真逆の存在だった。 BiSはキラキラしてないし全く飾っていない。 人間臭く泥臭い部分も見せたし、他のアイドルが見せない裏の部分も見せていた。 楽曲もロックバンドと張り合えるクオリティの高いロックチューンで、それに魅了された音楽ファンがアイドルに興味を持つきっかけにもなっていた。 今ではBiSのフォロワーと言えるようなロックを歌うアイドルはかなり増えたし、楽曲に力を入れてアイドルファン以外の音楽ファンまで巻き込んでしまうグループも少なくはなくなった。 BiSはそういったアイドルシーンが面白くなるきっかけになるほとの強い影響力やインパクトがあったのだ。 しかし、BiSはアイドルファンや音楽ファンの間では存在は知られているが、一般的な知名度は殆どない。 たまにテレビで紹介されていたので、興味がない人でも多少は知っている人もいるかもしれないが、印象は良いものではないと思う。 テレビでBiSが紹介される際は殆どの場合、過激な演出による話題作りの部分が取り上げられている。 特に過激な演出や放送コードギリギリな内容のMVは話題にされる。 メンバーが全裸で撮影したMVや、ネットに流出したメンバーと彼氏とのプリクラをMVの映像に使用したり、ハメ撮り風のMVを作ったり。 他にも24時間連続フリーライブやロックバンドのライブのような激しいパフォーマンスも話題にされた。 こういった破天荒な活動に関しては嫌悪感を抱いたり色物として見る人も少なくはなかったと思う。 うりゃおい!!! (CD2枚組+DVD) (DELUXE盤) BiS avex trax 2014-07-02 Amazonで購入 楽天市場で購入 なぜ炎上商法をするのか BiSはつばさレコーズという事務所に所属していた。 決して大きな事務所でも力を持っている事務所でもない。 後にエイベックスからメジャーデビューしたものの、活動当初はインディーズレーベルでCDをリリースしていた。 そのためメジャーの大手レコード会社や大きな事務所に所属するグループのように宣伝にお金をかけることもできない。 “売るためのサポート“や“売るためのお金のかけ方”はできない。 使える経費が少なければ宣伝方法も限られてくる。 その場合、正攻法のやり方ではどれだけ良い物を作っても、アイドルファンや音楽リスナーに見つかる機会を作れず注目されることも売れることもないだろう。 そのため、邪道なやり方だとしても注目されて売れるために“見つかるきっかけ”を作ろうとしたのだ。 その方法の1つが全裸でのMVやハメ撮り風のMVだった。 実際に全裸MVで話題になったMy IxxxのMVのYouTubeでの再生回数は400万回再生を超えハメ撮り風MVで話題になったDiEも300万回再生され、多くの人に知られるきっかけになった。 そして話題になってるからとMVを観た人の中には「活動内容は酷いけど曲は悪くないぞ」と思う人も多かったのだろう。 気づけば「曲だけは良いBiS」と言われるようになり、メンバーもネタにして「曲だけは良いんですよ」とテレビやラジオや雑誌などのメディアで話していた。 邪道な活動だったがメジャーデビューもして、すぐに音楽関係者にも認められる存在になった。 西川貴教にも「活動は酷いけど曲は良いな」と言わせたり、GLAYのHISASHIやaikoなど音楽業界の大物もBiSのファンにしてしまった。 只今レコーディングちう。最近は色々バタバタしています💃なので現実逃避に寝る前、必ず咀嚼音動画とBisのPVばかり見ています😝Bisのライブに行きたい。e+で予約はしたんだよ、取りに行かなきゃ😋 — aiko official (@aiko_dochibi) 2014年5月6日 応援してるよ♪ 「primal.」2015.9.12 夏の魔物 HISASHI×プールイ(from LUI FRONTiC 赤羽JAPAN) https://t.co/2nHtPieA2S @YouTube — HISAƧIH (@HISASHI_) 2017年9月20日 つまり売れる事に必死で結果を出すことにメンバーも関係者も必死だから、手段は選ばなかったのだ。 過激な活動は弊害もあったが、力がない事務所がお金をかけずに最大限の結果を出すには、こうするしかなかったのかもしれない。 最近のインタビューでプー・ルイや事務所社長の渡辺淳之介氏も言っていたが、売れたかっただけで過激な事をやりたかったわけではないのだ。 そして、BiSはアイドルの中でも一目置かれる存在になっていたし、BiSに憧れてアイドルを目指す女の子もいるようなグループに成長した。 昔のBiSと今のBiSは違う BiSは2014年の横浜アリーナのライブで解散している。 今のBiSは2016年に再始動してメンバーもプー・ルイ以外は違うメンバーだ。 再始動後はかつてのような過激な活動は減って行った。 それは既にBiS自体が知名度もあったし、姉妹グループであるBiSHは今ではアリーナ規模のワンマンライブをやるほどの人気になっているので、わざわざ話題作りに過激な事をする必要がなくなったためだ。 今のBiSは再始動後地道にライブを積み重ね、ファンとの交流も増やして着実にファンを増やし、パフォーマンスのレベルを上げていた。 ファンも過去のBiSが好きだった人たちとは違うタイプの純粋にアイドルが好きな人や、純粋に楽曲やパフォーマンスに惹かれたファンも増えてきた。 アイドルとして正攻法の活動をしても問題なく人気を上げていた。 それでも過激さは影を潜めてはいるが、話題作りと思われる企画はいくつかはあった。 例えば24時間テレビのようにメンバーが100キロ走るマラソンや車中泊でツアーを回るなどの企画やネタだ。 そして、今回のダイエット企画もそのうちの1つである。 ダイエット企画について BiSを知らない人も巻き込んで炎上したメンバーであるプー・ルイのダイエット企画。 それがどんなものだったか簡単に説明してみる。 プー・ルイがアイドルとしては体重が重い(155cm51キロBMI21.4の普通体重) ↓ アイドルとしては太ってるので事務所社長から「ブタ」と罵られ痩せろと言われる ↓ 事務所社長がRIZAPの金額を払いプー・ルイを通わせてダイエットに挑戦することになる(痩せられなければプー・ルイの自腹になる) ↓ 見事にダイエット成功(44.6キロ) ↓ RIZAPに行かなくなり47キロまでリバウンドし事務所社長とRIZAP卒業時の体重に戻すと約束する ↓ 達成期限だった9月では45キロと400グラム多く約束を守れなかった ↓ 約束を守らなかった罰として一方的に活動休止を言い渡される ↓ 何故かBiSが新メンバーを募集開始する こんなダイエット企画で、これを動画にして定期的にYouTubeにアップロードしていたわけです。 そして最新の動画で約束を果たせなかったため活動休止を一方的に言い渡された事が炎上した。 これご拒食症や過食症になる危険性やパワハラやセクハラではないかと批判されているようです。 ちなみにこの企画は炎上前からファンの間では殆ど話題にもっていない企画でした。 今までのBiSとは違うタイプの過激さ 今回の件はBiSのファンでも批判している人が多い。 過去のBiSを知っているファンなら、これはブックのあるプロレスだと思う人もいるだろう。 それでも批判するファンが多い。 中にはこの件で覚めてしまいファンを辞めると言い出す人もいる。 全裸でMVを撮ったりハメ撮り風のMVを撮ったりとダイエット企画以上に過激な事を過去に行って来たにも関わらずだ。 しかし、それは今回のダイエット企画が過去の過激な活動とは性質が明らかに違うからではと思う。 過去の過激な活動には明確な理由もプラスになる要素もあったが、今回のダイエット企画には明確な理由もないしマイナスになる要素だらけなのだ。 意味のある炎上と意味のない炎上 上記でも言った通り、今回のダイエット企画には行う事に明確な理由もなかったし、プー・ルイ が痩せたという部分ではプラスかもしれないが、マイナス要素の方が多かった。 過去のBiSの活動にはどれだけ過激な活動をしても、そこには明確な理由や目的があった。 例えば過激な内容のMVを作り話題にもなったことで多くの人がYouTubeでMVを観た。 話題になってるからと観た人も自然とMVを観ることでBiSの曲を知ることになる。 それによって実際にファンは増えていったし、ライブ動員やCD売上も上がっていた。 過去の過激な活動やプロモーションは“売る”という部分で理由があり目的のある活動で結果を出していたのだ。 偏見を持たれたり嫌悪感を持たれる可能性もありマイナス要素もあったが、メンバーにとってもファンにとってもプラスの要素も大きかった。 しかし、今回の炎上したダイエット企画はBiSの音楽に触れるきっかけにはならないかと思う。 ダイエット企画の動画はMVではないのでBiSの音楽に触れるわけではない。 新しいファンを獲得するための企画と言うよりも既存のファンを楽しませる企画だったと思われる(ファン企画としてもスベっていたが...)。 この企画をやった理由としてはプー・ルイを痩せさせることと同時にファンに楽しんでもらうことだったと思う。 そんな『ファン向け企画』が偶然にもファンではない人やアイドルにも音楽にも詳しくない人に見つかってしまい、批判をされた。 過去の過激なMVと違ってダイエット動画を観てBiSの音楽や活動に興味を持つことはないだろう。 ただ嫌悪感を持つだけだ。 つまり、過去の過激なMVによる炎上や話題作りは炎上すればするほど多くの人がBiSの音楽に触れる機会になっていたが、今回のダイエット企画は炎上すればするほどBiSに嫌悪感を持つ人が増えるだけなのだ。 目的がぶれてしまったダイエット企画 プー・ルイのダイエット企画の目的がファンに面白がってもらうための企画と仮定してみる。 そう考えると、今回の企画の目的のぶれ方がわかる。 ダイエット企画を失敗したことによりプー・ルイが活動休止をした。 それにより決まっているライブの出演もプー・ルイ以外のメンバーで行う事になった。 ワンマンライブや毎年行っている宮城県女川町でのイベント出演など大切なライブも含めてだ。 プー・ルイ活動休止による販売しているチケットの 払い戻しもない。 これはファンにとっては全くメリットもないマイナス要素しかない事だ。 プー・ルイのパフォーマンスや歌を期待しライブのチケットを勝った人も多いはずだ。 ファンはダイエット企画の動画を観て楽しめないどころか、今後の活動でも失望する事を言われただけなのだ。 メンバーにとっても1人減ることでダンスのフォーメーションを変えたり、いつもと違うライブをしなければいけない事もあるだろう。 思い通りのパフォーマンスはできないかもしれない。 今後プー・ルイが復帰するとしても、活動休止期間ののブランクもある。 メンバー全員、練習に体力も精神力もいつも以上に使うだろう。 ライブも上手くできないかもしれない。 ファンを楽しませる目的からはぶれてしまっているどころか、真逆の結果になってしまった。 今のBiSに求められているものとのズレ 過去に過激な活動や話題作りで知名度を上げたBiSだが、今のBiSと昔のBiSとは別物と思っている人もいるのではと思う。 昔からのファンでも今のBiSに求めているものは過去のBiSとは違うものではないだろうか。 BiSは8月に赤坂BLITZにてワンマンライブを行う予定だった。 再始動後のBiSとしては1番収容人数の多いステージで、新メンバー加入後全国ツアーを周り、その千秋楽公演だ。 チケットはソールドアウトしていた。 しかし、その公演は10月6日に延期になっている。 メンバーであるペリ・ウブが感染性胃腸炎になってしまい入院したためだ。 過去のBiSだったらメンバーが入院しても残りのメンバーで実施していただろう。 メンバーもスタッフも実施そのつもりで動いた事だろう。 中止や延期にすればその分経費も余分にかかってしまうからだ。 しかし、今のBiSはメンバー全員でないとライブはできないと延期を決めた。 経費がかかったとしても、メンバーもスタッフも関係者も全員揃わなければできないと思ってるのだろう。 今のBiSがひたむきに努力して着実にファンを増やしパフォーマンスも上達した。 過去の話題作りで大きくなったBiSとは違い、アイドルとして正攻法で努力して少しづつ結果を出している。 その姿にスタッフや関係者も感動し全員揃わなければBiSとしてパフォーマンスできないと思ったのではないだろうか。 そしてファンも同じように、そんなBiSに共感や感動をしていると思う。 延期に文句を言うファンは殆ど居なかったし、過去のBiSと違って、全員揃わなければBiSでは無いと思っているファンも多い。 今のBiSにファンが求めている事は話題作りの面白さではなく、全員が全力でパフォーマンスし楽しませてくれる事なのだ。 関連記事:BiSは本当に世界を変えるかもしれない。 赤坂BLITZ公演延期から思うこと - オトニッチ- 赤坂BLITZ公演延期については上記の記事で書いてある。 ファンへの裏切り 延期された赤坂BLITZの公演はプー・ルイは参加しない。 活動休止期間だからだ。 BiSは赤坂BLITZでのライブはメンバー全員でやるために延期した。 メンバーが揃わなければできないからと延期した。 それには今のBiSのファンは共感するだろうし、全員揃ったBiSをみんな見たいと思っている。 メンバー全員でライブをらやらないことは、8月に言った延期の理由もファンに対して嘘をついた事になってしまう。 延期することに納得し共感し、全員揃ったBiSを期待していた人たちを裏切った事になってしまう。 そして、それがBiSに近い立場である関係者がプー・ルイを活動休止にしたことによって起こってしまった。 今までのBiSは過激な活動や過酷な活動もあった。 しかし、ファンを裏切るわけではなかった。 真の通ったものばかりだった。 その真が世間の常識や考えからズレていることはあったとしてもだ。 しかし今回はファンの期待や想いも裏切り、既にチケットを販売しているライブもプー・ルイの居ないライブを観なければならないという不利益まで与えている。 どうすれば炎上しなかったのか ダイエット企画を行うことで確かにプー・ルイは痩せて美容体重になった。 「プー・ルイが痩せて良かったね」で終わらせていれば誰も傷つかなかったかもしれない。 その後リバウンドが発覚してからライザップ卒業時の体重に戻すということについて、プー・ルイは400グラム体重が多かったため失敗した。 確かに約束を破ってしまったプー・ルイだが、そもそも守る必要のある約束なのかという話でもあるし、努力をして実際に最初の体重よりも痩せたことは事実だ。 活動休止ではなく、他の罰を与えた方が良かったのではないだろうか。 ダイエットが失敗したのならば、痩せるためにマラソンを走らせたり、ライザップで払った金額を回収するためにCDを手売りするなど違う企画に持っていくことができたのではと思う。 そういった企画ならファンも応援したり楽しむことができた。 いつものBiSならすべてをエンタメに昇華していた気もするが、なぜ今回はデメリットしかない結果にしたのかが不思議だ。 もしかしたら今回もシナリオ通りのプロレスかもしれないが、炎上しファンですらあきれている状態で「プロレスでした」という展開では今更面白くもない。 しかも倫理的に問題もありBiSを知らいない人にただ批判されることになってしまった。 炎上させることはそれほど難しいことではないと思っている。 一般人でもSNSで炎上する時代だ。 しかし炎上して注目されてもそれをプラスに持っていくことは簡単ではない。 過去のBiSはプラスに持っていくことに成功していたが、今回のダイエット企画での炎上はコンビニのアイスケースに入っている写真をSNSに投稿する高校生と同じような炎上だ。 マイナスにしかならないし、あきれてしまう。 これからのBiSについて 新メンバーも入りパフォーマンスも向上してきてグループの雰囲気も良くなっていたBiS。 今回の件はグループの勢いを減退させてしまうような出来事になってしまったかもしれない。 炎上により注目はされたが曲を聴かれたわけでもないし、これをきっかけにBiSを知った人は3日後にはBiSの名前もプー・ルイの名前も忘れてるでしょ? しかし、今回のマイナスを取り返そうとしてまた話題づくりや炎上商法に走ってしまっては逆効果になってしまうだろう。 今のBiSの魅力や強みは別のところにある。 再始動後の活動と同様にひたむきに全力で正攻法の活動を続けることがベストだと感じる。 プー・ルイもきっと戻ってくると思うからね。 今度は炎上することで注目されるのではなく、多くの人に届くような名曲を出して、それを最高のパフォーマンスをすることで注目してもらいたい。 過去のBiSが行ったような「BiSを見つけてもらうための方法」ではなく、「BiSの良さや魅力を伝える方法」を考えて戦略を組んで活動を続けてほしい。 ところで、本当に新メンバー増やすつもり? 【新メンバーオーディション開催決定!!】BiSの新メンバーオーディションを開催します!!応募資格等の詳細はHPをご確認ください!!締切:2017年9月30日https://t.co/bvkyBknOua pic.twitter.com/jwtuKEKSux — BiS−新生アイドル研究会-オフィシャル (@BiSidol) 2017年9月19日 Brand-new idol Society Bis つばさレコーズ 2016-08-10 Amazonで購入 楽天市場で購入