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【全曲レビュー・視聴】集団行動のデビューアルバムの感想。元・相対性理論の真部脩一率いるバンド

相対性理論の成功はこの人の力が大きいのではないか?

 

集団行動というバンドがデビューした。

4月に始動が発表されて、6月からライブ活動を開始し、アルバムもリリースした。

指導発表からの活動ペースはハイペースだ。

 

このバンド、まだ曲が発表される前から話題になっていた。

なぜなら、元・相対性理論のメンバーである真部脩一が中心となって結成された新バンドだからだ。

 

相対性理論と言えばやくしまるえつこのボーカルが注目されることが多いが、初期の相対性理論の音楽の要は真部脩一だ。

デビュー後すぐに話題になった『シフォン主義』やスマッシュヒットし音楽ファンに相対性理論というバンドを知れ渡らせた『ハイファイ新書』の全曲の作詞作曲は真部脩一が行っていた。

つまり、相対性理論の売れるきっかけは真部脩一の力が大きいと言ってもいいだろう。 

 

真部脩一が相対性理論を脱退してからもタルトタタンというバンドを結成もした。

しかし現在は活動休止中。

そして新たに集団行動を結成したわけだが、このバンド、初期の相対性論が好きなら、好きになってしまうサウンドだ。

これね、めちゃくちゃ良いアルバムなんだよ。

 

全7曲のミニアルバム。

今回全曲をレビューしておすすめポイントも解説していきます。

 

 01.ホーミング・ユー

👇画像をクリックで動画になります。


集団行動 - ホーミング・ユー

 

打ち込みの音とギターの絡んだ音から始まる楽曲。

MVも作成された、このアルバムのリードトラックでもある楽曲。

 

メロディも演奏も歌詞も初期の相対性理論を感じる。

シンセの音はタルトタタンぽさもある。

 

ボーカルの声は素朴な声。

特別な特徴があるわけではないが、耳辺りが良く聴いていて心地よい。

真部脩一の音だとすぐにわかるような楽曲。

 

02.ぐるぐる巻き

ぐるぐる巻き

ぐるぐる巻き

  • 集団行動
  • J-Pop
  • ¥250
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”ぐるぐる巻にしてやんよ がんじがらめにしてやんよ”という歌詞のフレーズが印象的。

サビのメロディはスピッツを感じさせるような泣きメロ。

 

個性的な歌詞なのにメロディは切ない。

シンプルな演奏がメロディの良さと歌詞の面白さを引き立てている。

ギターの演奏がとても良い。

 

03.東京ミシュラン24時

東京ミシュラン24時

東京ミシュラン24時

  • 集団行動
  • J-Pop
  • ¥250
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 シンセの音と歌詞がかわいらしい。

これは相対性理論よりもタルトタタンぽさが強い。

 

サビの歌詞のフレーズが印象に残る曲。

特にサビの歌詞の最後のフレーズで曲目でもある”東京ミシュラン24時”と歌うフレーズが一度聴いたら忘れられない。

思わず口ずさんでしまう。

 

シンプルながら心地よいドラムのリズムパターンが好き。

 

04.バイ・バイ・ブラックボード

バイ・バイ・ブラックボード

バイ・バイ・ブラックボード

  • 集団行動
  • J-Pop
  • ¥250
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夜のドライブで聴いたら気持ちよさそうな曲。

ギターのアルペジオが同じ演奏をループしているようだが、途中少し変えているのも聴きどころ。

 

シンプルな演奏ながら、サビの展開がAメロからは想像できない展開をするので面白い。

 

05.土星の環

土星の環

土星の環

  • 集団行動
  • J-Pop
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少し歪んだギターと、アコースティックギターの絡み方が気持ちいい。

演奏は重めなのに歌詞が可愛らしいギャップが癖になる。

 

個人的にドラムのドラムパターンも面白くて好き。

 

06.AED

AED

AED

  • 集団行動
  • J-Pop
  • ¥250
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曲の入り方が、ポップで可愛らしい。

ギターの絡み方が良い。

サビの後のドラムパターンが好き

 

メロディはかなり相対性理論を感じる。

 

07.バックシート・フェアウェル

バックシート・フェアウェル

バックシート・フェアウェル

  • 集団行動
  • J-Pop
  • ¥250
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アルバムの中で最もスローテンポの曲。

切ないメロディと歌詞。

良い意味で隙のある演奏が素晴らしい。

”サビのワンメーターで何キロメーター”というフレーズが印象的。

 

後半に連れて盛り上がり、曲の最後は余韻を残す終わり方をする。

 

 個人的にはアルバムで一番好きな曲。

 

完成度が高いアルバムだが・・・・・・

 

このアルバムは新人バンドのデビューアルバムとしてはかなり完成度が高いです。

新人バンドとはいえ、何年も第一線で活躍しているミュージシャンがコンポーザーなので当たり前ではありますが。

 

特に初期の相対性理論やタルトタタンが好きだった人は気に入るアルバムではないだろうか。

 

しかし、相対性理論と大きく違う部分がある。

それはボーカルだ。

相対性理論でのやくしまるえつこのボーカルは衝撃的だった。

それに対して集団行動のボーカル齋藤里菜の声はそれほど特徴的でもない。

はっきりいて歌もべらぼうに上手いわけではない。

その代わり、演奏の邪魔にもならない、演奏を引き立てるような声だ。

 

やくしまるえつこは声質が良くボーカリストとしてかなりの才能があるので、ボーカルでバンドを引っ張っている部分はあった。

斎藤里菜の場合、バンドの演奏に良くも悪くも馴染んでいる。

 

それにたいして心地よいと思うか、特徴がないかで評価も分かれてくるかもしれない。

 

まだ発展途上のバンド

 

公式サイトにも書いてあるが、集団行動はメンバーを募集している。

現在は3名で活動をしているが、まだメンバーが足りないということだろう。

つまり、まだバンドとして完成していないということだろう。

 

ここから新メンバーも加入して新しく曲を作った時、集団行動として本当に伝えたい音楽が完成するのかもしれない。

今は相対性理論やタルトタタンの流れからできた音楽に感じるが、もしかしたら、これから違う方向の音楽を聴かせてくれるのかもしれない。